フロントディスクローターのピンホール加工
主にオンロードでの放熱性およびブレーキフィール向上のためのピンホール加工です。
●CADによる穴あけのイメージ。

●ジムニーのフロントディスクは外径290mm、厚さは10mmのソリッドディスク。
最初はスリットにしようかとも考えたのですが、ディスクの厚みが薄く剛性が低いことから
スリット加工をすると熱を持ったときに波打つように変型してしまう可能性があるため、
ピンホール加工を選択しました。

●加工前のディスク。 これは走行9000kmのJA12から外したものを解体業者から購入。

●加工後。
ディスク1枚につき5φの穴を60箇所あけ、錆を落としてから化粧直しの意味で軽く塗装をしました。
こうして見ると加工前の写真とは見違えるようになりました(笑)
ちなみにジムニーのディスクの材質は比較的加工しやすい類のものです。
ディスクローターの材質は各社さまざまで、個人的に加工した中ではトヨタ車のローターがもっとも
利き、耐磨耗性とバランスよく優れていると思います。ポルシェのローターと同じような感じですね。
逆にいちばん良くないのは日産。 耐磨耗性を高めるためでしょうが、ディスクとしては硬すぎです。
ローターは絶えず表面が磨耗していくことで熱疲労によるクラックを発生させる原因となるストレス
を消していきます(電車のレールと同じ理屈)ので、必要以上に耐磨耗性を持たせるとストレスが表面
に溜まりクラックの発生の原因になります。
GT-Rのブレーキローターがよく割れるのは材質によるところも大きいのです。
●ドリル加工後のワンポイントです。

ジムニーではまずクラックを生じるほどのハードブレーキングはないと思いますが、よくピンホール
ローターは穴の縁からクラックが入ります。
これを防止するための処置が上の写真。 穴よりも大きい適当なサイズのベアリング球を使用し、
1箇所1箇所ハンマーで穴の縁の角を潰すように打っていきます。 仕上がりはちょうど面取りをした
ような感じになります。 もちろん両面とも行ないます
これはあらかじめ穴の周囲の金属組織を圧縮することで残留圧縮応力を発生させておき、パッドとの
摩擦によって発生する引っ張り応力に対抗する力を与え、穴からの割れの発生を防ごうとするものです。
●クルマへの取り付け。

装着するとこんな感じです。
走行しての変化ですが、まだディスクにアタリがついてないので一皮剥けるまでは本来の制動力および
フィーリングは出ません。
それでも200kmほど走って感じることは、ピンホールによるセルフクリーニング効果は確実にある
ようで、スリット加工ほどではありませんが、連続してブレーキを踏み続けたときの制動力の低下は少な
くなったようです。 もうしばらく走ればさらに変化は感じとれると思います。

なお、オフロードをメインに走行する方はスリットのほうが良いかもしれません。
ピンホールだと穴のなかに石等が詰まったり、挟まったりすると大きなトラブルに繋がる可能性が
ありますので、注意してください。