ビッグスロットル取り付け時の調整、加工

ビッグスロットル取り付け時の加工と、スロットルケーブル関係の調整方法について。


●最近、ビッグスロットルを取り付ける方が多くなったのか、問い合わせにて「ビッグ

スロットルを取り付けたときに発生するサージタンク穴との段付きはどのように修正

するのか」「全閉、全開の調整はどうすればいいのか」など、ビッグスロットル関連の

質問がいくつかあったので、個別に答えるのは面倒なので、いちおう参考までに載せて

おこうと思い掲載します。

ただしこれらは私の自己流のやりかたですので、あくまで参考程度にしておいてください。

きちんとした取り付け、調整はやはりプロに任せたほうが安心だと思いますので。

●参考ページ →ビッグスロットル(ハイパワースロットル)の取付け


●口径の違いによる段差の処理

JA22ジムニーのK6Aの場合、純正のスロットル内径は38φ、対してビッグスロットル内径は41φ

になりますので、片側の段付きとしては1.5mmになります。

もちろん、本当ならばサージタンク側の穴を41φにてストレートに加工してしまえば一番なの

ですが、とりあえず車載状態で手軽におこなうとなるといちばん簡単なのはリューターを用いての

面取り、およびR加工によって段付き部をできるだけなだらかに繋いでやることになります。

その際、単に面取りするのではなくややファンネル形状にしてやることでより効果が高まるでしょう。

 

そもそもビッグスロットルにする意味というのは、バタフライ式のスロットルバルブの場合、全開時

にもスロットルシャフトがスロットル内径に残ることから、このシャフトのぶんが流路断面積を減ら

してしまうので、この部分の内径を広げてやって抵抗を減らしてやろうということなので、基本的に

はバタフライ部分だけ径が大きくなっていれば、その後のサージタンク内径部までは必ずしも拡大する

必要はありません。 ただ、段付きによる乱流をできるだけ防ぐことは重要です。

(もちろんこれはライトチューンの場合で、ハードチューンの場合は根本的にインテーク流路全体を

拡大するなど、また目的が異なってきます)

ですので私の場合もサージタンク入口の部分は段差のぶん面取りおよびR仕上げしてあるだけです。

もちろん、ガスケットも内径を41φに広げて使用しています。

 

↑加工したサージタンク入り口部分。 だいたい30度程度の角度で面取りしてから、角の部分を

Rにして、さらに奥にゆるくテーパーにしてファンネル形状にしております。

もちろん、作業時には切り粉が入らないようにサージタンク内径部、各開口部、すぐ下にある

オルタネーターの開口部などにはマスキングして慎重に作業します。


●ビッグスロットル取り付け後のスロットルケーブル(スロットルワイヤー)調整

ビッグスロットルの取り付けをおこなっても、そのままではワイヤー類が調整不足の場合もあります。

ですので、車両の個体差に合わせてきちっと基本の調整をします。

これはビッグスロットルだけではなく、ノーマルスロットルでも確認の意味で調整しておいたほうが

いいと思います。 案外、メーカー出荷状態ではアクセル全開にしてもスロットルバルブが全開になって

いないなどけっこういい加減でアバウトな調整になっていることが多いですので。

 

●まず全閉時の調整

↑写真の赤丸で囲んだ部分がスロットルバルブ全閉時のストッパーです。

全閉時、スロットルバタフライがスロットル内径に食い込むのを防止するストッパーですので、

スロットルバタフライがスロットル内径に食いつくか食いつかないか、つまりバタフライバルブが全閉

になると同時にストッパーに当たるように微妙に調整します。

※この調整は必ず暖機運転後におこなってください。 エンジンが冷えている状態ではファースト

アイドル機能によってスロットルバルブが強制的に若干開かれてしまうため、ちゃんとした全閉状態

になりません。

 

●次に、この状態でスロットルワイヤーのたるみ具合を調整します。

↑赤丸で囲んだ部分のダブルナットを緩めてワイヤーのアウターを出し入れして調整して、

ワイヤーが張りすぎず、かつ緩すぎない状態に調整してロックします。

張りすぎるとワイヤーに常に負担がかかってワイヤーが伸びる原因になったり、スロットルバルブ

がきちんと全閉にならなかったりする可能性がありますし、逆に緩すぎるとアクセルペダルの

遊びが大きくなるとともに、最悪はワイヤーがスロットルから外れてしまう危険性もあります。

 

●最後に全開時

↑赤丸で囲んだスロットルバルブ側のストッパーとスロットルボディ側のストッパーが当たった位置が

スロットルバルブ全開位置です。 アクセルを全開にしたときにちょうど当たるように調整します。

この調整はエンジンルームではなく、アクセルペダル側のストッパー(ペダルをいっぱいまで踏み込んだ

時にフロアに当たる位置に調整ボルトがあります)でおこないます。

2人いれば、1人がアクセルペダルを踏み1人がストッパーの当たり具合を見ながら調整できますが、

1人でも、この当たる位置にグリスや光明丹を塗ったりして当たり具合を見ながら調整できます。

私の場合は、片方にブレーキグリスを薄く塗って、アクセルペダルを全開にしてみて、そのグリスの色

がストッパー側に軽くつく程度の状態に調整しています。 あまり強く当たりすぎてもダメです。

 

これらの調整をきちっとおこなわないと、スロットルバルブがしっかり全閉にならなかったり、ワイヤー

に無駄な張力がかかったり、アクセルペダルを全開にしてもスロットルバルブが全開になってなかったりなど

ビッグスロットル本来の性能が充分に発揮できないことがあるので注意しましょう。

自分で組み付け、調整する自信がない場合は素直にプロに任せることも重要です。調整自体は簡単ですので。

 

※くり返しになりますがこれは私の自己流のやりかたです。 正式な調整方法などを知りたい場合は

メーカー純正のサービスマニュアルなどを参照の上、おこなってください。


●なお、一部の安価なビッグスロットルに於いて、加工精度が悪いために全閉時にきちっと隙間なく

全閉にならなかったり、全閉時のバタフライの角度がつきすぎていたり、あるいはバタフライが

スロットルボディ内径に食い込んでいたりするような、粗悪な商品もあるようです。

事実、私の元にも数名の方から相談を受け、実際にスロットルバルブを作り直した例もあります。

あまり安価な加工業者には注意したほうがいいでしょう。 安物買いの銭失いになります。

 

強化オイルポンプなどもそうですが、ビッグスロットルは実際に加工すると、単純に治具に嵌めて

量産品のようにすべて同一寸法で加工できるものではなく、やはり素材が鋳物(あるいはダイキャスト)

のために、偏肉などどうしても個体差があってひとつひとつ微調整しながらおこなわないとならない

ことから、わりと加工単価が高くなってしまうことも多いものです。

さらにたいていのショップは純正品下取りでおこなっていますが、この下取り品も100%すべてが

加工して次の商品にできるわけではなく、中には鬆(す:鋳物内部に出来た気泡)があったり、加工

基準位置がずれていてギリギリまで加工すると破けてしまったりと商品にならない品物もけっこう

あるのが現実です。(とくに肉厚ギリギリ限界まで口径をアップしている場合)

このようなことから、ビッグスロットルのような純正加工ものは一律に加工できないことからわりと

歩留まりが悪く、加工内容のわりにどうしても単価が高くなってしまう事情があります。

もちろん、安価なビッグスロットルがすべて悪いというわけではありませんが、精度の必要な部品でも

ありますので、あまり安い業者は周囲の評判を聞くなど、総合的に信頼できるかどうか判断することが

重要かと思います。

↑全閉時にしっかり密閉するかどうか、また、全閉時のバタフライの角度にも注意が必要です。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~