実は、私彼のこと何も知らなかったのかも。
冷や汗が頬に伝いながら、私はそう確信した。
タオルえらび。
日曜日にサティに来た。
今日はイルミとデート。っていうわけじゃなくて。
ただの買い物。しかも、日用品の。
なんて色気のない…
デートに、なるのかな?ううん、むつかしいところ。
エスカレータで3階について早々、小さな女の子がタオルコーナーで母親に足止めされていた。
のを、二人で見た。見ただけ。特に言葉も交わさない。
わぁ、かわいいタオル。
今その母親が持ち上げた、ピンクの小さな花がいっぱい広がったタオルが印象的だった。
「」
「え、あ。きゃ」
よそ見していたから、エスカレーターに突っかかる。後ろに人がいたから恥ずかしかった。
「調子悪い?」
「ううん」
ちがうの、と。言いそうになったけど。
追求されて話すのがしんどかったので、やめた。
まっすぐ進んで、お鍋のコーナーへ。
狙いは蒸し器。茶碗蒸しって何?といった彼に、作るため。
つくれるのかな、あたし。
なんて考えながら。
後で調べれるし、なんとかなるなる。
それにしても、お鍋はいっぱい種類があって。
ふたりで「どれがいい?」なんて考えながら。
見て回る。
あ、幸せ。
イルミが白いお鍋がいい、と言ったのはなぜなんだろう。
とりあえず、決まって。
「じゃ、会計してくる」
「うん」
綺麗っぽいお鍋を手に持って。
お財布を預かっている私。レジに向かう。
「」
声がした。
「なに?」
振り向く。
「回ってるから」
と、向こうの方を指差しながら、こっちを見るイルミ。
回ってるから、って。
そ、そんなの許可取んなくても勝手に回ってくれて構わないのに。
変に律儀よね、彼、ね。
「わかった」
わかりやすいとこにいてね。って言って。笑う。
てか、笑いが零れた。かわいい。
わかった、と言ったとき、一瞬目が笑ったもの。
お鍋や鉄板を買って。
えへへ、と。袋の中のお鍋を見て、笑う。
と。
あれ?イルミがいない。
きょろきょろと廻りを見渡す。いない。
まさか、許可取ったのって。
建物内のどこかを回ってるからって言う、意味?
はた、と。
レジの人に怪しがられてそうなので、さりげなく店内を回って探すことに。
そそくさと、その場から離れる。
と、広いとおりに出た。ふう、ひとあんしん。
じゃなくて。イルミ探さなきゃ。
エスカレーターで親子の会話。
へぇ、おもちゃかってもらうの?いいわねなんておもいながら親子を見送る。
視界の端っこに、黒い影が写った。
「イルミ…」
だよね。うん、そうだろうなぁあれは。
うんと、あ〜…っと?
ゆっくり近づく。
本人じゃなかったらはづかしいから。
間違えない、とは思うけど。
?
え、まさかね。
うんと、でも?
その、コーナー…って。
え?!なにそれ!!
何持ってんの?!え、え?!
「イル…」
「あ。どうしたの」
いやあんたがどうしたの?!
それ、ピンクの花柄の
もこもこタオル!!
…を持ってはる。
一瞬、私は。
さっき、タオルを持ってたお母さんを思い出した。
お母さん=イルミ?あはは。笑えない…
「か、買うの?」
おそるおそる、聞いてみる。
「ん?いや買わないよ」
にもついっぱいだから。なんだそうです。
ほっと。
こわかった。
コレで髪の毛ふいてるイルミを想像すると、うっ。
とても、ええ。とても。
似合いそうな、怖さが…
よく考えたらイルミっていつもどんなタオル使ってるっけ。
思い、出せるのは。
お風呂上りに白いふわふわっとしたタオル地のバスローブを着て。
白いもふもふっとした大き目のバスタオルで髪を拭きながら。
チョコレートを食べようとして、っていう場面。
…。
… …
うーん。
何で花柄?
後でこっそりヒソカに聞いてみよう。
そんなこと考えてたら、イルミがお鍋を持ってくれた。
「あ、ありがと」
「荷物車に積んでもう一回こここよう」
って、こようとか。
勧誘じゃなくて意思のところが面白い。
彼らしい。
思わず笑みがこぼれる。
荷物を置いて。
先を行くイルミに内緒でヒソカにメール。
『彼の嗜好教えて。タオルの。』
駐車場からのエレベーターに乗ったとき、返信が来た。
「…ぅふ!」
「?」
「ご、ごめなんでもないなんでも」
吹いちゃった。
と、タオルのコーナーに向かってる。のね、やっぱり。
「…どっちかな」
「え?」
この、タオル。
目の前にあるのは、先ほどの。
かわいいタオルさんたち。
「どっちも買えばいいじゃない?」
そう言うと、イルミはすごく綺麗な笑顔を浮かべて。
「うん」
うわあ。こんな顔、みたことない。
でも、なんか複雑なのは、何でかな…
『超少女趣味』
ヒソカのメールには、そうかいてあったとか。
イルミが家で、この花柄タオルを使っているのを見るのは遠くない話。
end...
*************
アトガキ
何が書きたかったのかっていうと。
いるみとおかいもの。っていう。
だったらなんでタオルなんだ?!笑
ある意味面白いとか思った…
170605 doppelt