書籍の紹介「オートメカニック10月号臨時増刊 ジムニー復活PROJECT」

JA22ユーザーのみならず旧規格K6Aのカプチーノやアルトワークスオーナーも一見の価値ありです


●今回は珍しく書籍の紹介です。 私は最近はあまり車関係の雑誌は買わなくなっていたのですが、今回の本は

たまたま見つけたもので、DIYでJA22弄り、あるいは旧規格K6Aエンジン弄りをしている人にはけっこう役立ち

そうな内容のものでしたので、購入してみました。

 

↑オートメカニック10月号臨時増刊「ジムニー&こだわり軽自動車復活PROJECT」。 1350円。

中古で購入したJA22ジムニーのエンジンオーバーホールやサスペンション、ブレーキのリフレッシュ、室内の

クリーニングや外装リペア、オールペンまでまさにJA22Wオーナーのための内容となっています。 ですが、

とくにエンジンOHについてはJA22ジムニーだけでなく、同じエンジンを搭載するEA21RカプチーノやHA21S、

HB21Sアルトワークスのオーナーにとっても充分参考になる内容となっています。 まぁ、チューニングという

よりはレストアや修理がメインという内容となっていますが、チューニングするにしても旧規格K6Aエンジンは

すでに20年を経過し、走行距離も伸びた個体が多いので、まずはオーバーホールでリフレッシュしてやることから

はじめたほうがいいでしょうから、改造とかチューニングとは違った「基本」の視点から見ることも重要です。


<軽く本の内容について触れてみます>

旧規格K6Aエンジンのオーバーホールとリフレッシュ

↑エンジンばらし中の様子。 写真でもわかりますが、このK6Aエンジンはカムスプロケットが圧入タイプ、

オイルパンとフロントカバーの形状から「後期型」のエンジンであることがわかります。 これは私のJA22と

同じで、通常、JA22は「1型、2型」に分類されますが、この中間の「1.5型」とも言えるのがこのタイプなの

です。 このへんが旧規格K6Aエンジンのややこしいところで、クランクシャフトの後端部の径なども変更され

ていて、そのためフライホイールやクラッチ関係の部品も初期型とは互換性がなかったりするのです。

 

↑このエンジンもK6Aの「持病」である排気バルブのクラックおよび損耗のトラブルが発生していたようです。

ちなみにもっとも熱的に負担が多い2番シリンダーです。 今までにも私も何度も書いていますが、直列3気筒

のエンジンはどうしても2番シリンダーの冷却が厳しい構造的宿命を持っています。 このエンジンでも当然の

ことながら、私のエンジンと同様、「対策品」のエキゾーストバルブに全数交換しています。

 

↑ヘッドまわりの組み立ての様子。バルブの擦り合わせやバルブクリアランス調整作業などが細かく載っています。

 

↑シリンダーヘッドおよびシリンダーブロックは最小面研したようで、このへんも私のエンジンとほぼ同じ作業

をしているようです。ただ、私のエンジンみたいに平面研磨機による面研ではないようですが。 シリンダーも

ホーニングをおこなっていますが、これも私のエンジンと同じですね。 ちなみに私のJA22のK6Aエンジンの

シリンダーホーニングもここで紹介されているダイヤモンドエンジニアリングでおこなっていただきました。

この会社はモンスタースポーツの関連会社なので、スズキのエンジンについてのノウハウは豊富で信頼できます。

 

↑エンジンを組み込んでいく工程も数ページにわたり紹介されています。DIYでエンジンをオーバーホールする方

にはきっと参考になると思います。 ただし、細かい各部のボルトの締めつけトルクなどは書かれていませんので

スズキ純正の「K6Aエンジン整備書」も入手した上で作業してください。

 

↑とくに旧規格K6Aエンジンに多いトラブル。これは私のページでも今まで記事にしてきた内容です。

が、ちょっと苦言を言わせてもらうと、まずヘッドガスケット抜けの原因がオイル管理にあるというのは理屈に

あいません。 初期のK6Aのヘッドガスケット抜けの主な原因はメーカーの組み立て工程での締め付けトルク管理

にあります。 それと、エキマニの割れはわかりますが、インマニの割れというのは聞いたことがありません。

ちなみに純正エキマニも現在は新品を注文すると材質が改善、改良された対策品が来ます。 バナジウム鋳鉄と

いう従来より耐熱性の高い(900度以上)材料でできています。私のエンジンはこの純正対策品エキマニにさらに

タフトライド(イソナイト)処理をして耐久性を高めたものを使用しております。 また、排気バルブの欠けも

オイル管理が原因とか書いていますが、これもまったく根拠のないこじつけの屁理屈で何の関連性もありません。

以前にも私が書きましたが、K6Aの排気バルブのトラブルはその材質の悪さと燃焼そのものにあるので、多くは

セッティングの取り直しによって解消できます。 事実、私のK6Aはあれだけ最高速アタックを繰り返し酷使して

使用していたのにもかかわらず、排気温度をしっかり管理した空燃比セッティングをしていたので排気バルブは

欠損や摩耗もなくまったく正常でしたから。

どうもこのオートメカニックの記事を書いたライターは何でもかんでも「オイル管理」のせいにしたがっている

ようで、K6Aエンジンについての知識の程度が疑わしいので記事のすべてを鵜呑みにしてはいけません。

 

以上、ざっとエンジン関係のページを紹介しましたが、一部、正確性に疑問がある記述が気になるものの、基本的

な内容はけっこう濃いので、JA22ジムニーユーザーだけでなく同じK6Aエンジンを搭載するEA21Rカプチーノや

HA21S/HB21Sアルトワークスのオーナーさんも見る価値はあると思いますよ。


<エンジン以外のその他の内容>

ラジエーターのクラック修理

↑JA22は今どきの乗用車と違い、オール銅製、複数コアのラジエーターです。 なので、かなり頑丈ではあるの

ですが、この車はラジエーターキャップ部の首の部分にクラックが入っていたようで、その修理の様子を紹介して

います。 ただ、通常ならばこういったクラックが生じることはあまり考えにくいですから、このエンジンは過去

にオーバーヒートなど、何らかのエンジントラブルをおこした可能性がありますね。

 

サスペンションアームのブッシュ交換

↑以前もちょっと書きましたが、JA22はなぜかサスアームのブッシュだけの単品注文はできず、サスアームAssy

となってしまうのです。 なので、寸法が同じ現行JB23ジムニーのブッシュを購入して流用する(なぜかJB23は

ブッシュが単品で出る)のがなかば定番となっています。

 

ショックアブソーバーおよびコイルスプリングの交換

↑この車は走行距離のわりにはJA22の「泣き所」であるフロントアッパーマウント部の穴の磨耗、拡大は最小限

でとどまっていたようです。それでもやはり見るからに「長穴」になっていますので、この先長く乗りたいのなら

できれば何らかの対策(RV4ワイルドグース製のアッパーマウント補修キットを組むとか)をしてから組んだ方が

良かったのではと思いますけどね。 フロント、リアともにショックアブソーバーとコイルスプリングを社外品に

交換する様子が紹介されています。 ダンパーはGAB、コイルは2インチアップを入れたようです。

 

ブレーキやハブベアリングなどのオーバーホール

↑フロント、リアともにブレーキのオーバーホールの様子、およびマスターシリンダーのオーバーホール、さらには

ナックルのオーバーホールやフリーホイールハブのオーバーホール、フロント、リアのハブベアリングの交換なども

詳細に記されています。このあたりはDIYで分解整備される方にはかなり参考になるのではないでしょうか。

 

室内のクリーニング、フロントシートの交換など

↑室内も分解し、大掛かりなクリーニングや、エアコンのエバポレーター部のクリーニング、天井の内装張り替え、

インプレッサ純正シートへの交換なども掲載されています。 ただ、シートレール、フレームはDIY加工ではなく、

きちんとした既製品の車検対応品を使うのがベストだと思います。強度および剛性、安全面での問題もありますので。

 

最後は外装の鈑金修理とオールペイント

↑あとは外装の錆び穴の修理、そして最後は塗装ブースでのオールペンの記事です。 ただ、せっかくのオールペン

なのにモノクロページというのがちょっと残念です。もう少し価格が高くなってもいいので、できればオールカラー

で掲載していただきたかったですね。 ただ、記事の内容そのものはたいへん参考になるものです。 私のJA22も

そろそろ塗装が傷んできているので、部分塗装にしようかオールペンにしようか思案中ですので。


まとめ

以上がこの本の簡単な内容の紹介です。 すでに自分でエンジンやサスペンションなどを弄り尽くしている人には

物足りない内容かもしれませんが、これから手を入れていきたいと思っているJA22ジムニーオーナーにとっては

「バイブル的」な内容の濃さになっています。

ジムニーの専門誌でさえなかなか取り上げられない不人気なJA22がここまで徹底的に解説されているのはかなり

珍しく、レストア本としても貴重な本だと思います。 ただひとつ気になったのは再三「オンボロ」という言葉を

使ってますが、ジムニーという車にとってはこの程度のコンディションはまだ「オンボロ」のうちには入りません

よ。年式相応、距離相応ではないでしょうか。 これがオンボロならオフロード走行で酷使されたジムニーなんか

オンボロどころの騒ぎじゃないですよ。 ジムニーという車はエンジンやボディがボロくなってもフレームさえ

生きていればいくらでも復活できるクルマなのですから。しかもそれほどお金がかからずにね。

また、何度も書きますが、同じ旧規格K6Aエンジンを積むEA21RカプチーノやHA21S/HB21Sアルトワークスの

オーナーさんにも充分参考になる内容となっているので、本屋さんで見かけたらちょっと見てみて、気に入ったら

購入するといいと思います。 インターネットでもamazonなどでオンライン購入できます。

 

↑私のJA22Wジムニーももう「旧車」に片足突っ込んでる年式ですので、この先長く乗るためにはエンジンだけで

なく、サスペンションをはじめ各部のオーバーホール、部品交換は必須となってきますので、今回のこの本の内容は

けっこう参考になりそうです。 結論として、JA22オーナーならぜひとも買っておくべし!


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~