軽量ブレーキドラム製作-その2
今回は手軽に純正ドラムの追加工で。
●以前の軽量ドラムは効果はあったものの、記載しましたようにブレーキ鳴きが大きく出るため
そのまま街乗りで使用するには無理があるので、その鳴き(共振音)の原因がドラム本体にあることの
確認をするためにも、今回はこのドラム部分を純正部品の追加工でおこなってみました。

↑ドラムAssy。
ディスク部分(ANP89製)、補強プレート(S45C製)、ピアスボルト等のパーツは前回製作のものから
の流用です。
組み込み重量は5.4kgほどで、ノーマルドラムよりも重量にして1個あたり約1.2kgの軽量になっている
ことになります。
前回製作したドラムのときは5kgを切っていたので、重量面では約500gほど今回のほうが重くなって
しまっているのが残念ですが、いたしかたないところです。
ちなみに、純正ドラムの加工をしていて気がついたのですが、このドラムは通常のFCではなく、もともと
FCDあるいはCV鋳鉄を使用しているようです。 切削加工する際のキリコを見るとよくわかります。
ちなみにこのドラムは新品で1枚あたり12200円でした。 ハブボルトも圧入済みでした。
●ダストカバー

↑ダストカバー
ダストカバーも純正品です。 なお、このダストカバーを留めるネジも軽量化のためにアルミボルトを
使用しました。 このダストカバーは1枚あたり1200円でした。
ちなみに、このダストカバーをつけなければさらに350gほど軽くすることができます。
正直、つけるかどうか迷ったのですが、実用的に考えてカバーはあったほうがいいと考え、今回は
ダストカバーはつけました。
ただ、350gというと数値的には大きいですね。 喩えて言えば、350ccの缶ジュースの中身1本分の
重量がドラムについているかどうかという差ですので、本気で軽量化を考えれば無視できないと言えます。
●取り付け

↑装着したところ。
●取り付け後の変化。
軽量化による効果は以前同様、たしかに感じ取れます。
ブレーキの利きについてはもちろん純正加工ですので、とくにノーマルと変わりはありません。
しかし、いちばんの問題であったブレーキ鳴きはなくなり、やはりあの鳴きの原因はドラムの軽量の
しすぎによる共振が原因ということができると思います。
その原因としてもっとも大きいと思えるのが下の写真にあるように最縁部の肉厚です。

↑左が今回の純正加工ドラム、右が前回製作したドラム。
この部分の厚みが純正のほうがかなり厚いことがわかりますが、この質量と剛性によってうまく
制振されることで共鳴しないようになっているのではないかと思います。
実際、軽く叩いてみると、製作したドラムのほうは「カーン」というかん高い音で響くような感じ
ですが、純正ドラムのほうは「カン」という程度で、すぐに吸収されてしまうことがわかります。
当然ながら、材質による制振性の差もあるのでしょう。
剛性については材質の引っ張り強さや硬さで決まるものではなく、弾性係数のほうが大きく
かかわってきます。
ちなみにこの弾性係数は焼き入れ等で硬化できる材質の場合、硬さを上げることで向上はするもの
の、上限があるので厄介です。
もっともいい例がスプリングですが、スプリングの焼き入れ硬さはせいぜいHRc45以下となって
います。 これはそれ以上硬くしても弾性係数が向上しないからです。
焼き入れ硬さはどんどん上がるのに、(縦)弾性係数はなぜこれ以上上がらないのか… これは
金属材料のひとつの謎でもあります。

●いづれにしても、これによって実用上での問題はとりあえずなくなったので、しばらくこれで乗って
見ることにします。 試しに車検もこのまま持っていってみます。