BLITZパワーメーターiDで振り返る私のJA22のチューニング遍歴

ノーマルタービンブーストアップ時代から現在の仕様までの進化(?)の過程みたいなもの


 

●私のJA22Wジムニーは平成9年2月に新車で購入、その後3年ほどはほぼノーマルで乗っていました。

そもそも、はじめはこの車はいじることは考えてなかったのです。 それまではRNN14パルサーGTi-R

やR32 GT-Rなどをチューニングして乗り継いで、主に最高速ステージ、たまにはサーキットなどで走り

回っていたのですが、R32 GT-Rを最高速アタック中に事故で一発全損クラッシュ、その後すぐに買った

アルトワークスも買ってわずか1カ月でもらい事故で同じく一発全損クラッシュと不運が続いたため、

次は少しはおとなしい車に乗ろうと、その後にHP10プリメーラの限定車、オーテックバージョンを買って

現車合わせECUチューンおよび吸排気系メインのライトチューンで乗っていましたが、やはりいくら実測で

180馬力出ていたとはいえ、やっぱ2リッターのNAのパワーフィールでは私には刺激が足りず、最高速も

230km/h程度が精一杯で、高速道路では他の車と勝負にならずハイパワー車に煽られっぱなしで、結局2年

ほどでプリメーラは手放してしまいました。でも、この初代P10型プリメーラはほんとによくできた完成度

の高いシャシーとサスペンションを持った車で、さすがは「専用プラットフォーム」だけのことはあって、

車としてのバランスは現在でもFF車のお手本と言えるくらいに走行性能が高く、200km/hをはるかに超える

スピード域でもシャーシ性能が優っていて、荒れた路面でも非常に安定した走りができる良くできた車だった

ことは伝えておきたいと思います。それだけにせめてあと100馬力エンジンパワーがあれば最高でした。

↑私が乗っていたHP10改プリメーラ オーテックバージョン。オーリンズとアイバッハのスプリングで車高

落としてBBS RG2を履いていました。 見た目も走りもかなりキマっていたと思いますよ。本当にいい車

でしたが、それだけにシャーシ性能の高さに対してエンジンパワーが足りなすぎました。

 

その後、現在のジムニーを買ったわけですが、今までオンロードカーオンリーだった私がなぜ本格クロカン、

オフロード車であるジムニーを選んだのかと言うと、べつにオフロードを走ろうとかは一切考えてなく、

普段の街乗りの使い勝手の良さ、頑丈さ、外観が硬派っぽいところ、軽自動車でもナメられたり煽られたり

しにくいこと、それでターボエンジンでマニュアルミッションがあること、などが主な理由です。

そういう意味ではオンロード主体で走ることが前提の私にはちょうどこのコイルサスペンション+K6Aターボ

エンジンという組み合わせのJA22というのは偶然とはいえ、うってつけの車だったのです。世間では不人気

なジムニーのJA22ですが、私にとっては幸か不幸かじつに面白い「素材」になってしまったわけです(笑)

そりゃそうですね、ジムニーの車体にアルトワークスやカプチーノと同じエンジンを載せてるわけですから、

自然と流用できるチューニングパーツが溢れていたわけです。

 

それで、気がついてみればちょこちょこといじりはじめて、はじめはノーマルタービンブーストアップから

はじまり、それに飽き足らなくなって、ワークスRタービン、HT07タービンA/R12仕様、それから現在の

スズキスポーツがかつてK10Aエンジン用N2タービンとして出していたものとほぼ同じ仕様のスペシャルな

レアものHT07-A/R12タービンとバージョンアップしてきました。 その後、ヘッドガスケット吹き抜けを

機にエンジンをオーバーホール、強化メタルガスケット、HB21SワークスRカムなどを組み込み、ポート研磨、

12ホールインジェクターなどエンジン本体もファインチューンして現在に至ります。

 

もうほとんど「走る実験室」みたいなオリジナル要素の強いチューニングです

まぁ、かなりオリジナルな部分が多いのでとてもチューニング内容をすべては書き尽くせないですが、私に

とっては絶好の「実験台」になっていることは事実ですね。 そもそも、私が本格的にタービン交換とかの

チューニングをやりはじめた2002年頃はまだジムニーで100PSを超えるようなハイパワーチューンなんか

やってる人なんてほとんどいなかった時代です。 当時、唯一スズキスポーツがJA22用N2ターボキットを

出していましたが、使用タービンは中速域重視のA/R9のRHB31FWでした。 ワークスRタービンのような

A/R12の高回転パワー志向のものはありませんでしたからね。 ジムニーの専門誌だって記事内容はみんな

オフロード、クロカン方向のチューニングばかりでオンロード重視のチューニングやハイパワー志向の本格的

な突っ込んだ内容のマニアックなエンジンチューンだのは全く取り上げないし、仮に取り上げたとしても私に

言わせればレベルが低すぎて「おまえら素人かよ?」と思える稚拙な内容でまったくお話にならない(これは

現在でも同じで、ほんとジムニー系の雑誌やショップはエンジン関係にはまったくもって無知、素人すぎて話

にならないとこばかり!)。 だから私も何か他のメディアを参考にするとかではなく、独自の発想と独自の

理論と独自の調査で手さぐり状態でやっていくしかなかったわけで、DIYで何のパーツが流用できるのかとか、

どうやってシャシーとのバランスをとっていくのか、しかもいかにお金をかけずにやっていくのかとか、まぁ、

色々と考えながら気がついてみればここまできていたって感じですね。 ですので、もうすべてが我流です。

それだけに「理論」だけはしっかりと考察して実践することをモットーとしているつもりです。


そんなこんなで、今回は今までの記事で記録してきたブリッツのパワーメーターの数字を比較しながら

これまでのジムニーの「パワーアップ&スピードアップの進化の過程」を振り返ってみたいと思います。

 

ノーマルタービン(HT06-3 A/R6.5)ブーストアップ仕様/2001年

最高出力93PS、最高速度155km/h

スズキスポーツN1ECUに最大1.4kg/cm^2までブーストアップしてましたが、5速ではノーマルのパワーピーク

ポイントである6500rpmまでが精一杯でしたね。1〜4速での加速でも6500rpmまでは一気に加速して速いの

ですが、すぐに吹け切ってしまって高回転までパワーが続かない。HT06-3ノーマルタービンではこれが限界

です。 この時の仕様はフロントパイプは純正、もちろん純正触媒フロントパイプ、リアマフラーはタニグチの

45φのものを使用していました。結局「レッドゾーンまで続く息の長いパワーバンドが欲しい!」ということ

からタービン交換を決意しました。

 

HB21SアルトワークスR純正タービン(HT06-4 A/R12)仕様/2002年

最高出力110PS、最高速度169km/h

インジェクターも同時にアルトワークスR用260ccに。このタービンから本格的に100馬力オーバーの世界へ

突入。このタービンにしてやっと8500rpmレッドゾーンまでをフルに活かせるようになり、ジムニーとは

思えない高回転の加速を味わえるようになりました。 最高速も時速100マイルオーバーの領域に入りました。

マフラーはより太く高回転を重視してサクソンレーシング製50φに変更しました。

 

HT07-A/R12ハイブリッドタービン仕様/2002年

最高出力127PS、最高速度176km/h

さらにパワーを求めてHT07ラージコンプレッサーとスズキスポーツN2タービンのA/R12エキゾースト

ハウジングを組み合わせたハイブリッドタービンを製作。ワークスRタービンより確実にパワーアップ。

なんか、私がこのHT07タービン流用チューンをはじめたのをきっかけに世間でもF6AやK6AにHT07を

流用する人達が一気に増えたような気がします。

 

HT07-A/R12スペシャルタービン仕様(以降はすべてこのタービン)/2003年

最高出力147PS、最高速度179km/h

さらに超レア物のビッグインデュース径HT07-A/R12タービンに交換。これはかつてスズキスポーツ

がK10A用N2タービンとして売っていた物と同じ仕様で「HT07シリーズでも最強のHT07タービン」

で、よくあるワゴンRワイド流用4A+A/R12エキゾーストハウジング仕様とはまったく違う、高回転

パワー重視の超レア物ターボです。 以後、現在に至るまでずっとこのタービンを使用し続けています。

たしかに低回転では若干かったるいところがありますが、5000rpmから上の加速感は「これぞターボ!」

という刺激のある加速感と爽快感が味わえて非常に私好みな特性のターボチャージャーです。

 

さらにMRS製50.8φ砲弾マフラーへの変更/2010年

最高出力154PS、最高速度180km/h

このMRSマフラーはとにかく低速トルクから高回転パワーまで素晴らしい性能を発揮する逸品です!

このリアマフラーは現在も継続して使用中です。 これにより低速トルクが上がっただけではなく

さらにブーストの立ち上がりも速くなり、さらに高回転まで回して乗るのが楽しくなりました。

パワーも確実に上がり、このあたりから風などの条件次第ですが最高速度が180km/hに届くように

なってきました。

 

さらにエンジンOH兼ファインチューン、ワークスRカム、SARD 12ホールインジェクターetc…/2012年

最高出力175PS、最高速度183km/h

2010年に純正のヘッドガスケット抜けを機にエンジンフルオーバーホール兼ファインチューンを実施。

強化メタルガスケット、ワークスRカムシャフト、ポート研磨、油圧アップ、ヘッド/ブロック面研、

シリンダーホーニングetc… その後さらにインジェクターをサード製の300cc、12ホールへ交換。

これにより、無理にブースト圧を上げなくてもエンジン本体でパワーが出せるようになったので、

ブースト圧をそれまでの1.5kから1.3kへと0.2k下げたにもかかわらず、パワーおよび最高速はさらに

アップしました。 やはりエンジン本体をキッチリ組むと無理にブーストに頼らずともパワーは出ます。

 

さらにトライフォースカンパニー製 ターボアウトレットパイプ装着/2012年

最高出力187PS、最高速度188km/h

たかがアウトレットパイプ、されどアウトレットパイプ。 このターボアウトレットパイプ装着により

高回転でのパワーの伸びがより一層改善され、より一層ポテンシャルが引き出され、パワーアップを果たし

ました。これはかなり効果的なパーツでコストパフォーマンスはとても高いです。

 

さらにBCNR33 GT-Rスペシャル触媒仕様(現在の仕様)/2014年

最高出力251PS、最高速度201km/h

そして現在の仕様。 R34GT-R純正メタル触媒、HKSメタル触媒を経て、最終的に特殊ルートで入手した

R33 GT-Rスペシャルメタル触媒へとバージョンアップ、それに合わせて燃調セッティングをとり直して、

ついに常用ブースト圧1.3kg/cm^2のままで念願のメーター読み200km/hオーバーを達成できました。

この「200km/hの大台突破」によりひとまずは私のチューニング目標が達成できたと言ってもいいでしょう。

 

番外編ですが、参考までにブースト圧1.7kg/cm^2でのアタック時/2013年

最高出力251PS、最高速度214km/h

これは試験的に一度だけブーストを1.7kg/cm^2まで上げて最高速アタックしたときのもの。メーター読み

とは言え、214km/hとジムニーとは思えないスピードを記録しました。 しかし、このとき装着していた

触媒はR34GT-R純正触媒だったので、現在のR33 GT-Rスペシャル触媒仕様ならブースト圧1.7kかけたら

さらにトップスピード、およびピークパワーも伸びるはずです。 ですが、もうエンジン壊すのは嫌なので、

さすがにやるつもりはありませんが。 しかし、不思議なのは偶然なのかパワーのピークホールド値が

ブースト1.3kで200km/hオーバーしたときとまったく同じ251PSという面白いデータとなりました。

 

<注釈>

※ブースト圧はエンジン本体ノーマル時は1.4〜1.5kg/cm^2、エンジンオーバーホールおよびファイン

チューン後は1.3kg/cm^2です。(一時的に1.7kg/cm^2まで上げたときもありますが、それはあくまでも

イレギュラーということで今回の記録の中では参考データとして考えてください)

※言うまでもありませんが、最高出力のピークホールド値についてはターボコンプレッサーの風量および

インジェクター容量計算からも燃圧2.7kだと理論上は165PSあたりが限界なはずなので、それより上の

数値が出ているのはホイールスピンの影響などによるものと考えられますので、160PSあたりを超えてから

の数値はあくまでも比較参考程度に捉えてください。 ましてやこの仕様で200PSオーバーなんて絶対に

あり得ませんので。 しかし、チューニングを重ねるごとに確実にパワーアップしてきていることだけは

確かで、それはなによりも最高速の伸びが証明しています。


たしかにピークパワーや最高速も大事ですが、それだけじゃありません

まぁ、おおまかな流れはこんな感じで、数字を見る限りではたしかに「順調に進化してきた」と言えるで

しょうか。 しかし、単にピークパワーやトップスピードだけじゃなく、HT07-A/R12タービンが不得手

とする低回転や実用域のトルクも少しづつ着実に増やす工夫もしてきています。 小排気量ターボエンジン

は、ピークパワーを上げるのは比較的たやすいことですが、低回転トルクをどう稼ぎ出すのかがなかなか難

しいところで、小さな小細工を少しづつ積み上げてトルクを稼ぐしかないんです。 極端な話、馬力を出す

のは大きなターボ組んで高いブースト圧かけて、そのぶん燃料噴いてやれば簡単に出せますから。しかし、

低速トルクはそう簡単にはいかない。 小さな工夫を少しづつ積み重ねていかないとならないのです。

軽ターボエンジンは「10PS最高出力を上げるのは簡単、だが1kg-m低速トルクを上げるのは難しい」

ものなので、手順としてまずは比較的簡単な目標であるパワーを出すことから始めて、その後、わずかな改善

をコツコツと積み上げて「チリも積もれば山となる」的な改良を重ねて低回転トルクをいかにして絞り出して

やるかという考え方でおこなっていくのが私流です。 ちなみにここで言っているトルクというのは単純に

シャーシダイナモなどで出すアクセル全開での最大トルクという意味ではなく「いかに少ないアクセル開度

でトルクを出せるか」というストリートにおいて本当の意味で重要な実用トルクの向上という意味です。

シャーシダイナモでおこなう「アクセル全開時のトルク」とはまったく意味合いが異なることに注意してくだ

さい。 何度も書きますが、これはレーシングエンジンではないのですから、ストリートチューンエンジン

においてはシャシダイの全開数値だけでチューニングの良し悪しを語ることはバカな話なのです。 高回転

重視のターボチャージャーを使いながらも街乗りで乗りにくくならないようにするためには、少ないアクセル

開度でできるだけトルクを出せるようにバランスを考えながら(とくにサクション系の改良が有効)、同時に

全開時のトルクや高回転でのパワーを出していくチューニングが必要なのです。

↑大きなA/Rのタービンをつけてもサクション系の抵抗を徹底的に減らす改善を積み重ねることで、見違える

ほど低回転のトルクとレスポンスを得ることは可能です。 「まずは大きなタービンでパワーを出しておき、

そのあと細かな改良の積み重ねで低回転や実用域のトルクを取り戻す」というのが私の基本的なやり方です。

<参考> →ターボエンジンは徹底的にサクション抵抗を低減すべき


<素朴な疑問> はたして100馬力オーバーのジムニーは「速い」と言えるのか?

たまにメールなどでもいただくのですが「私のJA22はそうとう速いんだろうな」と思っている人が多いよう

ですが、実際はたいしたことありませんよ。 だって考えてみてください。ジムニーという車は軽自動車の中

では「かなり重い車」です。私のJA22でさえ890kg、現行のJB23になると980kgとほぼ1トンの車重があり

ます。 これに100馬力超のエンジンを積んでもやっとパワーウェイトレシオは10kg/PSです。こんなの普通

のファミリーセダンの数値ですよ。この程度で速いわけがありません。 一般にスポーツカーレベルの動力性能

を得るには5kg/PSを切るパワーウエイトレシオが欲しいところです。つまり、これをジムニーに当てはめれば

1トンの車重に200馬力以上のパワー、つまり「最低200馬力以上が必要」となってくるわけです。 さらに、

現在のハイパフォーマンスカー、たとえば極端な例で言えば日産R35 GT-Rなんかは1730kg/550PS、つまり

パワーウェイトレシオは3.14kg/PSです。 これをJB23ジムニーに置き換えれば、なんと「320PS!」が必要

となるわけです。 ここまでやってやっと「速い!」と言えるレベルになるわけですので、たかが100馬力や

150馬力程度のジムニーなんかではとても「速い」なんて言えるレベルではないのですよ

この程度で「速い!速い!」なんて言ってる人は私に言わせればお笑いです。 それでも「速い!」と感じる

んだとしたらそれは、ジムニーという車がナロートレッド、ショートホイールベース、高い車高と重心のせい

で基本的に不安定な車のため、体感的、感覚的に不安定で恐いという「スリル感が速いと錯覚させているだけ」

のことです。 ただ、以前にも書きましたが、軽自動車のエンジンで150PSや200PSレベルの高度なハイパワー

チューニングをすると極端にパーツの耐久性が犠牲になり、おいしく使える期間が短くなり高度なメンテナンス

や頻繁な部品の交換、短いサイクルでのオーバーホールが必要になってきますので、「安心して長く乗りたいの

なら」私はそこまでの極端なパワーアップはあまりおすすめはいたしません。 せいぜい100PSから130PS程度

の馬力で満足しておくのがちょうどいいバランスなのではないかと思います。

<参考> →軽自動車エンジンチューニングについてのアドバイス

 

↑気がつけばもう17年、よくまあ飽きずに弄ってきたものだなと思います。 正直なところ、もうあまり手を

加えるようなところもなくなった気もしますが、今後も「できるだけお金をかけずに」「あくまでも合法に」

「軽自動車の枠を出ないように」の3つをポリシーに楽しんでいけたらと考えています。 もうここまで

自己流でやってきてしまった以上、この車は私以外には弄れないし扱えないでしょうから、廃車までつきあって

乗ることになるしかないなと覚悟をするようになってきています。 再来年から13年超の軽自動車の税金が大幅

に上がってしまうのは辛いところですけどね。それに今後はチューニング以前にあちこち修理や交換しなければ

ならない部分も出てくるでしょうし。

 

<低年式の軽自動車税増税に対しての個人的な不満!>

しかし、なんですか税金12900円ってバカにしてんのかって感じ。 現行7200円に対しての2割増しなら

まだわかりますが、新規軽自動車の10800円に対してさらに2割増しってのはあまりに横暴すぎます。 古い

クルマを大事に乗ることってそんなに「悪」なのでしょうかね。 ここまで税金が高くなるといっそのこと

リアシートを外し2シーターにして4ナンバー登録にして「JA22V」にしてしまおうかとさえ考えてしまいます。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~