HID装着
遅ればせながらヘッドライトのHIDキットを取り付けました。
●今ではコンパクトカーでもHIDは当たり前になりつつありますが、私のジムニーの時代はまだ
軽には純正HIDどころではありませんでした。 なにせJA22の純正はシールドビームランプと
いう車両でしたので。
それで今までは普通のH4バルブをつけていましたが、そのうちHID汎用キットが安くなったら
つけようと常に思っておりました。
そこで今回、かなり安く買えたこともあってHIDキットを取り付けることにしました。
●ここで選択時に気になるのはワット数と色温度です。
ワット数については標準的なものは35Wですが、最近では30Wとか20W程度のものも多くなって
きてますし、つい最近は40Wなどというのも出てきているようです。
ですが、私はやはり標準的な35Wのものを選択しました。
次に色温度ですが、最近は5000K(ケルビン)以上のものも多くなりつつありますが、この
色温度というのはあくまでも「光の色」を示すもので、明るさとは一切関係ありません。
具体的には数字が小さくなるほど黄色っぽくなり、数字が大きくなるほど青っぽくなります。
この中で、もっとも人間の目から見た時に「白く、明るく」感じるのは4000K〜4500Kの範囲と
言えます。 メーカー純正のHIDもほぼこの範囲です。
これ以上に数字が大きくなると、たとえば 6000Kを超えるようになると明らかに光の色が青く
なり、晴の日ならまだいいのですが、雨の夜や霧が少しでも出るとかなり見辛くなり、とくに
路面の車線などがわかりにくくなってほとんどライトを点灯させていないのと変わらないくらい
に見えなくなり危険ですので、これならばまだ通常のH4バルブのほうがマシと言えます。
ですので、私はとくに「雨の夜の安全性」を考えますので、4000K程度のものを選択したいと
思っていました。 今回のキットは4300Kですので、実用的な色温度となります。

↑購入したサンヨーテクニカのHIDキット。H4HI/LO。 TD-6800。
これは最近出た新製品で、すべてカプラーオンで接続するタイプです。
確実性からすれば主電源はバッテリーから直のほうが良いと思いますが、もともとのバルブにきて
いた電源の容量を考えれば、理論的には問題はないのではと思っています。
ただここで「なんでサンテカ製?」と思う人も多いと思います。 これについては私も非常に考え
ました。
いまさら詳しく書かなくてもこのメーカーの製品の品質については皆さん周知のことだと思いますし
私の周りでもサンテカのHIDで苦労した人が何人もいます。
私の近所には大手カー用品の量販店がいくつもありますが、やはりトラブルが多いためか、どこも
ここのHIDキットは置かなくなっています。 ディスカウント店では置いてますが。
ただ、逆にまったく問題のなく使用できている人もいて、いわばギャンブルのようなメーカーとも
言えると思いますが(またこういうこと書くとメーカーから苦情がくるかも知れませんが)今回
は価格からして安いことと、このメーカーはトラブルが多いかわりに、サポート体勢については
非常に好印象なので、それを考慮に入れて今回はいわば「賭けて」みることにしたわけです。
●ただ、現物を見てひとつ疑問に思いました。
このキットはHI/LO切り替えのH4なのですが、このLO用のシェードの形状を見て「あれ、
これでいいのか?」と思ったのです。

↑これはトップシェードを取った(私のライトにはすでにトップシェードがあるのでキットの
トップシェードは不要なのです)状態ですが、LOビーム時に下方向への光をカットするための
シェードがバルブ全長を被っているのです。
これがなぜ疑問なのかは以下の図を見て理解してください。

↑これはH4バルブのHI/LOそれぞれの状態のリフレクター反射状態を表したものです。
見ての通り、LOビーム時にはリフレクターの下半分に当たる光をシェードでカットすることで、
上方向への光軸をなくし、対向車が眩しくないようにします。
※実際のH4ハロゲンバルブではこのシェードはバルブ本体内に一体になっています。 図は
あくまでもわかりやすくするためにシェード状に大袈裟に描いています。
HIビーム時にはこのシェードがかからない位置になることで、全方位のリフレクターに反射する
ことで上下左右すべての方向へ光を照射します。
ですので、HIビーム時にはシェードがかかってはいけないのですが、このバルブは全長に渡って
シェードがかかっていますので、HIビームにしても下側のリフレクターに光が当たらないので
理屈の上では上方向への光軸が得られないのです。 HIDはなぜこのような設計なのでしょうか?
下の写真でその様子がよくわかります。

↑ご覧のようにHIビームであるにもかかわらず、シェードで光がカットされてしまうために
リフレクター下半分に光が当たっていません。
ちなみに、光の水平ラインが傾いているのは左側通行のために対向車側(=右側)の光軸を
より下げるためです。
●とは言ってもとりあえず取り付けてみます。
とりつけはカプラーオンですので、あとはバラストなどのユニット類を適当に納めてしまえば
難しいことはありません。
最近のキットはバラスト、イグナイター、コントローラーともに小型なので、初期のキットほど
取り付け場所に苦労することもありません。

↑これは取り付け前の点灯テスト。 商品のアクリルカバーを外す前にこれをやらないと
クレーム効かなくなるとのことなので、いちおうチェックしましょう。
●点灯させてみて
これは写真で見ていただいたほうがよくわかると思います。

↑左がロービーム、右がハイビーム。
きちんと瞬時に切り替わりますし、配光、光軸ともにとくに問題はありませんでした。
シェードの形状には疑問は残りますが、結果オーライということで深く考えないこととします。
さて、光量もさることながら、この配光も重要です。
実はHID、とくにH4スライドタイプはHI、LOそれぞれの発光点の位置が純正H4と同じ位置で
ないと微妙に光軸がずれてしまうのです。 ですので最近のHIDバルブはただ前後にスライド
するだけでなく、上下にもわずかにスライドするようになっているものも多くなっています。
点灯させた直後はやや暗く青い感じですが、だいたい10秒〜15秒ほどで充分な明るさになり
光の色も白くなります。
いずれにしてもHIDはあまり頻繁にON/OFFさせるような使い方は苦手ですので、これは仕方
ないでしょう。(私は信号待ちでライトを消す癖があるので)
また、左右の光の色の差や明るさの差もありませんし、チラつきなどもありません。
パッシングのレスポンスもけっこう早いです。
総じて今のところは何ら機能、性能に問題なく順調に使用できています。

↑参考までにHIDハイビーム+あと付けフォグランプ(H3バルブ55W)
※私はこのあと付けフォグをハイビームにしたときに不足する、車両直前のとくに左右の広がり
の光量を補う意味で使用しています。 これは夜中の峠道で効果を発揮します。
なお、純正のフォグは純粋なフォグとして使用します。 ですので、イエローレンズとなって
います。 JA22-2型からはなぜかホワイトレンズになっていますが、濃霧の中を走るのには
黄色レンズのほうが有利です。
マイナーチェンジでなぜホワイトレンズにしたのか私には理由がわかりません。
●結論として
とりあえず現時点では問題なく使用できており、性能的、機能的にはまったく問題ありません。
明るさも非常に明るいですし、色もちょうどいい白色という感じです。 私にはこれ以上高い色温度
のものは必要ないです。
しかし、ご存知のようにサンテカ製のHIDは初期不良がわりと多いので、無事に「最初の半年間」
を乗り切れるかどうかがカギです。 半年ノートラブルで使えればその後もまず問題は発生しないと
思いますので「アタリの製品」と言えるでしょう。
それまでは安心できないので、やはり万が一に備えてH4バルブを常備しておかないとなりませんね。

●蛇足ですが
よくHIDは発熱が少ないと言われています。 これは事実だと思います。
ただ、私は仕事でライトリフレクターの再メッキなどもおこなっていますが、このライト
リフレクターのメッキというのはいわゆるスパッタリングメッキというメッキで、決して
耐熱性に優れたメッキではありません。
ですので、ライトバルブからの熱でよくメッキがやられてしまうことが多く、とくに古いクルマ
や外国製のものはメッキの質が悪いこともあって数年でメッキが剥がれてしまうものも多く、
また、ハイワッテージバルブでもトラブルは発生しやすいものです。
よくハイワッテージバルブなどは「樹脂製レンズのライトには使用しないでください」と
ありますが、実際にはレンズではなく、このリフレクターのメッキがいかれてしまうのです。
それでは、HIDならば発熱が少ないのでメッキにも優しいだろうと思われるかもしれませんが、
実際にはHIDでもかなりバーナー基部の発熱が激しいために、メッキへの攻撃性は通常のハロゲン
バルブと変わらないか、むしろ局部的にはダメージが大きいことさえあるのです。
これは多くの方がご存知ないのではないかと思います。
つまり、HIDは発光部からの発熱が低いだけであってバルブ全体の熱はさほど変わらないという
のが経験的にわかっています。
ちなみに、ここで「ライトリフレクターのメッキはクロームメッキではダメなのか」と疑問に
思う方もいると思いますが、これは光の反射効率の問題で、スパッタリングではメッキ層に
アルミを使用しますが、アルミと比べるとクロームは反射がたいへん暗くなってしまうのです。
ですので、こうした光の反射効率を追求したい用途にはクロームメッキは向かないのです。
それともうひとつはクロームメッキのような電解メッキは内側や凹んだ箇所など、狭く深い
場所にはメッキがつきにくい特性があるので、ライトリフレクターのようにスリバチ状になった
ものには奥のほうがとくにメッキがつきにくく、まだ単純なお椀型のものであれば問題は少ない
のですが、最近多いマルチリフレクターのような複雑な形状のものは平均的にクロームメッキを
かけるのが難しいという制約もあります。
ですので、メーカー純正品でも社外品でもリフレクターにクロームメッキのものはまずありません。