冬場の全開テスト走行
APIOマフラーに換えてからはじめての低温時の全開走行テストです
●APIOのマフラー「静香御前 舞」に換えてはじめての冬ということもあり、路面凍結の危険がない
程度に気温の低い日を狙って全開テストしてみました。
というのもマフラー交換時にも書きましたがパイプ径を50φから42.7φにしたことから高回転、高負荷
時の排圧の上昇により、結果として排気温度が以前よりも若干高めになったのが気になったので、気温が
低くなりもっともパワーの出るこの時期はさらにそれが顕著に出るのではないかと思い、実際にエンジン
を全開、全負荷の極限状態に追い込んだ時にどの程度排気温度が上昇するのかを確認するためです。
●まずはパワーメーターの表示

↑パワーのピークホールド。
今回走ったのは気温5度程度の比較的寒い日でしたので、夏場の同じ仕様の条件で走ったときより6PS
ほど高い数値を示しています。(今回は燃料添加剤BIGトルクIIは使用しておりません)
表示の絶対値は相変わらず過剰気味ですが、その変化幅(相対値)は気温差を考えれば妥当なところで
しょう。 昨シーズンよりも若干パワーアップしているのはおそらくインタークーラー放熱塗装の効果
も多少はあるのではないかと思われます。 まあ、この程度は誤差の範囲と言われればそれまでですが。

↑最高速度ピークホールド。
しかしパワーのわりにスピードは伸び悩み気味でした。 馬力からすれば180km/hを超えてもおか
しくはないと思ったのですが、実際は5速7000rpm程度までは一気にいくものの、そこから先の伸び
がいまいち悪く、僅かながら180km/hの大台には届きませんでした。
やはりリアマフラーを50φから42.7φにしたことによる「はね返り」がこういったところでハッキリ
と現れています。50φの頃は5速8000rpmオーバーまでなんとかいきましたが、現在の42.7φでは
5速では7000rpmを超えるともう苦しそうで、7500rpmをクリアするのもやっとという印象です。
けっこう踏み続けましたがタコメーター目測で7600rpm〜7700rpmというところが精一杯でした。
(ちなみに、エンジン回転数からの計算上では現在の私の車のタイヤサイズ(205/65-16)では
7500rpmで約178km/h、7700rpmで約182km/h、8000rpmで約190km/hとなります)
このK6Aエンジンのノーマルでのピークパワー回転数は6500rpmですが、タービン交換等により
そのポイントが500rpmほど上にずれていると考えてもピークは7000rpm程度ですので、そこを超え
てからのトルクの落ち込みがどの程度かによってどこまで回転が引っ張れるかが決まってきます。
おそらく、ピークパワー自体は確実にアップしているのですが、そのピークを超えてから先の回転での
トルクの落ち込みが大きいというパワーカーブ(トルクカーブ)になったために以前よりトップエンド
付近での伸び悪くなっているのでしょう。
やはりHT07-A/R12タービンでブースト1.5kをかけ、かつ5速全開の高負荷で7000rpmを超えると
いう条件になるとさすがに42.7φ程度のマフラーではやや細いのか抜けが悪く、排気抵抗が大きいと
いうことなのだと思われます。
※念のため…このスピードはあくまでも「公道外」で出したものと解釈してください。
●排気温度

↑排気温度ピークホールド
気になった排気温度ですが、予想通りというかやはり以前より上昇し、さすがにこの温度域になると
やや問題アリかなと思います。
5速全開にして踏みっぱなしでしばらく走ると排気温度計のワーニングランプ(私は900度を少し超えた
ところで点灯するように設定しています)が点灯し、最終的には920度まで上がっていました。
ブースト圧は以前と同じ1.5kですし、リアマフラーが50φの頃は同じ条件で全開しても900度には届かな
かったわけですので、これは間違いなくマフラー径の細径化の影響だと思われます。
42.7φに細くしたことで排気抵抗、つまり排圧が若干増え、それにより排気の流れに滞留が起きエキマニ
部での「熱だまり」によって排気温度が高くなったのだと予想します。 もちろん、これは5速全開を
し続けなければ問題はないのですが、一応は安心して全開できるセッティングにしておきたいのでちょっと
思案のしどころです。
いちばん手っ取り早い対策はブーストをあと0.1下げれば良いのでしょうが、あからさまに出力を犠牲に
するのは嫌なのでそれ以外の方法を考えたいと思います。
●とりあえずの対処

↑SFC-MULTIのHIを3ノッチ濃い方向に振ってみました。 どの程度効果が出るかわかりませんが、
要するに若干濃い目にしていわゆる燃料冷却(ガソリン冷却)による温度低下を期待しての対処です。

↑結果、わずか10度ほどですが排気温度は下がりました。 しかし根本的な対処にはなっていないこと
は確かなので、これ以上はブースト圧を下げるか、あるいはリアマフラーをもうちょっと太いものに
しないと900度以下に抑えるのは難しいと思われます。
ただ、前述しましたように900度を超えるのは5速全開をキープしてしばらく走ってからの話なので、
実際それほど長い時間このスピードで走ることはないので実用上は問題ないとも言えるのですが…
まぁ、900度を超えたからといってデトネーションやノッキングが発生してなければすぐにエンジンが
壊れるようなことにはなりませんが、なにより心臓に悪いです(笑)
●まとめ
マフラーひとつで限界走行時の変化はけっこう大きなものになることがわかりましたが、リアマフラー
の径によってこれだけ影響を受けるのに対して、過去のデーターを振り返ってみると触媒ありと触媒なし
の時では排気温度に差はほとんどありませんでしたので、触媒は実はあまり抵抗になってないことも同時
にわかってきました。(もちろんこれは純正触媒のことではなく流用メタル触媒付きフロントパイプの
ことです。純正触媒ではさすがに抵抗が大きすぎますので) やはり流用したR34GT-R用メタル触媒は
軽自動車クラスの小排気量エンジンにとってはかなり効率が良いということなのでしょう。
まあ、現在つけている42.7φの静香御前 舞マフラーに換えた目的が実用域(低中速域)のトルクアップ
にあったわけですので、実用域のトルク重視にすればこうした高回転でのトルクが犠牲になるのは当然で、
逆に高速での伸びを重視すれば街乗りでのトルクが犠牲になるので、このバランスが難しいところです。
しかしこういった微妙な変化を楽しめるのも小排気量車チューニングの面白い所ではないかと思います。
絶対的なパワーとか絶対的な速さではなく、自分で少しづつ手を加えた時にどこがどのように変化する
のかを身を持って体感できるところが面白く、なにより様々な面で勉強になります。 そういう意味では
軽自動車というのは実に面白い「素材」だなと思います。
昔乗っていたパルサーGTi-RやR32GT-Rのような車もそれはそれで面白かったですが、このジムニーには
またそれとは違う方向性の面白さがあると感じています。
●こうなるとまた45φ〜50φクラスのマフラーにしてどう変化するのかを試してみたくなってきました。
現在気になっているのは以前にも書きましたがHKSのハイパワー409マフラー(50.8φ)と、タニグチの
ステンレスマフラー(45φ)です。

↑左がORSタニグチのステンレスマフラー、右がHKSのハイパワー409マフラー。 共にJASMA認定品。
HKSのほうはツインサイレンサー構造で近接騒音83dbと非常に静かなのが良いのですがパイプ径が50φ
とやや太いため実用域でのトルク低下が起きるのではないかというのが気になります。
逆にタニグチのほうは45φなので今のAPIOよりは上も期待でき、且つ実用域のトルク低下も少ないので
はないかと思いますが、シングルサイレンサーのため近接騒音が91dbとやや大きいのが気掛かりです。
このHKSの83dbとタニグチの91dbの8dbの差は、人間の耳で聴くと人にもよりますが倍以上の音量差に
感じるくらい大きな違いがあります。 たしかに91dbでも保安基準内の音量ではあるのですが、実際の
ところ90dbを超えるとかなり五月蝿く感じますので、この90dbあたりが私の許せるボーダーラインかと。
(ちなみに現在私がつけているAPIOの静香御前 舞マフラーは近接騒音82.8dbとHKSとほぼ同等です)
もちろん他の選択肢もありますし、現在つけているAPIOのマフラーも実用域を中心に考えればトルクフル
で乗りやすくけっして悪くはないので、今後どうするかはしばらく考えてから決めることとします。