(番外編)社外マフラーの新たな騒音規制について

いよいよ今年から新しい音量規制がはじまります。


●現在、合法的な4輪用社外マフラーについては「保安基準適合」と称されているものと、「JASMA認定」

と2種類があります。

昔はマフラーの交換してるだけで警察に停められた時期もあり、その時代から比べれば規制緩和によって

かなり自由度も広がり、アフターマーケット市場もかなり活気づいたものと思います。

しかし最近はそれが仇となって、本当に保安基準に通っているのか疑わしい音量のうるさいものや、やたら

重低音が大きく響くもの、また、インナーサイレンサー脱着式のものを街中で外して運転したり、これでは

暴走族と変わらないじゃないかという車両が多くなってきたのも事実であり、これは4輪も2輪も同じです。

結局、JASMAや二輪のJMCAなどは非合法マフラーや競技用マフラーの街中での使用をなくし、合法的な

カスタマイズを促進する目的でつくられた機関ですが、あくまでも業界の任意団体であるために法的強制力も

なく違法業者に対しての取り締まりなどはできないことから、これらに適合しない製品も数多く出回っている

ことも事実で、現在となっては有名無実化しているといってもいい状況です。

つまり、最終的に公道で基準適合マフラーを使用するか、非適合マフラーを使用するかはユーザーの選択、

良心にかかっていたわけです。 しかし、今年からついにこのような「野放し」状態の社外マフラーを規制

する新たな法律が施行されることとなりました。

↑私が過去につけていたマフラー。 上がTANIGUCHIシングルマフラー(JASMA認定品)、

下がSUXONマフラー(保安基準適合品)。 比べるとやはりJASMA認定品のほうが静かです。

 

●今回の規制の重要な要因に、今までの社外マフラーは「近接騒音」でしか計測してないことがあります。

とくに今回問題になっているのは無負荷時の音量ではなく、音量のとくに大きくなる加速時の騒音です。

ここでごく基本的なこととしてなぜ排気音が生じるのかということについてですが、これはエンジンから

放出された高温、高圧のガスが大気に放出される時、急激に膨脹することで発生する一種の爆発音です。

自動車やオートバイのエンジンは、当然ながら空吹かし等の軽負荷で運転する時よりも急加速時等の高負荷

で運転する時のほうが多くの燃料を燃焼させることになります。 当然その結果、高温、高圧の排気ガス

が多く出ますので、それが大気中に放出されるときの膨脹音も大きくなる、つまり五月蝿くなるわけです。

たとえば同じ5000rpm時の音でも、単なる無負荷の空吹かし時と実際の走行時の加速負荷時では騒音は全く

変わってしまい、当然ながら近接騒音より加速時騒音のほうが格段に大きくなります。 これを今までの

社外マフラーは空吹かし状態、つまり近接騒音のみでの測定で許されていた、言ってみれば「甘やかされて

いた」のです。 →(参考)実際の近接騒音の測定についてはこちらのページでおこなっています

対して純正マフラーはこの近接騒音に加え加速時騒音も規制されているため、社外マフラーに比べノーマル

マフラーは格段に音量に対する規制は厳しいものになっています。

ですので、社外マフラーは近接騒音値では純正マフラーと同等レベルの音量と謳われていても、走行中の

加速時騒音は大きくなってしまうものがほとんどなので、結果として五月蝿く感じるものが多いというのが

今までの社外マフラー(交換用マフラー)の現状なのです。

この現状を少しでも改善するため、数年前から社外マフラーに於いても加速時騒音を規制しようという動き

がおきました。 ただ、加速時騒音は近接騒音のようにどこでも手軽に計測できるものではないため、現実

には「それをクリアーしていることを証明できる書類、および銘板のついている製品」のみ車検をパスできる

というかたちになります。

●これらについては国土交通省のページ(まだ最終決定ではありませんが)を見て下さい。

http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/09/090627_3_.html

とくに「別紙2」(pdfファイル)が今後の具体的な流れを詳しく説明しております。

●こちらのページでは一般国民からのパブリックコメントを募集しています。

http://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha10_hh_000004.html

 

●現実にはどうなるか

具体的には、完成したマフラーを公益法人である「日本自動車研究所(JARI)」の検査にかけて合格し、

それを証明する銘板がマフラーにつけられていなければ、仮に騒音規制等に適合するレベルの製品であった

としても車検を通すことができないというわけです。 これはかなり厳しいものです。

つまり、いくら静かなマフラーであっても、純正以外のマフラーは前述したJARIの証明書がなければ車検を

通らないということなのです。 HKSとかフジツボなどの「大メーカー」であればさほど苦にはならないで

しょうけど、1ショップでこの検査を通し認可を得るというのはかなり煩雑な作業なのではないかと思います。

実際、メーカーを除くいわゆるチューニングショップではもっとも早くこの認可を受けた緑整備センターさん

にも話を伺いましたが、ISO認証のない工場での生産ということもありサンプル品の検査だけではなく、その

製品の製造時の品質保証、品質維持面についても検査を受けるためにかなり大変だったということです。

これについて詳しくは日本自動車研究所の以下のページを参照してください。

http://www.jari.or.jp/muffler/

なお、現段階でこの試験に合格しているメーカー、ショップ、製品の一覧は以下のページで確認できます。

http://www.jari.or.jp/muffler/release_list/

 

今回の法改正はいちおう平成22年4月より施行される予定ですが、こちら(pdfファイル)にも書かれて

いる通り、その日以前に製造された車に関しては適用外となる予定です。

つまり、平成22年(2010年)4月以前に製造された車両に対しては従来の規制値のままということに

なります。 これではやや片手落ちという気がしないでもないですが、法律上、その当時の規制値に合わ

せて造られた、あるいは購入した人の権利を守るためには仕方ないことだと思います。

遡って規制することはユーザーに対して新たな買い替え、出費を求めることになってしまいますので。


↑私が現在つけているマフラー、APIOの静香御前 舞。 私の年式では今回の規制は対象外ですので

まったく関係ありませんが、おそらく仮に加速時騒音を計測したとしてもこのマフラーならば新規制

もクリアできるレベルになっていると思います。 ちなみにこのマフラーの近接騒音は82.8dbです。

しかしなぜAPIOの製品はどれもJASMAの認定を取らないのかが不思議です。数値的にはほとんどの

製品がJASMA規定をクリアできているはずなんですが、APIOからすれば保安基準さえ通っていれば

そんなの必要ないというスタンスなのかもしれません。

それに、今回の新規制施行によってもはやJASMAは何の効力ももたなくなってしまいますので、将来

的にJASMAはその存在自体が無意味なものになってしまうのではないかという気がしますが…

 

●ジムニーの社外マフラーについての個人的な意見

これは私の個人的な願望というかお願いなのですが、よく爆音系のマフラーをつけたジムニーを

見ることがあります。 ですが、これはぜひやめていただきたいのです。

たまに「爆音が好きだ」とか「音を大きくしたいからマフラーを替える」とか「静かなマフラーでは

もの足りない」等ときわめて自己中心的なことを言う方がいます(しかもそういうことをいい歳を

した大人が言っているのですから情けなくなります)が、本人は音を大きくしてそれでいい気分なの

かもしれませんが、やはり周囲の人間からすれば非常に耳障りであり不快であり迷惑なことです。

これでは一般大衆から見れば暴走族となんら変わりません。

こういうジムニーユーザーが一部とはいえいるだけで、改造ジムニーに乗っている人はみな暴走族

と変わらないという目で見られるのは非常に辛いことです。 私もよく「ジムニーってやたら五月蝿

いのが多いよね」と言われることがあり不快に感じます。

五月蝿い音と言えばビッグスクーターやミニバン系でも一部にやたら五月蝿く「頭の悪さ全開」の

輩がいますが、こういう一部の馬鹿者のおかげでそういった車種に乗っている人全てが同じ目で見

られるというのは不本意であり、ある意味怒りを感じます。

ですので、賢明なジムニーユーザーの方々にはぜひ社会との共存を考えて、今回の規制に該当する、

しないにかかわらず、できるだけ音の静かなマフラーを装着して乗っていただきたいと私は願ってい

ます。 同時にマフラーメーカーには爆音系のマフラーの製造をやめていただき、効果的な消音と

低排圧を両立できるマフラーの技術開発に努めていただきたいと思います。

それでも「競技用」などの名目で爆音系のマフラーを造り続けるようなメーカーに対してはもっと

法規制を強化してそういったマフラーをつけていた車両のドライバーだけではなく、そういった製品

を製造、販売した業者にも厳罰を与えられるようにすべきだと私は思いますし、とくに近年煩わしい

250ccスクーター等車検のない車両に対しての対策もぜひ考えていただきたいと思っています。

もちろん、結局のところ最後は個々のユーザーの良心にかかっているのではないかと思いますが。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~