クラッチケーブルの破損・交換
とくに強化クラッチに換えている人は気をつけたほうがいいかもしれません
※この記事はエンジンオーバーホール前にまとめたものですので、少し前の話になります。
●1年ほど前からどうもクラッチの切れ具合が「グニャッ」としはじめてきたのと、
クラッチの切れるポイントがだんだんと奥の方になってきたのが気になっておりました。
今まではクラッチワイヤーのレリーズ側の調整でそれを誤魔化してきたのですが、とうとう
その調整代もほぼなくなってしまい「これは強化クラッチの張力に負けてワイヤーが伸
びたかな」と思っていました。
ジムニーのクラッチは構造上、クラッチ板が磨耗してくればミートポイントは手前に移動
してくるはずなのですが今回は逆に奥のほうに入ってしまい、ペダルをストッパーまで
踏み込まないとクラッチが切れない状態になったので、ケーブルの伸びを疑ったわけです。
私の車は純正比で圧着力約130kgfアップ(約150%アップ)の強化クラッチをつけて
いますので、純正クラッチの車よりケーブルにかかる負担が大きいのは仕方ありません。
ちなみに、このクラッチに換えてからの走行は約40000kmです。
<参考> →強化クラッチへの交換
しかし、たまたまエンジンルームを覗いたときに気づいたのですが、クラッチケーブルの
バルクヘッド取り付け部が割れているのを発見しました。

↑このようにクラッチワイヤーの基部のダイキャスト部品が見事に破壊されていました。
推測ですが、クラッチの強化に伴いクラッチを切った際のアウターケーブルにかかる力が
増したことから基部内でアウターケーブル終端部の膨らむ力が大きくなり、それに耐えられなく
なったダイキャスト部分が膨らんでいって最終的に金属疲労で割れてしまったのだと思います。
それで、この部分がクラッチを切るたびに膨れるので、クラッチを切った際の感触がグニャッ
となったのでしょう。 ここがたわむことでクラッチを切る際の必要ストロークも増え、結果と
してペダルを奥まで踏まないとクラッチが切れないようになっていったのだと思われます。
いつ頃からこの部分が割れはじめたのかはわかりませんが、頻繁にボンネットを開けている
はずなのに今まで気がつきませんでした。

↑これは取り外したクラッチケーブルのレリーズ側。こちらにも同様にクラックが入っていました。
いずれにしてもこのままではまずいので、早急にクラッチケーブルを交換することにしました。
※これは強化クラッチに交換している車はとくに要チェックです。 私のようにノンアスベスト
の比較的強化率が低いクラッチカバーでさえもこうなるということは、もっと圧着力の高いメタル
タイプのクラッチディスク&カバーをつけている車はさらに損傷が早期に発生すると思います。
ただ、ノーマルクラッチであってもそれなりに距離を走ると金属疲労で同じようになる可能性も
あります。どちらにせよクラッチケーブルは消耗品ですのでこれは仕方ないところでしょう。
●クラッチケーブル

↑純正部品の新品クラッチケーブル&ブラケット。
JA22Wは車体番号15572以前と以降ではクラッチ周りが小変更されており、それに
伴い部品の統合がおこなわれているため、私の車両のような前期型のモデルではケーブルだけ
ではなく写真のブラケットもセットで交換する必要があります。
比べてみると、初期型に比べてレリーズ側のフランジ径のサイズがアップされていました。
この部分には「当てゴム」があるのですが、このゴムが次第に潰れてくるため、それの対策と
してフランジ径を大きくして接触面積を稼ぎ、面圧を下げ耐久性を増すという改善でしょう。
たしかJA11でも前期と後期ではこのブラケットが変更されていた(後期のほうが厚くなって
いた)ように記憶していますが、スズキはあまりクラッチ周りに余裕を持たせた設計をして
いないようです。
●部品番号
23910-82C20 ブラケット,クラッチケーブル
23710-80720 ケーブルアッシ,クラッチ

↑また、これらの部品も新品に交換しました。 ピンは表面の樹脂コーティングが大きく損傷
しており、スプリングは錆びが酷かったのでそれぞれ新品と交換しました。 ナットとワッシャ
は安いものなのでついでの交換です。
●部品番号
09150-06010 ナット
09209-13014 ピン
09440-08026 スプリング
08322-0106B ワッシャ(2個)
●交換後
装着後はレリーズ側ナットを調整して好みのミートポイントになるように調整します。
新品ワイヤーは初期伸びすることがあるので、本来切れて欲しい位置よりも気持ちだけ
手前で切れるように調整しておくといいと思います。
●クラック(割れ)対策
ケーブルを新品に換えたからといっても強化クラッチによるストレスがかかることには変わり
ないわけで、時間が経てばまた同じ症状が出ることになるので今度は割れ対策としてケーブル
基部のダイキャスト部分をホースバンドで軽く締めつけて若干の「予圧」をかけて膨脹しないよう
対策を施しました。 どの程度効果が出るかはわかりませんが、何もしないよりはマシでしょう。

↑クラッチ基部のクラック(割れ)対策としてホースバンド2本で軽く締めつけました。

↑レリーズ側のフランジ基部にも同様にホースバンドで軽く締めておきました。
●ケーブル交換後の変化
新品ケーブル(ワイヤー)になったことで動きがずっとスムーズに、軽くなりました。 クラッチ
ペダルの感触も以前よりダイレクト感が戻りました。
AT全盛(2ペダルMT含む)の昨今ですが、私はやはり純粋なMTが運転してて楽しいので好きです。
ちなみに、クラッチのミートポイントの好みは人それぞれだと思いますが、通常は多くの人はわりと
踏み込んですぐに切れるように調整すると思いますし、多くの車もそのように調整されている(自動
調整のものもたいてい上のほうで切れる)ことが多いと思います。
しかし私はちょっと変わった癖が昔からあって、奥のほう、つまりペダルを踏み込んでストッパーに
当たる直前くらいで切れるように調整するのが好みなのです。
永年、これで乗ってきたため、通常に調整されたクラッチの車に乗るとミートポイントの感覚が掴めず
にギクシャクしてしまいます。
以前乗っていたR32GT-RやパルサーGTi-R(これらは共に油圧式)のときも標準では自動調整でしたが
強化クラッチにする際レリーズシリンダーを加工し、手動調整で奥のほうで切れるように調整して乗って
いました。 このときから癖がついてしまったようです。