ラジエーターは銅製かアルミ製か&エンジンルーム内の冷却について

目的によって異なりますが個人的には軽量さでアルミ製が好きです


 

●最近の乗用車の純正ラジエーターといえば、薄型単層のアルミコアに樹脂製のアッパータンク、

ロアータンクが当たり前ですが、私のJA22ジムニーは純正で銅コア、銅タンクとなっています。

旧型ジムニーのような実用車では銅、あるいは真鍮製のラジエーターというのも珍しくありません。

これは、とくに旧型ジムニーは車の性格として比較的低い速度でエンジンを酷使する使い方を想定

していた関係から、より熱伝導率の高い銅を材質として用い、低いスピードでも冷却効果を高める

ために最近の乗用車みたいな単層の薄いコアではなく複層の厚いコアを使用していたわけです。

 

↑JA22Wジムニーの純正ラジエーターのリビルト途中の写真。 見てのようにコア、アッパータンク、

ロワータンクすべてが銅製です。

 

ですが、現行のJB23ジムニーでは、一般乗用車と同じ設計思考になったのか、アルミ単層コア

(モジュール)+プラスチックタンクというごく一般的な構造のラジエターになっています。

ジムニーも従来のハードなクロカン車から乗用車に近いSUV的なポジションに移ってきていると

いうことがこういう構造の変化を見てもわかります。

 

↑JA22ジムニー純正ラジエターのコア内部。 複層コアとなっていて厚みがあります。


ラジエーターの素材は何が優れているのか

一般的にラジエーターに用いられる材質は「銅」「黄銅(真鍮)」「アルミニウム」が使用されます。

 

まず、銅ですが、一般的にラジエーターには「りん脱酸銅」と呼ばれる種類が使われまして、JISで

いうとC1201、C1220、C1221などが多く使われる材質です。比重は約8.9で、鉄鋼(スチール)の

約7.8〜8.0に比べやや重いです。 一般に「純銅」と呼ばれているのはこの種の材料です。

 

次に黄銅(真鍮)ですが、これは銅と亜鉛の合金で、その割合によって6:4黄銅とか7:3黄銅とかの呼称

がありますが、自動車用のラジエーターに使われるのは主に銅70%、亜鉛30%の7:3黄銅のほうです。

これはより熱伝導率の高い銅のパーセンテージが高いためです。 もちろん、実際の合金は銅と亜鉛だけ

ではなく、その他の微量元素も含まれます。 JISで言うとC2600あたりがラジエーターの素材となる

7:3黄銅です。 比重は約8.5で、純銅よりは軽いですが、鉄よりはまだ重いです。

 

最後にアルミニウム合金ですが、この特徴はなんといっても軽量であることです。 比重は約2.7と、鉄の

約1/3しかないため、大幅な車両の軽量化が図れます。 実際に車のラジエーターに使われるアルミ合金の

種類は私も正確には把握していませんが、溶接性や耐食性、熱伝導率の高さから考えて、純アルミニウムに

近いA1000番代(純度99.5%以上のA1050か純度99.0%以上のA1100あたり)か加工しやすく適度な強度

と安価なことからA5000番代、あるいは押し出し成形がしやすいA6000番代(A6063あたり)が使われて

いるのではないかと思います。

 

さて、ここまでラジエーター素材に使用される材料の特性について書きましたが、ひとつ曖昧にしていた

ことがあります。 それは「熱伝導率」です。 以下にその代表的な物性値を書きます。

●純銅

熱伝導度 0.94cal/cm・sec°C

●7:3黄銅(真ちゅう)

熱伝導度 0.29cal/cm・sec°C

●純アルミニウム

熱伝導度 0.53cal/cm・sec°C

●アルミ合金 A5056

熱伝導度 0.26cal/cm・sec°C

上記のように、熱伝導率では間違いなく純銅がトップなのですが、アルミニウムに関しては、その純度や

合金の種類によって熱伝導率は大きく異なっており、純度の高いアルミニウムでは純銅に次ぐ高い熱伝導率

を持ちますが、合金成分が多いアルミになると熱伝導率は大きく落ち、真鍮と変わらないレベルまで落ちます。

つまり、よく一般的に記述されている熱伝導率の高さの順番「銅→真鍮→アルミ」というのは一概に言える

ほど簡単ではなく、とくにアルミ製に関しては、何の種類のアルミ合金を使用しているのかによって大きく

放熱性能が変わってくるということで「アルミラジエーターと一言に言っても使用されているアルミの

材種によって大きく性能差がある」ということです。 上図でもわかりますように、純アルミニウムに

近い純度の高いアルミの場合は真鍮に比べ倍近い熱伝導率を誇りますが、合金成分の多いアルミになると

熱伝導率は一気に悪化し、真鍮とほとんど変わらなくなってしまうのです。「アルミ製ラジエーター」と

ひとことに言っても多種多様なのです。

なので、アルミラジエーターを購入するときメーカーに「アルミの材種は何を使ってますか?」とちょっと

意地悪な質問をしてみるのも面白いかと思います。 ただ、ほとんどのメーカーは「企業秘密です」とか

言ってマトモに答えてくれないとは思いますがね。 しかし、品質と性能に自信があるのなら使用材質や

組成成分を公開するなどしたほうがよりユーザーに信頼されると私は思いますけどね。

それと最近、ヤフオクなどで安価で出回っている中華製と思われるアルミラジエーターなどはきっと不純物

の多いロクな材質は使ってないと思いますので、放熱性能、つまり高い熱伝導率は期待できない粗悪なもの

でしょう。 上記でもわかりますようにアルミニウムはその純度が下がるほど熱伝導率が悪化しますので、

不要な合金成分や不純物が多いとせっかくのアルミの放熱性能が活かせません。 しかし、残念ながら材質

の良否は見た目だけではわかりませんので、本当に性能を重視するなら多少値段は高くても国産の信頼できる

ラジエター専門メーカーの製品を選択すべきでしょう。

 

また、上記の比較表を見ても真鍮製ラジエーターは案外熱伝導率が悪く、放熱性能は思ったほど高くなく、

アルミ製とほとんど変わらないことがわかると思います。 よく「銅(真鍮)」などのように銅と真鍮を

一緒に考えている方が多いようですが、上記の熱伝導率の違いでも解るように、銅と比べて真鍮の熱伝導率

は極端に悪く、およそ3倍も差があります。 ですので正直なところ真鍮製のラジエターはただ重いだけ

でメリットはほとんどないということです。 それなら軽量なぶんアルミ製ラジエーターのほうが私は良い

と思います。 つまり、チューニング用社外ラジエーターを選ぶなら「銅orアルミ」で、真鍮製は論外と

して選択肢として考えなくていいということです。

 

「熱交換性」という不可解な理屈

ここでひとつ不可解な表現について書きたいと思います。 よくインターネットでラジエーター素材に

ついての記述を調べてみると、上記の熱伝導率とは別に「熱交換性」という言葉が頻繁に出てきます。

どういう意味かというと「熱伝導率というのはそれ自身に熱を与えた際にその熱が広がって伝わりやすさの

こと。それに対して熱交換性というのは、外部からの熱の影響を受けにくいこと」と、なんとも理解し難い

書き方をしているのです。

要約すると、銅は熱伝導率は高いが熱交換性は低いためエンジンルームの熱の影響を受けにくいため、自身

の熱は放熱するが、エンジンなど外部からの熱の影響は受けにくく、逆にアルミニウムは熱伝導率は低いが

熱交換性が高いため、エンジンなど外部からの熱の影響を受けやすい。 つまり、銅ラジエーターはエンジン

ルームの熱で温まりにくく、アルミラジエーターはエンジンルームの熱で温まりやすいと書かれているのです。

しかし、これは私に言わせればかなり眉唾ものです。 単純に考えても「熱しやすいモノは冷めやすく、熱し

にくいモノは冷めにくい」というのが熱伝導の本質です。熱の伝わりは一方通行ではなく相互通行です

つまり、この熱伝導率と熱交換性というのはまったく同質のものであり、それをまるで違ったもののように

歪曲した書き方をしているだけで、実際はまったく理解していないというか、金属材料の物性というものを

わかってない人間が勝手に作り出した妄想でしかなく、まったく理論的ではなく説得力のない妄言としか

言い様がありません。要は冷えやすいものは同時に温められやすいというのが熱伝導の基本的な性質です。

たとえば、黒という色を考えてみてください。物理学で言うところの「黒体放射」なんて大袈裟なことを書く

つもりはありませんが、「黒い色は熱をよく吸収する」というのは多くの人が認識していると思いますが、

同時に「黒い色は熱をよく発散する」ことは案外知らない人が多いと思います。 この現象もまさに同じで、

「吸熱しやすい=放熱しやすい」ということになるわけです。

「自らの熱は外部に伝えやすいが、外部からの熱の影響は受けにくい」など、そんな都合のいい物質

など地球上には存在しませんよ。 ほんと、バカバカしいことを書くアホもいるものだと呆れます。

 

そもそも、ラジエーターの冷却(放熱、熱交換)という現象は、内部を流れる冷媒の温度と外部の空気の温度

との温度差で冷却しているわけですから、外気の温度が高くなって内部の冷媒との温度差が少なくなれば放熱

効率が落ちるのはどんな材質であれ当然の現象で、物理的に避けようがありません。 冷却というのは、要は

熱エネルギーの移動現象ですから、それが「内部→外部」であれ「外部→内部」であれ高いほうから低いほうへ

流れていくのが物理法則です。 重要なのは内部を流れる冷媒と外気の温度差をどれだけ大きくするかという

ことだけです。そこにアルミも銅も違いはありません。 ですので、材質が何であれ、効果的にラジエーター

の放熱を促進させるにはコアを通過する空気の流速を増して、いかにして冷たい空気を次から次へと通過させ

るかということに徹しなければ冷却効率は上がりません。材質だけに頼っても限界があるのです。 くり返し

になりますが、冷却効率にとって大切なのは「内部を流れる冷媒(LLC)と外気の温度差」です。


<疑問1> 銅製ラジエーターをアルミ製シリンダーブロックのエンジンに使用すると「電食」が

 起きてアルミが腐蝕する?

 

異種金属が接し合うことで錆びや腐食が生じる「電位差腐蝕」については、以下のページでも触れています。

→ステンレス製ボンネットヒンジへの交換

 

で、これと同じことがオールアルミエンジンと銅製ラジエーターの組み合わせで起きるのではないかと心配

している方がいますが、結論から言えばまったく気にする必要はありません。 基本的に電位差腐食は異種

金属同士が「直接接し合う」ことで生じるものなので、ラジエーターが銅でシリンダーブロックやシリンダー

ヘッドがアルミでも問題はありません。 それこそ船のように塩分を含んだ海水が媒体になって電池のような

現象でも起きれば話は別ですが、車のエンジンの場合は冷媒となるクーラント(LLC)に腐食を防ぐ防錆成分

が入っているためまったく心配する必要はありません。 そのことは私のJA22ジムニーでもメーカー純正で

その組み合わせ(銅ラジエーター+アルミブロックエンジン)ですので問題ないことが証明されています。

 

<疑問2> ラジエーターの容量アップは「大面積化」が良いのか「多層化」が良いのか?

 

これも結論から言えば、面積が許す限りラジエーターの表面積を増やすほうが単なる多層化よりも効率は

上がります。 2層や3層の多層化したラジエーターは見た目にはいかにも冷えそうな気がしますが、たとえば

1層のものをそのまま3層にしたら3倍冷えるのかと言ったらそんな単純なものではありません。 結果から

言うと、1層のものを2層にしてやっと130%増、3層にしてもせいぜい150%増しがいいところです。

この理由は、多層の場合1層目のフィンには冷たい外気が当たりますが、2層目、3層目のフィンにはそれぞれ

前の層で温められた空気が当たるため、内部の冷媒(冷却水)との温度差が少なくなるために冷却効率が低下

するためです。 さらに、多層化してコアの厚みが増すことで通過する空気の流速が低下してしまい、この

ことがより一層、2層目、3層目の熱交換効率を下げてしまうのです。 ですので、多層ラジエーターという

のは見た目ほどチューニング効果が高いものではないのです。 むしろ高速で走るマシンになればなるほど

ラジエーターコアの厚みは薄いほうが有利となります。その理由は、コアが薄いほど通過する空気が素早く

抜けてくれるため、次から次へと冷えた空気がコアを通過して熱を奪ってくれるからです。 逆に、コアが

厚いと空気の流速が落ち、空気の流れがよどんで温度の上がった空気が素早く抜けてくれないため、結果と

してラジエターコアの温度を奪ってくれないために冷却効果が落ちてしまうのです。 前述したように大切

なのは「冷媒(LLC)と空気との温度差」なので、熱を奪った空気が素早く抜けてくれる「薄いラジエター」

のほうが冷却効果は高くなるのです。 厚いラジエターは見た目ほど冷えてはくれないものなのです。

 

↑JA22Wの純正ラジエーター。 JA22の純正ラジエーターはJA11よりも大型なのでよくJA11ジムニーに

流用されることが多いです。

 

<疑問3> ラジエーターの流れ方向はダウンフロー、サイドフロー、ターンフローどれが優れているか?

 

これは単純に言ってその車に搭載できるタテヨコのディメンションによって変わってきます。 ジムニーの

ように縦方向に充分な距離(コア寸法)が確保できる場合は素直にダウンフローが効率が良いです。

車によっては縦方向に寸法が取れずに横長にせざるをえないラジエーターの場合は、サイドフローにする

ことが有効でしょう。 実際、メーカー純正でもサイドフローにしている車もけっこうあります。

ターンフローについては、私はあまり有効とは考えていません。 内部を流れるLLCがラジエーターに停滞

する時間があまり長くなりすぎるとかえってエンジンを循環するLLCの流速が落ちてしまう可能性があり、

そうなるとかえって冷却効率が落ちてしまう(ラジエーターは冷えるかもしれないが、エンジンから熱を

奪う効率が落ちてしまう)ことが考えられるからです。

 

<疑問4> いわゆる「放熱塗装(放熱塗料)」というのは本当に効果があるのか?

 

これは私の経験から言えば「たしかに効果あります」。 世の中にはガンコートとかFLEXの放熱塗装とか

がありますが、私が実際にインタークーラーにこのFLEXの放熱塗装をした限りでは、大雑把ですが最大で

10度ほどの冷却効果の向上が認められました。 ですのでこれはラジエーターはもちろん、オイルクーラー

などでも効果があるものと思います。

↑Flexの放熱塗装を施した私の車のインタークーラー。

※この放熱塗装について詳しくはこちらのページを参照してください →インタークーラー放熱塗装

 

<疑問5> どんな高性能LLCよりも「純粋な真水」がもっとも冷えるのは本当なのか?

 

これは本当です。 地球上にある物質で比熱がもっとも大きいのは「水」で、この水に何か混ぜ物をしても

必ず比熱(熱を奪う能力)は落ちますので、どんなに高性能を謳っているスポーツ走行用LLCでも真水には

かないません。 さらに言うと原子炉で使用している「重水」はもっと比熱が大きくなりますが、さすがに

これは一般に入手することは不可能ですので論外とします。 なお、これは常識ですが、ラジエーターに

入れる水は必ず「軟水」を使用してください。 天然水などの「硬水」には微量の金属やミネラル分が溶け

こんでおり、これが冷却系統内で堆積したり、錆びの原因になったり、ウォーターポンプシールの潤滑に

問題を生じさせてしまいますので、基本は通常の水道水を使うのが一番です。 ただし、冷却水に真水を

使うのはあくまでもレースなどの短時間に限定してください。どうしても錆が発生しますので。 それと、

この真水を使うときこそ、キャビテーション(泡立ち)防止の意味で後述するハイプレッシャーラジエター

キャップを併用するとより効果的になると思います。

 

<疑問6> 「ローテンプサーモスタット」というのは実際に効果があるのか?

 

結論から言えば「ラジエーターの放熱カロリー>エンジンの発生する熱カロリー」であれば水温を適度に

下げる効果はあります。 しかし、たいていの市販車の場合はフルパワー走行するときなどはエンジンから

発生する熱カロリーのほうが上回ってしまいますので、そうなると純正のサーモであろうがローテンプ

サーモであろうが弁は全開になり水温は同じまで上がってしまいますので、まったく意味はなくなります。

※これについて詳しくはこちらのページを参照してください →ローテンプスポーツサーモスタットについて

 

<疑問7> 「ハイプレッシャーラジエーターキャップ」というのは本当に効果があるのか?

 

これもキャビテーション(泡立ち)を防ぐという意味では若干の意味はありますが、圧力を上げて沸点を

向上させる割合よりも冷却系統内にかかる負担を増やす割合のほうが大きいので、私はストリート走行や

ちょっとしたスポーツ走行程度では「百害あって一利なし」と考えております。 もちろん、まったくの

ノーマルエンジンになどまさに無用の長物です。

※これについて詳しくはこちらのページを参照してください →高圧ラジエーターキャップについて


●以上のように、ラジエーターの素材、構造にはそれぞれメリットとデメリットがありますが、確かに冷却

効率優先で考えれば熱伝導率の高い銅製のラジエーターが有利ですが、ラジエーターはあくまで車両部品で

あり、クルマ全体の重量バランスなどを考えれば、私はアルミ製がもっとも適していると考えています。

結局、いくら素材の性能に頼っても最終的にはコアを通過する空気の温度と流速次第で冷却効率は変わって

しまうのですから、まずはラジエーター本体以外に、いかにしてフロントグリルから効率良く冷気を導き、

さらにラジエーターを通過して温められたエアが抜ける側もきちんと空力的な処理をしてやるかが重要では

ないかと思います。 通常、クルマが走行中、フロントグリルを通過した時点での空気の流速は車速の30%

程度まで低下していると言われていますので、意外とラジエーターを通過する空気の流速は落ちているもの

なのです。

 

ちなみに、水冷エンジン(液冷エンジン)の冷却の主役はもちろん冷却水(冷却液)ですが、この他に当然

エンジンオイルも放熱に貢献しています。

ただ、このオイルによる放熱効果は思っているほど高くなく、通常のウェットサンプのエンジンでせいぜい

全体の5%〜10%程度、冷却効果の高いドライサンプエンジンでも20%程度と言われています。 その他、

エンジン表面からの放熱というのもありますが、これはほとんど誤差の範囲で、いいとこ2%〜3%と微々たる

ものでしかありません。 ですので、エンジンルームの放熱(排熱)を考える場合、主にはラジエターを通過

した熱気をいかに抜くかと、ターボチャージャー周辺など、排気系の熱気を抜くかということを重点的に考え、

エンジン本体についてはあまり放熱は重視する必要はないということです。

↑R35 GT-RのボンネットのNACAダクト。

これは先代のR34 GT-Rから継承されたものですが、このダクトから「タービン周辺」にクーリングエアを

取り込み、とくに高温になるターボチャージャー周辺の温度を下げるものです。 ここで勘違いしないで

いただきたいのは、決して「タービン本体」を冷却するのではなく、あくまでも「タービン周辺」の温度を

下げることが目的です。 タービンを冷やしてしまったらかえって熱効率が低下してしまいますからね。

そして、このエアインテークから入った空気はシャーシ裏に抜けるようになっています。 エンジンルーム

の放熱、排熱は「エンジン全体を」考えるのではなく「局部的に高熱になる部分を重点的に」考えることが

重要なのです。 エンジンルームを無駄に空気が通過すればそれでエンジンが冷えるものではありません。

 

↑高速走行中の乗用車のエンジンルーム内のエアの流れとボディ外部の正圧発生部と負圧発生部の模式図。

よくボンネットリフトとか言ってボンネット後端を浮かせている人がいますが、たしかにごく低速域では

熱気は抜けますが、高速になるほどシャーシ裏側の負圧のほうが強くなるため、ラジエターを通過した

熱気はシャーシ裏側から抜いてやるほうがずっと効率的なのです。 さもなくばボンネットのラジエター

直後にリップをつけたエアアウトレットから抜いたほうが効果的です。 ボンネット後端部付近はむしろ

エアを取り込むのに効果的な部位で、たとえばスバル車などはこの部分にインタークーラーの冷却用エア

インレットをつけていますし、そもそも室内へのベンチレーターの空気取り入れ口もたいていはここの

ボンネット後端のワイパーガーニッシュ部分にあります。 つまり、ボンネット後端部はエアを抜くの

ではなくエアを取り入れる場所なのです。 ですので、ボンネット後端浮かしやボンネットとワイパー

パネルの隙間からエアを抜くという考えは高速になるほど無意味なものにしかなりません。 とにかく

エンジンルームの熱気を抜くことを考えるときは表から見える部分だけを見ていたのでは片手落ちで、

実は普段は見えない「シャーシ裏側」こそが空力上非常に重要なことをよく認識する必要があります。

ただいたずらにフロントグリルから空気を取り込み、どこでもいいから適当な場所から熱気を抜くと

いうのではなく、きちんとエンジンルーム内をどう空気が流れるのかを考えてエアーアウトレットを

考えなければ効率的な「熱気抜き」はできません。


私のJA22ジムニーの場合はノーマルラジエターのままで問題ないのか?

↑私の車の場合は、ジムニーとしては珍しく「飛ばす」ほうなので、むしろ純正ラジエーターでは冷え

すぎるくらいに冷えて、とくに全開、フルブーストで最高速走行をしているときなどは純正の水温計の

指針が下から1/5程度まで下がってしまうほど冷えすぎて、推測ですが、おそらく80度程度までしか

上がってないものと思われます。 従って、社外ラジエーターへの交換はまったく考えておりません。

もちろん、冒頭でも書いたように旧型ジムニーは本来、低速での走行を考慮したラジエーター設定と

なっているため、真夏の炎天下での渋滞のノロノロ走行でもヒート気味になることもありません。

JA22Wはラジエーター容量(放熱カロリー)においては純正でかなり余裕をもった設計のようです。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~