イリジウムレーシングプラグの交換とレジスター抵抗値による寿命判断

イリジウム&プラチナ電極のプラグは摩耗が少ないので寿命判断が難しいです


 

●私のJA22ジムニーのチューンドK6AエンジンのスパークプラグにはずっとDENSOのイリジウム

レーシングプラグIXU01-27を使用していますが、前回交換してから距離にしてそろそろ15000km

を超えてきたので交換時期だろうと、とりあえず外して電極の状態を現状確認してみました。

 

↑私のエンジンから外したプラグ。 焼け具合も良好、デポジットの付着もまったくなし、そして

驚いたことに中心電極、接地電極も外観上まったく損耗はなく、とくに摩耗しやすい接地電極の角も

まだシャープエッジがしっかりしていて、まったく消耗は見受けられませんでした。 もちろん、

スパークギャップも新品時と同じ0.5mmのままで広がっていません。

さすがはイリジウム中心電極&プラチナ接地電極だけのことはあります。あれだけ全開走行を繰り返し

て15000キロ以上「酷使」したプラグとは思えませんね。たいしたものです。

こうなると「果たして交換すべきかどうか?」迷うところ。 通常ならばプラグの交換時期は電極の

損耗具合で判断しますが、現状ではまだまだ使えるし、実際、ミスファイアーも起こしてないので極端

な話、あと5万キロ以上は充分使えるような気がします。 ただ、新品時と比べると始動性が若干悪化

してきたような気がするのと、まだエンジンが充分に暖まっていないときのアイドリング回転がややバラ

つくようになってきたような気はします。


しかし、プラグの「劣化」は電極消耗だけで判断できない

そのスパークプラグの寿命まで使い切るのであれば電極の損耗具合だけで判断しても良いと思いますが、

「常に最高の性能を維持して使いたい」のであれば仮に電極の損耗がなくても、やはり軽自動車のように

排気量の大きい車に比べて高い回転域を使うエンジン、ましてや私の車のようにパワーアップチューニング

して高回転(5000rpm〜9000rpm)を多用する使い方をしているのであればイリジウムレーシングで

あっても15000キロを目安に交換したほうがベストであると考えます。

 

その理由は「内部レジスターの劣化」にある

↑スパークプラグの基本的な断面図。 これを見てもわかりますが、抵抗入りプラグの内部には抵抗器、

いわゆるレジスターが入っています。このレジスター入りプラグの抵抗値はおよそ5kΩほどあるのですが、

この抵抗値が使用に伴い劣化し段々と大きくなっていくのです。 簡単に言うと、走行距離を重ねていくと

だんだん電気抵抗が大きくなり火花が飛びにくくなっていくということです。これは例えば自動車メーカー

純正のプラグコードと同じと考えていただくといいと思います。 純正のプラグコードはカーボン芯線の

コード自体が抵抗器を兼ねていますが、新品時はまだ抵抗が少ないのですが、使用経過にともない抵抗値

が増加して、およそ3年から5年も経つとチューニングエンジンではミスファイアを起こすことがあるくらい

です。 実際に私も過去にチューニングしたパルサーGTi-R(320PSほどのSR20ターボエンジン)でその

現象を経験したので、プラグコードおよび点火プラグの電気抵抗の重要性はよく理解しています。

チューニングしてパワーアップしていくと「要求電圧」が高くなっていくため、純正のプラグコードでは

電気抵抗が大きすぎて火花が飛ばず、ミスファイアを起こしてエンジンが吹けなくなってしまうのです。

これと同じ劣化現象がプラグ内部の抵抗器(レジスター)でも起きているのではないかと私は考えたのです。


実際にプラグのレジスターの抵抗値を新旧プラグで比較計測してみました

そこで、現実に新品未使用のIXU01-27プラグと15000キロ以上使用したIXU01-27プラグの中心電極の

抵抗値を比較してみました。

↑このようにテスターで中心電極のレジスターの抵抗値を測ります。 個体差もありますので、1本だけ

測ったのでは信憑性に欠けるので、新品プラグは6本、旧プラグはエンジンから外した3本を測りました。

 

<新品未使用プラグ>

↑新品のIXU01-27プラグの抵抗値は5.26kΩ〜6.26kΩでした。

 

<15000km以上使用したプラグ>

↑15000キロ以上使用したIXU01-27プラグの抵抗値は7.70kΩ〜8.22kΩに増加していました。これは

新品プラグのおよそ1.5倍もの数値です。

 

以上のような結果から、やはりプラグは電極などの外観には問題なくても、内部では劣化が進行し、

電気抵抗が大きくなっていることが確認できました。 この結果は1本のみではなく、それぞれ複数本を

測ってみてすべてが同様の結果でしたので、個体差などではなく、間違いなく新品プラグよりも使用した

プラグのほうが抵抗値が大きくなっていると断言して良いと思います。しかも「kΩ単位」での大幅な増加

ですので無視できません。

 

なので、両プラチナ電極のプラグ、あるいはプラチナ&イリジウム電極のプラグでも「電極の見た目には

問題なくても」内部の劣化が進行している可能性があり、次第に「スパークが飛びにくくなっていく」と

言えますので、本来の寿命より早めに交換したほうがその高性能を維持できると私は考えます。 とくに

要求電圧が高いチューニングしてあるターボエンジンではこれは重要な点だと思います。 軽い劣化では

まだ運転者が気づかないレベルの僅かなミスファイアが起きていると言えなくもないですので。そうなる前

に交換するのがベターかと思います。 この結果を考えると、点火プラグメーカーや自動車メーカーがよく

「プラチナ&イリジウムプラグは10万キロ交換不要」などと言っているのはあくまでもノーマル車の話で

あって、チューニングエンジンには当てはまりません

 

電極の金属疲労の蓄積も寿命判断の目安になる

その他の寿命要素として、とくに接地電極(側方電極)の金属疲労による強度低下にも配慮して早めの交換を

したほうがいいとも考えます。 どういうことかと言うと、プラグは常にエンジンの燃焼による高熱や圧力、

そして振動にさらされていて、とくにもっともその振動の影響を受けるのは接地電極です。長期間繰り返し

振動にさらされた接地電極は見た目には問題なくても、実は金属疲労により強度が大幅に低下している可能性

があり、あるとき突然「ポッキリ」折れてしまう危険性があるのです。 ですので、そうなる前に予防的な

意味で交換しておくことが無用なトラブルを防ぐ有効な手段となります。 とくにチューンナップして大幅

にパワーアップしているターボエンジンの場合は、ノーマルとは比較にならないほど高い燃焼温度や燃焼圧力、

そして振動に晒されますので、プラグにとって非常に過酷な条件となります。ですので、早めの交換が無用な

トラブルを未然に防ぐことにつながるのです。

 

と、いうわけで上記のような様々な理由、測定結果や過去の自分の経験から鑑みて、まだまだプラグ本来の寿命

には早いとは思いますが、スパークプラグの交換をすることにしました。


用意した新品スパークプラグ

↑今回も購入したのはデンソーのイリジウムレーシングプラグIXU01-27です。今回は6本購入しました。

そして、購入した6本のうち、中心電極の抵抗値が少ない3本を選んで使用しました。私のJA22のチューンド

K6Aエンジンにはこのプラグがベストマッチですね。27番(NGKで言うと9番相当)の高熱価プラグである

にもかかわらず、冬場の寒い時期でもくすぶったりかぶったりすることなく、1年を通して街乗りでも問題

なく使える「オールラウンダーなレーシングプラグ」です。

<参考> →チューニングターボエンジンに使用すべきプラグについて

 

↑6本の新品プラグそれぞれ抵抗値を測り、そのうち抵抗値が低い3本を選んで使用しました。 ちなみに、

6本のうちもっとも抵抗値が低かったのは5.26kΩで、逆にもっとも抵抗値が高かったのは6.26kΩと、約1kΩ

のバラつきがありました。1kΩと言ったら1000Ωですから、ちょっとバラつきが大きいような気がします。

 

↑今回も「当然」インデクシング、つまり接地電極の向き合わせを行いますので、プラグに電極の方向が

わかるようマーキングをします。

<参考> →プラグ交換とプラグのインデクシングについて

<参考> →実際にプラグインデクシングをやってみた

 

↑インデクシングをしながら、電極の解放側がなるべく吸気バルブ側に向くように方向を合わせて入れ替え

ながら新品プラグを取り付けます。 このインデクシングについては「無意味だ、おまじない的なものだ」

などと言う意見も多いですが、プラグメーカー(DENSO)に直接聞いてみたところ、決して無意味ではない

との見解ですので、私はこだわっておこなっています。


新品プラグ交換後のインプレッション

やはり新品プラグは始動性も良く、エンジンのレスポンスやトルクが僅かとは言え違いますね。乗っていて

気持ちいいです。とは言っても劇的に大きく変わったほどではありません。 交換前のプラグもまだまだ

使おうと思えば使えたということなのでしょうけど、前述しましたように今回は「予防的な意味での交換」

と考えていますので、寿命まで使い切るのではなく、何かが起きる前に定期的に交換しておいたほうが良い

でしょうね。とくにチューニングターボエンジンならばなおさらで、私のように強化イグニッションコイル

(WAKOブラックコイルC-110)やHKSツインパワーなどで点火系を強化してある場合はスパークプラグの

劣化も早いと思われますので。 とりあえず私のチューンドK6Aエンジンの場合でIXU01-27プラグの交換

サイクルは10000kmから15000kmと考えてよさそうです。

 

↑プラグ交換後のアイドリング負圧も-470mmHgから-480mmHg程度とメーカーの基準値よりも強く

安定しており、このことはミスファイア(失火)なくきちんと安定して着火、燃焼していることを示して

います。 幸いにも今回は「ハズレプラグ」は混ざっていなかったようです。

<参考> →スパークプラグの交換(トラブル編)

 

実際にプラグやプラグコードの抵抗値は性能に影響を与えるのか?

これは正直なところ微妙です。たとえば、純正のプラグコードの抵抗値は1メートルあたり16kΩというのが

一般的なのですが、私の使っているウルトラのブルーポイントパワープラグコードは僅か0.5kΩの抵抗値しか

ありません。これだけ違うとさすがにエンジントルクやレスポンスに違いが感じられます。 しかし、プラグ

内部の抵抗器の抵抗値が1kΩや2kΩ違ったところではたして体感的にハッキリとした差となって現れるのか

は難しいところです。 なぜなら、プラグの電極間にはじめに火花を飛ばす「ブレークダウン電流」の抵抗は

これらとは桁違いに大きいため、相対的に考えればわずか数kΩ程度の抵抗など問題にならないと考えること

ができるからです。 しかし、前述しましたように、チューニングエンジンでは劣化して電気抵抗が増した

プラグコードの影響で簡単にミスファイアーを起こすことを考えると、やはり「わずか数kΩ」の抵抗でも

軽く考えるべきではないと私は思います。 実際、理論的に考えても「できるだけ抵抗は低く、かつバラつき

が少ない」のが理想的なのは間違いない(※ただし、抵抗がまったくないとノイズの原因になり、ECUや各種

センサーに悪影響を与えるリスクがある)と思いますし、ガソリンエンジンの基本は「良い混合気、良い圧縮、

良い火花」であり、これは昔も今も変わらないのです。「本当に繊細なエンジンチューニング」にこだわるの

ならば、こういった小さなポイントもおろそかにはできないのではないでしょうか。 とくに排気量が小さく

非力な軽自動車のチューニングでは少しでも馬力ロスを少なくしたいですから、こういう細かい点にまで着目

した思想でチューニングをすることがエンジン性能を引き出す意味で重要なのではないかと思うのです。

 

↑私が使用しているウルトラのブルーポイントパワープラグコード。 K6Aエンジン純正プラグコードが

およそ5kΩあるのに対してその1/10のわずか0.5kΩしか抵抗がないため、強力なスパークを飛ばすことが

できます。 私も今までJA22ジムニーでは、SplitFireツインコアプラグコード、ノロジーホットワイヤー

と使ってきましたが、もっとも効果が感じられたのが、この永井電子のウルトラブルーポイントパワープラグ

コードでした。非常に高性能、高品質なプラグコードですので旧規格K6Aエンジンにはオススメできる製品

です。 逆に、もっともダメで使い物にならなかったのがNOLOGYホットワイヤーでした。

<参考> →ULTRAブルーポイントパワープラグコード

<参考> →NOLOGYホットワイヤー

 


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~