コアの特性と、適用方法の工夫
記 2003年07月30日〜 ja3npl
別項にあるとおり雑音低減の試みを重ねています。この中でフェライトコアを多用していますが、一体、コアは何物なのでしょうか。コアを使った製作例を見ても、コイルを何回巻くと表記がありますが、uHというインダクタンス数値がわかりません。
また、コアを使って、雑音防止に効果があった場合も、どんな作用が生じたのか、不充分なのか、もっと良い方法があるのでは..という疑問が残ります。
この、良く分からないコアについて取り組んでみることにしました。
雑音低減の仕組みは、ハムの設備に対して、いかに建物、設備、家電機器との結合を切り離すか..ということになるのでしょう。この仕組みは、インターフェア低減と同じことになっています。コアをこの仕組みに適用して、良い結果を出すのが目的です。
これからの内容は、次のようになっています。
- その1.手持ちのコアをLメーターで測定
- その2.インピーダンスメーターで測定
- その3.コアの配置・シミュレーション
- その4.コア適用効果の実測
<その1.手持ちのコアをLメーターで測定>
最初は、現状確認です。手持ちのコアを並べて、Lメーターで測ってみました。
a.特性のわかっているコア
写真の9種のコアを測った結果は、下表のようになりました。
b.特性不明のコア
左の写真のコアは、はたして雑音対策に使えるのでしょうか。
材質はカーボニル、フェライト、あるいは異種?、どんな周波数特性?..という疑問です。
早速に、インダクタンスを測定した結果が次表です。
- この実測値と、前記の特性の分かっているコアのデータと、比較して、これらはいずれも、材料#43や#77に代表されるAフェライト(Ni-Zn)系、Bフェライト(Mn-Zn)系と推定されます。
未だ、測定例が少数で確信がありませんが、類似の形状の場合に、概略は次の3種と数値の対比ではないかと思われます。
| 種別 | 特徴 | インダクタンス |
| @カーボニル系 | 高周波で低損失、同調コイル | 0.001uH〜0.01uH/1turn |
| Aフェライト(Ni-Zn)系 | 数MHz | 0.01uH〜1uH/1turn |
| Bフェライト(Mn-Zn)系 | 数百KHz以下 | 1uH/1turn以上 |
- 行1のリング状のものは、この中で一番インダクタンスが大きく、同軸を通すのに丁度良い寸法です。
- 行2のリング状のものは、M形接栓の付いた同軸を通すことが出来るので便利が良いのですが、インダクタンスが小さ目です。
- 行3のリング状のものは、内径が大きく、5〜6回同軸を巻けるので、25〜36倍のインダクタンスが得られます。
- 行4の廃却TVから回収した15KHz発振用フライバックトランスのコアですが、意外にもインダクタンスは小でした。ADSLモデムの出入り口に多用しています。内径が大きいので巻回数を多く出来ます。
- 行5のバーアンテナは、コアが開放なので、インダクタンスは小です。でも、巻回数で稼げます。
- 1回巻の場合に、測定レンジは0.01uH〜10uHです。なお、巻き回数の二乗でインダクタンスが増えるので、10回巻きで測定すれば、100倍となり、1〜1000uHの測定レンジとなります。
・・ヒント・・
- コアにコイルを巻いて、インダクタンスを測れば、おおよその材質の見当が付きます。
- @カーボニル系/アミドンTシリーズはインダクタンスが小さく、雑音対策には不向きです。
- ZCAT3035が最良です。
- TVのフライバック・トランスのコアは有用です。我が家では、TVなど廃却の際に、部品取りの為、基板を抜き取って保管していました。5個ばかり回収できました。
- コアを買うときには、店頭で、Lメーターを使って実測した上で購入することになるのでしょうか。
ここでは、Lメーターを使った測定ですが、次回はノイズブリッジ等を使って、Lメーターによる測定値との対比や、周波数特性を見ることとします。
次回に続きます。
以上
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