インタークーラー前後の吸気温度の計測

簡易吸気温度計でインタークーラーおよびウォータースプレーの効果を見てみました。


↑用意した温度計。 本来は内外気温度計ですが、セ氏マイナス50度からプラス150度まで

測定できるものです。 精度は意外に正確で、説明書によると1度程度の誤差しかないようです。

吸気温度計はいろいろ出ているのですが、今回の目的はインタークーラー前後の温度差をみたい

ので、2箇所を同時計測できて、しかも瞬時に切り替えができることが必要なので、この機能を

もっている温度計でしかも「安価な」ことが重要です。

しかも常設するわけではなく、一時的なデータ取りだけですので、こういうので充分なわけです。

 

ちなみに、この温度計はけっこう汎用性があるようで、気温だけでなく液体(オイルや水温)も

大丈夫だそうです。 2箇所の温度差をリアルタイムで測れるわけですから、アイデア次第で

いろいろなデータ取り等にはなにかと使えそうです。

 

<追記> 2011/12/25

最近、「この温度計が欲しいのだけど、どこの製品か?」というお問い合わせメールがあります。

これは「GRIFFIN(グリフィン)」というブランドの製品です。 製品名や型番はよくわかりません

が「神港テクノス(株)」という会社の製品のようで、現在は廃盤製品のようです。その他は不明。

2WAY温度計とか内外温度計とかで調べてください。 当時ヤフオクで2000円程度で購入しました。


↑温度センサー線。 径は3mmほどです。

今回は橙線をインタークーラー前、緑線をインタークーラー後の計測に使用しました。

 

↑センサーはこのようにインテークパイプのホースの隙間からコードを通し、インテーク内部に

配置しました。 その上でバンドで締めますが、隙間からの若干の漏れが出るのはしかたありません。

とりあえず計測の間だけですので、この程度は無視します。

なお、センサーの先端部はインテークパイプに直に触れて壁面の温度を拾ってしまわないように

テープを巻き断熱してあります。

センサーの設置位置は写真の通りで、インタークーラー前はノーマルのブローオフの穴、インター

クーラー後はインタークーラー直後のインテークパイプのジョイント部から、インタークーラー

のロアタンク内に配置しました。

あとは電源およびバックライト配線をシガライターから取って配線は終わりです。


●走行しての確認

準備ができたらさっそく走行して温度の変化を見ます。

↑本体は助手席のアシストグリップにくくりつけました。

これで走行中に表示部下にある切り替えスイッチで、リアルタイムに2つの温度を比較すること

が可能です。 緑と橙はそれぞれのセンサーのコードの色です。

 

以下に結果を記します。 ちなみに外気温は20度ほどです。

 

●アイドリング時

暖機が終わった状態で、インタークーラー前でだいたい50度、インタークーラー後で30度あたり

を指しています。

 

●通常走行時

街乗りの法定速度60km/h程度で流れにのって普通に走っていると、インタークーラー前では

巡航時で70度あたり、ブースト0.5〜0.8程度の加速時で90度前後になりました。

インタークーラー後ではこの程度の速度でも30度以上も低く、40度から50度前後でした。

ボンネット上配置のインタークーラーは前置きインタークーラーよりもこうした低速域での冷却

効果は期待できないのですが、意外にこのくらいのスピード域でも、充分に冷却効果を発揮して

いるようです。

ちなみにこの状態ではウォータースプレーを噴射しても、ほとんどインタークーラー後の温度は

変わりません。 この程度の領域ではウォータースプレーの効果はないようです。

 

●3速および4速あたりまでのフルブースト全開加速

興味のあるのはやはりフルブースト(1.4K)かけての全開加速時です。 フルブーストをかけるわけ

ですから6000rpm以上をキープした状態で行ないますが、さすがにインタークーラー前では130度

を一気に超えます。 一般にターボ直後の吸気温度は150度ほどと言われていますので、これは

ほぼ予想通りと言えます。

しかし、インタークーラーの効果はたいしたもので、インタークーラー通過後はどんなに上がっても

60度を超えませんでした。 つまり、70度ほども温度の低下を示していました。

 

もちろんノーマルのインタークーラーとの比較はしてませんが、私のインタークーラー周りの仕様

(ARCインタークーラー、大型エアスクープ、インタークーラー下の遮熱シート)でかなりの冷却

効果があるようです。 このへんはノーマル状態と比較してみたいところですが…

 

そしてウォータースプレーの効果ですが、この状態でスプレーを噴射すると、条件にもよりますが、

最大でだいたい10度ほど低下する感じです。

ただ、温度の下がり方は即効的に下がるというよりはジワジワと効いてくるという感じですので、

どちらかというと、効果的な使い方としては温度が上がってから下げるよりも、温度の上昇を

できるだけ抑えるという考えで使用したほうが効果的な気がしました。

ランエボやインプレッサがブーストに応じて常時(或いは間欠的に)噴射しているのがよく解る

ような気がしました。

やはり、本来ならば大きめの水タンクを設けて「本気で走る時」は常に噴射しているほうが効果的

ということになると思います。

 

↑左がインタークーラー前、右がインタークーラー後。

もちろん、走行中は写真を撮れませんので、これは4速全開して130度以上に温度が上がってから

すぐに車を路肩によせて撮ったものです。

ですので、走行時よりも温度は下がってしまっていますが、温度差はリアルタイムですのでその差

はわかると思います。  なにしろ温度を半分以下にまで下げるのですから、インタークーラーが

いかに大きな仕事をしているかよくわかります。

 

●結論

インタークーラーの効果についてはある程度予想していましたが、その温度低下の数値については

予想を上回るものでした。 エンジン上部に配置されているタイプのインタークーラーとしては

かなりの効果を発揮していると言えると思います。

※ただ、インタークーラー前後の温度差といっても、今回は上流側のセンサー位置はインタークーラー

とターボの中間くらいの位置ですので、やや差が大きく出ていると思いますので、このへんはご了承

ください。

もちろん真夏の炎天下等では冷却効率も落ちるでしょうが、とりあえず今回は比較ができただけでも

有意義だったと思っています。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~