<その10.テレビ・冷蔵庫など室内の電気器具からの雑音>

2002年11月20日〜  ja3npl

  前回記載の隣家給湯器からの雑音は、朝晩寒くなって来て、より長時間出るようになって来ました。
でも、雑音の無いときは快適です。先ほど(14時JST)、18MHz、CW、ロングパスでアフリカ・ガンビア(C56R局)とQSOできました。6m長バーティカル、100Wです。
  雑音が出ているときは、仕方なく、24.930MHzのビーコンに合わせ、小さく鳴らしながら何か作業をすることにしています。
表題のとおり、室内の雑音発生源に取り組むことにしました。


<1.まずは雑音にご挨拶。>

  いつものとおり、今まで何度も行ったのですが、ラジオ(icom IC-R10)を持ってテレビや冷蔵庫に近ずくと雑音が検出できます。しかしこの雑音はどれだけ障害になっているのでしょう、定量的な強さはどのように表すのでしょう。
  一方、シャックのリグ・アンテナの設備で受信すると、何かの雑音は聞けますが果たしてテレビ・冷蔵庫からの雑音かどうか識別できません。明らかにテレビ・冷蔵庫からの雑音が強い場合には、これをオンオフして判別できますが、外来のDXノイズ(遠方の雷雑音など)がある場合は明快には判りません。
  室内のIC-R10で聞くとスポット周波数の雑音が沢山あり過ぎます。
一体、どのように取り組めば良いのか、めんどうなのでこのままでいいか..となります。

←  IC-R10(ワイドバンドレシーバー)と1.3m長のホイップ。



  この写真のテレビの場合、どこから雑音が輻射されているのでしょうか。1.3mのアンテナでは大きすぎて、局部的な探索は出来ません。
  もっと小さなアンテナで調べることにしました。小さいアンテナには5回巻き程度のコイルを試作し、さらに、メインリグIC-756PROのSメーターの方がIC-R10より定量表示しやすい事を考え、長い同軸ケーブルでIC-756PROにつなぐ事としました。

←  5回巻きコイル径20Φ



  このコイルをテレビの画面、電源ケーブル、アンテナケーブルに近付けると雑音が増加します。雑音源が内部にあるのは確かですが、外部へ導き、雑音電波として輻射しているのは電源とアンテナケーブルです。早速、雑音防止スナップオンコアをケーブルに着脱するとレベルが変化します。冷蔵庫の周囲をコイルで調べるとやはり電源ケーブルから雑音が検出されます。
  結局は、電気器具は皆似たような形態で、雑音を出す本体と電源ケーブルから成っています。雑音が雑音電波として輻射されるのは図のようにモデル化できるのではと考えます。そして、A点の雑音レベルを測定して見ることにしました。


←  御参考に、私の家の天井裏のAC100Vの配線の状況です。

  画面左右に走る、灰色2芯のケーブルがAC100V、緑の単線が保安接地線です。(縦に走る、5C2Vを束ねたのがTVの配信、黒い保護パイプ4本は電話線、バックはコンクリートの天井。)

  この先がTVや冷蔵庫などにつながっています。真に、宙に浮いた配線で、雑音を放つアンテナです。




<2.雑音センサーを作る。>

  A点に流れる雑音信号を検出するセンサーを、電力系の変流器をヒントに作りました。

←  上からセンサーA、B、C、と名付けます。(センサーの拡大写真はこちら。)

  Aは5ターンのコイル、Bは12ターンのロゴウスキコイル、Cは2分割コア4ターンコイルです。空心の周波数特性の良いものを作ろうとしました。Cはコアの周波数特性が加わってしまうので予備と考えましたが..。
  画面左は、自作のノイズブリッジ(ツェナーダイオードで雑音を作り、Trで3段増幅)です。黒い線にこの雑音信号を流し、各センサーの特性を調べてみようという構図です。
  測定した結果は、次表のようになりました。まず、ノイズブリッジの周波数特性が良くないです。次に雑音源レベルが足りなくて、一番期待していたセンサーA、Bの特性が18MHz以上では採れません。そして、IC756PRO のSメーター目盛が6dbピッチになっていないのが判りました。


  他に、打つ手を思いつかないので、次に進むことにしました。


<3.雑音を測る。>

  このセンサーを使って、我が家の電気機器全部を対象に測って回りました。次表です。結局、センサーCを使いました。



  この表は、10MHz帯で、強い順にソートし、並べてあります。この順に対策を講じて行こうと思いますが、実害はシャックのアンテナに近いほど顕著です。
  この中で、シャックの設備で雑音を認めたのは、アンテナに近い、@ガス給湯器(アンテナから7m)、Aエアコン#2(アンテナから3m)、BTV#1(アンテナから7m)の3件です。
  この3件以外は実害があるのかどうか判別できないレベルです。


<4.雑音対策>

  順次に対策前後のデータと対策の内容を示して行きます。
  いずれも対象器の電源ケーブルにセンサーコイルCを取り付け、測定器代わりのIC-756PROのSメーターを見ながら処置を施しました。(センサーコイル取付け部が雑音の定在波の腹か谷か判らず、必ずしも正しい結果でない可能性がありますが、最初の3件の結果はシャックでは判別できないレベルにまで減りました。)


・・ヒント・・
  このセンサーを使う方法は、調査対象の設備のみの雑音信号を取り扱えるので有用です。つまり、近隣からの紛らわしい雑音とは区別でき、数値で増減を扱いやすい..ということです。
  もちろん シャックの設備への影響は長年訓練した耳感で、雑音の音色で入念に探るのは一緒ですが。

  その他特記事項は、@雑音防止コアは効果はあるが雑音撲滅には至らない、これより効果を加えるにはLCフィルターを回路内に接続することになる、A10MHz帯より低い周波数では大変雑音レベルが高い、が 信号レベルが強いので実害を感じない..です。

  TV共聴ケーブル引込み線などからの雑音は、発生源の管理人室内の設備に対策を加える事になります。これでやっと管理人室内の雑音源を数値で表現できるようになりました。

次回に続きます。

以上

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