BLITZブローオフのオーバーホール
ブローオフの効率の向上と静音化。
●私は現在、BLITZの旧型ブローオフバルブを使用していますが、今回、オーバーホールついでに
気になっていた部分を改良してみました。

↑分解したところ。 ごくスタンダードなピストンタイプの典型的な構造です。
●解放圧の強化による弊害
このブローオフは先端のボルトによって解放する圧力が調整できるようになっています。
ですので、強くしたい場合はこのネジを締めこんでいけばいいのですが、ここに設計的欠陥が
あります。
このネジを押すことでスプリングシートが押し下げられて、結果としてスプリングのセット荷重
が強くなることで解放圧を上げるわけですが、同時にこのパーツはピストンバルブのストローク
ストッパーとして機能してしまうために、バネを縮めて強くすればするほどバルブの開く面積が
減少してしまうのです。

↑これは先端のネジをいっぱいまで緩めたところ。 バルブはほぼ全開にできます。

↑ところが、先端のネジをいっぱいまで締め込むとストッパーに当たってしまい、ご覧のように
ここまでしかバルブは開かないのです。 これはどう考えてもお粗末な設計としか思えません。
ちょっと考えればストロークに影響を与えずにバネのセット圧のみをを可変できるんですが。
それとも、わざと排出抵抗をつくって音を出すようにしているのでしょうか。
●改善その1

↑まずはバネのセット圧を上げるために写真のようにピストンの中に6mm厚のカラーを入れます。
ちなみにこの6mmという厚みがバネが線間密着してもストロークの弊害にならないちょうどいい
ポイントでした。
ちなみに、このブローオフに使用されている標準スプリングのバネ定数は計算で0.338kg/mmでした。
実際に組み込んだ時のセット荷重は、標準のままのときで5.33kgf、上の写真のように6mmの
スペーサーを入れた状態で7.27kgfになります。
ちなみに、強化スプリング仕様のスプリングがどの程度のものなのかは私は知りません。
参考までに、このピストンバルブの口径はφ36ですので、たとえばブースト1.5kかけたときにバルブ
にかかる力は約15.2kgfになります。
この数字だけで見るとバルブは開いてしまうように見えますが、実際にはバルブの上下には同じ圧力
がかかりますので、この状態ではどんなに強い圧力がかかっても開くことはありません。
(もちろん、構造上バルブ周囲のクリアランスからのわずかな漏れがあるのは仕方ありません)
●ただこれはあくまでもブーストが安定した状態での話で、問題はブーストがかかりはじめのとき、
つまりブーストの立ち上がり時が問題になります。
コンプレッサーが過給をはじめてからシリンダーまでの間のブーストの圧力が上がる順番は、先に
ブローオフ取り付け部を通過してから、サージタンクに至ります。
バルブが開かないようにするための上部チャンバー(圧力室)の圧力はサージタンクより取っています
から、このタイムラグのぶん、サージタンクの圧力が上がるまでのわずかな時間はブローオフの上部
チャンバーの圧力よりもインテークパイプ内の圧力が高いため、バルブを開かせようとする圧力のほう
が勝ってしまいます。
ですのでスプリングにはこの状態で充分にバルブを押さえておけるだけの圧力が求められるわけです。
つまり、ブローオフの「漏れる」というのは、ブーストが安定したときではなく、この立ち上がり時に
問題になるのです。
ちなみに、この圧力伝達のタイムラグ低減のためにもなるべくブローオフとサージタンクの距離は短く
したほうが有利なのです。 ブローオフをできるだけスロットルバルブ直前につけたほうがいいという
のはこうしたことも理由のひとつです。
●組み込み

↑ネット
いちおうファンネルの取り付け部にはゴミ対策のためにネットをはさんでおきます。
スプリングの強さにもよりますが、ブローオフバルブは構造上、エンジンブレーキ時などサージタンク
負圧が通常より大きくなった等には負圧がバネのセット圧を超えることがあり、バルブが引き上げられ
て開いてしまうことがあります。
当然、この時にはブローオフからエアを吸い込むことになりますので、そういった時のための対策です。
これは構造の違うHKSのSQVなども同様で、むしろSQVのほうがインテーク内部が負圧になるとバルブ
が大気圧で外から押されることで開かれやすくなるために、ピストンタイプよりエアを吸いやすい構造
となってしまっています。
この点では、ブローオフは「漏れない」だけでなく「吸わない」ことにも注意して設計すべきだと思って
おります。
(もちろん、大気解放にせずにサクションに戻す場合はエア吸いを気にする必要はありません)
上記の理由から私はブローオフの開口部を上に向けたり、進行方向(前面)に向けるのはゴミを吸い込み
やすくなるため、あまり感心しません。
ショップのデモカー等でも、わかっているのかいないのか、大気解放のブローオフを堂々と上に向けて
つけているのを見ますが、これは積極的にゴミを吸い込もうとしているだけです。 当然、バルブの磨耗
も早くなります。 ロードカーならまだしも、オフロードを走るジムニーでこれはまずいと思うのですが。
という訳で、大気解放にする場合はできればちゃんとしたフィルターをつけたほうがいいでしょう。

↑ワンポイントですが、このようにファンネルについている4箇所のスリットをテープを巻いて
塞ぐと、音がけっこう小さくなります。
●装着後の変化
とりあえず、2mmほどネジを締めこんでセット荷重を8kほどにして走りましたが、以前に比べて
抜けがよくなったにもかかわらず、格段に音が小さくなり作動音が気にならなくなりました。
しばらくはこれで乗ることにしますが、どうもピストンの磨耗がすすんでいるようで、やや漏れが
ある感じがします。 ですので、近いうちに交換したいと思います。

↑かなりデカイので素直につかないのですが、近いうちにコレにつけ替える予定でいます。