(番外編)K6Aエンジンのカムシャフトについて
K6Aのノーマルカムを大雑把ですが測ってみました。
●中古で入手したJA22のK6Aヘッドについていたカムシャフト。 どうせなら寸法をひろっておいた
ほうが後々便利だとも思い、気になるカムの作用角を見てみることにしました。

↑計測方法ですが、なんともいい加減で申し訳ないですが写真のように旋盤で両センターで支え、
360度分度器をつけてからダイアルゲージでリフトの開始ポイント間を測るという方法で行ない
ました。 ここでひろえる寸法自体は正確なのですが、ここから作用角を割り出すのは実は
難しいので、大雑把になってしまいますがあくまで参考として捉えてください。
というかどなたか本来の設計上の数値を教えていただけたら嬉しいです。 できればワークスRのも。
●まずはカムプロファイルについての基礎知識です(笑)

↑これはかなり昔のHKSのカムの技術資料に載っていた図を元に作ったリフトカーブのイメージです。
横軸がクランク角度、縦軸がバルブリフトになります。
●CADによるイメージ図(図をクリックするとちょっとだけ大きなサイズで見れます)
↑これが測定値をもとに、適当に割り出したK6Aノーマルカムの作用角&リフトです。 カムの形状は
単に接線で繋いでいるだけなので、実際とは異なりますので念のため。
計測でわかるリフトポイント間での計測だけからはインテーク300度、エグゾースト320度となるの
ですが、前述しているように本来の作用角の表記にするには、ここからバルブクリアランス分と
アプローチ区間を除いて考えなければなりません。
ですが、これは専門知識が必要であるとともに、メーカーやカムのプロフィールによって計算のしかたも
異なるために、私程度の知識と技術しかない人間ではこの部分は想像でやるしかありません。
で、結果、作用角になるのは水色の数字で、図から言うとインテーク212度、エグゾースト230度という
ことになります。 ただし、これはバルブクリアランスを0.2mmと仮定し、さらにアプローチ区間を
その倍ほどと私が仮定して計算した数値ですので、もちろんメーカーの設計値とは異なると思います。
ハッキリ言ってまったく信用できませんので、あくまで参考として捉えてください。
ちなみに、社外で売られているK6Aハイカムの作用角をみると、228度〜240度くらいなようですので
大雑把に考えればそれほど大きくは外れていないのかもしれません。
●リフト量
サービスマニュアル上はリフトはインテーク6.66〜6.82mm、エグゾースト6.75〜6.91mmとなって
いますので、平均して約6.8mmとしました。 実際、寸法を測ってもそのくらいでした。
なお、ワークスRのカムのリフトはインテーク/エグゾースト共7.24〜7.4mmですので、ノーマルK6A
よりも約0.5mmほどハイリフトになっています。
●まとめ
まぁ、今回はかなりいい加減な数値でしかわからなかったのですが、それでも予想通り最近のエンジンの
傾向としてやや狭めな作用角になっていることは仕方ありませんね。
因みに550cc時代のアルトワークスのF5Aは248度ほどあったらしいです。 それから考えるといかに
おとなしい数値かがわかります。
●バルブタイミングについてはカムだけではわかりませんので割愛しますが、おそらくオーバーラップが
ほとんどゼロなんだと思います。 最近のターボエンジンの傾向ですね。
これは排ガス規制や燃費、低速トルクを確保するだけが理由かというとそうでもなく、1975年にはじめて
ポルシェ930ターボが出たとき、このエンジンもすでにオーバーラップが0でした。
やはり、ターボおよびインジェクションシステムのとの兼ね合いが大きな理由かと思います。
とはいえ、現在考えているのはノーマルカムのままでスライドカムスプロケットを製作し、排気側の位相
を3度から6度ほど遅らせて、若干オーバーラップを増やしてやったらいいフィーリングにならないかと
思っています。 あまり増やしすぎてもポートやマニホールドが所詮ノーマルですからバランスが悪くなり
単に吹き返しが多くなるだけでインジェクタを汚してしまうだけですし、だいたい、作用角が変わらない
のでこれ以上遅らせても無意味でしょうから。
すでにカムスプロケットの寸法採取は終わって図面化までできているので、あとは私のやる気次第ですが(笑)
因みにインテークを進めてもオーバーラップが増えますが、そうするとバルブの閉じも早くなるために
有効圧縮の時間が長くなって、実質的な圧縮が上がってしまうとデトネーションが起きやすくなる可能性
があります。 逆に排気側を遅らせれば、それだけ燃焼工程も伸びますので、いい結果が出ないかと考えて
いるわけです。 まぁ、いちばん良いのはワークスRのカムをそのまま使えばベストなんでしょうけど。