SUXON RACING マフラー

TANIGUCHIのマフラーから換えてみました。


↑サクソン ステンレスマフラー

4駆のマフラーとしては有名なマフラーですので、とくに書くこともないでしょう。

サクソンのこのマフラー、見る人が見ればわかりますが大別して前期型と後期(現行)型に別れます。

見比べればわかるのですが、前期型のほうがタイコの直径が細いです。 現行のものは保安基準に

適合させるためもあってか、ややタイコの直径が太くなって消音効果が高くなっています。

サイレンサー内部はストレート構造となっています。

ちなみにパイプ外径は50φ、タイコ径は127φ、テールエンド径は76φです。


●いわゆる「車検対応」と分類されているマフラーには大別して「保安基準適合」と称されている

ものと、「JASMA認定」と2種類があります。

本当の意味で車検対応のマフラーが欲しい場合はJASMA認定のほうが安心です。 もともとJASMA

マフラーはその証明書を示すだけで車検スルーというのがウリですので、音量も保安基準の値より

かなり低いレベルで抑えられているものが多いです。

ただ、それだけにチューニングマフラーとしての性能という意味ではあまり大きな期待はできません。

そもそも「車検対応」と謳うからには音量もさることながら、厳密に言うとパワーが上がってしまって

はダメなのです。 ですので、JASMA認定マフラーというのは公然とパワーアップを謳うことはでき

ません。  たとえ5馬力程度でもパワー(というか実際にはトルクなのですが)が上がってしまえば、

それに対応して駆動系等の強度検討が必要になり、結果としてそのまま車検スルーとはいかなくなって

しまう関係で、車検対応と言えなくなってしまうからです。

ですので「たてまえ上」はJASMAマフラーはパワーアップを宣伝することはしていません。

 

対して保安基準適合マフラーの場合は、あくまでも音量のみが保安基準内にあるということで、エンジン

性能の変化等に関しては、公然とパワーアップを謳っているものが多いです。

そのため、排気効率優先で造らている関係もあり、製品によっては新品時ですでに保安基準ギリギリに音量

が設定されている場合もあります。

このことは、たとえば新品時には確かに音量がクリアされていても、2年後の車検のときは音量がオーバー

して車検をパスできない…という事態も「極端な話」では考えられるということです。

ですので、メーカーもハッキリと「車検OKです」とは明記できないというのが実情です。

とくにストレート構造のサイレンサーのマフラーは消音材が抜けたり、パンチングがカーボンで詰まってくる

と音量が大きくなってきますので、こうした音量の変化は大きいですので注意が必要です。

 

ただ、マフラーの音量というのは数値と人間の耳で聴いた感じでは差が大きいことがありますので、近接騒音

◯◯dbという数値は参考にはなれど、五月蝿いか静かかという判断にはなりません。

これは周波数の違いによるもので、たとえば250Hzの90dbと2KHzの90dbでは耳で聴いた感じの「五月蝿さ」

はまったく異なります。

当たりまえですが、マフラーの音質は単一周波数ではなく低い音から高い音までの周波数のミックス音ですので、

これらの周波数帯がどのように分布しているかによってまったく違ってきます。


●取り付け

装着はTANIGUCHIのマフラーと同じでとくに難しいことはなく行なえます。 ジャッキアップも必要ありません。

↑今までつけていたタニグチのマフラー(上)とサクソン(下)。

 

●装着後のインプレッション

交換前は「さぞかし五月蝿いことだろう」と思っていましたが、意外にもアイドリング時や街乗で多用する

回転域では、今までよりも気持ち音が大きいかなという程度で収まっています。

今回、もし耐えられないくらいに音量が大きかった場合、テールエンドのストレート部の350mmあたりまで

をカットして、そこにバイク用のサイレンサーをつけることも考えていたのですが、このくらいの音量なら

なんとか改造する必要はなさそうなレベルです。

ただ、決して静かとは言えないですので、しばらく乗ってみて気になるようならサイレンサーの追加も検討して

みようかと思っています。

もちろん、フロントパイプがノーマルならば充分に静かと言えるのでしょうけども、フロントパイプがストレート

になっていて、しかもタービンの排気ハウジングの大きい私のクルマの場合は通常よりも音量が大きめになって

しまいます。

音質は今までのタニグチのものと4000rpmあたりまでは同じ感じですが、それ以上になるとやや乾いた感じの音

になります。

 

逆にフィーリングについては明らかに変化がありました。  SFC-MULTIのセットが今までのままでは、ブースト

がある程度立ち上がるまでのトルクは明らかに落ちました。

とくに4000rpmから5000rpmのもっともブーストの立ち上がりの激しい領域でパワーの盛り上がり感がフラット

になってしまい、明らかにパワーダウンしました。  明らかに燃料が足りていないという症状です。

おそらくブーストの立ち上がりが早くなったぶん、燃料を必要とする方向に変化が出たようです。

そこでSFC-MULTIのMIDを2ノッチほど濃くしたところ、それだけで明瞭にトルクの立ち上がりが復活しました。

それでも、さすがに低速でのトルク感は以前よりは落ちています。まぁ、慣れてしまえばさほど問題はないと言

えるレベルでは収まっていますが、発進時等はややダルな印象は否めません。

口径の拡大とストレート構造のマフラーなので、ある程度は性格的ににこのような変化は予想してましたが、結構

ハッキリと変化が出ました。 いくらタービン交換してあるとはいえ、50φはやや太かったかもしれません。

逆に、高回転ではたしかに抜けはよく、7000rpmを超えてからの伸びもプラスアルファされた感じはします。

ですが、街乗りで普通に乗ることだけを考えた場合、低速域で失ったデメリットと、高速域でプラスされたメリット

を天秤にかけると、トータルでは残念ながらマイナスになったかな…という感じです。

ですが、しばらく乗ってみないと良い面、悪い面も全てはわかりませんので、しばらくはこのマフラーを使用する

ことにします。

ちなみに、アイドリング時にテール部に手を当てると、今までよりも明らかに手にあたるガスの圧力が低くなり

ましたので、これを見ても抵抗そのものは少なくなったことがわかります。 逆に言うとこれは低回転域での流速

が落ちたということになりますので、これが低速トルクを減少させた要因であることは間違いありません。

 

↑装着したところ。

クロカンバンパーにも適応させるためか、ノーマルバンパーとのクリアランスはギリギリです。


●マフラーの口径とトルク特性の変化について

ジムニーに限ったことではありませんが、マフラーは一般的にはメインパイプ口径が大きくなると高回転、

高出力向けに、逆に細くなると低中速トルク型になると言われています。

これはどれだけの排気ガス量のときにもっとも流速が速まってイジェクター効果が最大になるかという

ことで変わってくるからです。 パイプが細ければガス量の少ないとき(=低回転)に流速が速まり、

パイプが太ければガス量の多いとき(=高回転)に流速が速まることになります。

流速を稼ぐためにはある程度パイプ径を絞ってやることが必要で、径が太すぎると流速が上がらなく

なってしまうので、このバランスの取れたポイントをもっとも重視する領域にあわせることがマフラー選び

のポイントになります。

また、パイプ長さも短いと高回転高出力向け、長いと低回転低速トルク型になってきますが、市販車の

場合レイアウトはノーマルに準じる必要があるため長さについてはそうそう自由度はありません。

 

では、単一口径ではなく、たとえばフロントパイプとリアマフラーの口径を変えた場合はどうなるでしょうか。

たとえで言うと、APEXが昔から好んで使用しているメガホンマフラーというのがありますが、これは出口に

向かうにつれてパイプ径を太くしていますが、テールエンドのディフューザーと異なり、実際に本当にこの

考えが正しいのか(私個人的には懐疑的です)は不明です。

さて、私のクルマはフロントパイプもリアマフラーもサクソンになったわけですが、このサクソンの場合は

フロントパイプが45φ、リアマフラーは50φとなっており、どちらかというとメガホンに近い組み合わせと

なっています。 このことが低速トルクを薄くする大きな要因となっています。

 

●では、低速トルクを確保したい場合はどうすることになるでしょうか。 一般的には単にパイプ径を細く

することで低回転域での効率を重視することで低速トルクを確保します。 ジムニーでいうと、メーカーに

よっては43φ、45φ、48φ、50φあたりがあります。 中には60φというのもありますが。

(最近はmm単位のパイプも多くなりましたが、従来からの規格のパイプはインチ単位ですので、42.7φ、

48.6φ、50.8φ…といったものが主流です)

しかし、パイプ径を細くしすぎると当然のことながら高回転域では「糞詰まり」になってしまい、パワーもさる

ことながら、フィーリングも悪くなります。

ここで、この2つをなんとか両立することが出来ないものかと考えるわけですが、根本的な解決はもちろん

不可能なのですが、簡単な組み合わせによってある程度チューニングすることが可能になる方法があります。

最近とくに2輪レースで使用される手法なのですが、集合部までのパイプを比較的太めにし、逆に集合部

以降を若干細めにすることで、低速からの立ち上がりトルクを上げると同時に、高回転での詰まりを最低限に

することができるというものです。

理屈としては、エンジン直後からパイプ径を細くすると、排気ガスの持つエネルギーがまだ高いポイントで

抵抗を作ってしまうために高回転ですぐに詰まりを感じやすくなってしまうため、排気ポート直後のガスの

エネルギーが高いところではやや太めで抵抗を少なくしてやり、エンジンよりやや離れたところ、つまりガス

の温度、圧力がやや低下し、排気ガスのもつエネルギーが低下したところで径を絞ることによって、エンジン

に対する抵抗を減らしながら流速を確保すことができるのではないかということです。

こうすることで、排気ポート直後で抵抗を作るのに比べて燃焼室に対する熱的ダメージも少なくすることが

できるので、エンジンにも優しいという見方もできます。

 

●これを踏まえてターボ以降で考えると、要はフロントパイプ(含むアウトレットパイプ)を太めに、リア

マフラーを細めにするということになります。

たとえば、あくまで一例としてですが、フロントパイプを50φ、リアマフラーを45φに…といった具合です。

実は偶然ではあるのですが私が今まで使っていた組み合わせがこれに近いのです。 つまりサクソンのスト

レートフロントパイプにタニグチのマフラーですが、径そのものは同じ45φなのですが、タニグチのマフラー

はサイレンサー内部が隔壁構造なために抵抗が大きく、結果としてリアマフラーを細めのものをつけたのと

同じ効果があったわけです。 ですので、低速でのトルクを稼ぎながらも高回転での詰まり感も最低限にでき

ていたということです。

私がフロントパイプを交換したときに低速トルクがグッと上がったと感じたのはこのためだったと思われます。

 

イメージ的には排気パイプは後方に行くにしたがい太くしていくほうが良さそうに感じる人も多いと思います

が、実際は排気ガスのもつエネルギーの変化を考えると、後方にいくに従って細くしていくことのほうがむしろ

理にかなっているのです。 そのうえで、テールエンドをメガホン状にしてディフューザーにしてやることで

トルクの同調範囲を広げることが可能になります。

 

↑出口径は軽としては太いほうですが、見た目の派手さはなく、外観のバランスは悪くないと思います。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~