模型ヨットのクラスと各種レース


模型ヨットのクラスと各種レース

現在行われているRCヨットレースはレース方式やクラスによって分けられており、およそ以下の様な物があります。

レース方式による区分け

・マッチレース
2艇のヨットで所定のコースを走り比べて速さを競うもので、アメリカズカップが有名です。模型の場合は少ないですが、AG社のジャパンカップでは予選ラウンド後の準決勝・決勝で行われていました。現在ではCR−914協会が引き継いで隔年開催しています。相手が1艇だけなのでルールを駆使して相手をブロックして押さえこむというような方法が使われます。(フリートレースではそんな事をしていると第3者に漁夫の利を持って行かれますからね)
一度に大勢がレース参加する事は出来ませんが、上手な人同士の競り合いや技を見学するには良い機会です。(自分が参加していると回りを見ている余裕がないため)上手でなくても同レベルならOK。大差が付くとあまり面白くありません。
マッチレースのために設けられた特別なルールもありますが、とりあえす仲間と2艇持ち寄って競争すれば、マッチレースですね。

・フリートレース
模型ヨットでは一般的なレース方法です。複数のヨット、例えば5艇とか10艇とかで同時走行して順位を決める方法です。バンドの許す限りとなれば地上波の数から20艇まで。それ以上の場合などやコース等によっては、半分づつに分けてAヒート、Bヒートと交互にレースしますが、いずれにせよ一度に大勢参加できます。
同時走行なので、レースは風などの条件が同じということで公平です。更に公平さを保つために全く同じ艇(ワンデザイン)をつかったり、クラス分けされた同等の艇を揃えてレースしたりします。
相手が複数なので、マッチレースとは違った面があります。同時走行と言ってもレース海面に各艇が広がれば、コース選択の差も出てきます。複数の相手との順位争いになるので色々な要素が絡み合って複雑になります。

・タイムレース
風という動力源が変わってしまうので個々に比較する事が出来ずレースには使われませんが、その昔、某メーカーのレースではタイムで順位が決められていたそうです。まさに風任せ!(笑)
実物の場合、世界一周を何日間という具合に記録への挑戦として行われます。模型でも瀬戸内海を横断したりした事があるそうです。





クラス(艇種)による区分け

同時走行で順位をつけるフリートレースの場合でも、実艇では艇(モデル)毎にハンデが決まっている様で、そのハンデをもとに最終成績を計算で出す様です。クルーザーなど高価な艇は同じ艇だけを集めきれないからでしょうね。ディンギー等お手軽な艇は同じ種類毎のクラスで分けられます。お金持ち用の専用レース艇クラスもあるみたいです。
模型の場合もハンデではなくクラスで分けています。実艇とちがって少しお金を出せばそのクラスの艇が買えるからですね。(笑)保管料もかからないし、どれでも参戦できるようにと色々なクラスの艇を持っている人も多いです。
模型は自作艇も頻繁に出てきますし、常に改良されたりしますからハンデを付けるのも難しいわけです。
(ハンデとしては意味合いが違いますが、彩湖ヨットレースでは入門者の艇にリボンを付け、全てに対して優先権を持つというハンデを設けています。初心者保護の特別なルールです。)

クラスはクラスルールで決められており、おおらかな分け方から厳しいものまで色々あります。
いずれの場合も同じ艇同士の同時走行レースとし、単純に着順で結果を決めます。同じクラスが集まるので差がつきにくい場合も多く、10分ほどのレースでゴールは数センチの差などと言うこともしばしばあります。大差が付くと諦めムードになりますが、僅差だと勝っても負けてもハラハラドキドキになり、そこがハマル理由でしょう。


市販ワンデザインの部
  ・・・・ローカルなレースで使われているクラスです。

・U−612クラス:612mm以下の小型艇クラス。
丹野池の独自ルールで普段飾りになっている艇を走らせましょうという趣旨だそうです。風や波に弱いので強風ではレースがキャンセルされるとの事ですが、一番お手軽なクラスです。京商マリンカップの650mm以下クラスがこれに近い物です。本当のローカルなクラブ等のレースやイベントでも手軽さが受けて使われています。

・900mm以下クラス:京商マリンカップ独自規格。
フェアウインドとシードルフィンの対決が見られます。(笑)全く個性の異なる組み合わせなので、気象条件で結果が大きく変わるというクラスです。

・CR−914クラス:AGのワンデザインクラス。
基本的に無改造のワンデザインです。ワンデザインで公平感があり、長く販売が継続されている事、メーカー主催のレースも長期間継続された事などで国内外に根強いファンが居るクラスです。継続は力なりですね。都合でAGは手を引いてしまいましたが、関東(彩湖)の他、青森のノースウインド、丹野池、中部、関西などのローカルなグループで定例レガッタが行われています。

・シーウインドクラス:京商マリンカップ独自規格。
京商マリンカップでは定番のクラスです。やはり艇が大きいので安定しており、マリンカップでは他のクラスがノーコンになりそうな強風でもちゃんとレースになったりします。ローカルクラブでもある程度本格的に取り組んでいる所ではこの艇を選ぶ場合が多いようです。


その他
・イノベータークラス
:タミヤ製ワンデザインクラス。
タミヤのお膝元、丹野池で行われていました。関東支部でも開催された事があります。彩湖でも通常はその他のクラスですね。
・グレーシャスクラス:TKモデルワンデザインクラス。
グレーシャスが発売されていた頃は、独自のワンデザインレースが企画されていたらしいです。関東支部でも開催された事がありますが、やはり今ではその他のくくりですね。



その他の部
  ・・・・JMYS等で行われているクラスです。

・市販艇クラス:市販艇なら何でも可というクラス。
同じ船体(ハル・キール・バラスト・ラダー)でレースしましょうという目的で、どんなキットでも数が集まれば成立します。年1回、JMYSの市販艇日本選手権が行われています。選手権については、これまでの実績を見ると実質的にはグレーシャスと914の2クラスしか成立していない様です。(6艇集まらないといけないらしい)兵庫での開催が艇種に影響しているのかもしれません。また、マルチパネルのフィルムセールが標準的(特にグレーシャスは殆ど全て)な様で、過去の上位はこの仕様の艇です。市販キットの標準セールのままでの参戦では厳しそうですからセールを手に入れるか自作する必要がありそうです。市販艇といっても入門用ではなく、あくまで日本選手権。市販艇をベースにしたスペシャルな艇で行われるチャンピオン決定戦!ベテラン向きのハイレベルなクラスといえるかもしれません。もちろん初心者でもノーマル艇でも参加は自由です!

07年にはJMYS市販艇全日本選手権でシーウインドクラスが実施されました。場所も名古屋の洲原池。参加者の合意でセール等はオリジナルのマリンカップ仕様でした。最低数は5艇以上の間違いでした。(08.06追記)

名前は同じですが、全く異なる認識なのが彩湖ヨットレースの市販艇クラス
これは本当の入門者向け。キット標準が推薦ですが、「改造しちゃったヨットでもOK」というおおらかなレースです。最初のうちに建造規則なんて知らずに改造しちゃうケースだってありますよね。(笑)同じ様なレベルの艇であれば自作艇でも可という優しいクラスです。


・市販36クラス:通称36P、市販艇のうち艇の長さが36インチ以内のクラス。
月例の関東レガッタ等で採用されているJMYS関東支部独自規格。実行面ではJMYS会員に対してはルール通り(セールも含めパーツ等はオリジナルに限る)厳しく縛りをかけ、一般の参加者に対してはJMYS市販艇のルールを適用(ある範囲内で自作も可)する事で、多少改造してしまった艇や補修パーツを自作しても参加を許可する運用がされている様です。月例のレガッタではグレーシャスを選ぶメンバーが多い様ですが、スペシャルレガッタ(不定期イベント)ではグレーシャスやイノベーターに比べ入手のしやすい914のエントリーが多めな状況のようです。(独自規格ですがこちらにくくりました)

シーウインドだけ仲間はずれはかわいそうなので、例外措置としてエントリーが認められました。実質的に36Pから市販艇(一部限定付き)クラスになったわけですね。(09.01.15追記)


・36/600クラス:艇の全長36インチ、セール面積600平方インチというクラス。
アメリカ生まれの同名のクラスを日本へ移植した日本独自のルールで、アメリカの物とはセール面積の計測方法が違うそうです。市販艇の多くもこの規格で作られています。ルール上、設計や構造が自由に出来るので、市販艇を改造したりするほか、自作する人も多いです。カナダなどからの輸入キットも有名です。カーボンマスト、カーボン・ケブラーの船体、フィルムによるマルチパネルセールが普通というクラスです。マルチハル、カンティングキール、2mもあるマストなど色々実験的な試みがなされています。


・IOMクラス:インターナショナルワンメーター、水線長1mのクラスで各部寸法や素材等までかなり厳密な規定があるクラス。
マストはアルミか木材、船体はグラスや熱可塑性樹脂に限るなど一般的な素材や構造に限られたり、各部の重さや大きさ、セールの面積や比率まで厳密に決められています。色々な互換性もとりやすいためか自作も多いです。いじれる部分も極僅か残されているのでその中で工夫してくださいという趣旨ですね。国際級なので世界各国(もちろん国内にも)にビルダーがいて色々な艇が発売されています。主催者の都合でコロコロ変わらないという安心感もありますね。(笑)ルールのため艇が4kgと重いので挙動が安定している事、無理な構造をとらなくて良いので扱いやすく経年変化も少なそうなクラスです。ワンデザインに近い性格のため所有者やレースエントリーも多いクラスです。活躍の場が多いので市販からステップアップするなら一番つぶしの利くクラスかもしれません。一方、性能差は少ないのでダンゴになりがちでレース自体はシビアな感じです。


・Fクラス:JFとも言う水線長1mのクラスだがIOMと違い比較的自由な規定のクラス。
国産のクラス(日本独自規格)で昔は盛んだったそうですが、IOMが出現してからは押され気味の様です。IOMと同様のサイズで、重量制限がないため完全な排水型のIOMと違って36クラス並み(サイズ効率的には36以上)の軽快な走りが出来るのだそうです。シーウインドはこのクラスに適合する艇ですが、やはり重いと良いところが出ないのか見た事がありません。


・RMクラス:M、マーブルヘッドとも言う船長約1.3mのクラス。
マストも2mオーバー、キールも60cmと巨大。これも国際級なので世界各国にビルダーがいて色々な艇が発売されています。もちろん国産艇も。これもカーボンマスト、カーボン・ケブラーの船体が普通というクラスで、36風にいうと50/800クラス。36の兄貴分の様な外観です。36が超軽量で繊細かつ微妙なのに対して、RMは大きいので効率が良く微風から強風まで良く走る事や、挙動も安定していて、実は扱いやすいクラスです。挙動の点からかレースも落ちついている感じがします。数多い模型ヨットのクラスのうちで、唯一総務大臣杯・電波実験社杯がかかるクラスであり、ある意味ヨットの頂点です。問題は保管や運搬が大変な事、関東では愛好者がそれほど多くないのでレースが少ない事です。中部、関西が羨ましい!


・10Rクラス:レーティングという定められた公式の中であれば良いというクラス。
テンレターと言い、これも国際級です。セール面積×喫水線長×8の答えが10以下と言う事らしく、セールを大きくすると船体は小さくなり、船体を大きくするとセールが小さくなるので、どこでバランスを取り速くするか?を競うというクラスなのだそうです。通常は全長1.5m、 6kg位の巨大な艇になるみたいです。もちろんRM艇のハルに超巨大セールを装備する方法も有り(理論上は36に畳ぐらいのセールも有りらしいですが....)だそうで、微風時にはその手も強いらしいです。大きいので多分最も効率が良く、最も速度が出るクラスだろうと思われますが、あまりにも大きく極限られたマニアだけが楽しんでいる世界の様です。選手権もその暴力的なスピードが楽しめるようにと冬場の季節風の時期に行われているマニアックなレースだそうです。



本当に大まかな所ですが、それぞれのクラスの特徴はこんな感じです。(数値等は間違いがあるかもしれません)
各レース主催者等の情報も確認してみてください。

各クラスの建造規則についてもご参考に。


JMYS各支部等のHP などに写真や関連資料などがあります。
36クラスとRMクラスに付いては、 JMYS関東支部等のHP に日本選手権のコーナーがあります。必見です。




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