触媒コンバーターをBCNR33 GT-R純正SPLに交換しました

標準品とはちょっと違う「スペシャル品」を入手、効果を検証しました


●私のJA22ジムニーは紆余曲折の末、現在の触媒はBNR34 GT-R純正を「前後方向逆付け」で使用

しております。

<参考> →触媒をBNR34用純正に戻し「前後逆付け」しました

 

その後はそれでずっと乗っていたのですが、このたび新たにBCNR33純正のメタル触媒コンバーターを

入手、しかもこの触媒は純正品ながら標準品とはコアが違う「スペシャル」な超レアものでして、

BCNR33 GT-R標準車のメタル触媒よりも排気抵抗が大幅に低く抑えて造られているイレギュラーな

特殊品で、通常は流通していないものです。 それを今回はとあるルートから偶然入手でき、大変興味

があったのでまた付け換えてみてどういう変化が得られるか実験してみることにしました。

 

↑入手したR33 GT-R純正スペシャル触媒。 R34 GT-R純正触媒との外観の違いは排気温度センサーの

取り付けボスがあるだけで、本体はBNR34純正触媒と寸法も形状もまったく同じです。

↑メタル触媒であることを示す「X4」のモールド刻印があります。

 

法的にはBCNR33用純正触媒でも問題はありません

これもBNR34触媒と同じで、私のJA22ジムニーへの流用による法律的、車検なども同じ扱いになります。

BCNR33の生産年は1995年から1997年まで、JA22Wも同じ1995年から1997年までなので、年式的

にも同年代ですし、私の車もH9年式、今回準備したBCNR33純正触媒も同じH9年式です。いわゆる型式の

頭に「E-」がつく昭和53年排ガス規制に適合した触媒コンバーターです。 ちなみに、R34 GT-Rはこれ

に加え平成10年アイドリング規制が加わるので「GF-」が型式の頭につきます。 詳細は知りませんがR33

GT-Rも最終型は「GF-BCNR33」に、同じくJA22Wも最終型は「GF-JA22W」になっているようです。

もちろん、これらのどの触媒を使っても(ウチのほうでは)車検には通ります。

このクルマの型式冒頭につく「E-」や「GF-」が他車純正触媒流用の際には重要で、同じ「E-」どうしなら

今ついている車よりキャパシティの大きい車からの流用であればまず問題は生じないのですが、これが逆、

たとえば「GF-」の車に「E-」の触媒を流用した場合は触媒の能力不足、容量不足と判断されると車検に

通らない可能性もあります。 一例で書くと、たとえば(やる人はいないと思いますが)Z33にZ32の触媒

を流用した場合は車検に通りません。 つまり、現車の排ガス規制よりも古い排ガス規制の触媒では浄化性能

不足と見なされてNGとなることもあるわけです。他車純正触媒流用の際にはこのへんに気をつけてください。

少なくともウチのほうの検査場ではこのへんの車種ごとの触媒データを詳細に持っているらしいのです。

このあたりはかなりキッチリしているようで、ごまかしは利きません。純正他車からの流用触媒はなんでも

良いわけではなく、年式や性能基準など緩いようで実は厳しいのです。

 

さて、「スペシャル」の理由ですが…

↑申し訳ありませんが、提供者の強い意向により内部をお見せすることはできません。内部セルに標準品

との違いがあることは想像できると思いますが、なにせかなり特殊なセル形状なので見る人が見ると入手

ルートとかわかると立場上、都合が悪いということなので、どこがどう標準品と違いスペシャルなのかは

秘密とさせてください。ただし、決して違法なものではありません。 極めて稀有で特殊な触媒とは言え、

「日産純正部品」には違いないので。


装着

↑排気温度警告灯用のセンサーネジ穴はM12XP1.25の日産車用ドレンボルト&銅ワッシャーで塞ぎます。

なお、この触媒も中古での入手ですので、前回のR34 GT-R触媒装着のときにおこなった「エアブロー」

によるカーボン飛ばしクリーニング作業も当然おこなっています。

 

↑このスペシャル触媒は構造上、内部のセルの前後の位置関係については性能に影響ないはずなので、

前後逆付けはせずに通常通りの方向に取り付けます。

 

遮熱板も今まで使っていたものをそのままつけます。

↑遮熱カバーはR34用のものをそのまま使用。排気温度センサー用のカットの有無が異なるだけで他の

形状や寸法はR33と同一です。


街乗りでの走行インプレッション

まず音ですが、今までのR34 GT-R触媒やHKS触媒のときよりも若干、音質がやや重低音寄りになり

「勇ましくも、かつ、やや静かになった」という私好みの音質になりました。ちょっと軽自動車っぽく

ない感じの太い音で、アイドリングからアクセル全開フルブーストの加速、高回転まで音質、音量とも

にそんな感じで、不快な音もとくになく、心地よいサウンドで気分良く乗れます。 とは言え、所詮は

3気筒の音には変わりませんけどね。

性能面で大きく変わったのは発進時からのトルクで、まだブーストがかからない非過給域のトルクが

明らかに向上しました。 さらにブースト圧の立ち上がり。これも予想はしていましたがとても早く

なりました。 たとえば3速以上の負荷をかけた状態でフルスロットルでの0.5kや1.0kまで立ち上がる

エンジン回転数は今までより最大で500rpmほど低い回転数で到達するようになりました。 明らかに

抜けが良くなったということが体感的にも数値的にも確認できるほど大きな変化がありました。

タービンが軽く回っている感じがわかり、アクセルをちょこっと開けただけでもブースト計の針が敏感

に反応するようになり、加速レスポンスが良くなり、車が軽くなったような感じで走りが楽しくなりま

した。 普段の街乗りでも以前よりトルクフルで乗りやすいです。たとえば、1速→2速→3速→4速と

シフトアップしていくとき、たいして回してない状態でもクラッチをつないでアクセルを踏んだ瞬間の

「ググッ」とくるトルクが以前より力強くなっているのが明らかにわかります。

 

全開全負荷でのインプレッション

3速、4速でのフル加速でも一気に9000rpm近くまで回転が上がっていき、フルブースト時のブースト

圧も0.1kg/cm^2弱、今までより高くなったため、再びEVCで今までと同じ1.3kまで戻しました。

それでもやはり今までのR34 GT-R逆付け触媒よりも加速は速くて、5速でも7500rpmあたりまで到達

する時間は明らかに短くなっているという印象です。 さらにHKSスポーツメタルキャタライザーと

比較しても性能面では今回のスペシャル触媒のほうが明らかに優秀ですね。 一方、セッティング面では

大きく変更をするほどではないのですが、やはり排気の抜けが良くなったぶん排気上流部の熱溜まりが

軽減されたのか、全開全負荷時の排気温度ピークが860度を10度ほど下回るくらいに下がったため、

SFC-MULTIのMIDボリュームを2ノッチだけ微調整し、とりあえずHKS触媒のときと同じ設定にしておき

ました。 これによって排気温度は再び860度になりました。

 

SFC-MULTIの設定

↑SFC-MULTIのボリュームセット。 基本的にはHKS触媒のときと同じままです。ちょっと中間域で

若干吹けが鈍いところがあるのと、高回転でのピークもまだちょっと重い印象があるのでベストとは

言い難いのですが、「とりあえず」は下から上までバランスは悪くないです。

 

排気温度計のピークホールド

↑全開全負荷、最高速度ホールドでの排気温度のピークホールド値。 R34 GT-R逆付け触媒と同じ

セッティングのままでは850度あたりまで下がったため、若干空燃比を薄くして860度になるよう

SFC-MULTIで再セットしました。 燃料供給にはまだ充分余裕がある感じで数値的には安全域をキープ

しています。 もちろん高速ノッキング音の発生もなく安定して連続全開走行できるだけの余裕のある

セッティングとなっています。 ブースト圧も安定しており、ハンチングやオーバーシュートもまったく

なくEVCで1.3kg/cm^2に完璧に制御されています。

 

トップスピードのピークホールド

↑パワーメーターiDの最高速度ピークホールド。アタック当日は若干の向かい風がありましたが、HKS

触媒の時よりもわずかに伸びて193km/hまで出せました。 ブースト圧は今までと同じ1.3kg/cm^2の

ままですし、なおかつSFC-MULTIのセッティングもHKS触媒の時と変えていない大雑把なままであるにも

かかわらず、今までよりも楽に190km/hをオーバー、セッティングをもっと詰めてさえいけばあと少しで

200km/hの大台も見えてくるのではないかという良好な結果が出ました。やはり排気抵抗が極めて少ない

スペシャル触媒の効果は大きいですね。 高回転域でピークを過ぎてもパワーがタレないというか、パワー

の伸びがまるで違います。

 

パワーのピークホールド

↑参考までにパワーメーターの馬力のピークホールド。 191PSなんてあいかわらずありえない数値が

出ていますが気にしないでください(笑)


これまで様々な触媒を使ってみた総評

もうこのレベルになるといくらチューニングエンジンとはいえほとんどの軽自動車にとってはどの触媒でも

オーバーキャパシティーなので「それほど大差はない」と言っていいと思います。BNR34触媒、BCNR33

触媒、HKS触媒、それぞれ微妙に差はありましたが、おそらくその差は「ピークで数馬力程度」でしょう。

それよりもブーストの立ち上がり特性など中間域でのトルクの出方の違いと、トップエンドでのパワーの

伸びの違いが体感的には大きいと感じました。 ただ、今回のBCNR33触媒はかなりスペシャルなものなの

でフェアな比較とは言えませんけど、それだけのことはあって、なるほどその効果は絶大と言えます。

やはりターボエンジンにとって(とくにチューニングして大幅にパワーアップしてあるターボエンジンに

とっては)触媒はたとえメタルセルの社外スポーツ触媒であっても大きな排気抵抗になっているんだなと

実感しました。 ノーマルタービンブーストアップ程度のパワーではどの触媒でもほとんど差は出ないで

しょうけど、タービン交換したりしてノーマルに対してパワーアップの度合いが大きくなるほど、触媒の

抵抗の度合いも比例して大きく影響してくることがよくわかった気がします。

つまり、同じ触媒コンバーターでもそのエンジンのチューニング度合いによってまるで結果は変わってくる

ということです。 たとえばK6Aエンジンで言えば、ブーストアップの90馬力程度のパワーのエンジン

ではどの触媒でもほとんど差は感じられなくても、タービン交換して130馬力を超えるほどのエンジンに

なってくると使う触媒によってかなりの差が出てくる可能性があるということです。 パワーの出ている

エンジンほど触媒にはこだわったほうがいいと言えます。そうしないとせっかくのエンジンやタービンの

もっている潜在性能を引き出せません。 それでももちろん触媒ストレートにはかないませんけどね。

 

↑なんだかんだで触媒ばかり3つも手元に。 左からBNR34純正、BCNR33純正、そしてHKS製です。

まぁ、いろいろな触媒(キャタライザー)を試して違いを比較実験できたことは無駄ではなかったと思い

ます。 ちなみに面白い比較として、内部メタルセルの長さですが、日産純正のものは120mmですが、

HKS触媒は135mmあり、日産純正の触媒より15mm長いのです。 つまり、HKS触媒はセルの目は日産

純正より粗いのですが(日産純正は400cpsi、HKSは150cpsi)、セルの長さはHKSのほうが長いので、

そのぶん排気流速の低下など排気抵抗が大きいとも言えるのです。 社外スポーツ触媒はセルの目の粗さ

だけではなく、そのセル長さ、それにセルの断面積にも注目したほうがいいと思います。 市販の社外

スポーツキャタライザーには、たしかにセルの目が粗いのは良いとしても、通路の総断面積ではかえって

純正より小さくなっているものも多いように思えますし、シェルケースの前後のテーパー角度や絞りの

形状もあまり排気の流れの効率の良くないものもありますから、こういう製品では思ったほど排気抵抗

の低減効果がなされない可能性もあります。社外スポーツキャタライザーだからと言ってすべてが高性能

とは限りません。 中には純正とたいして変わらないか、下手すれば純正のメタル触媒のほうが排気抵抗

が少ないんじゃないかと思えるようなものもあり、性能に疑問に感じる社外製品も見受けられますので、

スポーツ触媒選びには、「セルの粗さ」「セルの長さ」「セルの断面積」「シェルケースの前後のテーパー

絞りの角度や形状」などをよく吟味した上でしっかりと低排気抵抗を追求した高性能な製品を選ぶことが

大切です。


最終的にはもっとセッティングを煮詰めて性能を引き出すつもりです

今回のこのBCNR33スペシャル触媒は現段階ではとりあえず実験的に装着、暫定的なセッティングでテスト

したものですが、それでもその性能は実感できました。しかし、今回のテスト走行はあくまでも「途中経過」

でしかありません。 潜在能力的には今回の「スペシャル触媒」は今まで試した触媒の中では明らかにズバ

抜けて低抵抗、高性能であることは間違いないですので、その秘めたハイポテンシャルを確かめるためにも

ブースト圧は変えずにもうちょっと燃調、点火時期セッティングを詰めて性能を引き出してみて、現在の仕様

でどこまでピークパワーおよびトップスピードを伸ばせるか限界に挑戦してみたいと思っています。 かなり

地味な作業ですが、なかなか触媒も奥が深くて面白いです。

 

おまけ「パラレルツイン触媒レイアウト」

↑千葉にあるケイワークス(K WORKS)というショップがワンオフで作ったBCNR33にニスモ製スポーツ

キャタライザーを「パラレルツイン」で装着したものです。分離、合流の部分で多少の排気干渉は起きる

でしょうけど、アイデアとしては面白い試みですよね。 このBCNR33はシングルターボ化してあるよう

なのでこういう配管になってますが、もしツインターボのままだったら2つのターボからのフロントパイプ

にそれぞれ触媒をつけ、その後1本に集合というレイアウトができて見た目もスマートなんじゃないかな

と思います。ちなみにこのニスモのスポーツキャタライザー、どう見ても私が入手したHKSキャタライザー

と形状がまったく同じですよね。 製造しているところは同じなのかもしれませんね。

 

<参考> →ケイワークスHP http://www.k-works95.com/index.html

ワンオフでのエキマニ、マフラー、触媒などの製作を得意としているショップのようです。 写真を見ると

曲げや溶接なども綺麗なので技術力は高そうです。気になる方は相談してみるのもいいかもしれません。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~