「山々雲」とは

「山々雲」という言葉自体は、禅の言葉であり、皆さんそれぞれの考え方が違いますし、取り方も異りますので各自の考え方で解釈すれば良いと思います。
ただ我々は剣道人ですから、剣道の方面から解釈したいと思います。解り易く例を挙げますと、
「ある人が一生懸命剣道をして、日本一になった。ということは一つの山を征服したことと同じ意味であると解釈ができます。
その征服した者が、『あぁ、これで自分が一番上になった』と喜んで周囲を見渡すと、自分のいる山より高い山がそびえ立っているのが見えました。
『あぁ、まだ高い山があったのか。よしもっと修業してあの山を』と、その後、一生懸命修業に修業を重ね、ついにその高い山をも征服しました。今度は本当に高い山でした。
喜んでいると、遙かかなたに険しい山が見えました。それは重なり合った凄い入道雲でした。征服者はそれを見て、『あぁ、まだあそこにも険しい山があったのか』と思い、その後一層の努力を重ね修業に励みました。年もどんどんとってきてついに到達しました。到達してみるとそこには何も見ることもできず、空(くう)でした。すなわち、無であることを悟りました。」
と解釈しています。
我々も空、あるいは無の境地まで修業をしていきたいものですね。お互いがんばりましょう

中尾巌著作 「剣道三昧」より