今日が、大事な日っていうのを
昨日までは、おぼえてたんだけど。
6月6日。
目が覚めた。むっくり上体を起こす。
髪を手ぐしでときながら、あくび1つ。
まわりを見わたす。
ああ、ヒソカの家か。
認識して、ふと。身体を捻ろうとついた左手が髪を。
彼の頭を、押していた。
「…おはよ…」
低血圧らしい。そう、低血圧なのだお互い。
顔を枕に突っ伏したまま、起きる気配のない彼に。
肩まで布団をかけてやる。ぽんと、ひとたたき。
「…もーこんなことしたら…起きれなくなるだろ」
「ねてなよ。ちょっとだけ」
もう少ししたら、起こしてあげる。そう言って、髪を撫でてあげた。
何も言わず、寝返りを打って目を閉じたままの彼を見て、ベッドを出る。
と、カタンと音を立てて、自分の携帯が足元に落ちた。
どうやらベッドの中に携帯があったらしい。
持ったまま寝た?あぁ!服を着替えた時に、ぽんと放ったから。
そのとき布団に絡まったのか。
なんて考えながら。
ひろいあげて、画面を見る。と。
「…あぁ!」
画面いっぱいに広がる、アラーム通知。
アラームはマナーモードで聞こえなかった。無意味じゃん。
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アラーム通知 : 6月6日
6:00 ヒソカの誕生日。
朝ごはんつくろー!
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いつかの私からのメッセージ。
と、口を押さえる。
ヤバイ、忘れてた。昨日までは、覚えてたのに。
あわててシャワーをあびる。
着替えて。急いでメイクをして、お財布を持って。
直径10cmくらいのケーキを買おう。
食べなくてもいい。白いケーキ。ショートケーキとか、ベタなやつがいいな。
そう思いながら、ケーキ屋さんに走る。
あ。今10時30分だ。あいてない…かも。
なんて。
いや、10時まわってたら開いてると信じて。
「これください」
* * *
帰ってきたら、いかにも今シャワーをあび終わったといった格好のヒソカが。
首にタオルをかけて、ぬれた髪。
ソファにあぐらをかいて、テレビの番組を次々見て回していた。
テレビから一瞬目をこちらに向け「お帰り」と言う彼。
あわてて袋をうしろに隠す。
「ただいま」
気付いた時にはテレビに、目を向けていた。
面白い番組がなかったのか、電源を切るばちっと言うような音が聞こえた。
「何、かってきたの」
「ケーキを、ちょっとね」
ケーキ?何でまた。そんな顔を少ししたが、すぐに気付く賢い彼。
「ああ、今日僕の誕生日だったね」
「そうだよーよく覚えてたねー」
朝ごはんはマダなのか問うと、まだだと言ったので。
「なんか、それっぽい料理できないけど」
「手料理ってのがいいんだよ」
気にしないでという風に言ってくれる。
まぁ、現に気にしなそうだけど。
簡単に、四つ切りのトーストを二枚やいて。ベーコンとタマゴをメダマヤキ。
「バターとマヨネーズってどっちがサンドイッチっぽい?」
「うーん僕はマヨネーズかな」
「よしきた」
トーストにうすくマヨネーズをぬってレタスをはさんで、さっきのベーコンエッグをはさんで塩コショウ。
ぶ厚いサンドイッチ。
ざくざくとナナメに切れこみを入れて、プチトマトをまっぷたつにしたものをかざる。
あと、ゆのみに牛乳。
を、彼にもっていく。
「あれ、は食べないの?」
「あたし?…ケーキ、あるし」
「半分、あげるよ」
乙女の「太る」という信号より元気の源が断たれることを察してくれる彼はいい人です(か?)
しゃくしゃく。トーストが、口の中で音をたてる。
ボーっと、音を楽しむ。
ふと。
「おいしいよ」
はっとした。
ばとヒソカを向くと、何もなかったように牛乳を飲んでいた。
ちょっと、テレた。えへ、おいしいだって。
あきらかに足りないだろうので、もうひとつつくると言ったが。
ヒソカは『ケーキがあるから、食べてもおなかすいてたらつくって』
と言った。
* * *
食べ終わって、ケーキを取り出すヒソカ。
心持ち、嬉しそうだ。
「うわ、大きいのかってきたねぇ」
たべれるの?という。
ムリだと思う。
はじめ、10cmくらいのを買おうとしたけど、お店になかった。
ので、できてた20cmを買ってきたのはいいけれど。
ああ、やっぱさんかくに切れたやつ2個かってくればよかったのかと思ってしまう。
切れたケーキって、なんか誕生日にしては縁起悪そうじゃないか?と思う。
ので、ホールを買ったわけで(おおきすぎだろう)
「せっかくだし、クロロとイルミ呼ぼうか」
「えっ」
「ふたりきりがよかった?でも晩、ふたりになれるし」
「うん、楽しそうでいいと思う。けど、2人ともそう都合よく家いるかな」
ピンポォン。
おや。うわさをすれば影と言うやつか。
「おじゃまします」
「うわぁ」
チャイムを鳴らす意味など全くないと思った。
イルミは、窓から入ってきた。ココ、30階なのに。
「あ、。玄関開けてあげて。クロロがいるから」
鳴らしたのはてっきりこの人かと思っていたので。放置しっぱなし。
ごめんねクロロ。
がたこん、と玄関のドアの開く音がした。
ヒソカが行ってくれたみたい。
「あ。…ケーキ」
イルミが、少し大きめの包みをテーブルに置く。
「うん。大きいの買っちゃったから今二人呼ぼうとか言ってたの」
がちゃ、リビングにヒソカとクロロが入ってきた。
今日のクロロは、髪を下ろしてるみたい。幼いなぁ。
「オレも、買ってきたんだけど」
「へ」
テーブルに、チョコレート地のイチゴの25cmホール。
そんなに、たべれましぇん。てか、あたし買ってきたやつより大きいし。
「あっ。俺もケーキ買ってきたんだけど」
一緒に来るなら打ち合わせしとけよ。二人とも…
クロロは13cmのチーズケーキとアップルパイ。絶対自分の趣味だ。
「なんで二個も」
「食べたかったから」
ごもっともですが。
* * *
クロロはワインも持ってきてた。どうやらいいワインらしい。
グラスを4つ用意して、各々が席に着く。
「じゃあ、どうしようかな」
「あ、イルミ髪の毛束ねといたら?ゴム持ってくる」
「ありがと」
「ねぇ、なんでみんな『ヒソカ君おたんじょうびおめでとう』でろうそく7本?」
「「「それ以上になると、はずかしいじゃん」」」
書いてもらうのが。
グラスにワインを注ぐ。注ぎ終わったところで。
「おめでとーヒソカ…って」
「ん。ありがと」
私の言葉を無視して、みんなケーキをあさる。
どうやって食べるとか、そういうのは全く決めなくても。
色んな形で減っていくケーキ。
「クロロ」
「ん?」
「ケーキ、食べたことないだろ」
イルミの台詞に目を向けると。
チーズケーキがドーナッツになってる。
いや、真ん中にスプーンさして。
「これ、僕の誕生日ケーキだよね」
「ごめんごめん」
せめてスプーン止めて謝れ団長。
楽しく時間は過ぎて行き。
ケーキはなぜか、完食。
とにかく、楽しそうにしているヒソカが見れてよかった。
なんて。思って笑った。
次の日、全員胸ヤケしそうだと思ったのは内緒。
end...
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アトガキ
フリーユメにしようと思ったけど
もらってくれる人いんのかな。
ご自由にドウゾデス。
ヒソカお誕生日おめでとっ
0604 doppelt
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