マンション住まいの雑音環境
2002年9月18日〜
ja3npl
アパマンハムにとって、アンテナの設営が極度に制限されることは充分に理解されるところです。
ところが アンテナの制限のほかに、雑音のレベルが高いことがより重大な問題であることが分かっています。
ここでは いかにして アパマンハムの雑音環境を改善するかと言う点に注力して記述して行くことにします。
私が新築マンション(集合住宅というのが正しいと思います。)に引っ越したときも アンテナの工夫をすべく楽しみのみを思い描いていたのですが、実態は雑音源の対策に種々の方向探知仮アンテナの製作やら各機関部門との折衝に2年余もかかってしまいました。中には家電機器・住宅設備メーカの姿勢に関るものもあり、多くの方の苦情を集めて雑音低減の活動を地道に続けたいと思っています。
結果的に、DXの信号を気持ち好く聞きたい..DXの信号のフェーディングやエコーを楽しみたい..電波の世界も静かな環境を作りたい..雑音にがっかりしてアパマンハムを止める人を少なくしたい..と思っています。
・・内容(予定)・・
主に、1998年から2000年にかけて、雑音の調査を行ったのですが、雑音の測定方法、関連部門の考え方、折衝の方法などに定まった形があるわけではなく、全て応用で、全て手作りで事に向かうことになります。つまり素人っぽく取り組むところに、色々と工夫を加えるところに面白さがあると感じています。事象を時系列でたどりながら、強い雑音源/大丈夫な設備/より楽な探索方法を見出して行きます。
- その1.私が新築集合住宅に移ってきた時の雑音の状況
- その2.NTTドコモ基地局・・( 発生源ではなかった。)
- その3.自宅の給湯器・・(間欠発生源。)
- その4.自集合住宅の自動警備設備など・・(発生源ではなかった。)
- その5.隣の集合住宅の給湯器・・(これが連続発生源。)
- その6.中間まとめ(各機関部門の見解)
- その7.6.6kVの配電線の2連ピン碍子・・(間欠発生源。)
- その8.自集合住宅・隣家隣室の給湯器・・(間欠発生源。)
- その9.DDIポケット基地局・・( 発生源ではなかった。)
- その10.室内の雑音源対策(雑音センサー・雑音源実測結果・対策結果)
- その11.2002年/10月時点の雑音状況
<その1.私が新築集合住宅に移ってきた時の雑音の状況>
1998年10月から4ヶ月間の私の戸惑った状況です。
- 1998-10-01 千里ニュータウン・万博記念公園の近くに引越す。環境は8階建て集合住宅の8階で 部屋から 南、西、北が見渡せる状態。(写真は私のシャックから南方向130〜270°の景色。)
- 1998-11-08 引越し後 初めて簡単なアンテナを無線機につなぎ 短波を受信する。定常的に雑音が入っている。信号の強い局しか 受信できない。問題あり。
雑音の状況
a.周波数帯と雑音の強度
| 周波数(MHz) | 10.1 | 14.15 | 18.1 | 21.2 | 24.9 | 28.5 | 30.0 |
| Sメータ表示 | 7 | 7.5 | 7 | 7.5 | 5 | 3 | 0 |
(50MHz S = 0、144MHz S = 0、435MHz S = 0)
b.特徴
イグニッション・ノイズ゙などのパルス性の雑音に効果のあるノイズ・ブランカーが効かない。-> パルス状ではなく切れ目の無い雑音と推測される。24時間途切れることが無い。
受信周波数を変えても均一な感じ。(高調波関係の特徴はない。例えば80KHzごとに強弱、変調の具合が変わることは無い。)25MHz以下で雑音が大。まるで30MHz以上にフィルターが入っているよう。
c.受信設備
アンテナ;8m長の垂直型で手すりをアースにしたもの。アンテナ直下にオートマティック・アンテナ・チューナーを置き 受信機までは5D-2VFBの同軸ケーブルを引いたもの。
受信機; KENWOOD TS-50S トランシーバー。受信部は100kHz〜30MHzが受信可のもの。
- 1998-11-21 アンテナを水平のダイポール(14MHz用)に替える。雑音は全周波数で若干弱まり、14MHzにてS = 5.5。(8m垂直形ではS=7.5。前記。)
- 1998-12-29 直径1mの電磁ループアンテナ(21MHzに同調)を作って 雑音の方向探知を試みるがアンテナを手で持って振り回す形態では 方向性が無い。床面 壁からの干渉が有るためだろう、失敗。ポールを使って屋根上2mに持ち上げたがこれでも方向性が現れない。
- 1999-01-23 指向性のあるアンテナ(2エレメント、24.9MHzに同調、位相給電、自作、モクソン・レクトアングル、W4RNLのホームページ参照。)に替える。雑音の到来方向が明確に判別できた。南南西の方向。200m弱程離れた、南南西に見える携帯電話基地局のアンテナの方向で ±10°角程度内にある。
車に 28MHzのホイップアンテナ、トランシーバを装備し、またSONYの携帯ラジオを持って徒歩でも雑音源を探索する。ほぼ、携帯電話基地局のアンテナの周辺で 地区の商店、事務所、集合住宅を含む半径30mの場所が 雑音源ではないかと見られる。しかし 携帯電話基地局のアンテナは集合住宅の屋上で地上30mに在り、また 商店、事務所に近づくと 別の 雑音も強力に入り 雑音源の確定は出来なかった。
PHSのアンテナ(電柱に4本の垂直棒)が さらに50m離れた所に在るのを見つけた。 これに3m内に近づくと 特徴ある デジタルノイズが聞こえるが 10mも離れると従来から障害の有る雑音より弱くなる。
自マンションの周囲をぐるりと周る。南面の道路(自室から見ると 窓の真下になる。)を歩くと5m位の範囲だけ雑音の強くなるところが有る。まるで 地中に雑音源が埋められている様であった。SONYの短波携帯ラジオのロッドアンテナを垂直に立てると強くなる。電力ケーブルが、あるいは ガス管が通っていて 自動検針などの設備が関係しているのではと思われる状況であった。
自宅の各部屋を周る。沢山の雑音源が有ったが いずれも雑音の種類(断続性、周波数帯、音色、などの特徴)は違っていた。
給湯器、TV、冷蔵庫、蛍光燈、火災報知器センサー、インターホン、自動警備、電話線、電力線、TV配信線。
じっとしていては、何も解決できないので、1件づつ調査を進める事とした。
・・ヒント・・
結局は、24時間連続の雑音は隣接の集合住宅の給湯器群、そして、間欠断続の雑音は自集合住宅の給湯器群と6.6kVの配電が発生源だったのですが、上記のように、最初は あてもなくさまよう状況です。きっと、雑音に困った皆さんの行動と同じ様なことを私は行ったのでしょう。
しかし、(今になって考えると)この雑音の全体像を把握することは非常に大事です。
特に、@携帯ラジオを使って周辺を歩くこと、A雑音レベルを実測し数値で、連続/間欠、音色の特徴を数週間の長期に亘って記録すること、が後になって決め手となります。
決め手は上記アンダーラインのところでした。
次回に続きます。
以上
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