<その4.水平ダイポールの雑音の少ない事>

記 2003年04月11日〜  ja3npl

  アンテナを工夫して雑音を減らせないか..という話は、これからが本番です。

  雑音源から距離を離したアンテナは、確実に雑音のレベルが下がります。建物との干渉・誘導が少なくなっているのがMMANAの解析で分かります。


<1.水平ダイポールの構成>

  これまでのMMANAの解析で、接地形アンテナが建物と密に誘導結合している様子を視ました。
  また、雑音源も同じように建物と誘導結合しており、雑音が建物中に伝わる様子が目に浮かびます。

  従って、建物から出来るだけ離したアンテナとして床面から7m高さ(水平長さ12m)のダイポールを実際に仮設しました。
  追って、MMANAの解析を使って、7m高さでも、4m高さでも建物との結合はほとんど変わらないことが分かり、4m高さの水平長さ11mのダイポールとなりました。平行フイーダーで給電し、オートマティックアンテナチューナーにつなぎました。

  雑音は、接地形アンテナに比べて、激減しました。

  左図がこのダイポールの設営状況です。(MMANAのアンテナ形状図)

  VK,ZL方面に面した方向で、少し逆Vに張ってあります。



<2.雑音の状況>

  次の2つの表で比較します。水色にした所が雑音レベルが良くなった所です。
  特に、”ダイポール・21MHz・雑音の少ない時”は、まるで受信機が壊れたか..の静けさです。この静かなバックグランドから突然にVKやEUロングパスの局が59レベルで入感するのは真に素敵です。

  なお、ダイポールは1.9、3.5MHzではアンテナのゲイン不足です。

a.ダイポールの雑音レベル
周波数( MHz )1.93.5710141821242850
雑音の少い時0 (p.amp=off)0 (p.amp=off)0 (p.amp=off)2.5(p.amp=1)2 (p.amp=1)2.5(p.amp=2)0 (p.amp=2)0 (p.amp=2)0 (p.amp=2)0 (p.amp=2)
雑音の強い時0 (p.amp=off)0 (p.amp=off)0 (p.amp=off)6 (p.amp=1)5 (p.amp=1)5.5(p.amp=2)4.5(p.amp=2)2.5(p.amp=2)0 (p.amp=2)0 (p.amp=2)
IC-756PRO/USB 2.4KHz/ATT=OFF/N.B.=OFF/数値はSメーターの読み

b.6m長バーティカルアンテナ(手すりアース)の雑音レベル・・再掲
周波数( MHz )1.93.5710141821242850
雑音の少い時3〜4 (p.amp=off)0 (p.amp=off)0 (p.amp=off)3.5 (p.amp=1)2.5 (p.amp=1)3.5〜4 (p.amp=2)3 (p.amp=2)0〜1 (p.amp=2)0 (p.amp=2)0 (p.amp=2)
雑音の強い時4〜7 (p.amp=off)0〜1 (p.amp=off)0〜1 (p.amp=off)6.5〜7 (p.amp=1)4.5〜5(p.amp=1)7〜8 (p.amp=2)8.5〜9(p.amp=2)6〜6.5 (p.amp=2)1〜4(p.amp=2)0 (p.amp=2)
IC-756PRO/USB 2.4KHz/ATT=OFF/N.B.=OFF/数値はSメーターの読み

<3.パターン図から建物との干渉程度を視る>

a.7MHz

  黒が水平成分です。

  赤は誘導で建物から輻射される垂直成分です。結局この垂直成分が少ないほど建物との結合が少ない..という目安になります。

  このアンテナは、7MHzでも充分DXingに使えます。



b.14MHz

  水平パターンは画面下方が南方向です。(画面右が実は西)

  垂直パターンは画面左方が南方向です。

  赤色の垂直成分がー10dbの円の中に納まれば、干渉は少ない、つまり建物から4m離したダイポール並み..という目安が得られました。



c.21MHz

  ワークバンドのデータは類似です。省略。

  この21MHzは静かです。赤色の垂直成分も小さく納まっています。



c.28MHz

  このアンテナは28MHzではダブルツエップのように動作するので、ビーム幅が狭くなっています。

  ダイポールはこのように良いのですが、しかしゲインのない方向とは全くQSOできません。

  結局、私はこのダイポールをあきらめることにしました。(景観、専用区域はみだし、ビーム方向)




・・ヒント・・

  建物から離す..は効果があります。それも4m程度以上です。
  屋上にマルチバンド用ロータリーダイポールを設置した例を見ますがすばらしいですね。


次回に続きます。

以上

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