スタビライザーピロボールリンク(ホーシング側)

スタビライザーのフレーム側に続き、ホーシング側もピロ化しました。


●今までの強化ウレタンブッシュも悪くはありませんが、以前にも書きましたが、強化ブッシュと

いうのは無駄な方向への動きが少なくなる反面、本来ならば軽く動いて欲しい方向への動きも悪く

なってしまうため、総合的に見るとサスの動きを妨げる面があることも事実です。

今までのスタビ部のブッシュについても、硬いブッシュにすることでステアリングの切りはじめの

応答性はたしかに改善しますが、(勘違いされている方もいるようですが、スタビブッシュを強化

してもロール量そのものは変わりません。 あくまで応答初期のレスポンスの改善です)同時に、サス

ストロークが多くなるにつれてそれがサスの動きの抵抗になってしまうというデメリットもあります。

ですが、ピロボールにすることで、動きを規制したい方向へはカッチリと固定し、それでいて軽く動いて

欲しい方向へは純正ブッシュよりも軽く動くため、サスの動きを妨げません。

もちろん、ピロブッシュは機械的な摩擦をしますので、磨耗のチェックなどのメインテナンスに

ついてはゴムやウレタンブッシュよりも気を遣ってやる必要があります。

 

↑製作したリンクパーツ。

部品構成はブラケットがホーシング側、スタビ側それぞれ2個、ピロボールはNMBのRBT10E。

スタビライザーリンクですので、ピロボールサイズ、グレードはこれで充分な構成です。

逆に、万が一過大な入力があった時にはホーシングのスタッドよりもこのピロボールが先に破損

してくれるように考え設定しました。 ホーシング側のスタッドが先に折れたら厄介ですので。

あとは、取り付け用のナット、ボルト類とワッャー類です。 これらは市販品の中から適切な

ものを選択します。 ただし、ホーシング側取り付け面とスタビ側のボルト座面のワッシャーは

市販のものではなくS45C削り出しのものを使用しています。

この部分は面圧が高くかかるので、市販の軟鋼製のワッシャーでは挫屈してしまう可能性がある

ためです。

 

●ブラケット

バネ下荷重をできるだけ増やしたくないので、材質はA2017、表面はアルマイトです。

アルマイト色は他のサスペンションパーツと色を合わせる意味で、赤としました。

 

●ピロボールロッドエンド

NMB社のものですが、以前に造ったラテラルロッドとは違い、ここは負荷が軽いので、3ピースの

HRTシリーズではなく2ピースのRBTシリーズを選択しました。

このRBTシリーズはHRTシリーズに比べると1/3程度の破断荷重性能しかありませんが、軽量で

あることを考えると、適所に使用することによって適切なコストパフォーマンスが得られます。

逆に、サスペンションアームやタイロッドエンドなどには3ピースのHRTグレードでないと、すぐ

にガタが出たり、最悪は走行中に破損することがありとても危険ですので、この辺はかかる荷重

をよく検討して設計し、サイズなど含めて選択する必要があります。

(余談ですが、とくに安価な市販のこうしたサスペンションリンクに使用されているピロボールは

荷重性能が充分ではないものもよく見ます。 サイズをワンサイズアップするなり高荷重グレード

のものを使用するなどの安全上の検討の余地があるものが多いです)

なお、ボディ、ボールともにステンレス製で、テフロンライナーによる無給油レースとなっています。

 

こうしたサスペンションのロッドエンドによく給油式のピロボールを使用しているのも見ますが、

ダストシールがしっかりしているぶんには構わないのですが、オイルシール、ダストシールがない

状態で使用する場合は給油式だとそのオイル(グリス)に砂やホコリがついてそれがメタルやボール

を磨耗させてしまい、結果としてすぐにガタガタになってしまいますので、私は経験的に足まわりに

使用するピロはすべてテフロンライナーの無給油式のものを好んで使用しています。

ただ、耐荷重性能そのものは給油式、とくに真鍮インサートを用いないフラクチャータイプのほうが

やや良好な場合が多いので、本当に厳しい条件下では給油式ピロという選択肢もありますが、この

場合は前述のようにダスト対策をしっかりする必要があります。

これは純正でピロボールを使用しているブッシュにブーツがあることを見てもわかると思います。


●組み込んだ状態。

取り付けは完全にボルトオンできるよう設計しました。

写真で見てもわかりますように、スタビ後端高さが純正位置よりも約40mm下に下がってしまい

ますが、少なくとも街乗りや林道程度ではこの部分をぶつけることはないので、特殊なコースを

走らない限りはとくに不都合があるわけではありません。

もちろん、ステアリングをいっぱいに切っても当たることはありません。

また、場合によってはフレーム側ブラケットの延長などもしなければならないかと思いましたが、

ピロボールの穴位置がちょうど長さの不足分を補正してくれる感じになりましたので、うまく

収まるので、そのままでOKです。

 

ジムニーはJA11まで、およびこの初代コイルサスのJA12や22までのスタビはホーシング側で

揺動を受け持ち、前後方向への変位はフレーム側のブラケットが受け持つというやや特殊な構造

になっています。

一見すると不思議なようですが、これは単に通常のマウントの位置関係が逆になっただけですので

性能上の違いはありません。

なお、JB23ではこの位置関係が逆になっており、スタンダードな取り付けになっています。


●インプレッション

走りだしてすぐに感じとれるのは、直進時の楽さです。

以前にも増して路面の凹凸に対してのフラつきが減少し、速度を上げていっても直進安定性

が高くなったことからハンドル修正がより少なくて済むようになり、普通の乗用車のような

落ちついた感じになります。 これはある程度の長距離を走ったときに疲労の軽減に繋がる

と思います。

やはり、オンロードでの感じは初期の入力に対しての効果はブッシュよりもかなり向上し、

ハンドルの切りはじめなどの感覚はダイレクト感が増します。

また、ピロにしたことによって、ラテラル同様に脚の動きが軽くなる効果が感じられます。

気になる音についてですが、まったく問題ありません。 

 

●ついでに

↑スタビのフレーム側のピロもだいぶ劣化してきていたので、新品に交換しました。

ついでに購入したのでNMBのRBT16Eにしましたが、ここはもっと安いピロでも構いません。

 

↑これは約1年使用した強化ウレタンブッシュ。 →該当ページ

ウレタンはゴムに比べて弾力の低下は早いですが、ポリエーテル系ということもあり1年程度

ではまだヒビ割れなどもなく使用には問題はありません。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~