フードトップモール&エアガイド&オイルクーラー
冷却系のちょっとした改良です。

↑製作したフードトップモールとラジエーターエアガイド。
●フードトップモール
以前に造ったものは高さが8mm程度しかありませんでしたが、今回は20mmまで高めました。
ベースは汎用品のフェンダーモールで、軟質ウレタン製です。
幅660mmに切断、端面を整えたあと、裏に3mm厚のアルミの骨をつけてから両面テープで
貼りつけです。 今回は純正色に塗装しました。
下地をしっかり仕上げてないので表面が多少粗いところもありますが、自分で使うものなので
気にしません(笑) いちおう、サーフェイサー→純正色→クリアーと乗せてあります。
●ラジエーターエアガイド
名称はクーリングパネルとかアッパーシュラウドとか様々ですが、要は「スキマ埋め」のための
プレートです。
フロントグリルから入ってきたエアがラジエーターとコアサポートの隙間から漏れてしまうのを
最小限にするために、その空間に蓋をすることで、前方から入ってきた走行風をできるだけ
ラジエーターコアに当てるための補助をします。
材質はさして強度は要らないので、アルミの中ではもっとも安価な部類のA5052P、0.7mm厚。
ちなみにJA22は左右と下には純正でカバーがありますので、上だけカバーすればOKです。
●通常、フロントグリル部分に当たった空気のうち、有効にグリル内に取り込まれるのはせいぜい
30%程度と言われています。
これはフロントの開口部の大きさよりも、抜ける側の効率に左右されることが大きいためです。
クルマが高速走行中、もっとも負圧の高まる部分はシャーシ裏側ですが、ジムニーのように車高の
高いクルマはこの部分の空力が最悪なために、実際のところは乗用車ほどの効率が望めません。
ちなみに、こうした効果を最大限に発揮させるためにもアンダーカバーやディフューザーが大きな
役割をしています。
たまに、ボンネット浮かしをやっている方がいますが、これについては私は否定派ですので好きで
はありませんが、仮におこなう場合、延長部分の強度に気をつけることが重要です。
ボンネットというのはメーカーは設計時、クラッシュしたときにヒンジ部がしっかり受け止める
ことで「くの字」に曲がるように設計しているのですが、ボンネット浮かしをするためのアダプター
部分のせん断強度が足りないと、フロントからクラッシュしたときにボンネットがくの字に曲がる
前にヒンジ部分が切断されて、ボンネットがそのままスライドしてフロントガラスを割りキャビンの
ほうに飛び込んできて最悪は「ギロチン」状態になる危険性があり、万が一の際は非常に危険です。
昔、よくあった逆アリゲーター式のボンネットが今はほとんどなくなったのも、整備上の理由の他
に、同様の安全上の理由もあったからです。
クラッシュ時にはきちんとヒンジよりも先にボンネットが曲がるように造られている必要があります。
●取り付け

↑エアガイド
ボンネットにある開口部も利用することから、コアサポート上面より約15mmほど浮かしたところ
からエアガイドプレートをとりつけます。

↑フードトップモール
以前につけていたモールを剥がして、脱脂してから両面テープにて貼りつけ。
内部のエアガイドに効率良くエアを当てるためにも、これだけ高さがあれば問題はないと思います。

↑横から見ると、グリル前面を昇ってくる風をエアダムのように受け止めるようになっていますので、
以前よりもかなり効率は期待できると思います。
また、この部分で上方に跳ね上がる空気の流れをある程度せき止めることができるので、ボンネット上
のインタークーラーエアスクープへの空気の取り入れにも有効に働きます。
●効果
効果といっても普通に乗っているぶんにはとくにヒート気味というわけでもないので、体感上、数値上
の変化はありません。 ただ、少しでも効率が上がればそれでいいですので。
ただ、私のクルマも次第にパワーが上がっているせいもあり、さすがに夏場はちょっと全開走行をした
だけでもクールダウンしなければなりませんが、これは冷却水(ラジエーター)の問題ではなく、オイル
クーラーの能力の問題で、これの放熱カロリーを上げないと解決しません。
ジムニーという車はもともと比較的低い速度で最大出力を出す使い方をされやすい車なので、最近の
乗用車などに比べるとラジエーター容量はかなり余裕があります。
ただ、このモールとエアガイドによって、とくにラジエーター上部に当たる風が稼げますので、もっとも
水温が高いアッパータンク付近の水温に影響を与えますので、とくに限界域では無視できない効果は
あるのではないかと思います。
あとおこなうとすると、ナンバープレート部をくり抜きオイルクーラーとラジエーター下部に効率よく
エアが当たるようにする(当然ナンバープレートはバンパーサイドに移動)ことも考えています。
●オマケ「SUZUKI SPORT 水冷オイルクーラー」。

↑購入したスズキスポーツの水冷オイルクーラーユニット。 4NA36-E50。
と言ってもこれはK10エンジン用の純正部品と同じもので、K6Aの純正は3段ですが、これは5段に
なっています。 そのことでより熱交換効率が上がっています。
●K6Aエンジンにはもともと水冷のオイルクーラーがついています。 このタイプは最近の比較的
ハイパワーなエンジンには一般的に純正装備されているものです。
私のクルマにはすでに空冷のオイルクーラーも追加しておりますが、目的としてはこちらは冷却の
ため、水冷オイルクーラーは冷却水とオイルの熱交換をすることでよりエンジンの温度を安定化させ
るためのものです。
以前にもちょっと触れましたが、K6Aはウエットライナータイプのアルミブロックですので温度の
安定についてはF6Aなどよりも重要で、これはサーモスタットの位置を見てもわかると思います。
F6Aはエンジンからラジエーターに行くアッパーホースにサーモスタットがついている「出口サーモ
スタット」式ですが、K6Aはラジエーターからエンジンに入るロアーホース部にサーモスタットが
つく「入口サーモスタット」方式です。
この意味はエンジンの設計に詳しい方ならわかると思いますが、出口にサーモスタットをつけると
ラジエーターからの冷却水が直にエンジンに入りますので、その時々のラジエーターの冷却条件に
よってエンジンに入る冷却水の温度がバラつきやすいのに対して、K6Aのように入口にサーモスタット
をつけることで、エンジンに入るところで温度を安定させることでより一定の温度の冷却水をエンジン
に送ることができるというわけです。
アルミブロックのK6Aには熱膨張による寸法変化を最小限に抑えたい関係で、この安定した温度の水
を循環させることは非常に重要な意味を持ちます。
なお、このためにK6Aのサーモスタットの開弁温度はF6Aよりも若干低めに設定されています。
●オイルクーラーはエンジン内部を直接冷却するオイルを冷やすためのものですので強化することは
有効です。 ですが、水冷エンジンのメインはあくまで「水冷」です。
と、言いますのも、エンジンをパワーアップしていくと当然ながら発生熱量が増えますが、この熱の
ほとんどはシリンダーヘッドで生じるものです。
ここでエンジンオイルの系統をヘッドとシリンダーブロックに分けて考えるとわかりやすいのですが、
たとえば、シリンダーブロック側で考えれば、パワーが上がることにより爆発圧力が上がりますので、
クランクメタルやコンロッドメタルに対する負担は大幅に増えます。 これに対処るすために油圧を
若干上げたり、オイル吐出を増量したりして油膜の強化をおこないます。
ですがヘッドの潤滑、つまりカムやタペットの機械的負担は回転数に依存するもので、エンジンパワー
が増えても関係ありません。
200馬力のエンジンを400馬力にチューンナップしたからといって、回転数が同じであればカムシャフト
やタペットに対する負担は同じなのです。
(もちろん、バルブスプリングを強化したり、ハイリフトカムに換えた場合は負担は増します)
エンジンを分解したことがある人なら解ると思いますが、そのためにヘッドへ行く油量はオリフィス
によって制限されています。 即ち、オイルがヘッドから持ち去ることのできる熱量にはおのずと
限界があるということです。
だからと言って、仮にヘッドへ向かう油量を悪戯に増やしても、オイル下がりや、ヘッドからオイルパン
へのリターンが追いつかなくなったり、他のクランクメタルなどへ行く油量、油圧の減少をもたらしたり
してしまうので、かえって思わぬトラブルの元になりかねません。
つまり、パワーアップによるヘッド温度の上昇に対しては、オイルクーラーの強化だけではどうしても
限度があるということです。 水冷エンジンの冷却の主役はやはり水(クーラント)のほうをメインに
対策することが重要です。
●それで、このタイプの水冷オイルクーラーの意味ですが、空冷オイルクーラーが外気とオイルの
間で熱交換をするのに対して、これは冷却水とオイルとの間で熱交換をします。
つまり、水温>油温の場合はオイルヒーターとして作用し、水温<油温の場合はオイルクーラーと
して相互補完することで、結果としてエンジン全体の温度を安定化させることを目的としております。
つまり、空冷オイルクーラーとはやや意味合いや目的が異なるものであるということを理解すること
が重要です。
有名なラミノーバなどの水冷オイルクーラーなども、空冷オイルクーラーと併用することも多いです。
エンジンにとってこの「温度の安定化」は非常に重要で、冷却というと一方的に冷やすことばかりを
重視する場合が多いですが、エンジン全体の冷却ムラをできるだけ少なくすることも重要です。
冷やすことばかりに気を取られて、結果として水温、油温の上下変動が激しいと、かえってトラブルの
元になりかねません。
温度にバラツキがあると、ヘッドやブロックの熱膨張やクリアランスに不均一が生じやすく、それが
元でガスケット抜けや焼き付きに発展することもありますし、各シリンダー間の温度ムラによっても
特定のシリンダーのみノッキング限界が下がってしまい、異常燃焼で破損することもあるからです。
ですので、水温と油温を相互に補完し、エンジン全体の熱分布を少しでも穏やかにしてやることは
とくにアルミブロックのK6Aエンジンにとっては有効なエンジン保護につながるのです。
極端な話、油温計表示が80度であっても温度がバラついているよりは、油温計表示が100度であって
も温度が全体に安定しているほうがエンジンのためには良いということです。
逆に、気をつけないといけないのは、街乗りなど低負荷のときも水温を低く維持過ぎると、熱効率
が下がるので無駄に燃焼室にカーボンが多く堆積して、これがノッキングの引き金になったりして
かえってエンジンのために良くなかったりします。

●取り付け
…と言いたいところですが、最初はシャーシ下からなんとかできると考えていましたが、どうやら
タービンを外さないと作業できないっぽいので、これだけのためにまたタービン外すのも面倒なので
とりあえず取り付けは保留しておきます。
(スズキの標準作業時間が2.7時間となっていたので、なんでこんなものに2.7時間も必要なのかと
疑問に思っていましたが、きっとそういうことなんでしょう)
とりたてて急ぎで交換しなければならない状況でもないですし、どうせやるなら、他にも何かやる
ときに一緒にやってしまったほうが効率的でので、そのときにします。
取り付けた際には、後日またあらためて掲載します。