記 2005年06月02日〜 ja3npl
前回は、スポットの周波数で試験電波を発しながら、高周波電流計を使って、誘導を受けたケーブルの電流値を測り、コアの挿入効果を見る方法でした。
a.ケーブルの電流検出
TDKコアZCAT3035を使った1:4のトランスです。
一次側;測定対象のケーブル、一回通し。
二次側;4回巻、51オーム抵抗並列、BNCコネクター。
回路;

一次側からLメータで測定すると、0.06uHを示します。
つまり、この、検出部を装着すると、0.06uHのインダクタンスが対象ケーブルに入ったことになります。装着の影響は極小にしたいところです。二次側を短絡すると極小になりますが、信号検出が出来ません。二次側巻数が3,2,1回では、この短絡インピーダンスが増えてきます。もし、51オームの抵抗並列が無く、開放状態では約2uHになります。
b.ケーブルの励振
「ケーブルの電流検出」と同じものを使いました。つまり、信号出力(Po;+17dbm〜-8dbm)を、51オームの抵抗、4:1のトランスを介して、対象ケーブルに流すものです。
他に、キャパシタンス(浮遊容量)を介して励振、実使用のアンテナに信号を入れる、等が考えられますが、試していません。
c.「FRMS」+「FREX」との接続
接続は、下図の通りです。
私のFRMS本体は基板用コネクター(1.5D-2V用)となっていますので、BNCへの変換をしています。
検出、励振コアは、5m長の同軸ケーブル(RG-58C/U)を使って、延長し接続しています。
d.「FRMS」+「FREX」の設定
次の、2つの状態を、基準として、測定できるようにします。
@の基準;ノイズ・レベルを測定する状態
Aの基準;検出コアと励振コアが最も強く結合した状態
図のように、出力信号は切り離しておき、対象ケーブルに乗っている雑音を測定します。
私の環境では、屋内、屋外を問わずに、大体-60db〜-70dbを示します。AC100V系だけはノイズが大で、大体-40db程度です。
励振コア側は、ステップ・アッテネーターのジャックに差し込んでいます。(測定対象の条件が変わらないように配慮)
この、ノイズ・レベルより低い現象は、当然ながら、観測できない..ということで、関心事(基準)となります。
クリック拡大です。
図のように、ショート・リングを構成することで、2つのトランスが背中合わせにつながり、4:1:4の巻き線比のトランスとなります。
左の測定例のように、右下がりのカーブとなります。結局、2つのトランスの周波数特性(感度)を測っていることになります。
この感度を基準にして、現象を測るのが正しいと考えられます。
( しかし、この設定で測ると、振れの小さい現象がノイズ・レベルより上なのか、下なのか、分からない事態にもなります。)
以上の操作で得た、いずれかの基準を使って、「CAL」、「NORM」、「REF」、「AVERAGING」を行い、 好みの設定とします。
片側接地のケーブルの特徴で、1/4ラムダの周波数にピークが有ります。マイク本体が浮遊容量を構成するので、トップ・ロード・アンテナの様になって、意外と低い周波数です。
コアを挿入すると、ピークは、やや低い周波数に変化しながら、ピークの高さも低くなって行き、ノイズ・レベル以下になって、見えなくなりました。
9MHzあたりで鋭い共振を示しています。丁度、3倍の周波数でも共振状態があり、片端接地、他端開放ケーブルの理屈どおりの状態です。
コアを入れると、マイクの場合と同じく、周波数が低くなり、高さも低くなって行きます。ノイズ下に隠れてしまいました。
ノイズ下に隠れた部分がどのようになったかを、FRMSで見ました。
(FREXの出力は、-15dbm程度、FRMSの出力は+5dbm程度で強いのですが、20MHz以下に限られます。)
期待したとおり、なだらかな特性となっていました。9MHzの鋭いピークは、周波数が2.5MHzまで低くなり、約20dbの減衰となっています。
測定位置によっては、異なるモードの共振を見逃している恐れがあるので、同じケーブルの上端を測りました。17MHzと39MHzあたりに、なだらかな共振ピークが在ります。コアを入れると、ノイズ下となりました。
さらに、FRMSで探求すると、いくらか減衰してはいますが、共振が残っているかも知れない、判断しにくい形状です。約10db程度の減衰です。
ノイズ・レベルが高くて、FREXでは見えませんでした。
FRMSで、かろうじて見えました。6MHz、12MHzの小さいピークは、コアを入れるとノイズ・レベル下になりました。でも、ピークのなだらかさから推定すると、効果はせいぜい-5db位と思われます。
別な事象となりますが、低い周波数(200KHz、1MHz)にピークが在ります。これらの周波数の波長は、数百m〜Kmであることから、推定すると、AC100V系のアース点は、数百m先ということになります。
つまり、長い距離のケーブルが、途中のアースも無く導かれているので、スイッチング・サージ、雷サージを抑制出来ない状態であると推定せざるを得ません。サージの侵入で、パソコンや、給湯器が絶縁破壊することも考えられます。AC100V用絶縁トランスが欲しくなりました。
| − | 10MHz | 14MHz | 18MHz | 21MHz | 24MHz | 28MHz |
| 空心コイル・チューナー方式 | 0.07A | 0.05A | 0.04A | 0.02A | 0.05A | 0.05A |
| − | 10MHz | 14MHz | 18MHz | 21MHz | 24MHz | 28MHz |
| 空心コイル・チューナー方式 | 0.05A | 0.03A | 0.06A | 0.06A | 0.12A | 0.08A |
以上
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