A/F計での空燃比の確認、その3

燃圧レギュレータを純正に戻してテストしてみました。


●前回までの走行で、全開時に次第に空燃比が濃くなっていく現象がありましたが、これについて

少しでも改善するかどうか試してみることとして、燃圧レギュレータを純正に戻して試してみる

ことにしました。

 

以前の燃圧レギュレータの交換のページにも書きました通り、現在つけているV6エスクード用の

レギュレータはK6A純正のレギュレータよりも約0.2kg/cm^2ほど燃料の圧力が高くなっています。

この「たかが0.2k」の差が実際に空燃比にどれほど反映されるものなのかも興味のあるところです。

↑ノーマルに戻した燃圧レギュレータ


●空燃比の変化

比較のためにSFC-MULTIの設定はいじらずに、数回3速〜4速全開加速にて比べてみましたが、驚いた

ことに1以上も空燃比が薄い方向にずれ、12台になりました。

たかが0.2kの燃圧の変化はかなりの変化をもたらすようです。 もちろん、このままでは薄すぎて危ない

ので、SFC-MULTIにて数ノッチ濃いめにしてバランスを取ります。だいたいHIを3ノッチほど動かすこと

でほぼ同じ条件で加速しても11台中盤になりました。

 

●高速でのチェック

前回気になった濃くなり過ぎる5速での連続全開走行ですが、やはりここでもSFC-MULTIがそのままの

設定だと薄い方向にいきますので(かなり危険)、ここでもSFC-MULTIにて少しづつ調整します。

ただ、こうした高負荷での連続全開の走行の場合は空燃比だけにとらわれず、排気温度との兼ね合いも見

ながらバランスをとっていきます。 もちろん、エンジンからのデトネーション音にも気を遣います。

前回までどんなに頑張っても最高840度だった排気温度は、レギュレータを純正に戻しただけで、回転が

伸びきる前に一気に900度を超え、私が設定したおいたワーニングポイントに達するようになりました。

ここでもあらためて「わずか0.2k」の燃圧の変化の大きさを思い知らされました。

しかし、このくらいまで温度が上がってくれたほうが調整はききますので、どうも総合的に見ると私の

クルマの仕様の場合は燃圧レギュレータは純正のままのほうが相性が良いようです。

 

で、調整後の空燃比のほうですが、5速全開で10.5前後に落ちつき、自分的にはいい感じなってきました。

ただ、そのまま伸びきらせてしばらく全開で踏み続けるとそのうち空燃比計の表示が点滅するようになります。

以前にも書きました通り、この空燃比計のセンサーの精度の確保できる最高温度というのが750度までで、

それを超えると精度的に信用できなくなるためにこのように点滅して警告を出すようになっているのです。

これはちょっと予想外で、私のクルマの空燃比計のセンサーはフロントパイプの後ろよりについているにも

かかわらず、連続全開走行ではその部分でさえ750度を超えてしまうということになるわけです。

(空燃比計のセンサーをフロントパイプ後方につけたのは、こうしたことを見越した上でのことだったのです。

ですが、通常の街乗りやたいして連続全開走行をしない場合は、マニュアル通りの位置で構わないと思います)

フロントパイプにセンサーをつけてさえここまで温度が上がるのですから、お手軽だからといって純正O2センサー

位置(ターボアウトレットパイプ)につけたのでは全開にする前に温度が上がってしまいますので、まったく

話にならないことが解ると思います。

センサーはフロントパイプにつけることを基本とし、街乗りやそれほど飛ばさない人は中央よりやや前方に、

高速を飛ばす人は、後方につけるといいと思います。

 

さて、このセンサー付近の排気ガスの温度が上がる原因としてひとつ考えられるのはリアマフラーの抜けです。

私のマフラーはタニグチの車検対応マフラーがついていますが、これの排気効率、即ち、抜けがもう限界なの

かもしれません。

このマフラーはJASMA認定ということもあり、もともとノーマルエンジンに合わせて作ってあるマフラーなので

タービン交換して、しかもハイブーストなエンジンにはやや能力的に不足する部分があるかもしれません。

つまりリアマフラーの抜けがもうひとつなために排気がやや詰まり気味になり、そのせいでフロントパイプまで

の排気ガスの抜けが滞ることで「熱だまり」現象が起き、結果として排気温度全体を引き揚げてしまっていると

いう理屈です。

これはよくあることで、例えばK6Aのノーマルタービンもそうですが、最近のレスポンス重視の純正タービン

は排気側の抜けが悪く、結果としてEXマニホールド内の抜けが悪くなり、結果、熱が溜まって燃調とは関係

なく排気温度を上昇させてしまうことがあります。

ちなみにこの場合、排気ポート直後の温度がと圧力が上がるので、結果として燃焼室からのガスの抜ける効率

が下がることから燃焼温度そのものも上昇してしまい、ピストン溶解などにつながることがあります。

つまり、同じ排気温度が850度でも、タービンハウジングの抜けがいいタービンと、抜けが悪いタービンでは

燃焼室に及ぼす影響はまるで違ってきます。 よく排気温度が高い=燃焼温度も高いと言われることがあります

が、実際は排気温度を上下させる要素はいくつもあり、燃調や点火時期だけで語れるものではないということに

なります。 このへんが排気温度の見方の難しさでもあると思います。

いづれにしても、排気の抜けの悪いタービンで強引にブーストを上げて走行することはとても危険なことだけは

確かです。

↑セッティング中の排気温度のピークホールド。 このときは870度になっています。

 

●結局、排気温度は余裕を見て870度付近で抑えたかったので、SFC-MULTIで調整し、連続の全開でも

ワーニングランプの点灯しないあたりまで若干濃くすることで対処しました。

現在は踏み続けても860度〜880度近辺で落ちつくようにしています。

(これは前にも書きましたが、私のクルマの排気温度センサーの位置はEXマニホールドの集合部ではなく

そこより若干下流のタービンハウジングの入り口なので、その分の余裕を見込んでのことです。

排気温度センサーをEXマニホールドの集合部につける場合は900度あたりが目安になると思います)

やはり空燃比計だけでも、排気温度計だけでもダメで、これらから得られる情報をもとにバランスを考えて

ちょうどいいポイントを探すことが重要かと思います。

ECUのマップを直に弄れれば点火時期も含めていろいろ試しながらできるのでしょうけども、私のような

限られた環境の場合は、適当なところで妥協して安全な方向で落ちつかせるのが一番かと思います。

不満はありますが、エンジンを壊すよりはいいでしょう。

 

↑SFC-MULTIのポイント。 燃圧レギュレータの変更に伴い、少し濃いめにしたためにこんな感じに

なっています。

↑パワーメーターの表示はまた1馬力上がりました。

実際にこんな出力が出ていたら凄いんでしょうけど(笑)


●今回、燃圧レギュレータのわずかな圧力の差での空燃比の変化についてはよくわかりました。

で、結果として私の仕様の場合は260ccインジェクタ&純正燃圧レギュレーターの組み合わせで全開

全負荷でもOKというような感じでまとまってきました。

で、たまにメールでも聞かれるのですが、逆にノーマルインジェクタ(230cc)&V6エスクード用

燃圧レギュレータの組み合わせでビッグタービンに対応できないのかということです。

これについては私も試したことがないのでなんとも言えません。 ですが「ある程度までならいけそう

な気がする」ということは言えると思います。

K6Aエンジンは実用域ではO2センサーのフィードバックで補正しますから、これについては全く問題

はありませんし、当然、高速高回転域でも純正よりは燃料を多く吹いてくれるでしょうから。

ただ、具体的にどの仕様のタービンまで、またブーストがどのくらいまでというのはわかりません。

それに、これはあくまで燃料が足りるとか足りないとかいうレベルの話ですので、ECUがノーマルでは

タービンの性能が活かせないのは言うまでもありません。

なにしろ、ノーマルのECUはレギュラーガソリン仕様ですので。

 

私は今さらインジェクタを純正に戻してテストするのも嫌なので、ここはひとつどなたか空燃比計を

つけて(もちろん、ある程度の精度のある空燃比計です)実際にテストされてみてはいかがでしょう。

 

ちなみに、燃圧は別としてe-マネージやメインCPでノーマルインジェクタのまま増量するということ

も可能ですが、以前の記事にも書きましたがインジェクタはソレノイドバルブですのでON/OFFの断続

時間で燃料の噴射量を決めています。 つまり、例えば260ccのインジェクタと230ccのインジェクタ

で同じ量の燃料を噴射すると当然230ccのほうが長い時間開いていなければならないことになります。

つまり燃料の総噴射量が同じ場合、噴射時間が異なってくるわけです。

簡単に言うと、同じ量の燃料を噴射するのに「多くの量を短時間で一気に出し切る」のがいいのか

「少ない量を時間をかけて出す」のかの違いになります。

こう考えると、高回転になればなるほど吸気バルブの開いている時間は短くなっていくわけですから

高回転で使用することを考えると、なるべく短時間で出し切ってしまうほうが理にかなっているような

気がします。


●総じて

今回の空燃比計をつけての走行確認はそれなりに有意義なものとなりました。

フィードバック制御の精巧さ、排気温度との兼ね合い、僅かな燃圧の差での空燃比の変化など、

空燃比計がなかったらわからなかったであろうことがある程度わかってきました。

本来のROMチューンをやっている方から見れば本当に「子供騙し」のようなシステムと方法ですが

とりあえず自己満足ということで考えていただければいいかと思います。

これであとは点火時期がいじれると最高なんですけどね。 点火時期の進角、遅角でも排気温度や

空燃比の表示は変化するはずなので、それを見てみたいというのがありますし。

 

とりあえず、約1週間の間に2タンク分の燃料を使って走りこんだ今回の空燃比計をつけての確認は

これにていちおう終了しました。 現在は空燃比計は外してあります。

ちなみに、これだけさんざん全開走行をやったにもかかわらず、燃費がリッター11kmを切ることは

ありませんでした。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~