<その5.コア適用の効果・FRMSを使っての観測>

記 2005年06月02日〜  ja3npl

  前回は、スポットの周波数で試験電波を発しながら、高周波電流計を使って、誘導を受けたケーブルの電流値を測り、コアの挿入効果を見る方法でした。

  今回は、「FRMS」+「FREX」を使って、誘導を受けるケーブルの周波数特性を見る方法を試みました。

  次の測定例は、マイク・ケーブルが26MHzあたりで誘導を受けやすい状況です。この状況を観察しながら、コアを挿入してみると、コアの効果が一目瞭然です。



  以下の内容は、次のようになっています。
  1. 測定方法
  2. 測定例の紹介
  3. コア配置の改善結果(誘導電流値比較)
  4. まとめ
  また、「FRMS」+「FREX」は、USB接続が出来るように改造しました。USB-シリアル変換、USB電源5V/500mA以下に収める為の改造です。次の項目をクリックで、別ウインドウで紹介します。

    ・USB仕様のFRMS、FREX (2005/06/02)....改造追加(2005/06/28)



1.測定方法

a.ケーブルの電流検出

  TDKコアZCAT3035を使った1:4のトランスです。
  一次側;測定対象のケーブル、一回通し。
  二次側;4回巻、51オーム抵抗並列、BNCコネクター。
  回路;



  一次側からLメータで測定すると、0.06uHを示します。
つまり、この、検出部を装着すると、0.06uHのインダクタンスが対象ケーブルに入ったことになります。装着の影響は極小にしたいところです。二次側を短絡すると極小になりますが、信号検出が出来ません。二次側巻数が3,2,1回では、この短絡インピーダンスが増えてきます。もし、51オームの抵抗並列が無く、開放状態では約2uHになります。



b.ケーブルの励振

  「ケーブルの電流検出」と同じものを使いました。つまり、信号出力(Po;+17dbm〜-8dbm)を、51オームの抵抗、4:1のトランスを介して、対象ケーブルに流すものです。
  他に、キャパシタンス(浮遊容量)を介して励振、実使用のアンテナに信号を入れる、等が考えられますが、試していません。

c.「FRMS」+「FREX」との接続

  接続は、下図の通りです。
  私のFRMS本体は基板用コネクター(1.5D-2V用)となっていますので、BNCへの変換をしています。
  検出、励振コアは、5m長の同軸ケーブル(RG-58C/U)を使って、延長し接続しています。

  

d.「FRMS」+「FREX」の設定

  次の、2つの状態を、基準として、測定できるようにします。
@の基準;ノイズ・レベルを測定する状態
Aの基準;検出コアと励振コアが最も強く結合した状態

  以上の操作で得た、いずれかの基準を使って、「CAL」、「NORM」、「REF」、「AVERAGING」を行い、 好みの設定とします。


2.測定例の紹介

  アンテナ・ローテーター・コントロール・ケーブルや、AC100V電源ケーブルなど、長くて共振し易そうなケーブルを対象に、測ってまわりました
  いずれも、ノイズ・レベルを基準に、測定画面を設定しました。挿入したコアは、TDK/ZCAT3035です。

3.コア配置の改善結果(誘導電流値比較)

  今回、「FRMS」+「FREX」を使った調整で、コアの配置が変わったので、従来の方法(ロゴスキーRF電流計)で、送信時の誘導電流を測定し、前回と比較しました。前回よりも、18MHzより上で、良くなりました。
  測定箇所は、ケーブルを屋内に引き込む前の中継ボックスの所です。

  ・今回の誘導電流(2005/06の時点)
10MHz14MHz18MHz21MHz24MHz28MHz
空心コイル・チューナー方式0.07A0.05A0.04A0.02A0.05A0.05A

  ・前回の誘導電流(2005/02の時点)
10MHz14MHz18MHz21MHz24MHz28MHz
空心コイル・チューナー方式0.05A0.03A0.06A0.06A0.12A0.08A

4.まとめ

  1. 従来のRF電流計で測るよりも、手間要らずで、状況把握をすることが出来ました。
  2. 誘導電流値の減少に従って、受信時「雑音の少ない時」のレベルが改善しました。Sレベルの数値では表せないのですが。
  3. コア挿入の効果をまとめると、次の2点になります。
    @共振状態で鋭いピークの場合は、-15~-20db位のすばらしい効果がある。
    Aなだらかな、共振の少ないピークに対しては、ほとんど効かない。-5db程度。
  4. 私は、思い違いをしていました。コアを挿入しても、共振周波数が変化するのみで、ピーク値はあまり減衰しない..と思っていましたが、なんと、見事に、共振状態が、ダンプされます。


以上

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