<その3.バーティカルアンテナのブラッシュアップ>

記 2003年04月10日〜  ja3npl

  バーティカルアンテナは接地が大事であるとは聞いていましたが、どのように効果があるのか、定量的に扱うことは従来は不可能でしたが、MMANAのおかげで、アース線1本づつを追加しながら、良否を比較することが出来るようになりました。

  以下に、その1例を表しますが、あるがままの手すりはアースとして有効ではありませんでした。沢山のアース線を網の目状に追加する必要がありました。

  なお、アース線を追加しても雑音は減りませんでした。


<1.7MHz・1/4λ・10m長バーティカルの接地>

  1/4λは接地点が電流の腹となるところで、集合住宅では最も扱いにくい条件といえます。
  (この場合、カウンターポイズを使う方法もありますが、長い線を引き回す場所が無い、引き回した方向にのみ指向性が出る、他のバンドで使い難いと言う事情もあります。)
  

a.あるがままの手すりをアースに使った場合

  赤が垂直成分パターンです。水平成分の方がはるかに強く、バーティカルアンテナになっていません。

  別の言い方では、アンテナからの輻射より、建物からの輻射が大きいと言うことになります。

  私の住んでいる部屋は集合住宅にしては特殊な構造になっています。手すりは部屋とバルコニーを囲って、さらに隣家の  手すりにつながって、延べ50m以上あります。鉄筋とはつながっていません。



b.接地線を追加した場合

  黒が垂直成分パターンです。垂直成分の方が勝り、輻射角の低い15度の成分が出てきています。でも、グランドプレーンの特性には程遠いものです。

  MMANAの解析で確かめながら、アース線を10本余り実際に追加しました。

  床面凹部やコーナー部に線を這わせ、排気管(鉄管)が鉄筋につながっているのを見付け、また手すりの一端をつなぎ、結果的に半径5〜6mの範囲は2〜3mのメッシュ状になりました。



<2.14MHz・1/2λ・10m長バーティカルの接地>

  14MHz・1/2λは7MHz・1/4λと比べて大変に楽です。
  次の比較の通り、接地線の追加にあまり影響されずに両者とも良い特性です。

a.あるがままの手すりをアースに使った場合

  黒が垂直成分パターンです。

  全体の輻射パターンは、こちらのほうが平たく、低輻射角になって好ましいのですが、実は、建物への誘導で建物からの垂直成分輻射が重なっています。
  建物への誘導は”接地線を追加した場合”の方が少なくなっています。



b.接地線を追加した場合

  黒が垂直成分パターンです。



c.建物が無い時

  建物と干渉しない、等価な垂直ダイポールのパターンです。
  このパターンが目標です。




・・ヒント・・
  追加する接地線は、水平方向に張る必要がありました。縦に走っている配管は高さ位置を変えて接地線をつなぐと良くない結果になりました。
  ここに表したとおり、もし、接地線をめぐらせて配置できれば、アンテナは機能し、外付きのアンテナチューナーで各バンドを自由に切替できる便利さがあります。
  しかし、接地線は施工が大変困難です。私は、後の回で述べますが、接地しない方法をお奨めします。


次回に続きます。

以上

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