HKSスーパーパワーフローの超低抵抗「勝負フィルター」の製作

あくまで短期間の使用を前提とした「超低吸気抵抗エアフィルター」の製作


 

●前回、エアフィルターをキノクニ(RUN-MAX)から「HKSスーパーパワーフローリローデッド改」

にしてしばらく乗りましたが、キノクニのフィルターに対してとくに性能面で悪化したとか劣る面は

なく、体感的なものはもちろん、パワーメーター上の最高速や馬力のピークにもとくに変化は見られず、

また、セッティング面でも現在のところ、SFC-MULTIのセットもキノクニのフィルターのときと同じ

で問題ありません。 全開走行時の排気温度計のピークホールド値も860度で全く変化はありません。

装着前は「キノクニのフィルターよりも吸気抵抗が増えるんじゃないか?それによってエンジンパワー

の低下、セッティングの大幅な変更が必要になってくるんじゃないか?」などいろいろ心配していた

のですが、私なりにパワーフローの吸気効率を最大限引き出す改良を施した甲斐もあってか、キノクニ

のフィルターとほぼ同等の吸気効率を確保できたようです。 ですので、今後エアクリーナーは交換用

スペアフィルターが安価でどこでも入手容易なHKSパワーフローでいこうと思います。なお、使用する

パワーフローのフィルターは、私は集塵性能よりも吸気抵抗の低減のほうを徹底的に最重視するので、

こだわって「湿式2層タイプ」を使います。

<参考> →「スペシャルハイブリッドHKSスーパーパワーフローリローデッドの製作」

↑HKS純正交換用フィルター(湿式2層タイプ)

 

<参考> パワーフローフィルターの湿式2層と乾式3層の特性の違い

↑パワーフローのフィルターは湿式2層のほうが乾式3層よりも吸気抵抗は少ないです。 その代わり、

ダストの捕獲性能(濾過性能)では乾式3層のほうが湿式2層よりも50%ほど優れています。 どちらを

重視するかはユーザー自身で考えて選ぶしかないですね。 個人的にはオンロードオンリーならパワー

重視で湿式2層を、ジムニーユーザーでオフロードも走るなら集塵性能重視で乾式3層のほうがベター

だと思います。乾式3層フィルターは自動車メーカー純正フィルターに匹敵するほど集塵効率が高く、

なおかつフィルターライフも湿式2層タイプより長いですから経済的でもあります。

ちなみに、現在販売されているHKSスーパーパワーフローリローデッドのキットに標準でついてくる

フィルターはすべて乾式3層フィルターです。


今回、さらに徹底的に吸気抵抗を低減させた「究極勝負フィルター」を作ってみました

もちろん、通常の使用ではHKS純正品の交換用フィルターをそのまま使えば問題ないのですが、この種

のウレタンモルトフィルターというのは探すと様々な種類があり、より低抵抗なものも試してみたいと

思うようになります。 ただし、エアコン用などの業務用モルトフィルターでは耐油性、耐熱性に問題

がある製品も多いので、汎用品を使う時には注意が必要です。

そこでバイク用品店に行くと、汎用品で「デイトナ製ターボフィルター」なるものを見つけました。

こういうパーツやケミカル、汎用素材などはカーショップよりもバイク用品店に行ったほうがなかなか

面白いものが見つかるので、4輪オンリーの人もたまに2輪用品店に寄ってみるといいと思いますよ。

カー用品店には無いなかなか面白いパーツやDIY素材が見つかりますので。

↑デイトナ製ターボフィルター(標準)。 大きさは250mmX400mmで、ちょうど200φパワーフロー

のフィルター(平面実直径250φ)を切り出すことができます。 ターボフィルターにはスポンジの目の

粗さが3種類あって、この「標準」タイプがもっとも粗く抵抗が少ないです。 なお、湿式ではなく

そのまま乾式として使用することが前提ですが、もちろん、フィルターオイルを使用して湿式としても

使用可能です。 この場合、使用するお薦めのフィルターオイルはモンスタースポーツから販売されて

いる「POWER FILTER 2」用のオイルが良いと思います。WAKO'Sのフィルターオイルもありますが、

こっちは粘性が強すぎてすぐにダストが詰まってしまい吸気抵抗が大きくなりやすいと思われますので。

 

↑デイトナのターボフィルターには表層スポンジの粗さの違いにより3種類のラインナップがあります。

右から粗目(標準)、細目、極細目となります。吸気抵抗低減を目的とするなら通常は標準を使います。

 

↑ターボフィルターをパワーフローのフィルターと同じ寸法に切り出します。 センターには革に穴を

あけるポンチでボルトホールをあけます。

 

↑ターボフィルター(標準)の断面。見てのように2層式となっていて、とくに表層の黄色いスポンジは粗く、

パワーフローのフィルターの表層とほぼ同じHR13相当の粗さとなっています。そして内側には薄い細かい

目のスポンジ(HR30相当)が組み合わされている構造です。 ちなみにHKSの湿式2層フィルターは表層

がHR13、内層がHR20です。 この「HR」の数字が小さいほど目が粗く、大きいほど細かくなります。


HKS湿式2層フィルターとターボフィルターはどちらが低抵抗?

これは正直かなり微妙なところです。 たしかに見た目だけではデイトナのターボフィルターのほうが

吸気抵抗は低そうですが、内側の薄い細かいスポンジの存在が抵抗になっていそうで、これが邪魔な気が

します。 そこで「なんとかこの薄い細かい目のスポンジを取ってしまうことはできないものか?」

ためしに手でつまんでゆっくり剥がしてみたら、案外あっさりとベリベリきれいに剥がれてゆくではあり

ませんか!

↑このように手でつまんでゆっくりと剥がしていくと簡単に黄色い粗いスポンジ層とグレーの細かい

スポンジ層を剥離することができます。 ちなみに、この種の複層スポンジフィルターの各層の接合

は接着剤でおこなっているのではなく「フレームラミネーション」という高熱で溶着させる方法で

おこなわれている製品がほとんどです。 接着剤による接合だとそのはみ出した接着剤が吸気抵抗に

なってしまうからです。

↑ついに分離完了! 黄色い粗目のスポンジだけにすることができました。

↑グレーのスポンジに対して黄色いスポンジの目の粗さがよくわかります。これは見るからに通気抵抗

が少なそうです。今回、この目の粗い黄色いスポンジのみをパワーフローにそのまま使うのです!


「超低抵抗スーパーパワーフローリローデッド改」の完成!

↑完成した超低抵抗フィルター仕様のパワーフロー。 もちろん、これはかなり目が粗いので、長期使用

は考えていません。あくまで「エアフィルターの吸気抵抗を究極まで減らしたらどういう変化があるのか?」

を試す実験であり、興味半分で製作したものです。 テスト走行終了後はまたパワーフロー純正の湿式2層

フィルターに戻すつもりです。

↑蛍光灯の光に透かすとほんとにスカスカでかなり吸気抵抗は少なそうです。 反面、かなり細かいホコリ

などを吸い込みそうなので、これを風の強いホコリっぽい日に使ったり、ましてや長期間使うのはかなり

勇気のいることです。あくまで短期間限定でのテスト使用です。


「超低抵抗パワーフロー」を取り付けました

↑「超低抵抗スーパーパワーフローリローデッド改」を装着したところ。 とは言っても、HKS純正の

湿式2層イエローと色はまったく変わらないので、見た目では違いはまずわかりませんけどね。

 

さっそく実走インプレッション

SFC-MULTIの燃調セッティングなどはまったく変えずに、そのままで走行してみます。エンジン暖機後、

まずはストリートでの走行ですが、とにかく全開加速したときのエンジン回転の吹き上がりが速い速い!!

1速はもちろん瞬時、2速でもパワーバンドに入った5000rpmから上の回転の上昇にシフトアップがついて

いけず、9000rpmのレブリミッターにバンバン当たりまくりです!で焦る焦る… 3速からようやく

シフトアップが間に合うというレベルです。ほんとにエンジン壊れないかと心配になるくらいの吹き上がり

の速さですが、このヒュンヒュン回る面白さこそツインカムターボ軽自動車ならではですね!

高回転でビンビン踊り回るタコメーターの針、うーん、ここまでくると欲が出てくるもので、いっそのこと

レブリミッターをあと500rpmから1000rpmほど高く設定し直したいくらいです。 とは言え、さすがに

10000rpmレブは私のK6Aエンジンにはちょっとヤバいと思いますけどね。 とにかく「回して面白い!」

非常に私好みのエンジンにまた一歩近づいたという感じです。エアクリーナーひとつでこうも変わるものか

という感じですね。 とにかくフルブーストがかかってパワーバンドに入ってからのこの吹き上がりの速さ

は特筆ものです! 私ももっと素早くシフトチェンジできるように練習しないといけませんね(笑)

 

↑SFC-MULTIのセッティングはまったく変えていません。 もっと煮詰めればさらに良くなるのでしょうが、

今回はあくまでフィルターの変更のみでの違いを確かめたかったので、あえてそのままでいきました。

 

高速での全開走行

ここでも排気温度に注意しながらの走行ですが、とりあえず何回か4速、5速でのフルブースト全開してみま

したが、排気温度は860度を針1本分上回る程度でまったく危険はない感じです。 ですので、空燃比などの

セッティングは変えずに5速伸び切りの全開アタックしてみました。

 

↑パワーのピークホールド値。キノクニや標準のパワーフローよりも「1馬力だけ」上回ってます。 まぁ、

こんなのは誤差の範囲ですね。 しかし、3速全開、4速全開での加速も非常に気持ちいいフィーリングで回転

が伸びてくれるので、体感的にはけっこう印象は違いますね。 やはり超低抵抗フィルターによるサクション

抵抗の低減による効果は大きいと感じました。 ※くり返しになりますがこの馬力の絶対値はホイールスピン

の影響などでかなりオーバーに出ていますので、数値自体は額面通りに受け取らないでください。重要なのは

今までの数値との「相対値比較」なのです

 

↑スピードのピークホールド値。最高速度も誤差の範囲とは言え、今までの同じブースト圧(1.3kg/cm^2)

での最高である201km/hよりは確実に伸びており、やはり超低抵抗フィルターの効果を立証できたと思い

ます。 いや、ほんとにくり返しになりますが、吸気抵抗の少ないエアフィルターだけでこうも違ってくる

ものかと私自身驚いております。以前の記事「最高速度と馬力の机上計算」にこの3km/hの差をあてはめて

馬力に換算すると実に約8馬力もの差となるのですから馬鹿にできません。

それと、性能とは関係ありませんが、アクセルをちょっとだけ戻した時のバックタービン音(ヒュルルル音)

がよく聞こえるようになりましたね。それだけフィルターの通気性が良く音を通すということなのでしょう。

セッティングをもっと煮詰めればもう少し伸びるとは思うのですが、今回はあくまで一時的なテストなので、

これ以上は無理はしませんでした。

 

↑排気温度計のピークホールドも860度を針1本分ほど上回る程度で、実質誤差の範囲なので安全マージンは

充分に確保できていると言えます。もちろんノッキングの兆候などもまったくありません。 総じて、今回

の「超低抵抗勝負フィルター」でのテストは実に有意義なものとなりました。


テスト走行終了後、ふたたびHKS純正の湿式2層フィルターに戻しました

今回製作した「超低抵抗フィルター」はたしかに速くて面白いのですが、目の粗さから細かいホコリや砂塵

を吸い込むので決してエンジンには優しくないので、データを取り、しばらく楽しんでからまたHKS純正の

湿式2層フィルターに戻しました。 やはりHKS純正フィルターにすると今回の超低抵抗フィルターに比べる

と若干、エンジンの吹け上がりに不満はありますが、エンジン保護のためにはこのあたりで妥協するしかない

でしょうね。 しかし今回のテストもまたいい勉強になったと思います。軽自動車というのはこういう楽しみ

方や実験が気軽にできるのでほんとに面白い素材だと思いますね。

 

<参考までに> 「エアフィルターレス」がエンジンに与えるダメージはどれほどのものか?

これはあくまで一例ですが、私の知り合いのバイク屋さんで、エアクリレス、ファンネルのみのリッターバイク

のエンジンをオーバーホールしたときに立ち会ったことがありました。 このバイクは街乗りオンリーで約5万

キロほど走ったものでしたが、意外や意外、バラしたピストンやシリンダー、メタルなどはほとんど無傷でした。

もっとも、これはたまたま「運が良かっただけ」とも言えますが、エアフィルターレスでも運悪く大きなゴミや

石などを吸い込みさえしなければ、案外と問題ないのかもしれません。ですが、エンジンに優しくないことだけ

は確かですけどね。 とくにターボエンジンは、小石などを吸い込むとターボのコンプレッサーホイールの羽根

が欠けたり曲がったりする危険があるので、やはり最低限のフィルターは必要でしょうね。 あと、目の粗い

エアフィルターほど吸い込むダストがエンジン内部に入りますので、当然エンジンオイルが汚れるのが早いので、

オイル交換とオイルフィルター交換のサイクルを短くしてやる必要があります。

 

↑エアフィルターもいろいろ試してみると面白いものです。 ただし、今回の「超低抵抗フィルター」も含め、

ステンメッシュフィルターなどの目の粗いフィルターは、たとえ街乗りオンロードオンリーでもあまり長期間は

使用しないほうがエンジン保護のためにも賢明でしょう。エンジンが壊れることはないですが、長い目で見た

ときの寿命を考えると、あくまで「ここ一番の勝負!」のときだけの使用に留めておいたほうが安全です。

<参考> →ステンレスメッシュフィルター類について


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~