うちのお風呂はユニットバスです。
おふろ。
お風呂といえば、皆さん何を連想しますか。
私の場合、トイレ。でした。
というのも、家のおふろがユニットバスだからで。
お風呂に浸かっていると、もちろん鏡も便座も見えます。
シャワーカーテンを開ければの話ですが。
うちのトイレには、お風呂がついています。
おかしなことに、用をたす時にお風呂に旦那が入っていたりします。
鍵を閉めないあたり、彼らしいといってしまえばそれまでですが。
シャワーの音が、聞こえる。
まぁ、さっと済ませてしまえばいいか。
そう思ってドアを閉めると、?と声が聞こえた。
うん、そう。そう返事をしてから腰をおろす。
ざああああ
きゅっきゅっ
ぱたぱた、ぴたっ。
シャワーが止まった。少し嫌な予感がした。
「そういえば、ねぇ」
しゃっと、シャワーカーテンを開けて旦那の台詞。
おいおい、今トイレ中だぞ。
「閉めてソレ」
動けないままなので抵抗だけ、伝えることにする。
「ああ、ごめんごめん」
なにがごめんなのか、閉めはしない。嫌がらせだろうか。
まぁ、何か考えるところの行為なのだろう。
「一緒にはいろ?」
従ってしまうあたり、わたしだなぁと。
「ねぇ、2人で入る時いつも思うんだけど」
ざあざあ。
「うん?」
さあさあさあ。
「お湯、溜めないものなの?」
あなたの生まれた国では。を隠して伝えて。
お風呂に入るときは、いつも。
2つあるシャワーを両サイドから放水して。
湯船のそこに座って、身体を洗いあう。
「うん、溜めるよ」
なにがうんなんだかと。思いながらも顔がにやける。
ヒソカのシャワーではり付く髪。好き。
コワク的な目線、絡まりたくなくて逸らす。
転換の話題も、浮いて聞こえる。
「今度、1回でいいから溜めてみない?」
あ、やばい。
やだな、心拍数が上がってくる。
「いいよ。何回でも」
目線は彼の口元へ。それが笑いをかたどると。
ああ、悟られてしまった。
私は確信する。
さあさあさあ。
シャワーの水は、40℃位なのかな。
ぬるい、ような。それでいて、かからない部分は寒いような。
あったかい、でももっとそういうこと。
私は知ってるから。
ぱしゃん、ちゃぷ。
背中にシャワーがかかる。
「今日は、キミが上?」
返事をせずに、首に手のひらを巻きつける。
そのまま、背中に腕を絡めて、軽く呼吸。
一度離れて、シャワーを止めた。
ぱたぱたぱた、ぱしゃん。
彼が入ろうと誘わなくても、私はここにいたような気がするの。
そしてきっとまた、彼に煽られていたと思うの。
全ては、必然のよう。
「ふ」
笑う。
唇が、離れる。
ああ、離れる。
「何?」
目を見れない。
口よりも物語るから、私の。
欲でさえ。
「なんでも」
だから、もう一度続けて。
羞恥から言えない、だから察して。
「そんなに、お湯張りたいの」
はは、と笑う。嘘の笑いだ。
ああ、この人にはもう全て。
「違うって、知ってるくせに」
見透かされているから、たまらない。ような。
いじわるで、でも、素敵で。
それでも、と。彼の声が降ってきたのでついに見上げる。
目が合う。
「言って欲しいって、知ってた?」
視界が反転した。
「でぇも」
気が付いたら、彼の喉仏に焦点が合った。
「上はボクだから」
とん、と。おでこ同士がごっつんこ。
「そぅっ」
息を呑む、とはこういうことを言うらしい。
と、頭で私が喋りだした。
頬に、かかる。暖かな息さえ。
私を。
「は」
息が漏れたのは、単に酸欠だからではない。と。
ざらりと、上顎に感覚。
肩と肘の中点から上にかけて、すうと何かが抜けるような。
「ふ」
自分の胸ほどまである蜂蜜の海の中を、走ろうとするような。
もどかしく、まとわりつく、うつくしい、液体を。
連想、して。
「ふ、ぁふ」
彼の頬を手の平で覆い、深くまで、と。求める。
ほんのり、口角が上がったような気がする彼の。
口内はどうなっているのだろう。薄い唇とは裏腹に。
とても、とても。
「ぁ」
ゆっくり、離す。糸、が。
「引いてるね」
「うん」
笑いあう。
まぶたに唇が落ちてくる。すこし熱っぽい。
ほんのり、濡れている。
耳たぶをゆっくりまさぐられて、思わず顎を引く。
すこし熱い息、耳に伝わって涙が出そうに感じる。
「」
名前を呼ぶ声が妙に艶っぽくて。右目の目頭が熱い。
「ん、何?」
いやだ、いやだ。
このまま狂ってしまいそう。
「ねぇ」
ゆっくりと首筋をなぞり下って、下あごから震えが伝わる。
ああもう。ほんとに、もう。
「なぁ、に」
「今、さ」
ほんとに、やめてよ。もう、や。
耐えれない。
「ぅん、ん?」
「手加減できないかも」
もう、ダメ。
触れて欲しい。
「…ぃさしぶり、だ、もん…ね」
呂律が回らない事に構ってられない。ただ。
溺れる、彼に。
「欲しい」
そう告げる彼に。
抗う事など思いつかない。ただ『私も』と。
「食べて、いいよ」
伝えようと、必死になっている自分が。いた。
私たちの情事は主に向い合う体位の物が多い気がする。
声と、表情と、とにかく全てが身近に感じられるからだと思う。
現に風呂場、声が響くし。
でも快感を貪る為だけに行為は絶対にしない。
本当に愛してないとできないことだ、と私は感じる。
以前では考えられなかった事。
「っぁ」
腿の内側を掴む時の、あの焦った表情がスキ。
いつも余裕ある振りするくせに、こういう時はホント別。
まぁ、私しか見れないんだろうと信じて。
「ん、…平気?」
「へ…きっ、はっ、ぅ」
性器の相性は悪いのかしら。
一般的な視点からみたら絶妙だと思う。
あたしのが小さくて、ヒソカのが大きい。
でも、実際両者にとってきつい事この上ない。
達するのが早い事と、時に痛いこと。
「ん、んっ…、力っ、抜いっ…」
どくん、と心臓が鳴る。
いやだ、そんな艶美な声聞かさないで。
力抜けなくなっちゃうよ。
「も、無理、む、りいっ」
揺さぶられて、揺さぶられて。
それでも彼には触れない。バスタブの淵を持つ。
首に手を回すと、最奥まで届くから。
あの快感は、自分勝手なものだから。否。
自分ですら止められないから。
「触れて、ほしい」
と、彼が言葉を言い放った時。
動きが止まる。
焦らさないで、お願いだから。
「や!やめないでっ」
首を掻き抱く。
わぁ、頚動脈の脈がすごく速い。
やだ。変に正気に戻っちゃった。トリップしたままでよかったのに。
ヒソカ、すごい息も荒いし。
頬が赤い、し。
色っぽい。と、
「ぁや、あ」
ゆっくりと、動きが再開。
奥に近づく。や、やだ。やだ。
「そ、の顔。す…ごくっスキ、だなっ」
ぱしゃん、ぱしゃ、ん。
「んぅう!ふ、ぅああっや、やだっやだやだ」
見られたくない、と思ったのは初めて。
行為中、ヒソカの事より自分の快楽のことだけしか考えられなくなったのは2回目。
禁じてたのに、自分の中で。
それすらも、お見通しだったの?
「は、ぅあんっ」
腰が、引ける。
逃げようとする、快楽から。
そして。
彼から。
それと、近づく波から。
「逃がさ、ない…ょ」
ぞわあと、全身のグリコーゲンが。
分解される。
アドレナリンが。と、脳内でなぜが生物の勉強。
「っ、んん!」
唇を、鎖骨に押し付けて声を殺す。
すごい、脈と汗だな。そう思いながら。
首筋と耳に、自ら舌を這わせて。
と、そのとき。
「あゃぁっ!」
動きが、激しくなる。
耳元で、大きく叫んでしまった。うるさくてごめんね。そう思った。
律動が、腿に感じた手の強さが。
いつにも、増して。
「君が、悪い」
そう言った彼を、涙がかすませる瞳で見上げる。
あぁ、焦っている?こらえている?
どちらにしても、淫靡な表情で。
私の視線に気付いて、目を合わせると。
「…っ!」
わ。
照れた!
「ひゃ」
赤くなった、頬が。
熱くなった、彼が。
はじけた。
「こっち、見るの禁止ね」
うなだれかかる彼を、肩で抱いて。
頭を撫でる。
肩が揺れるほど、荒い呼吸。
そして彼はとはまだ繋がったまま。
「なんで?」
ほんの疑問を解消すべく、聞いてみる。
「恥ずかしい…から」
やだ、そんなこといわないでよ。
「こっちまで恥ずかしい…」
ふふふ、と静かに笑いあう。
まだ動く体力がある私は、シャワーコックをひねる。
水が、落ちてくる。
落ちてくる。
お風呂上り、牛乳を飲みながら思う。
ヒトツだけ色がある、って。こういうことを言うのね。
と、行為中頬を染めた彼を思い浮かべて、打ち払う。
やだ、こっちまであかくなってしまう。
「、ボクも」
牛乳、と。
飲みかけのコップを渡す。
「お湯を溜めるのってさ」
うん?と、語り始めた彼を見る。
呼吸数も赤面した顔も、いつものとおりに戻って。
先ほどの行為はユメだったのではないかと思う。
「健康的だけど、水が入ってるとやりずらいね」
いつもの、挑発するような微笑み。
そして、今日も。うれしい日常が繰り返されたと。
私は、安心して。
end...
*****************
アトガキ
シモイ。
シモ過ぎる。
でも、まぁ、これっくらいならあっさりしてていいよね?ね?
と、だれにきいてるんですか。
こんな愛され方したいよね…
あたしだけ?
170521