プラグインデクシングをやってみました
プラグの性能を少しでも引き出すために
●前回の記事でプラグ交換とともに、プラグの接地電極の向きを合わせる「インデクシング」
について書きました。 実際のところ、これは希薄空燃比下でないとなかなか効果のでにくい
ものではあるのですが、「理想は理想」なので、たとえ効果は出なくてもできるのならやって
みたほうがいいのではないかという気がしてきて、今回おこなってみました。
これには、前回(株)デンソーにメールを出してその返信の最後に「吸気バルブに接地の根元の
位置が重ならないようにすることがポイントです」と書かれていたことが今回「騙されたと
思ってやってみよう」と思わせた大きな要因です。 プラグメーカーがそう言っているのなら
やって損はないだろうと思いまして。
◆詳しくは前回の記事を見てください →スパークプラグ交換の続きとインデクシングについて
●基本的な考え方
もっとも理想的なのは「吸気バルブ側に電極の開放側を向ける」ことです。 しかしながら
そうそう理想的にはいかないのが現実ですのでとりあえず最低限のこととして、その反対側
である排気側に開放側が向かないようにする、できれば吸気バルブ方向を基準として、その
左右90度以内(つまり180度)の範囲内に電極が収まるようにする程度で充分ではないかと
思います。
もちろん、お金はかかりますが、点火プラグを多数用意できて、すべてを理想的な向きに合わ
せることができるのであればそれがベストではあります。
今回、私の場合は幸いにもIXU01-27プラグが前回購入した3本、その後に購入した3本と合計
6本が手元にあり、そのうち1本が「ハズレ」でしたので、残り5本を入れ替えしながらできる
ので、これだけ数あればなんとかなるだろうと考えておこなってみました。
※上記の記述はすべて4バルブ/センタープラグ配置のエンジンでの話で、2バルブで偏芯プラグ
配置のエンジンの場合(F6AのSOHC等)は電極開放側がボアセンターを向くようにします。
●実際の作業

↑まずプラグの電極の開放側に合わせてマジックで上からみたときにその位置がわかる
ようにマーキングします。
そして、プラグをシリンダーヘッドに締め込み、上から覗き込んでマーキング位置が
ちゃんと吸気側を向いているかを確認します。 もし、反対側を向いてるようであれば
そのプラグを違うシリンダーにつけてみて、またマーキングの向きを確認します。
ちょっと手間のかかる作業ではありますが、3気筒のエンジンですし、仮に用意したプラグ
も3本であれば最大でも3×3で9回おこなえばいいのですから、まだ楽なほうではないで
しょうか。 根気よく続けてみることです。

↑ちょっとわかりにくいかもしれませんが、プラグホール真上から撮ったものです。
見にくいかもしれませんが、マーキングの向きがちょうどインテーク側に向いています。
これが理想です。
もっとも、こんな理想的な向きになるのはかなりの稀な確率ですので、基本的にはあまり
神経質にならずに、最悪の向き(つまりこの写真と180逆向き)にならないようにすれば
とくに問題はないと思います。
結局、私のエンジンの場合も、1番シリンダーはほぼ理想に近い位置になりましたが、
2番と3番はやや斜めに向いています。 しかしこれをやる前は3番シリンダーは真逆の
まさに「最悪の位置」でしたので、それから比べればはるかに理想に近い角度でつける
ことができました。
なお、前回のページでも書きましたのでくり返しになりますが、このインデクシングを
おこなうために、シムを挟んだり、締めつけトルクを加減することは基本的にNGです。
きちんとマニュアル通りのとりつけをおこなった状態でなるべく理想に近い角度(電極向き)
で止まるプラグを入れ替えながら根気よく基本に忠実におこないます。
●インデクシング後のインプレッション
エンジンをかけ、まずは完全暖機させます。
そのうえで走り出して私が感じたのは以下のようになります。
1)発進時のトルクが増して車が軽くなったような「気がする」
2)軽〜中負荷時のとくに低アクセル開度で加速するときのトルクが増したような「気がする」
3)吹き上がりが全体に軽く(速く)なり、回転の上昇がスムーズになったような「気がする」
4) アイドリングもより安定し、回転がスムーズになったような「気がする」
5)全開全負荷時のような走行ではさすがに今までとあまり変わらないような「気がする」
…以上です。
とにかく体感的に「ハッキリと変化が出た」とまでは言い切れないのですが、ただ、何となく
全体にはエンジンの調子がより良くなったような気がして、数値にはあらわれなくても体感的
なフィーリングは良くなったような気がします。多分にプラシーボな部分も多いとは思います
が、今までよりは良好な印象を受けましたので、やって良かったのかなと思っています。
●パワーメーターの表示

↑前回と同様、5速7000rpmまで回したときのピークホールドです。 前回よりも1PSだけ
増えていますが、もちろんこの程度は誤差の範囲ですので、実質的にはとくに変わりないと
言えると思います。 ただ、回転の伸びは以前よりスムーズになった気がします。
●インデクシングのまとめ
前回の記事でも書きましたように、この電極の向きを合わせるというのはリーンバーンエンジン
や、直噴エンジンでの希薄空燃比時に火付きが悪くなりミスファイアを起こすことを避けるため
の技術なので、とくにリーンバーンでもないエンジンでこれをおこなってもたいした効果は得ら
れないはずです。
ですが、そうであっても電極の向きがバラバラなよりはできるだけ理想的な方向で揃っていた
ほうが良いことは間違いないので、たとえ実際の体感効果が得られなかったとしても、やって
損はないのではないかと思います。
たとえば、プラグ交換の際にそのまま何も考えずにつけるのではなく、それぞれのシリンダー
に締めてみて、なるべく理想に近い方向になるようにプラグをつけてやるのです。
ほんの一手間で少しでも燃費の改善やフィーリングの改善がなされるのであれば、決して無駄な
作業ではないのではないかと思います。
ましてやこれが8気筒だの12気筒だののエンジンでは大変な作業になりますが、わずか3気筒の
エンジンですからそれほど手間も時間もかからないのですから。
とくに私の世代のK6Aエンジンよりも、現行のJB23のK6Aエンジンのほうがより燃費重視の
制御をしているため、リーンバーンとまではいかなくてもより薄い空燃比で運転する領域が広く
なっているでしょうから、こういった領域ではインデクシングによって体感的な変化が得られる、
あるいはより燃費が向上するといった変化が得られる可能性は否定できません。
お金のかからないことなので、騙されたと思ってやってみるのも良いのではないかと思います。
保証はできませんが、もしかしたらエンジンフィーリングや燃費に変化が出るかもしれません。
●おまけ 〜昔のレーシングプラグ〜

↑これは今から30年〜40年くらい前のNGKレーシングプラグです。 熱価は12番。
この時代のレーシングプラグはものすごく電極が奥に引っ込んでおり、また中心電極、
接地電極ともに太く見るからに着火性が悪そうです。 現代のレーシングプラグと比べる
と時代の差、技術の進歩を感じますね。
このような点火プラグだとなおさらインデクシングの効果は大きいのかもしれません。