(番外編)3種類のHT06タービンの比較
JA22純正HT06、アルトワークスR純正HT06に加え、SUZUKI SPORTのN2キットのHT06
タービンを入手しました。 今回はそれらの比較です。

SUZUKI SPORTのHT06タービン。
●まずは測れる限りでの現物の寸法の比較です。

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インデュース径mm(A) |
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コンプレッサハウジング外寸mm(B) |
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エグゾースト出口径mm(C) |
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エグゾーストハウジング外寸mm(D) |
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インペラー羽根数 |
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タービンホイール羽根数 |
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エグゾーストハウジングA/R |
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タービン刻印 |
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※A/Rとは

A/R比とは上図のようにタービンハウジングの最狭部の面積とタービンホイール軸からそこまでの
比率をあらわしたもので、一般にこの数字が大きくなるほど高回転、高出力型になります。
つまり、同じタービンサイズでもA/Rが違うだけでまったく違う性格のタービンになります。
●以上の表の数値および、現物を比較すると純正のHT06は論外として、ワークスRとスズスポのHT06
の違いは外観上からはほとんど判りません。 寸法、A/Rスペックとも同じですし、タービンホイール
およびインペラー形状も同じにしか見えません。
そこでいったいどこが違うのだろうと思い、直接スズキスポーツに電話で問い合わせをしてみました。
その答えはN2キットのHT06とK6AワークスR純正のHT06は同一スペックのモノだと言うことです。
ただし組み立てラインが違うらしく(これは刻印からして違うので本当だと思います)バランスや組み込み
精度の点でN2タービンのほうが高精度に管理されているそうです。 チューンドタービンとして極限状態
での信頼性を考えてのことでしょう。 本来チューニングパーツ、レーシングパーツというのはこうした目
に見えない部分に金をかけているものだと思いますので、それはそれで納得はできます。
あ、あとはスズスポのほうは調整式アクチュエーターもついていますね。
とはいえ実際に装着しても性能的な差、とくに体感的な差としてはないそうなので、今回入手したN2キット
のHT06タービンはもったいないのでそのままスペアとしてとっておくことにしました。
なお、SUZUKI SPORTにはHT06の他にIHIのRHB31FWというタービンもありますが、こちらはA/R9で
コンプレッサー、エグゾースト共にHT06よりも若干サイズを絞ってありますので、HT06よりも低い回転
から過給が立ち上がり、どちらかというと中低速からトルクを発生したい場合に向いているものです。
ジムニーというクルマの性格を考えると、素直にIHIのタービンのほうがいいと思いますが、私は邪道な
ので(笑)本来ジムニーでは設定のないHT06にこだわってみたいと思います。
ブースト1.3k程度でのパワーはHT06が110〜115PS、RHB31が100〜105PSといったところです。
高回転パワーは10馬力ほどHT06のほうが有利ですが、そのぶん中速域のトルクではRHB31より劣ります。
ちなみにワゴンRプラスに搭載されていたHT07タービンもつけられます。 ただし、ウォーターパイプの
取り回しが違うので、これの変更、およびコンプレッサーハウジングが組付けの個体差によりウォーター
ポンプに干渉する場合があるので、その場合は小加工が必要です。
07タービンはコンプレッサーサイズはかなり大きいのですがA/Rが9ということもあり、A/R12の06より
低速からブーストが立ち上がります。
なお、スズキスポーツから出ているワゴンRプラス用のHTO7タービンキットはこれをさらにA/R12にした
ものですのでさらにパワーが期待できますが、ノーマルカムのエンジンで有効に回しきるのは辛いかも。
そのため、社外07タービンはショップによりA/R仕様が異なっており、オリジナルセッティングがなさ
れているようです。 結局、06タービン07タービンと言っても様々な仕様がありますので、自分のエンジン
の仕様、クルマの使用用途、目的を充分に検討したうえでタービンの選択をしたほうがいいですね。
いちおう断っておきますがスズキスポーツから出ている、JA22用のN2タービンキット、N1およびN2CP、
またワゴンRプラス用のHT07タービンキットはすべて生産終了になっております。
ですが、それなりに融通はきく会社だと思いますので、タービンくらいなら在庫があれば購入できると思い
ますので、欲しい方は問い合わせてみたらどうでしょうか。
でも、コンピュータのほうは生産終了モデルはまず無理ですね。 スズキスポーツの製品は「なまもの」的
なものが多く、発売されたかと思うと、1年もしないうちにカタログ落ちしてたりすることが多いですので、
人気モデルを除いて、手に入れられる時に買っておかないと後になってはほとんど入手不可能になるものが
多いので「お金が溜まってから買おう」などとゆっくりしているとガッカリすすことがあります。 ただ、
コンピュータやインジェクターなどはどうにでもなりますし、スズキスポーツ以外でも信頼できるショップの
ものならばそちらのほうがパワーも出ます。(全体にスズキスポーツのCPは安全マージンが広いので、N1、
N2ともにショップの現車合わせのCPよりも10馬力くらいは下がるのが普通です。 逆に、現車合わせでない
にもかかわらず、現車合わせ並にパワーの出るようなCPは有名ショップのものであれ、個人製作のものであれ
気をつけたほうがいいです。 3速や4速の全開加速でいくら問題なくても、5速の連続全開走行をおこなえば、
仕様や個体差、気候がちょっとでも合わないと簡単にエンジンブローしますよ)
私のわかっている限りのスズスポの各パーツの部品番号です。(変更になっている可能性もあります)
JA22用 N1コンピュータ 4lA36-L18
JA22用 N2コンピュータ(インジェクタ付属) 4lA36-L30
JA22用 N2タービン(IHI RHB31FW) 4lA36-T10
K6Aワークス/カプチ/ワゴンR用N2タービン(HITACHI HT06) 4NA36-T20
ワゴンRプラス用 N2タービン(HITACHI HT07) 4RA36-T20