エアクリーナー(エアフィルター)はどの製品がもっとも優れているか?

俗に言うキノコ型エアクリーナーには各社製品それぞれ長所、短所はありますが…


 

↑スポンジタイプの代表格であるHKSパワーフローリローデッドと、コットンタイプの私が今まで

使っていたキノクニ(RUN-MAX)のエアフィルター。ともに外径200φです。「軽自動車には大き

すぎるんじゃないか?」と思う方もいるかと思いますが、たしかにノーマルタービンブーストアップ

程度ならたとえば150φのパワーフローでも充分かもしれません。 しかし、軽自動車と言えども

100PSを大きく超えてくるほどのパワーアップをするとフィルターの抵抗の違いでブーストの立ち

上がりやトップエンドの伸びがまったく変わってしまうことを私も実走で確認していますので、

決してオーバーサイズではありません。 ひとつの目安として130PSを超えるようなチューニング

をしたエンジンならば「可能な限り大きな(表面積の広い)」エアクリーナーを使うべきです。

↑こちらはK&Nのエアフィルター。キノクニと同じコットンタイプの専用オイルを染み込ませる湿式

(正しくはビスカス式と呼びます)エレメントです。

 

キノコ型(むき出しタイプ)のエアクリーナーは安価な製品から高価な製品まで、また、明らかに

性能の劣るものから高性能なものまで多種多様に販売されていますが、今回はその中でも「代表格」

とも呼べる製品、当然、私から見て「それなりに信頼できる性能を持つ製品」をいろんな面から比較

してみたいと思います。


純粋に吸気抵抗の低さから言えばコットンタイプの方が有利と言えるのか?

<キノクニ(RUN-MAX)>

↑画像をクリックすると別ウインドウで拡大表示します

これはキノクニのカタログに載っていた各社製品のエアフィルターの吸気抵抗をフローベンチテスター

で計測したグラフおよび、それに対するキノクニ流の見解。 K&N以外は名指しは避けていますが、

国産C社はおそらくHPIかブリッツ、国産B社はHKSのことだと思われます。 このグラフをそのまま

「額面通り」に受け止めればキノクニのエアクリーナーは非常に優秀となるわけですが、もちろん、

これは第三者のテストではなくメーカー自身のものなので「自社製品がもっとも優秀だと宣伝するのは

当たり前」ですので、短絡的に鵜呑みにするのは早計というものです。 そもそも、対象各社製品の

比較対象となっているエアフィルター本体のサイズや形状も不明なのですから、これだけでは何も判断

できないということです。

 

<K&Nフィルターエレメント>

↑こちらはK&N社の比較グラフ。 こちらもやっぱり「自社製品を一番にしたい」ですから、これも

どこまで信じていいやらって感じですね。私も過去にK&Nのフィルターを使用したことはありますので、

たしかに優秀な性能であることは認めますが、では、たとえばパワーフローなどのスポンジタイプの

フィルターと比べて本当にすべての面で優秀なのかというと、それを証明するのは難しいでしょうね。

どちらのタイプにもそれぞれ一長一短があります。

 

<HKSパワーフロー>

↑こちらはHKSのグラフですが、これは他社製品との比較ではなく、パワーフローに使用するスポンジ材

および湿式、乾式によるダスト捕獲性能およびそれに伴う吸気抵抗の増加をテストしたもので、単純に他社

製品との比較よりも「より実用時に近い条件でのグラフ」であると言えます。

↑こっちは同じくHKSスーパーパワーフロー純正の湿式2層フィルターと乾式3層フィルターの「使用経過に

伴う吸気抵抗上昇グラフ」です。 これによると、新品時は湿式2層のほうが吸気抵抗は少ないですが、走行

距離を重ねてダスト捕獲量が増えてくる(つまりフィルターが汚れてくる)とあるポイントで逆転して乾式3層

のほうが吸気抵抗が少なくなるという結果になるようです。言い方を変えると湿式2層よりも乾式3層のほうが

フィルターライフが長いということになります。HKSは他社のように単純に「新品時の吸気性能」だけではなく

「使用して汚れてきたときにどれだけ吸入抵抗が増加するか」という「実用時に重視される性能」をテストして

公表しているあたりは好感が持てますね。 新品時にいくら吸気抵抗が低くてもすぐに目詰まりしてしまうよう

では困りますから、こういうテストデータは重要です。

 

<トラスト エアインクス Bタイプ>

これはHKSのパワーフローの「模倣品」と言われても仕方ない製品ですが、私の周りでもそこそこ使っている

人がいます。 基本的には吸気抵抗低減を最重視した製品で、正直、ダストの集塵性能は低く、乾式2層の

スポンジフィルターはかなり目が粗く、ハッキリ言って「ザル」で、HKSパワーフローの湿式2層フィルター

よりもゴミを吸います。このエアインクスのトラスト純正フィルターはかなりダストを吸い込みますので、

ジムニーのような車でオフロードを走る人には正直オススメできません。 ですので、中には集塵性能の高い

HKSパワーフロー用の乾式3層フィルターをこのエアインクスに流用している人も多いようです。

↑エアインクスについては具体的な性能を示せるデータはあまりありません。 このグラフはロードスター

でのものですが、たしかにわずかにパワーアップしていますが、こんなのは誤差の範囲でしかありませんので

あまり参考になりません。 とは言え、集塵性能をある程度犠牲にしてもパワー優先であることは間違いない

ので、割り切れば悪いエアフィルターではないと思います。 ただ、私個人的にはHKSのパワーフローのほう

がエンジンにも優しく、内部のファンネル形状も理想に近いので、トータル性能ではパワーフローのほうが上

だと思っています。やはりエアインクスよりも歴史のあるパワーフローのほうが「一日の長」があるのは確か

でしょうね。

 

以上のように、やはり有名どころでは各社エアフィルターの開発にはそれなりに独自テストをして真面目に

開発はしているようです。 本当なら私自身が自作で掃除機などを使い、内部の負圧を比較することができる

水柱計のようなものをつけた「フローテスター」みたいのを作って各社のエアフィルターの吸入抵抗を比較

できれば面白いと思っているのですが、さすがに現時点ではそこまでやる気力(と財力も)はないです。


コットンフィルターとスポンジフィルターではどちらがライフが長いか

これはあくまでも私の見解ですが「新品時はK&Nなどをはじめとするコットンフィルターのほうが吸気抵抗

が低いでしょう。しかし走行距離を重ねてフィルターが汚れてくるとHKSなどのスポンジフィルターのほう

が吸気抵抗が増加しにくいと言えます」。 この理由は、K&Nなどのコットンフィルターはその表面のみで

汚れを吸着する、言わば「2次元的に集塵するため短期間でフィルターの目が詰まり易い」のに対して、

HKSなどのスポンジフィルターは表面だけでなくその内部の連続気泡内を空気が通過しながら集塵する、

言わば「3次元的に集塵するため、目が詰まりにくい」ためです。なので、一概にどちらがライフが長い

かとは言いにくいのですが、走行距離や汚れによる性能低下がしにくいと言う意味では、スポンジフィルター

のほうがやや有利かもしれません。

ただ、スポンジフィルターで気をつけなければいけないのは、素材であるウレタンフォーム材は大気中に

放っておいただけでも空気中の水分により「加水分解」して次第に「ボロボロ」になってしまうので、仮に

走行距離がまだ交換時期に達してなくても年に1回は交換することが重要です。ですので、たまにパワーフロー

のフィルターを「洗って何回もくり返し使用する」人がいますが、これは厳禁です。きちんと定期的に毎回、

新品と交換するべきです。 逆に、洗浄再使用が可能なコットンタイプのフィルターも洗浄を繰り返すごと

に少しづつ吸気抵抗が増加していきますので、このタイプのフィルターもある程度のところで新品に買い替え

たほうが良いと思います。

↑キノクニの専用エアフィルターメンテナンスキット。洗浄液と集塵オイルのセットです。 K&Nなども

そうですが、これを定期的に使ってクリーニング、メンテナンスすることで何度もくり返し使えることが

コットンタイプのメリットですが、洗浄したからといって100%汚れが落ちるわけではないので、次第に

吸気抵抗(圧力損失)は増加し性能は低下していきますので、そのへんはよく理解することが重要です。

洗浄をくり返すたびに少しづつ吸気抵抗は増加していきますので、適当な時期に新品に交換するほうが

賢明です。

 

あと、気をつけなければならないのは、どちらのタイプのフィルターにせよ、エンジンのECUセッティング

時や、パワーチェック時などは新品のフィルターを使用することは当然です。


私のJA22ジムニーの現在のエアクリーナー

↑現在、私のJA22ジムニーに使用しているエアクリーナーは独自改良したHKS製のスーパーパワーフロー

リローデッドです。 フィルタースポンジは基本的には吸気抵抗低減を重視した湿式2層フィルターを使用

していますが、たまに乾式3層フィルターも比較テストとして使っています。比べるとやはり5速7000rpm

から上の高回転域のパワーの伸びは吸気抵抗の少ない湿式2層フィルターのほうが明らかに有利ですね。

逆に、普段の街乗りで使っている限りは湿式2層も乾式3層も性能の違いは感じられません。

<参考> →スペシャルパワーフローリローデッドの製作

<参考> →HKSパワーフロー乾式3層フィルターのテスト

 

実際、HKSのスーパーパワーフローの性能はどうなのか?

それまで使っていたキノクニのエアクリーナーに比べて別段、吸気抵抗が増えた感じはありませんし、

ブーストの立ち上がりやインターセプトポイントも変わらず、SFC-MULTIのセッティングの変更もなしで

以前と同じレベルのピークパワー、および最高速度も出ていますので、性能的には「互角」と言っていいの

ではないでしょうか。 ただし、これは湿式2層フィルターの話で、乾式3層フィルターについては、やや

高回転でのパワーダウンを感じます。これはパワーメーターの数値でも明らかです。 ですので、しばらく

は湿式2層フィルターをメインに、交換用フィルターの入手しやすいパワーフローを使用するつもりです。

余談ですが、ウチの近所のカー用品店ではオートバックスやイエローハットでは乾式3層フィルターしか

置いてないのですが、なぜかジェームスだけは湿式2層フィルターも置いてあるのが不思議です。

 

湿式2層パワーフローフィルターの集塵オイル塗布量について

以前にも書きましたが、パワーフローの湿式2層フィルターは出始めの頃はけっこうオイルの含浸量が

多かったのですが、いつの頃からか含浸量が減って、現在の湿式2層フィルターは手で触ってもほとんど

オイルがつかないくらいまで「あっさり」しています。 この理由は、以前から噂で「湿式パワーフロー

のフィルターオイルが吸い込まれて、それがエアフロメーターのセンサーを汚損する」ということが問題

になったためで、HKSがそれに対応するために現在の湿式2層フィルターのオイル含有量が減らされたと

いうのがもっぱらの話です。 しかし、このパワーフローの湿式フィルターのオイルがエアフロメーター

のセンサーを汚すというのはあくまで「噂」のひとつで、実際はエンジン本体のブローバイガスがアクセル

オフ時などに「吹き返した」オイルと、パワーフローで濾過しきれなかった微細なダストが絡みあって

センサーを汚しているのではないかと私は考えています。 そもそも、エアフィルターのオイルが原因で

エアフロのトラブルになるのだったら、K&Nや私が以前に使っていたキノクニ(RUN-MAX)だって湿式

なのですから、同様の問題が起きていても不思議ではありません。それなのにHKSのパワーフローだけが

問題になるということ自体、信憑性がありません。 ちなみに、どこのショップとは書きませんが、独自

にこの湿式2層フィルターのオイルをたっぷりと染み込ませた「つゆだくパワーフロー」なるフィルター

を売っているショップがありますが、そこまでやるとオイルによる粘性抵抗が増加して、湿式2層の利点

である吸気抵抗の低さがスポイルされ本末転倒だと思います。そんなことするくらいなら素直に乾式3層

フィルターを使ったほうが利口というものでしょう。 集塵性能なら湿式2層より乾式3層のほうが優れて

いるのですから、湿式2層のほうは多少、集塵性能は犠牲にしても吸気抵抗の低さ(圧力損失の低さ)を

重視するべきだと思います。 ダートやオフロードを走るのなら別ですが、サーキットやオンロード、

ストリートオンリーで走るのなら通常の湿式2層フィルターでまったく問題はありません。


そのうちK&Nのフィルターも試してみたいですね

それまで使っていたキノクニの200φのエアクリーナーがカタログ落ちしてしまいましたから、コットン

タイプのフィルターで選択肢となる最有力候補はやはりK&Nでしょう。これの汎用タイプの中でちょうど

ジムニーのエアクリーナーボックスにはまりそうなサイズがあります。

↑K&Nのラインナップの中ではこのRF-1009とRF-2960がジャストサイズです。この上にはさらに高さ

があるRF-1013というモデルもあるのですが、ちょっと価格が高いんですよね。フィルター表面積の広さ

から考えると「RF-2960」が100PSオーバーのK6Aエンジンにはサイズ的にも価格的にもベストなの

ではないかなと考えています。


究極はやはり「エアクリーナーレス・ファンネル直付け?」

↑たしかに吸気効率の良い(圧力損失の少ない)エアクリーナーはいろいろありますが、究極はやはり

エアクリレスのファンネル直付けとなることは間違いありません。 ただ、当然のことながら背負うリスク

はハンパじゃなくなります。「タービンやエンジンを壊してもいい」という覚悟がなければできないこと

ですので、私はストリートはもちろん、サーキットでもコースアウトしてグラベルに突っ込んだら石を

吸い込んでしまいますから、どこを走るにせよやはり最低限のエアクリーナーは必要だと思います。

↑この気持ちはよくわかりますね。 とくに軽自動車のように排気量が小さく非力なエンジンの場合、

マフラーやエアクリの性能の違いがモロに体感できてしまうので、いろいろ試して実験しているうちに

一度は「究極のことを」やってみたくなるものです。 それがマフラーなら「直管マフラー」であり、

エアクリーナーであれば「エアクリレス・ファンネル直付け」になるわけです。


まとめ

とりあえずしばらくは、独自改良を施したHKSスーパーパワーフローリローデッドを使用しますが、

そのうち気が変わったら上記K&Nの汎用モデルも試してみようかなと考えています。 もっとも、この

クラスのエアフィルターになると性能はどれもトップクラスですので、大差は出ないとは思いますが。

ましてや軽自動車クラスでは。 しかし、以前から私が主張しているようにターボエンジンでは最大限

サクション抵抗は減らすべきで、実際、私も現在のパワーフローで超低抵抗のフィルタースポンジから

乾式3層フィルターまでいろいろ試してみて、たしかにエアフィルター材の吸気抵抗の差によってとくに

トップスピード領域での「パワーの差」を体感でもデータでも確認していますので、やはり少しでも

(最低限の集塵性能は確保した上で)吸気抵抗の少ない高性能なエアフィルターを使いたいものです。

<参考> →ターボエンジンは徹底的にサクション抵抗を低減すべき

<参考> →HKSパワーフローの超低抵抗「勝負フィルター」の製作

 

↑エアクリーナーおよびサクション部分の吸気抵抗低減はターボエンジンではてきめんに効果が現れます。

 

●その他のエアクリーナー関連ページ

→エアクリーナーについて

→ステンメッシュフィルターについて


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~