SUXON マフラーの改造-その2
より静音化のために大容量のサイレンサーに変更しました。

●私の車のメインマフラーはサクソンのマフラーをベースに改造し、リアエンドに追加サイレンサー
をつけていますので、中間タイコとあわせてツインサイレンサー(大容量化している触媒もプリマフラー
としての役割をしていますので、都合3つのサイレンサーがついていることになります)となっている
こともあり、マフラー交換しているわりにはかなり静かではあります。
しかし次第に欲が出てくるもので、最近はアクセルを全開にしたときなどの加速時の音量もさらに下げ
られないかと考えるようになりました。
現在、市販で売られている社外マフラーでも最近静かさを売りにしているものもちらほら出てきて
おり「ノーマルマフラーとほとんど変わらないレベル」などと謳う製品も出てきましたが、それは
あくまでも近接騒音の話であり、加速時騒音はそれなりに大きくなるものも多いです。
排気音というのは高温、高圧のガスが大気圧に出るときに急激に減圧、膨脹することによって発する音
ですので、当然ながらより高温でより大量のガスが発生する高回転かつ高出力時、即ち全開加速時に
もっとも音が大きくなります。 つまり、近接騒音のようなほぼ無負荷な状態での5000rpmと、
加速時騒音の負荷をかけての加速中の5000rpmでは音量は全く異なるわけです。
近接騒音では静かなのに、実際の走行時の加速では五月蝿くなるのはこの違いによるものです。
その点、純正マフラーは社外マフラーの近接音量とは別に、加速時の音量も規制されておりますので
近接時の数値はほぼ同じでも実際の走行時の静かさはやはりノーマルマフラーのほうが格段に上です。
このようなことから、今後は社外マフラーも純正マフラー同様、近接騒音だけでなく加速時の騒音も
規制対象になる時代になることが予想されます。(もっとも、仮に法が施行されても現実には私の車は
年式的に規制の対象にはならないでしょうが)
それで今回の改良ですが、今のままでも五月蝿いということはありませんが、排気効率を落とさない
ようストレート構造を維持したまま、さらに静かにできないものかと手を加えてみました。

↑購入した汎用サイレンサー。
内径パンチング60φストレート、120×225mmオーバル筒、筒長280mmのステンレス製です。
メーカーなど一切不明な製品ですが、格安だったこともあり購入してみました。
今までつけていたアルミ製円筒形サイレンサー(φ100×300L)と比べると、内径パンチング径は
大きくなっていますが、容積が倍も違いますのでとくに低音域の消音に効果を発揮すると思われます。
ただし重量については大幅に増加(1.3kg→3.7kg)してしまいましたが。
オーバーハング上の重量増加はできるだけ抑えたいところですが、得られる消音効果との兼ね合いで
必要な性能を得るための重量増であれば妥協するしかないかなと思います。
●差し込み部およびマフラーカッター部の加工
汎用品ですので、そのままでは取り付けできませんので新たにフィッティング部品を作成します。
●差し込み側

↑アルミで差し込み部パーツを製作、それを片方の差し込み部に軽圧入し、周囲にある3本の留めネジ
で固定します。 マフラーパイプへの固定は今までと同様、バンドで締めつけです。

↑今回はよりガッチリ締めつけられるようにTボルトクランプを使用しました。
●出口側

↑出口側は約20mmで切断。 長さがギリギリなのでバンパーから出っぱってしまうためです。
また、そのままではあまりにタイコが目立ってしまうので、本体は耐熱塗料の艶消し黒で塗装しました。
ステーについてはスチール製4mm厚のT字ステーを曲げて使用。 バンドはこのような特殊な形状のため
汎用の丸型サイレンサーバンドは使用できませんので、市販のホースバンド2本で巻き付けました。
●マフラーカッター

↑そのままでは出口が寂しいので、適当なチタンの丸材から削り出し、適当にバーナーで
焼き色をつけました。
●取り付け

↑取り付けた状態。
大きめのタイコですが、黒く塗ったこともあり目立ちすぎずわりとしっくり収まったと思います。
ちなみにマフラーカッター先端はバンパーより約30mm引っ込んだ位置になっていて、きちんと
全長内に収まっています。
なお、マフラーカッターの取り付けは基本的に締めつけですが、万が一弛んだときのために脱落
しないようステンレスワイヤーでロックしてあります。
また、サイレンサーの重量が増したこともあり、吊りゴムは市販の汎用強化ゴムに交換しました。
●取り付け後の変化。
まず、アイドリングや低回転、低負荷域では音量そのものは今までと大きくは変わりません。
もともとこの領域では今までのままでも充分静かだったのでそれで良いのですが、しかし音質に
ついては多少変わり、こもるような低音域の成分は今までに比べかなり低減されました。
結果、音質がよりマイルドになり、音量が同程度でも耳障り感がより低減したという印象です。
走り出してみると今までとの違いはハッキリと現れ、加速して回転および負荷が増していくに従って
低音域の音を中心にさらに消えて澄んでいく感じで、回すほど今までより明らかに静かであることが
実感できます。 むしろエンジンルームからの音や駆動系からの音のほうが大きく感じるくらいで、
加速時の音量を抑えたかったという当初の目的は充分に達成されました。
今回の静音化の効果がもっとも顕著に現れたのは高速の巡航時で、今までと比べてもとても静かに
なりました。 排気音はあまり聞こえず、むしろ駆動系や風切り音などのほうが目立つくらいです。
感覚的には、オーディオのボリュームを今までより2つほど下げても同じレベルで聴きとれる感じです。
主に低音域の音が減衰されたことで、室内に反響していた音がかなり減ったことが要因と思われます。
それに、サイレンサーの容量は大幅に増加している反面、パンチング内径が今までの50φから60φに
大径になっていることで結果として排気抵抗も増えていないため、ブーストも今までと同じにかかります
ので、消音効果がアップしているにもかかわらずパワーも従来と変わりません。
結果として、サイレンサー重量の増加を除き、今回の改良はかなりメリットの高いものとなりました。

ちなみに、このようにサイレンサーの数を増やすことでたしかに消音性能は上がりますが、単純に同じ
ような形状や容積のサイレンサー(タイコ)をいたずらに増やしてもあまり意味はありません。
このような単室の構造のサイレンサーというのは、単体では消音(減衰)できる周波数帯域が限られて
おり、仮に同じようなサイズのサイレンサーを増やしても同じ周波数帯域の音が小さくなるだけで、全域
の音量が平均して下がるわけではないからです。
純正マフラーのタイコ内部がなぜあんなに複雑な構造をしているのかというと、それぞれの要素で異なる
周波数帯域をバランスよく低減するためで、これは社外品によくある単純なストレート構造のサイレンサー
だけでは実現は不可能に近いことです。
低音から高音までバランスの良い消音性能を持たせることが人間の耳に入ったときの五月蝿さを低減する
のに重要な要素となりますので、もしサイレンサーの数を増やすのであれば、それぞれのサイレンサーで
受け持つ音域を考えながらサイズや構造の選定をするとより効果的となります。
また、今回のサイレンサーもそうですが、この種の吸音型のサイレンサーは使用に従って吸音材が飛散
したり詰まったりして次第に消音効果が低下してきます(ですので純正では採用されないのです)ので
音量が大きくなってきた場合、分解式のものであれば分解して内部の吸音材を入れ直すことで対処でき
ますが、非分解式の場合はまるごと交換するしかありません。
それと、薄手のチタン等でできたサイレンサーは軽量ですが反面、その外殻自体が放射音を発生しやすい
ので、同等のサイズのサイレンサーでも一般的な肉厚のステン製等のものより音が大きくなりがちです。
マフラーというのは消音を目的とするものですが、それ自身の表面からもかなりの騒音を発生しています。
ですので同じ形状でも素材によって、また、肉厚によって音質、音量が異なるのです。