(番外編)HT07改スペシャルハイフロータービン

これはレア物です! よりインテーク径の大きい高風量HT07タービンを入手しました。


●これまでいくつかHT07タービンについて記載してきましたが、このHT07シリーズは今さら

言うまでもなく、K6Aにボルトオンでつけられる中では最大のタービンシリーズとなります。

このHT07にもいくつか種類があることは今まで書いてきた通りですが、このHT07シリーズで

最強バージョンと言えるのが今回のものです。

↑HT07改スペシャルタービン。

このタービンは基本的にスズキスポーツのワゴンRプラス用N2タービンと同じスペックのものです。

この種のタービンは市場に出た数も極端に少なく、現在では非常に入手困難なタービンです。


●このタービンの特徴と通常のHT07との相違点について

このタービンは基本的にはワゴンRプラスに使用されているHT07ラージコンプレッサータービンがベース

で、これのエグゾーストハウジングをA/R12にしてあります。

ここまでなら私が現在使用している「ラージコンプレッサーHT07-A/R12仕様」と同じわけです。

 

しかし、このスペシャルタービンのもっとも大きな違いはコンプレッサーのインデュース径で、この径が

さらに大きくなっており、より高風量を送れるようになっています。

HT06/HT07スモールが約φ31、HT07ラージがφ32.3に対して、このスペシャルHT07は実にφ36です。

吸入面積で比較すると、通常のHT07ラージコンプレッサーに対して24%、さらにスモールコンプレッサー

のHT07と比べると実に35%も吸入面積が大きくなっているのです。この差はかなりのものです。

このことからもより大きな吸入量が確保できるようになっているわけで、よりハイパワー指向になること

は容易に想像がつきます。

ただし、コンプレッサーホイールがさらに重くなるわけですので、レスポンスに関してはあまり期待は

できません。 あくまで高回転パワーに的を絞った用途になります。

 

●ちなみに、購入前、このタービンは「スズキスポーツ製ワゴンRワイド用N2タービン」と謳われていた

のですが、私はやや疑問に思っていた点がいくつかありましたので、明確に表現するのはあえて避けて

おります。

一番の疑問は、以前にワゴンRプラス用スズスポのN2タービンの外観写真を見た時に、たしかインペラー

の羽根の枚数が6×2枚の組み合わせだったと記憶していたのですが、これは5×2枚になっているのが気に

なったこと。 また、これは前にも書きましたがスズスポ製のものは必ずコンプレッサーハウジングに

型番(この場合は4RA36-T20)が打刻されているはずですが、このタービンにはそれが入っていない

ことなどです。

ですが、それでもこのタービンは現在あるHT07系タービンの中ではもっともハイフロー&高風量であること

は寸法から言っても間違いないので、新品ということもあり購入してみた次第です。

ちなみに、気になったのでこれらの件について直接スズキスポーツに問い合わせてみたところ、現品が

すでに廃盤になっていることから明確な答えは出せないとのことでした。

(毎回のことながら、お忙しい中スズキスポーツさんの丁寧な対応には感謝いたします)

 

さて、このタービンの実力ですが、おそらく、ブースト1.4k〜1.5kできっちりセッティングを出せば

本体ノーマルエンジンでも130PSから135PSは出せるキャパシティはあるでしょう。

パワーだけで言えばまさにボルトオンでは最強タービンと言えます。 ただ、インターセプトポイントは

現在私が使っているタービンよりも数百回転は高くなるでしょうから、理想を言えばこのタービンをより

活かすためにもできればワークスRカムと組み合わせたほうがベストでしょう。

もちろんエンジン本体もトータルでおこなったほうが、より性能が活かせるのは言うまでもありません。

 

 

●吸気側 入り口から奥までφ36のストレートでそのままコンプレッサーホイールに繋がっています。

他のHT07も入り口はほぼ同じ口径ですが、奥に行くに従いテーパーで絞ってあり、最内径で比較すると

HT07スモールが約φ31まで絞ってあり、HT07ラージコンプレッサーでさえ約φ32.3になっています。

それと比較するとこのタービンのインデュース径はかなりの大きさと言えます。

 

●排気側 こちらは現在私の使用しているHT07-A/R12とまったく同じです。

なお、このタービンもカットバック加工が施されていますが、これはあとから加工されたもので、

本来メーカーから出荷された状態のときにはカットバック加工はしてありません。

 

●エグゾーストハウジング 写真でもわかりますようにA/Rは12になっています。

アクチュエーターはスズキスポーツのN2タービン用調整式強化アクチュエーターです。


●取り付けについて

正直なところ、現状でこのままこのタービンをつける構想はありません。 とりあえずレアなタービン

なので、まずは手に入れられる時に手に入れておきたかっただけです。

と言いますのも、現在のままでこのタービンをつけてもこのタービンのもつ性能を活かすことは

できないと考えているからです。

 

いちばんの問題は、このタービンは吸気側入り口の径はφ36と大きいのですが、ご存知の方も多いと

思いますがJA22のサクションパイプそのものの最狭部の径がこのサイズよりもやや小さく、さらに

カーブもきついので、サクション部の抵抗を考えるとかなりもったいないと思っています。

せっかくの大口径もサクションパイプのために抵抗が大きくなって充分には活かせないということです。

さらに排気側についても、このままつけてもより大きなコンプレッサーホイールを持つこのタービン

では立ち上がり、およびレスポンスはさらに悪化すると思いますので、できれば同時に効率の良い

立ち上がり重視でパイプ長の短い(=熱損失の少ない)エキゾーストマニホールドや、ターボアウト

レットパイプと同時に取り付けてしまったほうが、交換の手間も省けますし、より効率良く使ってやる

ことができるのではないかと思っているからです。

もちろん、そのまま付け替えても現在のタービンよりはパワーは確実にアップするというのは想像でき

ますのでつけ換えてもいいのですが、その違いがどこまで差として活かせるかどうかが微妙なところ

ではあります。

また、別の考え方として、このコンプレッサーの高風量を活かして、排気側ハウジングをA/R9のものに

組替えて、立ち上がり重視仕様として使用するのも面白いかも知れません。

 

なお、燃調のリセッティングについてはとくに心配はしていません。 所詮私のエンジンはノーマルカム

ですので絶対的な吸排気量については大幅には増えないので、このタービンでも充分に出せると思います。

 

●まだどうするかは決めていませんが、もし取り付けることになったら、上記の気になる点をどうするか

もうちょっと考えてから決めたいと思っています。

ただ、かかる金額の問題もありますし、もしかしたらつけずに手放してしまうかもしれませんが(笑)

 

※注記

このページで、あるいは他のページでもワゴンR「プラス」とワゴンR「ワイド」とごっちゃになって書いて

しまっていますが(勉強不足ですみません)、私はこの登録車ワゴンRについて細かいことは知りません。

とりあえず、スズスポのN2タービンのカタログでは「ワゴンRプラス」と書かれていたので、おそらくは

「プラス」のほうが正しいのではないかと思っています。

まぁ、「K10Aエンジン用」と書いておけば間違いはないのでしょうけど、細かいことは気にしないという

ことでお願いします(笑)


●2003/7/31追記

ある方から、スズキアリーナオリジナルコンプリートのKeiにスズスポのHT07が組み込まれているとの情報

をいただきました。

早速調べてみましたら、こちらのページのコンプリートカー「Keiワークスコンプリートカー SPEC-2R」

がスズキスポーツ製のHT07を装着しているようです。

ただし、マネージメントシステムやブーストは通常のN2のままでリセッティングはされてないようなので、

パワー的には06と差はあまりないようです。 (グラフを見ると若干HT07のほうがパワー、トルクともに

勝っていますが、きちんとリセッティングすればパワーにはもっと明らかに差が出るはずです)

HT07は本来1000cc用のタービンですので、タービンから見た場合、660ccのエンジンに使用すると相対的

に風量に余裕が生まれるので、そのぶん高めのブーストをかけてやったほうがよりタービンのおいしいところ

を使うことができます。

 

さて、このKeiワークス SPEC-2Rに使用されているタービンですが、写真を見てすぐにわかりますが、この

タービンは排気側はA/R12で、アクチュエーターもスズスポのものですが、吸気コンプレッサーのインデュース

は明らかに奥にいくに従い絞ってあることや、ブレードの形状から、通常のHT07と同様となっています。

つまり、スペック的には私が現在使用しているHT07改A/R12と同じで、違いはカットバックの有無ということ

です。

ちなみに、カットバックがないほうが低い排圧からタービンが回りますので、より低速域からブーストをかけ

はじめることができますが、逆にカットバックがあるほうがタービンホイールの慣性質量が減少することから、

ブーストがかかりはじめてからの立ち上がりは素早くなります。 ですので、レスポンスという点ではカット

バックのあるほうが良く、もちろん高回転での抜けもカットバックのあるほうが有利です。

ただ、カットバックと一言に言っても、その角度や取る量によって仕様が変わるので一概には言えません。

どちらにしても、もともとスズスポHT06およびHT07の排気タービンのブレード形状は目で見てもあきらか

に抜けが良さそうで、いわゆる斜流タービンに近い形状をしていますので、排圧による負担は少なくなると

思います。

 

さて、もしこのKeiワークス SPEC-2Rに使用してあるHT07タービンが「本当に」スズスポのワゴンRプラス用

HT07のN2タービンだとするならば、私が今回入手したHT07ハイフローのほうがかなり大きいことになります。

こうなると今回入手したこのタービンの素性がまずます謎で気になってきました。 いったいこのタービンは何者

なのでしょうか。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~