マフラー交換

より実用域を重視した口径のマフラーにしてみました


●少し前に更新した「最適なマフラー径について」でも書きましたように、現在私のつけている

リアマフラーは高回転域重視の50φのもので、サクソンをベースにしたツインサイレンサーです。

ですが、これをもう少し細身の実用域重視のものに付け替えたらどうなるか試してみたくて今回、

マフラー交換しました。

ひとつには現在のサクソンのマフラーももうすぐ6年になるので、そろそろ違うものに換えたく

なってきたというのもあるのですが。

それともうひとつの理由に、以前はジムニー用のストレート構造のマフラーというとわりと音が

五月蝿いものばかりだったのですが、最近になってやっと音量を考慮した製品もチラホラ出てきた

ということで選択肢が増えたというのもあります。これは嬉しいことです。

私が言う「音量を考慮した」というのは車検に通るとか保安基準適合なんてのは当たり前の話で、

何dbという数字以上に、実際に耳で聴いたときの印象として許される範囲かどうかが大切なのです。

 

●新規購入したマフラー

↑APIO製「ジェットストリームマフラー 静香御前 舞」 JA22・JA12用。 オールステンレス。

数あるジムニー用のマフラーの中でもけっこう高価な部類のものですが、ちょうどサマーセール中

で10%OFFだったこともあり思いきって買ってみました。

おそらく同じJA22/12ユーザーで気になっている方も多いマフラーではないでしょうか。

APIOのマフラーというのは以前のステンレストツゲキマフラーの頃から知ってはいるのですが、

実際に街中を走っているジムニーで音を聴いたことがありますが、とにかく音が五月蝿いという

印象しかなく、この「舞」の前モデルになる「静香御前」でさえもまだ音が大きいということも聞き

ますので(どうもAPIOが考える「静か」というのと私の考える「静か」というのには開きがある

ようです)これもどうかなと不安はあったのですが、まぁ、いちおうツインサイレンサーですし、

サイレンサー容量も大きくとってあるため五月蝿くはないだろうと考えて選んでみました。

また、パイプ径も42.7φと私の現在のエンジン仕様にはちょうどいいバランスかなというのも選択

理由にあります。

 

↑テール部から。 各部の熔接や仕上がりも綺麗で、価格相応の出来映えだと言えます。

出口は2重管になっており、外筒が焼けないようになっています。


●取り付け

取り付けはいつも通りでとくに難しいことはなく、ジャキアップすることなくできます。

ただ、この静香御前 舞マフラーはツインサイレンサーのため、リアホーシングの上を

サイレンサーを通すときにやや知恵の輪的な工夫が必要になります。

車高アップしてある車両ならば楽に通るでしょうが、私のようにノーマル車高の場合は

マフラー出口と反対側のトレーリングアームにジャッキをかけて上げると、マフラー側

のサスが伸びて空間が広がるため、取り付けが楽になります。

ただ、ここのところ腰を痛めている私にはだいぶ辛い作業ではありましたが…

↑取り付け状態。 フィッティングも問題ありません。


●装着後のインプレッション

まずは音。

エンジンをかけての第一印象は、たしかにアイドリングは社外マフラーとしてはかなり静かです。

実際に走り出してみてもそろそろと走っている限りは充分に夜中の住宅街を走れるかな、という

レベルで、やはり数ある社外マフラーの中でもとくに静かなマフラーだと言えると思います。

加速時の音量もけっこう抑えられており、まったく気になることはありません。

購入前に懸念していた「APIOのマフラーは五月蝿くないだろうか?」という心配はとりあえず

払拭されました。

とくに秀逸なのは高速での巡航時で、まったく耳障りと感じるような音量ではありませんし、

音質も不快なものではありません。 むしろ「快適」という表現をしても良いほどのレベルです。

この音であれば長距離の巡航でも音が五月蝿くて疲れるということはないでしょう。

総合すると、純正マフラーレベルとまでは言いませんが、たしかに静かで「大人のマフラー」と

いう感じがあります。 ただ、私がこれまでつけていた「サクソン改ツインサイレンサーマフラー」

のほうがもう少しだけ静かだったということは書き加えておきます。

あと、耐久性など走行距離を重ねた場合の音量の変化はわかりませんが、とりあえず新品時の

インプレとしては音量は「私基準では」合格点でしょう。

 

つぎに走行性能面。

これはこれまで私が使っていたマフラーとの比較になりますが、走りはじめてすぐに感じるのは、

発進時やまだブーストがかかっていない低回転からの加速時のトルクが「かなり」上がっている

ことです。

さすがに2000rpm以下の極低回転域ではトルクは心細いですが、2000rpm〜4000rpm近辺

のブーストがまだ充分かかってない領域でのトルクが明らかに戻ってきました。(私のHT07-

A/R12タービンは4000rpmでもブースト0.5kをやっと超えるくらいしかかかりませんので)

これは今まで50φだったパイプ径が42.7φになったことにより、排ガス量が少ない領域での流速

が上がっているためですので当然の変化といえば当然なのですが、低アクセル開度を多用する

街乗りではかなり出足や上り坂が楽になりました。

とくに、今まではシフトダウンしなければ加速しなかったような状況でもシフトがそのままで

ただ踏んでいけば加速してくれるほど実用域のトルクは向上しました。

今さらながら「マフラーだけでここまでエンジン特性が変わるものか」と再認識させられます。

また、普通に走ってるぶんにはアクセルを踏む量が減りますので、当然燃費にもいい影響を出し

てくれまして、今回のテスト走行も1タンクをフルに使って街中半分、高速半分(しかも高速も

フルブーストでの全開加速を何度もくり返してますので燃費条件としてはかなり悪い状況)の走行

で14km/l弱走っておりましたので、かなり良好と言えると思います。

 

次に高速での全開時ですが、以前よりパイプ径が細くなったせいもあってか、EVC設定が同じまま

だと最大ブーストが0.05ほどですが下がりました。 やはりパイプ径が細くなったことで若干

とはいえ排圧が増えたためでしょう。 なお、インターセプトポイントはとくに変化していません。

 

↑全開加速でとりあえず5速7500rpmまで回したときのパワーメーター表示。

今回走ったときの気温が夜中とはいえ25度くらいある暑い日だったので、冬場に比べると

だいたい10馬力くらい低い値となりますので、それを見込むとパワーの数値的には以前と

さほど変わらない値を示していると言えます。

ただ体感的には、5速7000rpmを超えると以前よりもなんとなく抜けが悪くやや伸びが鈍く

なったような気がします。

ピークパワーは変わらなくても7000rpm以上でのトルクは若干低下しているかもしれません。

ただ、これは低中速域のトルクが上がったことで全体にトルク感がややフラットになったこと

から体感的には以前のようなドッカン気味が薄れたために、以前より高回転域でのパワー感が

落ちたように感じてしまったのも要因としてあるのかも知れませんが。

ただ、いずれにしても仮に高回転でのパワーが若干下がったとしてもそれよりも実用域での

トルクアップによるメリットのほうが圧倒的に上回りますので、今回のマフラー交換の目的

である「実用域重視」という条件からすれば充分に許容の範囲内と言えると思います。

 

↑全開走行後の排気温度ピークホールド。

排気温度についても、以前よりも若干ですが高めになりました。 これも排圧が多少なりとも

上昇したことが理由と思われます。 つまり、排圧が少し高くなったことで、排気系上流のガス

が停滞ぎみになることで「熱だまり」が起き、温度が上昇するという理屈です。

ただ、このくらいならば問題になるほどの値ではありませんが。


●まとめ

この静香御前 舞はたしかにジムニー用マフラーとしてはやや高価なマフラーではありますが、

使ってみた感じでは品質面、性能面で価格相応のクオリティはあると思います。

よくあるケースで、安価な砲弾型マフラーを買ったはいいが、音量が気になって径の細いインナー

サイレンサーを入れて無駄に排圧を増やしてしまい、本来の社外マフラーの性能をスポイルして

しまうという本末転倒なことをするくらいならば、多少高価でもはじめからこういった消音性能

と排気性能を両立させたような製品を購入したほうが結果として賢明なのではないかと個人的には

思います。

たまに若い方で「静かすぎてもの足りない」などと言う方もいますが、暴走族じゃないのですから

マフラーは要求される性能を満たした上でできるだけ静かであることに越したことはありません。

それに排気音が静かなほうが高速ノッキング音なども聴き取りやすくなるメリットもあります。

 

APIOという会社は基本的にノーマルエンジン、ノーマルタービンでの開発しかやらないメーカー

なので、この静香御前 舞マフラーも本来はノーマルエンジン、ノーマルフロントパイプでの

マッチングを重視して開発されているはずですが、このマフラーについてはとりあえずボルトオン

タービン仕様のチューニングならば性能が不足するということはないことがパワーメーター上でも

体感上でもわかりました。

ノーマルタービンはもちろん、HT07等のボルトオンタービンでもオールラウンドなバランスの

性能を求めるならばこの42.7φ程度で充分いけるでしょう。

ただ、「とにかく最高出力のみを追求する」のであれば50φに軍配が上がります。 このへんは

チューニングの目的次第でチョイスが変わってくると思います。

いずれにしてもマフラーはエンジン特性を大きく変えますので、値段や音、スタイルだけで選ばない

で、自分の求める特性が得られるのか充分に検討して選んだほうがいいと思います。

※写真の赤いマッドフラップ(自作品)についてはそのうちまた記事としてアップする予定です。


●ついでに

今回つけたAIPOの静香御前 舞も静かさと高性能を両立したマフラーですが、前述のようにタービン

交換した車両では若干ですが、5速7000rpm以上のとくに負荷が高い状態では高回転での抜けの悪さ

をやや感じる面があります。

それで、もうひとつ気になる存在としてHKSの「ハイパワー409マフラー」という製品があります。

(写真はHKSのサイトより)

これは静香御前 舞と同じツインサイレンサーのマフラーで、近接騒音数値も静香御前 舞とほぼ同じ

という静かさ(あくまでも数値上の話ですので、実際に耳で聴いたときに静かか五月蝿いかはまた

別です)ですが、メインパイプ径が50φと太めなので、高回転での抜けの良さではこっちのほうが

上ではないかと思います。 ただ、そのぶん実用域のトルクはおそらく細くなると思いますが。

なお、オールステンレスではないこともあり価格も静香御前 舞に比べると安めです。

タービン交換されているJA22や高回転パワー重視の方にはこのマフラーも検討の余地があるものと

思います。 私ももし次にマフラー交換する機会があるとしたら試してみたい1本です。

※追記

ご指摘で「ハイパワー409はSUH409材なのでいちおうオールステンレスです」というのがあり

ましたが、私の解釈ではSUHはあくまでも「耐熱鋼」であってステンレス鋼に分類するのは厳密に

言うと異なると考えています。実際にはSUS304等も耐熱鋼の一種ですから被る部分はありますが

ここはJISに従いステンレスはSUSと表記されるもの、SUHは耐熱鋼として分類しておきます。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~