<その3.LCラダー・フィルター>

記 2011年03月06日〜  ja3npl

  プリセレクターに代って、「7MHz、ルーフィング・フィルター」をウェブ検索で調べた所、全て、1st Mixer より後方に配置する、BW=10KHz程度のXtal フィルターでした。
  1st Mixer よりも前の、フロント・エンドに入れる、鋭敏なルーフィング・フィルターの考えは、見付かりません。

  仕方なく、手当たり次第の、思い付き実験を行うことになりました。 独創で、成功と失敗を楽しむ..ということになります。

  1. LCラダー・フィルターの構成案

      次の回路図が、構想です。
      前記のプリセレクターの場合、並列共振でしたが、周波数特性の高い方がよりゆるい傾斜になってしまうので、より有利な直列共振を選ぶことにしました。Xtal ラダーフィルターの例から導いた、LCラダーフィルターです。
      コイルは、直径12mmの空心、L成分を大きくして、回路のQは150程度を期待しています。

    回路

      他の種類のBPFについても検討して見ました。web回路計算や、EXCEL計算表を公開提供して居られますので、ありがたく、利用させていただきました。いずれも、類似の特性結果が得られるのですが、LCの各定数を実用回路で適用するのは難しく、結局、市販入手できる部品を考慮して、上記回路となりました。

  2. 期待する周波数特性

      まず、回路シミュレーターで確認しました。 下図は、最初のシミュレーション結果です。

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      コイルの損失がゼロの場合です。頂部の平坦さを確認しています。
      Xtal ラダーフィルターの実験例と類似であり、納得です。


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      コイルの損失を加えて、Q=150 にした場合です。頂部が丸くなってしまいました。
      -3dbBW = 245KHz、通過ロスは、-6.75db、7.2MHzと7.25MHzのレベル差は、-10db、7.3MHzでは、-25db。
      中途半端ではありますが、いくらか、実用効果があるのでは、と思います。


  3. 試作

      まず、6段のLC共振回路の内、一段のLCを作って、特性を見る事にしました。

    共振回路

      左は、12φ51回巻き18.8uHのL(0.26φのポリウレタン線)、Max30pFのセラミック・トリマー、そして、1Ωの抵抗です。
      以下に、この共振回路のQの測定結果を示しますが、良い結果は、得られませんでした。


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      図の様な測定回路で、LC等価回路のRxを測定して、Qを算出するものです。
      測定結果の-0.8dbから、0.93倍、Rx=10Ω、Q=84 となりました。
      -0.5db程度が得られれば、Q=140となるのですが。


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      あまりにも、Qが低いので、別な方法でも測ってみました。図の様に出来るだけ疎結合にして、共振特性を見たものです。
      -3db巾は80KHz、Q=7100/80=89、9.4Ω、検出用に入れた1Ωを引算しても、Rx=8.4Ω、Q=100です。


  4. 再検討

      もしかしたら、セラミック・トリマーの内部抵抗が有るかも知れず、これを空気絶縁のタイト・豆コンに変えて、再測定をしました。が、数値は同じでした。
      18.8uHのコイルは、内部抵抗が10Ωも有りました。テスターで測ったDC抵抗は、0.7Ωなのですが、高周波の表皮効果と近接効果 の勢です。
      巻線を太くし、間隔巻にすれば改善されるでしょうが、18.8uHを得る為に、巻径が大きくなり、従って線長は長くなり・・、大幅に改善する方法が無さそうです。
      トロイダル・コアを使えば、Q=150程度が得られるのですが、Qの大きいコア入りコイルは、歪が大きく(IM3=-50dbc程度)なることを度々に経験しており、ルーフィング・フィルターの目的に合わず、検討対象外です。

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      Q=84、Rx=10Ωの場合の、LCラダー・フィルターの特性を、回路シミュレータで確認して見ました。鈍いカーブで、通過ロスは-11.6dbと大きくなります。

      仕方なく、製作は中止することとしました。


次回に続きます。

以上

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