<その4.コア適用効果の実測>

記 2003年08月30日〜  ja3npl

  コア配置を工夫した結果、各所の誘導電流値が1/2〜1/5程度に低減できています。
  コアの効果はこのレベルです。アンテナの配置を高くして離すことが、より優先であることが良く分かります。

a.私のシャックのケーブル配置

  左図の様に、三つの取り合いとなっています。
@AC100Vコンセント(電源)
Aシャックの機器、接地
Bアンテナのフィーダー、コントロールケーブル

  それぞれの取り合い分岐の、A点とB点について、コアの効果を紹介します。

  なお、私のこの集合住宅環境では、壁の外がバルコニーで、壁に接するように、10〜28MHz用バーティカル・ダイポールを立てています。シャックのリグ類とアンテナとは2m位の至近です。従って、誘導は相当に強力です。



  次の写真は、A点のコンセント、室内側中継部分、B点の屋外中継ボックス、です。

  白いリング状のものが高周波電流検出用ロゴスキー・コイル、そして、メーターと組み合わせて高周波電流計となります。

  内径75φで、着脱が簡単です。

  (別項の製作紹介を参照下さい。)




b.測定結果

  アンテナが10〜28MHz用なので、この帯域について調べました。送信は100W/CWで断続送信しながら、各所の誘導電流を測ります。50Ωの同軸フィーダー、アンテナには、1.41Aの高周波電流が流れています。これに対して、誘導は極小であって欲しいのですが、期待は-40db以下(1/100、14.1mA以下)です。
  電流の山を探しての測定で、データが仰山に溜まりました。長々と述べる事になるので、解説・披露は省略します。

c.MMANAによるシミュレーション

  左図のように、集合住宅を広く模擬して、非常に複雑なシミュレーションをしています。実測とうまく合う所と、合わない所があり、試行錯誤しています。



d.雑音源への処置

  写真はTV/ビデオデッキの実測状況です。
  AC100V電源ケーブルに流れる雑音を、ロゴスキー・コイルで検出し、アンプを介して、IC-756PROにつないでいます。シャックのアンテナの条件を改善して来て(手すりアースのバーティカルから、垂直ダイポールに変えた改善の事)、TVのノイズは聞かれなくなりました。
  この写真のように、AC100V電源線か、TVアンテナケーブルか、どちらか一方にだけ、コアを入れる処置をしています。IC-756PROのSメーターを見ながら、コアの数を増やしても効果はありません。所詮、高インピーダンス部分への処置なので、効果は期待できないところです。

  以前に、入れすぎていたコアを、回収してまわっています。



e.受信雑音レベルの改善

  今回、高周波電流計を活用して、コアの挿入位置、個数を見直しました。どれだけ、受信環境が良くなったかデータを採って見ました。次表の通りですが、「雑音の少い時」がほんの少し改善できました。「雑音の強い時」(近隣の給湯器が動作した時)は従来どおりですが。

  ・今回の改善後の雑音レベル(2003/08の時点)
周波数( MHz )101418212428
雑音の少い時1(p.amp=1)1(p.amp=1)2(p.amp=2)1.5(p.amp=2)0 (p.amp=2)0 (p.amp=2)
雑音の強い時5 (p.amp=1)5.5(p.amp=1)7.5(p.amp=2)6.5(p.amp=2)6.5(p.amp=2)4(p.amp=2)
IC-756PRO/USB 2.4KHz/ATT=OFF/N.B.=OFF/数値はSメーターの読み

  ・改善前の雑音レベル(2003/04の時点)・・・この時点にはコアを手当たり次第挿入していました。
周波数( MHz )101418212428
雑音の少い時1.5(p.amp=1)1 (p.amp=1)2 (p.amp=2)2 (p.amp=2)0 (p.amp=2)0 (p.amp=2)
雑音の強い時5 (p.amp=1)5.5(p.amp=1)7.5(p.amp=2)6.5(p.amp=2)6.5(p.amp=2)4 (p.amp=2)
IC-756PRO/USB 2.4KHz/ATT=OFF/N.B.=OFF/数値はSメーターの読み

  「雑音の少い時」とは、集合住宅の火災報知器やISDN等が連続に発する雑音が、鉄筋を伝わって来て、受信される状態です。この雑音を低減しようと試みているわけです。
  「雑音の強い時」は、近隣の給湯器が原因なので、給湯器の運転を止めるしか低減の方法はありません。

f.ショート・リング

  この実測では、コアを挿入したり、はずしたりを繰り返し、効果を確かめることになります。この作業が手間です。一旦、タイラップでコアを締めてしまうと、解体できません。

  写真のように、ショート・リングを構成すれば、そのコアの効果を無くする事が出来ます。雑音を聞きながら、メーターを見ながら、このショート・リングを短絡/開放、On-Offをすれば、雑音の強弱が切り替わり、明解に判ります。

  ワン・ターンのショート回路には、主回路の電流と反対方向の電流が流れ、磁界を打ち消してしまいます。

  ショートリングで同調回路を構成すれば、その周波数のみコアを無効にすることが出来ます。




・・ヒント・・

  測定して周って、電流値を整理できて状況が分かり、すっきりとしました。コアにあまり多くを期待しても無理なようです。今回のように、片側が接地、他方がアンテナ状に伸びているワイヤーをコアで電流抑制をする場合、良くて1/5程度です。(1/5は-14db)
  同軸ケーブル系で使える高周波用絶縁トランス(アンテナカップラー)や、AC100V電源系の結合Cの小さい絶縁トランスを実験したいものです。コントロール・ケーブルはどう扱うのが良いのでしょうか。

  次のような、色々な疑問が湧いてきました。

  1. さらに、手すりアースの1.9〜7MHzのアンテナを測っていますが、(コアを使わないので)これは測るだけです。相当の電流が手すりの構造物に流れています。四方八方のアース線に均等に流れるように、調整するのは良いかも知れません。
  2. アンテナのポールやタワーの構造物のアースはどうすると良いのでしょうか。下手をすると、周辺設備のアースを介して、アンテナまで雑音が伝わります。
  3. 上空でバランスが取れていて、地上と結合の少ないアンテナが望ましいのですが、八木アンテナのアンバランス/ブームに流れる電流にも興味があります。


以上

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