チューニングターボエンジンに使用すべきスパークプラグについて

プラグに限らずどんなものでも「100%の信頼性」というものはありませんが。


●トップページでもちょっと書いたのですが、どうもスパークプラグへの信頼性、とくにDENSO製の

プラグについて疑問を持っている方が多いようですので、今回は私のプラグに対しての考え方を書いて

みたいと思います。 ただ、これらについてはこれまでもいろいろ書いていまして、結論としては

「NGKでもDENSOでも各自で考えて好きなほうを使ってください」としか私には言えないのですよ。

ここに書くことはあくまでも私個人の意見ですので最終的には皆様がご自身で判断してください。

 

現在、私のJA22ジムニーに使用している点火プラグはDENSOのイリジウムレーシングIXU01-27を

メインとしています。

あとは予備としてスズキスポーツのGTiスパーク#9(NGKのイリマック9のOEM品)と、これも予備

としてデンソーのイリジウムタフVXU24もありますが、これはたまにエンジン不調などの際のチェック

用として使う程度ものです。

↑DENS0のイリジウムタフVXU24。 これはあくまで一般プラグですので連続全開走行するときとか

の過酷な条件で使うには無理があります。 ハイパワーにチューニングされたターボエンジンには普段

の街乗りだけならいいですが、サーキット走行など厳しい条件での使用は避けたほうがいいでしょう。


●先日メールで「DENSOのプラグはガイシが割れるトラブルが多いので使用するのに不安がある」

という意見をいただきました。 しかし、私自身はNGKプラグでも同様のトラブルを見ています

ので必ずしもデンソーのプラグが悪いとは考えていません。 そもそもプラグはあくまで量産品、

つまりマスプロダクトな製品ですので、多かれ少なかれアタリハズレがあるのは仕方ありません。

ただひとつ言えることは「もし最高の信頼性を求めるのであれば、チューニングエンジンには

DENSOであれNGKであれ本物のレーシングプラグを使用すること」が最善です。

具体的にはNGKの場合は型番の先頭に「R」がついているプラグ(R2525-9やR2349-9など)、

DENS0の場合は型番に「01」や「02」がついているプラグ(私が使用しているIXU01-27など)

を選ぶことです。 これらレーシンググレードのプラグは一般プラグや他社OEMで使われている

スポーツ用プラグよりも高強度なレース用ガイシを使用しており、また、生産および検査ライン

もその他のプラグとは異なって厳しい品質基準で造られておりますので、格段に信頼性は上です。

もちろんこれら純粋なレーシングプラグは価格も若干高いのですが、「信頼性を買う」という

意味ではけっして無駄な出費ではないと思います。 私個人は旧規格K6Aのチューニングエンジン

に現在最高と思えるプラグはDENSOのイリジウムレーシングIXU01シリーズだと考えています。

●参考ページ

→NGKレーシングプラグの詳細

→DENSOイリジウムレーシングプラグの詳細

 

●プラグトラブルが起きた際に考えること

プラグにトラブル(電極折れ、電極が溶ける、ガイシが割れるなど)が起きるとすぐに「プラグに原因

がある」と考えて「このプラグはダメだ」と決めつける方も多いですが、それは早計というものです。

(もちろん、熱価が合ってないとかごく基本的、初歩的なマッチングについては問題ないことが前提です)

ノーマルエンジンならまだしも、とくにチューニングしてあるエンジンに於いては、プラグ以外の原因

によるプラグへのダメージからくるトラブルというのも考えなくてはなりません。

もっとも簡単に考えられるのは空燃比(A/F)、点火時期などのセッティングの不良ですが、仮にこれら

に問題がなくてもとくにターボエンジンでは異常に燃焼温度が上昇して電極溶解やガイシ割れがおこる

ことが多々あります。 だから私は以前からうるさいほど「ターボは排気温度を管理すべき」だと主張して

いるのです。 最近は空燃比計だけで排気温度をまったく見ずにセッティングするバカチューナーが多く

なっているようですが、ターボエンジンにとって排気温度の管理がどれだけ重要なことかどうして理解して

くれないのか、プロなら本当にエンジンのことをちゃんと勉強していただきたいです。

空燃比が正常(たとえば全開全負荷時に10.5とか)であっても、点火時期のセットやそのエンジンごとの

個体差によっては異常に燃焼温度が上昇してしまうことがあります。 こうした際に排気温度計をつけて

いればその異常を少しでも早く感知できることで無用なトラブルを避けることができるのです。

「現在は高精度な空燃比計があるから排気温度で空燃比を見る時代じゃない」などと言っている無知でアホ

なチューナーはほんと呆れてしまいます。 排気温度というものをまったく理解していない大バカ者です。

排気温度というものは決して空燃比を見るものではありません。 そのエンジンがどこまで空燃比や点火

時期を追い込めるのかを見極めるため、そのエンジンがどこまで「持つのか」を見極めるために重要な項目

なのです。 ターボエンジンをチューニングするなら「最低限の知識として」この程度は常識なはずです。

こういうレベルのチューナーはいまだに「プラグの焼け具合で燃調が濃いとか薄いとか言っている」前時代的

レベルのアホチューナーと同じレベルです。 ほんと、どこまで無学なのか呆れてしまいます。

とにかく、プロチューナーを自覚し、ターボエンジンのチューニングをするなら空燃比と同時に排気温度

もしっかりモニターするべきです。 逆に言えば私に言わせればターボエンジンで空燃比計だけで排気温度を

見ずに「現車セッティング」などをやっているチューナーはとても信頼できるチューナーとは言えません。

ターボエンジンのチューニングというものをまったく解っていないとしか言い様がありません。

<参考ページ>→ 排気温度について

まぁ、最近のチューニングショップの安直なセッティング方法についての疑問は私も書きたいことがたくさん

あるので、そのうちまた別の機会に書きたいと思います。 シャシダイのデータだけいい数字をだすだけの

セッティングなんか幼稚園児でもできることですから、そういうショップに騙されないよう注意してください。

 

●その他のファクター

上記の排気温度とも関連するのですが、あとはノッキングやデトネーション(異常燃焼)によるプラグへの

ダメージも大きな要因となります。 これらも燃焼温度が異常に上がってしまうことが原因として多いので

これも排気温度を知ることである程度は知ることが可能です。 空燃比ばかり見ていてもダメなんです。

また、ノッキングレベルを知るセンサーもある程度は約に立ちますが、これもそれをセッティングする人の

腕次第となります。エンジンというのは軽いトレースノックを起こしているくらいがもっともパワー、トルク

が上がるので、このへんをいかに見極められるかがチューナーのノウハウとなるのです。

最近の若手のチューナーはほんとこのへんのノウハウが不足している人が多いと思います。 いくら高価な

機材を持っていても「豚に真珠」では意味がないのですよ。 何事も経験と勉強です。

あと以外と見落とされがちですが、たとえばバルブ加速度の高いハイカムシャフトや、強化バルブスプリング

を組んだエンジンなどは、バルブがバルブシートに着座した際の衝撃による振動がノーマルエンジンよりも

強くなり、この振動がプラグの碍子(ガイシ)割れや接地(側方)電極の折損に繋がるケースもあります。

 

●ノーマルエンジンなら純正の標準プラグのままでいいのか?

たとえば、まったくノーマルのエンジンであってもサーキット走行など過酷な走りをする際にはプラグの

熱価を1〜2番手上げると安全マージンはかなり上がります。 チューニングしてノーマル比150%とか

200%とかのパワーアップしてあるエンジンならなおさらです。

そして、見落とされがちな要素として「ガソリン」があります。 ハイオクガソリンを使用するのは当然

として、そのハイオクガソリンでも良質なものと悪質なものとがあります。 とくにあまり安いスタンド

で売られているガソリンは灯油が混ざっていたりして実質的なオクタン価が低く、デトネーションや

ノッキングの原因となることがあり、これが元でプラグのトラブルに繋がるケースがあります。いちおう

自動車メーカーは市販されている「最悪の質のガソリンでも問題ないように」安全マージンを多く取って

セッティングその他をしてありますが、ノーマルエンジンであっても悪条件が重なると決して安心はでき

ないということです。

<ガソリンについての詳細はこちらこちらのページにも書いています>


●チューニングエンジンに使用すべきプラグの種類

↑チューンナップしてパワーの上がったターボエンジンには写真左のようなプロジェクションタイプ(電極

の突き出したタイプ)のプラグではなく、写真右のような電極が突き出してなく、接地電極がストレートで

スラントなタイプのレーシングプラグを使用することをおすすめします。

電極の突き出したタイプのプラグは着火性が良く、一般の街乗りでは燃費やトルク特性に優れているのです

が、こと過酷な条件で使用されると電極の溶け落ちや碍子割れを起こす可能性が高いのです。

それに対して、電極の突き出ていないレーシングプラグは電極やガイシの冷却が良いだけでなく、ガイシ

そのものも強度の高いものが使用されており、こうした極限状態での使用時にトラブルが起こりにくいのです。

 

↑スズキスポーツのGTiスパーク9番。 これもいちおう「スポーツ走行用プラグ」ではありますが、

電極形状を見てもわかるように電極の突き出したプロジェクトタイプのプラグですので、あくまでも

一般プラグであり、純粋なレーシングプラグとは違います。

他のチューニングパーツメーカー(HKSやトラストなど)が出しているOEM製品のプラグもたいてい

はこのタイプのプラグであり、やはり本物のレーシングプラグとは違いますので、過度に性能、とくに

信頼性に期待しないほうがいいです。


●まとめると以下のようになります。

↑もしターボエンジンで純正比150%以上のパワーアップをしているようなチューニングをしている

場合は、右側のタイプのプラグを使用したほうが安全だと思います。

 

●私が考えるK6Aチューニングエンジンに適したプラグ

↑私が現在使用しているDENSOのイリジウムレーシングプラグIXU01-27。 あくまで個人的な意見

ですが、このプラグがボルトオンターボチューンで、ノーマル比150%〜200%のパワーにチューニング

したK6Aエンジンにはトータルバランスでもっとも優れているのではないかと思っています。 現在、

私がもっとも信頼しているプラグです。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~