ブースト圧1.7kでの最高速アタック、ついに200km/hオーバー達成!
たった1度限りですがポテンシャル確認のためテストアタックしてみました
●私のJA22Wジムニーもエンジンオーバーホール兼ファインチューンから早くも3年半が経過、
ポート研磨やHB21SアルトワークスRカムシャフトなどを入れ、それまでのノーマルエンジン時代
よりブースト圧を低めにしても同じ程度のパワーが出るので、今までずっとブースト圧1.3kg/cm^2
で乗ってきました。

しかし、その後インジェクターもSARDの300cc、12ホールに換えたことですし、以前のワークスR純正
インジェクター260ccよりも燃料供給には余裕が出ているのではないかと考え、油温が上がりにくい
冬に入ったこともあり、試しにブースト圧を1.7kg/cm^2まで上げ「1回限りの最高速アタック」をやって
みました。 もちろん燃料ポンプは純正のままなので、排気温度計をよく監視しながら燃料不足にならない
よう注意し、また、高速ノッキング音にも注意を払いつつ慎重に慎重を期しておこないました。
この日の夜は晴れで気温は7度ほど、ほぼ無風で条件としてはベストに近いコンディションでした。
エンジンオイルは交換したばかりで新品状態のMOTUL 300V CHRONO(10W-40)、使用点火プラグは
DENSOのイリジウムレーシングプラグIXU01-27です。
<ブースト設定と実際の走行までのプロセス>
●直線路で、3速以上のギアでフルスロットルをくりかえしながらEVCのダイヤルを少しづつ上げていき、
MAX過給圧を1.7kgf/cm^2にセット、平坦路で全開加速、3速、4速で8500rpmまでフル加速、この段階
で今までとはまるで違うターボパワーに車体がついてこれないでかなり暴れるのを感じながらもそれを必死
でハンドル操作で抑えながら5速へシフトアップ、路面のうねりにかなりタイヤを取られながらもアクセル
は全開、タコメーターの針はどんどん上昇し、7200rpm、7500rpm(いつもはこのあたりが限界)を超え
185/85-16の大径タイヤでありながら、ついには8000rpmも超え、おおよそですが、8300rpm付近まで
到達、この時点で油温計の温度は約120度弱、排気温度は860度で安定しており、ノッキング音もなく、
水温も低く、ブースト圧もタレやハンチングもまったくなく安定、エンジンそのものはなんら問題ない感じ
でしたが、さすがに車体のほうがもう限界で、サスペンションやボディ(フレーム)が悲鳴をあげるような
感じでバタバタしまくるのでこれ以上連続全開走行を続けるのはあまりに危険と判断、徐々にアクセルを
緩めていきました。
●最高速度、ついに夢の200km/h超えを達成!

↑ブリッツ、パワーメーターiDの最高速ピークホールド。
メーター読みなので実測とはだいぶ差はあるとはいえ、ついに初の時速200キロオーバーを記録、「214km/h」
と自分でも「マジかよ?!」って思えるほどです。 もちろん、タイヤ外径補正のキャリブレーションはして
あります。実測ではやっと190km/hオーバーくらいでしょうかね。 しかしメーター読みとは言え200km/h
の大台クリアーには歓喜です! やっぱワークスRカム+HT07-A/R12ハイフロータービンのブースト1.7kの
パワーはダテじゃないってところでしょうか。 空力的には最悪と言える旧型ジムニーのボディをこのスピード
まで引っ張ってくれました。 もちろん、前述しましたように、この夜は気温も適度に低く、ほぼ無風と好条件
が揃ったこともかなりこの記録に貢献したと思います。
しかし、正直なところもう2度とやりたくないです。 私も過去にはR32GT-Rでメーター読み300km/hオーバー
とか平気でやってた「最高速族」でしたが、さすがに旧ジムニーでこのスピードは死ねます。現行のJB23ジムニー
ならまだ空力も良くホイールベースも長いので安定するのでしょうけどね。
●パワーのピークホールドのほうはもうメチャクチャです。

↑パワーのピークホールドはもう車が跳ねるくらいにホイールスピンしてるのでメチャクチャな数値を記録。
なんと251PSとありえない数字が馬力表示されていました。 さすがにこれには笑うしかないですよね。
実際の出力は130PS台だと思います。私の現状エンジンでは150PSまでは出てないでしょう。 ハード的に
はもっとパワーが出せるポテンシャルはありますが、なにしろソフト面、つまり燃調(A/F)や点火時期など
のセッティング面がアバウトすぎる状態で「ただ燃料が足りているだけ」という状態ですので。
HKSのF-CON V Proなどのフルコンを使って空燃比や点火時期のセットアップをもっとしっかりやってやれ
ばブースト圧に頼らなくてもまだまだパワーアップできる余力はあります。
●排気温度計のピークホールド。

↑排気温度は安定の860度。 これは驚いたことにブースト1.3kのときとほとんど変わりませんでした。
やはりインジェクターを300ccにして余裕が出たのでしょう。 以前のワークスRインジェクター260ccの
ときはブースト1.6kでもう900度を超えてましたから、300ccの12ホールインジェクターにしたことでだいぶ
マージンが広がり、燃料冷却(ガソリン冷却)が効いているのだと思います。 この様子だとまだ燃料ポンプ
はノーマルのままでいけそうで大丈夫そうです。 ちなみに燃圧レギュレーターも純正の2.7kのままです。
やはり旧規格のK6Aエンジン車は燃料供給系にはけっこう余裕があるということなのでしょう。
●SFC-MULTIのセット。

↑SFC-MULTIのダイヤルセットはこんな感じ。 HIは相変わらずめいっぱい絞ってます。 基本的には
ブースト1.3kのときとまったく同じで、ほとんどいじっていません。
●ブースト1.7kでの走行は今回限りです。
今回のアタックはあくまでも現時点での私のエンジンの限界を探ってみたいというだけのものですので、
1回きり(実際には2度アタックしましたが)のハイブースト実験です。 しかし、K6Aエンジンの底力を
知るには充分な手応えを感じました。
もちろん、常時こんなハイブーストではエンジンが長くは持ちませんので現在は元の1.3kに戻してあります。
今回のアタック後、充分にクールダウン走行し、その後各部のチェックもしましたが、まったくどこも異常
はありませんでした。 むしろ、全開走行したことで燃焼室などに堆積したカーボンがきれいに吹き飛んだ
のか、以前より調子よくなりました。

↑アタック後もアイドリング負圧は-450mmHg以上をキープしており、エンジンからの異音もなく、
まったく異常はありません。 もちろん、クーラント(LLC)の吹き出しとかもまったくありません。
ヘッドとブロックを精密面研し、強化メタルヘッドガスケットを組んだ私のK6Aエンジンはこのくらい
じゃへこたれません。 しかし、これがもしノーマルのヘッドガスケットだったら間違いなく持ちません。
シール層が破れ、簡単に吹き抜けてしまうでしょう。
K6Aをチューニングするならヘッドとブロックの精密面研(歪みがあろうと無かろうと)と強化シール&
強化ビードメタルヘッドガスケットは絶対に必要なチューニングメニューです。

↑モンスタースポーツ製K6A用強化メタルヘッドガスケット。
K6Aをハイパワーチューニングするなら絶対必要なパーツです。 K6Aは純正でもメタルガスケットです
が、両面のラバーシール層が弱く破れて吹き抜けます。 モンスタースポーツのこの強化メタルガスケット
は、そのシール層が強化され、さらに各ビードも強化されているので、よりハイブースト、高い燃焼圧力に
耐えられます。さらに、熱伝導率も高いので冷却が良くノッキングも起こりにくくなります。
ただし、この強化ガスケットの密着性を上げるためにも、ヘッドとブロックの合わせ面はたとえ歪みが
基準値内(0.03mm以内)であっても「面粗度」を向上させるために精密面研することを忘れずにおこなう
ことです。 ノーマルの粗い仕上げ面のままこの強化ガスケットを組んでも充分な性能を発揮できません。

↑平面研磨機によって「精密面研」した私のK6Aエンジンのシリンダーヘッド。 一般的なフライスに
よるヘッド面研よりもワンランク上のミクロンオーダー、つまり1/1000mm単位の精度が出せます。
これによって面圧がより均一になることから強化メタルガスケットの性能を100%引き出します。
●K6Aチューニングは本当に排気量アップが良策と言えるのか?
今回のことでも感じましたが、K6Aエンジンでハイブースト&高回転でパワーを出す場合、下手にシリンダー
ライナー(シリンダースリーブ)を入れ替えてボアアップするより、ノーマルボア径のままにしてライナーの
厚みを確保したほうが剛性、耐久性ではかなり有利になるのではないかと考えています。
オープンデッキにウェットライナーというウィークポイントを持つデリケートな構造のK6Aエンジンでは
下手にスリーブを打ち替えるとシリンダーの剛性が低下し、微振動を起こして(ライナーが首振り振動する)
ヘッドガスケットの吹き抜けの原因に繋がるリスクが高くなりますので、かえって660ccのままでパワーを
出すほうが安心して踏んでいけるのではないかと思うのです。
逆にあまり高回転まで回さず、低回転でのトルクを重視したい人はライナーを入れ替えてボアアップやさらに
クランクシャフトも換えて排気量アップをする(モンスターの740ccキットやJUNの830ccキットなど)の
選択も一考する価値はあるかと思いますが、シリンダーブロックおよびライナーの剛性は確実にノーマルより
低下するのは間違いないので、高回転&ハイブーストではトラブルが起きやすくなるだけと思われます。

↑モンスタースポーツの740ccキット。
プラス80ccの排気量アップは魅力的に見えますが、結構トラブルが起きているという噂も聞きます。
JUNの830ccキットもそうですが、K6Aは構造上、ライナーやブロック本体の剛性が低いので、あまり安直な
考えでボアアップ等はしないほうが大パワーに対しての安全マージンは高いと思います。 なので、ハードに
使う人はノーマルボア径の鍛造ピストン(ワークスR純正ピストン等)を選択するほうが賢明かもしれません。

↑JUNマシンショップの830ccキット。
たしかに低回転から実用域のトルクは大幅に上がると思いますが、高回転はおそらく回らなくなるでしょう。
このキットは性格的にどちらかというとMT車よりAT車のほうに向いているかもしれませんね。
それと、コンロッドも安直に社外のH断面などの強化コンロッドは入れないほうが良いです。 と言うのも、
社外のコンロッドにはピストン裏側を冷却するためのオイルジェットがついてないことが多いため、とくに
冷却が重要な2番ピストンが熱でトラブルを起こす危険性が高まるからです。 以前から何度か書いています
が、とにかく軽自動車の直3エンジンは2番ピストンに熱が集中するため、これをいかに冷却してやるかが
ハイパワー化でなおかつ耐久性を持たせるかのカギなのです。 濃いめの空燃比による燃料冷却はもちろん
のこと、場合によってはオイルジェット(ピストンクーラー)の追加などの改造も有効となります。

↑今は廃盤となりましたが、スズキスポーツが出していたK6A用強化コンロッド。 これはちゃんと純正の
オイルジェットを活かしてあります。
<おまけ> 現在考えている今後のチューニングプラン構想
●フロントパイプを現在の45φから50φにしたい
フロントパイプ径を現在の45φから50φにすることで、単純計算で断面積が23%拡大されます。 このくらい
なら現在とそれほどエンジンのトルク特性に影響を与えることなくより排気効率のアップが図れるはず。
もちろん触媒は現在のR34 GT-R用メタルキャタライザーを継続使用して、車検対応の合法仕様として使います。
●リアマフラーをそろそろ別のものに変えたい
現在つけているMRSマフラーは非常に高性能で気に入っているのですが、さすがにそろそろ4年経過して音量
も新品時より増加してきているので次のマフラーを探さなければと考えています。
第一候補は以前から何度も書いてるようにHKSのハイパワー409マフラーですが、現在のMRS 50.8φ砲弾
サイレンサーマフラーよりは確実にパワー、トルクともに落ちるのは目に見えているので、他に高性能な
マフラーがあれば探してみたいと考えています。 最悪はコスト次第ですが、フロントパイプとセットで
ワンオフでの製作も視野に入れて考えてもいます。
と言うのも、JA22のフロントパイプとリアマフラーの接合部には球面リングガスケットが使われていて、
この内径が45φであるため、仮にオール50φで作っても純正ガスケットを使用する限りはこの部分で径を
絞らないとならないため、それならいっそ純正ガスケットを使用しない設計でワンオフ製作してしまったほう
がストレートとなり排気効率が高くできますので。 フランジを使わず、オートバイの社外マフラーのように
差し込み式にしてスプリングフック式にするというのも段差ができないのでアリかもしれません。
60φというプランもないことはありませんが、サイレンサーの消音能力との兼ね合いもありますので、この
あたりはサイレンサーによる排圧の上昇、排気慣性効果および排気流速とのバランスで考えなければなりま
せん。 これについてはかなり奥が深い専門的な話になるので、近いうちにあらためて詳しく記事にして説明
します。 マフラーはただ太ければ抜けが良いというような単純なものではないからです。
●トランスミッション(ギアボックス)のオーバーホールと5速ギアレシオの変更
私のミッションはそろそろ2速のシンクロが弱くなってきていて、シフトダウンのときなどに「ガリッ」と
いうことが多くなってきたため、OHを考える時期にきています。 ですが、安く上げるならリビルトミッション
という選択もあるのですが、ただ元に戻すだけではつまらないので、これも以前からやってみたかったこと
として、5速ギアをJA12V用のギアを組み込んで、5速のみハイギアード化する構想をしています。
これをおこなうことで、ノーマルの5速ギアレシオ0.790から0.711へと約11%のハイギアードになるため、
高速巡航時のエンジン回転数が下げられることと、エンジンパワーが充分であれば最高速度のアップも見込める
可能性があるわけです。 とくに今回のハイブースト最高速アタックでは、あと少しで5速でも8500rpmの
レッドゾーン直前まで回ってしまったので、多少でもギア比で余裕を稼いでおきたいというのもあります。
これも詳細はそのうち記事にして掲載したいと思います。
●ちなみに、私の車の現在の仕様(185/85-16タイヤ)で計算したときの最高速度は以下のようになります。
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●フライホイールの軽量加工
これは上記ミッションOHの際に同時におこないたい加工です。 ただ、純正の鋳鉄フライホイールはあまり
大幅に肉抜きすると面剛性が低下しすぎてジャダーやクラックの発生、最悪は破損の原因になる上、坂道発進
なども辛くなるため、最小限の回転慣性質量低減に留めるつもりです。 この純正フライホイール軽量加工の
注意点などもそのうち記事にして掲載したいと思います。

●どちらにしても、今回のハイブースト最高速アタックは現在の仕様のポテンシャルを知る意味では有意義な
経験となりました。 しかし、賢明なジムニーユーザーの皆様はこんなバカなことはやらないほうが長生き
できると思いますのでご注意くださいませ。
※なお、念のため今回のこの走行は一般公道ではない場所でおこなったものと解釈してください。