(番外編)K6Aエンジンのブーストアップついて。
JA22のブーストアップ時の留意点、EVCの配管について。
●JA22のK6Aエンジンをブーストアップして乗りたいという方も多いと思います。
実際、私の許にEVCの取り付けや純正コンピュータでのブーストカットの質問などのメールをいただく
こともあります。
参考までにK6Aエンジンはノーマルでブーストは1.1Kが基準です。 ですが、サービスデータでは0.75k〜
1.25kというのが正常範囲と、かなりアバウトです。
ですので、けっこう純正のソレノイドにバラつきがあるようで、0.8K程度しかかかっていないエンジンもある
ようです。 この場合はお金に余裕があればEVCでもつけて1.1k程度に調整するといいと思います。ブースト
の立ち上がりも純正よりも良くなりますし。
私は決してHKSのまわしものではありませんが、経験上、ブーストコントローラーはEVCを信用しています。
低価格版の「EZ」でも充分ですので。
ステッピングモーター式の電気式VVCは軽自動車のような小さく、かつ高過給でレスポンシブなタービンを
安定して制御するのに適しているからです。 その中でもEVCは信頼性の面でも実績があります。
ただ、初代のEVCは低負荷ではフルブーストがかからない、小さいタービンではブーストが安定しないなどの
問題が出る可能性もありますので、できれば2代目以降のものをお薦めします。
機械式のVVCを使用される方もおりますが、とくに不都合はありませんがブーストの立ち上がりがノーマル
よりも遅くなることがあります。
K6Aエンジンはノーマルのブースト圧制御をソレノイドによっておこなっています(つまり純正の時点で電子式
VVCがついているようなもの)ので、これを殺して機械式をつけるということは、ブーストの立ち上がりが
純正よりも遅くなってしまう可能性があるのです。
●ノーマルコンピュータのほうのブーストリミッターですが、私が経験した限りでは1.2kを超えたところで
すでにリミッターがかかったと記憶しています。
ですので、ノーマルコンピュータのままでは1.2k程度しかブーストが上げられませんので、たいして効果は
望めません。
●ノーマルのコンピュータにAFCやAFR、私も使っているSFC-MULTI等のエアフロ(ジムニーの場合は圧力
センサー)電圧可変装置をつけて擬似的に燃調の変更を加えている方もいると思います。
ノーマルタービン、ノーマルインジェクターの場合は濃くすることは少ないと思いますが、仮に燃料を濃く
する方向に調整した場合は圧力センサーの電圧を本来よりも高くするわけですから、例えばブーストが1Kしか
かかってなくても1.2Kに相当する電圧を送ってしまうこともあるわけです。 この場合は例えば、ブーストが
まだ低いにも関わらずコンピュータはブーストが1.2K以上に上がったと判断してブーストカットがかかって
しまうという可能性もあるわけです。(私は確認はしていません)
これを逆手にとってたとえばインジェクターを260cc等の大きいものに換える、あるいは燃圧レギュレータを
圧力の高いものに変えて、その分AFC等で全体に薄くする方向でセットしてやれば、圧力センサーは仮に1.2K
にブーストが上がっても1Kのときの電圧しか送らなくすることもできるわけですから、そのぶん実際のブースト
圧力を上げることも可能ではないかとも考えます。
こうすればもしかしたらノーマルコンピュータでもブースト1.3K以上も可能かも知れません。
もっとも、ベストなのはもちろんコンピュータ内で各リミッターを解除することですが。
また、FCD等のフューエルカット抑制装置をつけますと、コンピュータに送られる電圧はフューエルカット
ギリギリまでの電圧しか送らなくなるので、AFC等でいくら濃くしても純正のフューエルカットポイント
以上には濃くできないということになります。 ですのでこれは何の意味もなさなくなるどころか、ブースト
をいくら上げてもインジェクターがブーストカットポイント以上の増量をしないので非常に危険です。
●あと、ブーストを上げる上で、できるだけ交換しておいたほうがいいものがブローオフバルブです。
気がつかないかも知れませんが、ノーマルのブローオフはブースト圧が漏れるような構造になっています。
まず、1.3kを超えると確実に漏れますし、それ以前に1kを超えた段階から徐々に漏れ出しているようです。
現実にノーマルのブローオフから社外のブローオフに換えると、ブーストが1kを超えてからの加速感
はまるで違ってきます。 ブーストアップをする場合はできれば社外のブローオフにしたほうがブースト
アップの効果が活かせます。
EVC+社外ブローオフバルブによってブーストの立ち上がりはかなりよくなります。
●EVCの配管について

●たまにEVCの配管についてお問い合わせをいただきます。
絵で描きますと上のようになります(絵が粗くてすみません…)。 タービンのすぐ前にあるソレノイド
はホースをメクラして殺します。
配管は繋いだままで配線のコネクターを抜いても死ぬようですが、これだともしかするとコンピュータが
ソレノイドが故障してると判断して、フェールセーフが効く可能性があるので(確認はしてませんが)
私はより確実な方法で行ないました。 ですのでソレノイドの配線は抜いていません。
なお図中にも書いてありますが、青い枠で囲んだ配管は私はメクラして、インテークパイプに穴をあけて
そこから取っています。 ブーストの立ち上がりを考えるとそのほうが良好です。
●最大ブーストについて
さて、ではノーマルタービンでどこまでブーストがかけられるかという点があります。
はじめにまず気に留めておいていただきたいのですが、よく「ブースト○○k以上かけるとガスケット
が抜ける」とか「ブースト○○k以上かけるとピストンが棚落ちする」とか言いますが、最終的に
重要なのは圧力ではなくエンジンに取り込まれる風量(空気量)のほうです。
つまり、ノーマルタービンではいくらブーストを上げても実際にエンジンに取り込まれる空気の量は
上限があり、それ以上はただ単に「糞詰まり」によって圧力が上がっているだけです。
とくにノーマルタービンは排気側が小さいためにまず排気が詰まり、結果、吸気できる量が頭打ちに
なりインテーク内の圧力が上昇するということです。
これをビッグタービンに換えると排気の詰まりが解消され、そのぶんエンジンはたくさんの「呼吸」
ができるようになります。 その結果より多くの混合気、つまりガソリンを燃焼させることができる
ので多くの熱エネルギーの発生、即ちパワーが発生できるのです。
ですので、純正タービンの1.2kとビッグタービンの1.2kではパワーがまるで違ってくるわけです。
EXマニホールドやターボアウトレットパイプを効率のいいものに交換することで、この効果はいっそう
活きてきます。
ちなみにEXマニホールド、すなわちタコアシというと「等長」というのが一般的ですが、これはNAに
ついてはかなり重要なチューニング要素ですが、ターボの場合はあまり等長「のみ」にこだわる必要は
ありません。 ターボのタコアシにとって重要なのはいかに排気の温度と圧力(つまり排気ガスの持つ
エネルギー)を落とさないでタービンに排ガスを導くかということですので、最短距離でスムーズに
繋ぐことが求められます。
もちろん、排気干渉は良くないので、できるだけ等長にしたほうがいいことは間違いないのですが、
等長にこだわるあまり無駄に長さを使っているタコアシはその距離と容積、表面積によって温度と圧力
を落として損をしています。 しかし、残念ながらこうしたタコアシが世の中には多いです。
それにNAと違い、ターボエンジンは「排気タービン」という抵抗物がタコアシの先についています
ので、いたずらにタコアシの抵抗だけを小さくしてもNAほどの効果は望めません。
このへんはNAとターボは考え方そのものを変えないといけません。
それと重要なのは最終的にエンジンが吸排気できる上限を制御しているのはカムです。 どんなに風量
の大きいビッグタービンにしても、バルブの開いている時間(とリフト)が短ければシリンダー内に取り
込まれる混合気の量はそこで制限されてしまいますので。
つまり、よりパワーを出すあるいはもっと大きなタービンを回すためにはカムシャフトの交換、いわゆる
ハイカムへの変更が必須です。
また、ハイカムに交換したりしてバルブオーバーラップが増えると相対的に圧縮圧力が下がります。
このへんは話が非常に長くなりますので、専門書籍でも覗いてみてください。 なかなか面白いことが
わかってきます。
話がそれましたが、結論としてはノーマルタービンでは1.3k程度が上限ではないかと考えています。
もちろん圧力だけならこれ以上かけられますが、無理にかけても吸気温度を上昇させるだけですので、
かえってリスクのみを増大させるだけになりかねません。
つまり、タービンにとっては最適なブースト圧というのがあり、これを超えて圧力を上げても今度は
かえってパワーダウン、効率ダウンすることに繋がります。 もちろん寿命にも大きく影響します。
とりあえず、私の経験ではポイントはこんなところです。