現在の追加アースライン接続ポイント

ここのところアーシング関連の記事が続いたので参考までに現在の私の車の施工例を


 

●私のJA22ジムニーは10年ほど前に購入した銅芯線の追加アーシングキットをとりつけております。

ただ、アースポイントについては私の考えで何度か変えており、とくに私の場合はアース追加の目的

が「点火系の強化」にもっとも重点をおいています。 WAKOブラックコイル、HKSのTwinPower、

ULTRAのブルーポイントプラグコードなどプラス側の強化に見合ったマイナス側の配線を強化するという

意味でとくにシリンダーヘッドや点火コイルからのアース線を重点的に追加しています。

その他、ライトを明るくするとかの目的でのアーシングは以前の記事でも書いたように消費電流が増加

してオルタネーターの負荷増大によってかえってエンジンのパワーロス、トルクダウン、燃費悪化に繋がる

ので、そういった「逆効果になる部分」はあえて手を加えていません。 アースチューンは万能ではありま

せんので、「極力電気抵抗を小さくしたい部分」と「あえて電気抵抗を残したほうがいい部分」をきちんと

見極め、目的をもって必要最低限におこなうことが肝要ではないかというのが私の考えなのです。

 

<参考までに過去の記事>

→アーシング(追加アース線)

→アーシング(アースチューン)とバッテリーについて

 

↑私の使用しているアーシングケーブル。 バッテリーのマイナス端子から5箇所のポイントへアースを落とす

ようになっています。


●そこで今回はまたアースをとるポイントを見直してみようと思ったのですが、あらためて確認してみると

とくに変更する必要はない感じになっていました。

と、いうのは私の車は2010年に「エンジンオーバーホール兼ファインチューン」を緑整備センターさんで

でおこなっており、その際に緑さんのほうでより有効な位置に配線ポイントを変えてくれたようで、かなり

理屈にあった位置に変更されていたのです。 さすがはプロというか、効果の高そうな位置にアースされて

いました。 とりあえず、以下にその現状のアーシングポイントを記載します。

 

↑純正で唯一エンジンに繋がっているシリンダーヘッド後部へのアースをさらに追加で増強。

ここはK6Aエンジンではかなり重要なポイントです。 初期型K6Aエンジンはエンジン本体につながる

アースはこの1本だけなので、純正の細いアース線1本では不安なので、とくに点火系を強化した場合は

ここのポイントを直接バッテリーのマイナスターミナルに戻すことは有効だと思われます。

 

↑イグニッションコイルの至近へのアース追加。 ここは意外な盲点ですが、点火系強化のためにはじつは

たいへん有効なポイントなのです。

ここはバッテリーのマイナスにつながっていると同時にシリンダーヘッド〜イグニッションコイル間にも

ダイレクトにつながっているのです。 ここが重要。 多くの人の点火プラグに対するアーシングでわりと

見落としている人が多いのですが、スパークプラグに火花を飛ばすのはあくまで二次コイルです。 一次コイル

ではありません。ここを勘違いしないようにしてください。

要約すると、プラグへの電気の流れ方はバッテリーやオルタネーターから電気供給されるのは点火コイルの

一次コイルまでなのです。なのでこの1次コイルのアースをバッテリーのマイナス端子に戻すのは理屈にあって

います。 しかし実際にプラグをスパークさせる電気を発生させるのはそれとは隔離された二次コイルで発生

する誘導電流(誘導電圧)なのです。 つまり点火プラグはこの2次コイルのプラスとマイナスの間でスパーク

を飛ばすことでサーキット(電気回路)を構成しているわけです。

ですので、プラグの接地側のアースを繋ぐのはバッテリーのマイナス端子と同時に、点火コイルの2次

コイルのアース部分に繋ぐのが効果的なアーシングのやり方となります。 バッテリーだけにアーシング

しても効果は全くないわけではありませんが、それだけではパーフェクトではないということです。

最近、「グランドブースター」なる製品でプラグの接地部分からコードをバッテリーマイナス端子にアーシング

している人をたまに見ますが、これではやや不充分です。 点火プラグに電気エネルギーを直接供給しているのは

前述したようにバッテリーやオルタネーターではなく、あくまでも点火コイルの二次コイルなのですから、点火

プラグのアースはバッテリーではなく点火コイルに直接(あるいは至近に)アースするのが効果的な方法なのです。

 

なお、現在の主流であるダイレクトイグニッションコイル(各気筒独立コイル)のエンジンの場合は、そのコイル

の二次側のアースがどこに繋がっているかを確認してみてください。 そのアースがヘッドに直接落とされている

場合は追加でのコイルへのアーシングは必要ありません。(やっても意味がないということです)

 

↑もう1箇所、ヘッドカバーのボルトと共締めされたアースポイント。 ここもボルトを介してヘッドと導通

している部分なので点火系の確実な強化に繋がるポイントです。 あとはヘッドやブロックからの静電気を

逃がすという意味も若干はあります。

 

↑サージタンク/インマニ/スロットル付近にも1本。 ここは実際のところマイナルターミナルに戻す

意味はあまり大きくないのですが、ここもいちおう静電気の帯電を逃がすという意味ではオマケ程度にやって

おいて損はない部分だと思います。 このあたりは気持ち程度でしょうけどね。

 

↑忘れてならないのは純正のバルクヘッドの集中アースポイント。 ある意味ではここが基準というかいちばんの

基本ですので、必ず接続します。

 

●以上のような感じです。 バッテリーのマイナス端子からのアース追加はこの5箇所のみです。 あとは下の写真の

ようにエキマニとかインテークパイプとかマフラーとかインタークーラーからもアースは引いていますが、これらは

電装部品とは関係のない静電気や電位差を逃がすグランドアース(グラウンドアース)ですので、あえてバッテリー

には戻していません。 すべて銅平編線によるボディアースボンディングとして処理していますが、これで充分です。

↑インタークーラーおよびエキマニからのアース。 これらは主に内部を流れる気体と壁面とに発生する静電気に

よる帯電を逃がすのが目的なので、バッテリーではなくボディアースで充分こと足ります。

↑マフラー(触媒)からのアース。 ただこれは純正の排気温度警告灯センサーのアースも兼ねています。

ここの他にリアマフラーのサイレンサー(タイコ)直前部からも1箇所アース線を繋いでいます。

 

<参考までに過去の記事>

→ボンネットアースとその他のアース


●アーシングの実際の効果について

これについては賛否両論で、否定する人は徹底的に否定しますのであえて議論することすらバカバカしいです。

肯定する側もこの僅かな差を数値で示すことは少なくとも個人のレベルでは困難ですから。 それこそ自動車メーカー

が持っているような精度の高いエンジンテストベンチ(エンジンダイナモ)でもあれば明確に微妙なトルクに変化

があったとかを証明できるのでしょうけど、個人レベルではもちろん、チューニングショップレベルのシャシダイ

でもこれだけ微妙な変化を誤差なく一定条件での計測をすることはきわめて困難ですからね。

要するに、肯定する側も否定する側も決定的な決め手となるデータを示すことは現実には不可能なのです。 だから

いくら議論をしたところで水掛け論になってしまって答えなど出ないのがアーシングの現実でしょう。

 

一例ですが、柿本レーシングが発売しているマフラーアースキットでは「Z33で6.4PSアップ!」とか宣伝している

らしいですが、よく考えてみてください「300馬力以上ある車での6馬力ですよ?その割合はわずか2%!」

たった2%の変化なんてまったくもって誤差の範囲であり、とても効果があったなんて証明できるレベルには遠く及び

ません。それを誇大に宣伝するとは…「天下の老舗、柿本レーシング」としてはちょっと恥ずかしいとさえ感じます。

確実に効果あったと言うためには最低でも10%、いや15%以上は変化が欲しいところですし、しかもそれが何度も

テストしてもほぼ同じ結果が出せるような再現性のあるものでなければ信用するに値しません。 しかしながら

「たかがアーシング」でそんな10%も15%もパワーやトルクが変化するなんてことは理論的にも考えられませんから、

やはりチューニングショップレベルでもその微妙な変化をデータ化して明確にするのは事実上無理なわけです。

 

こんなレベルのアースチューンですので、否定派も肯定派も好きなだけ言いたいこと言っていればいいと思います。

よく電流テスターで流れる電流値を計ったり、抵抗値を調べてる人もいますが、そんな「プロセス」なんてなんの

証明にもなりません。 重要なのは最終的な「アウトプット」つまりエンジン性能にどう変化が出たのか、です。

しかしこれを数値、データで証明することは前述したように完全に気温、気圧、湿度などが管理された検査室で、

なおかつ自動車メーカーが持っているような高精度なエンジン動力計(エンジンベンチ、エンジンダイナモ)でも

なければわからない微妙なレベルです。 それもアクセル全開時だけでなく、ハーフスロットルや僅かにアクセルを

開けた際の微妙なトルクの立ち上がり特性など、ほんと微妙な操作に対しての変化を見なければわかりません。

↑エンジンテストベンチ(エンジンダイナモ/エンジン動力計)の一例。 写真ではSR20エンジンが載っています。

メーカーはこれにより、実際の走行時の負荷をかけながらシミュレーションテストをおこなってエンジン開発をして

います。 アースチューンなどのごく微妙な変化はこのような試験設備でないとわからないレベルでしょう。

 

さもなくば、前回の更新「(番外編)電線一本で世界を救う」でも書いたようにJARI(日本自動車研究所)に車を

持ち込んで、アーシングの有り、無しで10.15モードあるいはJC08モードでの公式試験でもやれば燃費や排ガスの

数値に変化があらわれるかどうかがわかります。 しかし、これには多大な費用がかかりますし、そもそも個人では

受けてくれるかどうかさえわかりませんのであまり現実的ではありません。

しかし面白いものです。 アーシング、アースチューンなるものが一般的になってもう10年以上経つのに、どこの

メーカーもきちんとした第三者による客観的な公的試験でその効果を証明していないのです。自社によるテストでは

いくらその性能を主張しても疑わしさは拭いきれません。 これではやはりアーシングは「オカルトチューンの類」

だと思われても仕方ないでしょう。 たとえばHKSなんかはエンジン開発で自動車メーカーなみのエンジンベンチ

設備を持っているわけですから、このへんの公的試験に準じた方法での試験ができるのではないかと思うのですが。

 

●ともかく、我々一般ユーザーレベルではそのアースチューンが体感的に違いが感じ取れるかどうかはまた別として

「それが理論的に正しいと思うならば」おこなって損はないものと考えています。 ただ、以前にも書きましたが

アースチューンはきちんと目的もって、必要最小限におこなうことがポイントではないかと思います。 なんでも

かんでも繋いでしまうと、せっかくの効果を打ち消しあってしまう結果になってしまうこともありますので。

なお、以前にも書きましたがとくに最近の充電制御車は下手にアーシングするとかえって悪影響を与えることがあり

ますので充分に配慮したうえでおこなわないと思わぬトラブルの元になりますので注意が必要です。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~