<その5.隣接集合住宅の給湯器群についての調査>
2002年10月27日〜 ja3npl
結局 これが原因でした。手間がかかりましたが解決できました。
SONYの短波ラジオは信号強度を定量に示せないので アイコムの携帯ラジオを購入しました。(2000年1月、IC-R10。)雑音源を特定するのがとても容易になり役立ちました。早く購入すべきでした。(後述あり。機種は充分に選ぶべき。短波帯の性能はいずれも良くない。)
南路面の雑音を探索して行くと隣接集合住宅の給湯器に簡単にたどり着きました。5階建28軒。どのように取り組むべきか..考えました。
← 自宅と給湯器のある隣りの集合住宅の配置状況、20〜30m程の距離です。
- 2000-01-05 前回お世話になったO社(ガス会社)のご担当へ 「隣の集合住宅の給湯器よりの雑音で困っている..対策でなにか良い手はないだろうか相談に乗っていただけないか..」と電話。ご担当は異動されて別の事業所に居られたが、私の自宅に近い事業所へ手配され、すぐに現地調査に来てもらえることになった。
1時間後に新しいご担当が来宅され、雑音の状況、到来方向を見てもらった。外に出て、隣接道路、隣の集合住宅の給湯器からの雑音の発生状況をみてもらった。各給湯器の前では非常に大きな雑音レベル(Sメータ振り切れのレベル、アイコム IC-R10、50MHz用1.1m長アンテナ)であった。このT社の給湯器はO社(ガス会社)と関係なし。1軒位なら対応できるが..28軒は出来ない・・との見解だった。迅速な対応とアドバイスにお礼を言った。給湯器;T社、RGE6BA1-S、共L-887、1991年製。
- 2000-01-15(土)13:43 T社のお客様相談室に電話した。別のメンテナンス会社に申し入れて欲しいとの対応。
14:00 別のメンテナンス会社に電話し事情を説明するも、丁寧な対応ではあったがこのような問題は お客様相談室に申し入れて欲しい..とのこと。たらい回しは困るので、工場の技術部門を紹介して欲しいと申し入れたところ、折り返し電話させて欲しいと。別のメンテナンス会社からの電話あり。再度 状況を説明する。対象の集合住宅へ調査に出向くので集合住宅へその旨申し入れて欲しい..と。私の方からは窓口の方を決めて欲しいことをお願いし、2,3の質問をした。このような雑音対処の例あり、電源にフィルターを入れる、窓口はメンテナンス会社、費用の話よりまず調査..との返事。
17:00 再度電話あり。上司と相談した結果、まず調査をしたい、調査時には給湯器1台を使える状態にして欲しい、費用ついては 負担する場合もあるが相談..ということになった..と。
- 2000-01-17 隣接集合住宅は社宅であった。総務課の方が社宅のご担当と判り電話した。事情をご説明し、社宅の管理人役の方をご紹介いただいて、連絡いただけることとなった。
- 2000-01-17〜21 管理人役の方、メンテナンス会社のご担当、メンテナンス会社の現地調査のご担当と6回程連絡を採り、手配の不備を修正しながらも進めることができた。
- 2000-01-22(土)14:00 予定通り隣の集合住宅前に集合。T社関係の3人の方。管理人役の方にご挨拶して、調査できることとなった。T社の3人の方にこれまでの雑音調査の経緯をご説明した。またT社側の状況説明があった。工場では6.115MHzの日本短波放送の受信が給湯器前1mで支障の無いことを確認しているなど。私の受信機で14MHzあたりを聞きながら コンセントの抜き差し、雑音の変化、給湯器のカバーを開けての調査、コントロールケーブルを切り離してコンセントの抜き差し。スナップオンコア持参品5個を電源、コントロールケーブルにはめるも雑音レベルに変化無し。コンセントを抜くと雑音が止まる状態であった。雑音レベルは IC-R10にて Sメータが振り切れオーバの状態であった。給湯器を長時間止めておくと調査宅の迷惑であり調査を終えることとした。給湯器を製作している工場と相談されるとのことであり、今後検討の期間をもって後日打ち合わせることとした。今後は調査されたT社の方がご担当とのこと。
- 2000-01-24 総務課の方に調査結果を報告した。コンセントを抜くと給湯器からの雑音は止まる。対策をT社にて検討される。静観をお願い。対策実施時にはよろしく..と。
- 2000-01-28 T社へ電話を入れるもご不在であった。
- 2000-02-04 T社ご担当へ電話がつながる。別会社の給湯器の対策方法(私の家の給湯器対策例)がわかれば参考にするとのこと。
- 2000-02-06 T社ご担当へメールを入れる。 TDK製フイルター型名、トロイダルコアなどの処置状況。
- 2000-02-29 T社ご担当からメールと電話連絡があり今度 3/4(土)に対策を実施したいので立ち会って欲しい..と。
- 2000-03-04(土)10:00〜11:50 T社の方と会い、一緒に隣の集合住宅の一軒を訪問し 点検に入る。電源フィルター、コントロールケーブルに3個のクリップコア、コントロールケーブルの浮き回路へジャンパー追加によるアース..の対策を実施された。結果は効果あり。隣室の給湯器前ではSメータは振りきれであるが、対策済み給湯器の前では1/5程度の振れとなった。これも隣室からの雑音が影響しているのかも知れず、実質はもっと効果が出ている事が考えられる。運転中、停止中とも雑音レベルの変化なし。風呂はり1/10位の試運転で 給湯器の確認。訪問宅へのお礼など 全て T社の手配で終了した。
調査後に玄関にて打ち合わせた。
T社のコメント;今回は試作品での効果確認である。資材も急には準備できない。全室対策をするのではなく、何室か対策処置をしてみて私の所の受信状況が満たされれば良しとしたい。2〜3ヶ月の内に処置したい。
私のコメント; 全28戸中一室でも対策が残れば雑音の強い状態が残ってしまう。全室の対策の実施を願う。
T社のコメント;費用については相談したい。
- 2000-03-06 総務課社宅ご担当に調査結果を報告した。対策の試行をして効果があった。T社からコストの分担請求の意向が示された。T社の言い分をしっかり聞いて、また 電波管理局などに相談をして 対応を考えるつもり。総務課の方にT社から報告が有ると思う。対応についてはお隣のお付き合いをさせていただきたい..と申し入れた。
- 2000-03-08 T社より メールが入る。加工代、取付代はT社負担だが、部品代は負担して欲しい..との文面。
- 2000-03-10 近畿電気通信管理局へ相談の電話を入れた。
- 2000-03-10 日本アマ無線連盟事務局・技術課へ相談の電話を入れた。
- 2000-03-14 再度、日本アマ無線連盟事務局・技術課へ相談の電話を入れた。
- 2000-03-14 T社ご担当に電話し、私の意向を伝えた。対策処置を実行して欲しい、現実的(理論や基準を述べないで)に処理したいと思う、部品代は高額で不満が残るが..と。T社ご担当からは、やりましょう、費用は工場と相談してみる..との返事。
- 2000-03-17 総務課社宅ご担当に電話し、処置をさせて欲しい旨お願いし、ご了解いただいた。
- 2000-03-20 T社ご担当に電話し、同じ内容をメールした。
- 2000-04-28 T社ご担当は転勤されたとのこと。新しいご担当から、今度 5/8、5/9に対策を行う予定とのこと。
- 2000-05-06(土)21:40
対策前の雑音レベルの確認
| 周波数 | 10.1MHz | 14.15MHz | 18.1MHz | 21.2MHz | 24.9MHz | 28.5MHz |
| 10m-long Vertical Ant | 8 | 8 | 6.5 | 6.5 | 5.5 | 2 |
| 8m-long Wire Ant | 6.5 | 7.5 | 6 | 4.5 | 3.5 | 1 |
表中数値はSメーターの表示値。TS-50S。8m-long Wireは逆L型水平系のアンテナ。
- 2000-05-08/09 ウィークデーであり、立会えず。
- 2000-05-13(土)24:00
単身赴任先から帰宅し、雑音レベルの確認をしたところ 見事に雑音が無い。
| 周波数 | 10.1MHz | 14.15MHz | 18.1MHz | 21.2MHz | 24.9MHz | 28.5MHz |
| 10m-long Vertical Ant | 6 | 5 | 5 | 2 | 0 | 0 |
| 8m-long Wire Ant | 6 | 5 | 3.5 | 0 | 0 | 0 |
表中数値はSメーターの表示値。TS-50S。8m-long Wireは逆L型水平系のアンテナ。
まるで、すっきりと空が晴れた様。1年半あまり雑音ばかり聞きながら来たけれど。1年半の雑音追求の甲斐があった。非常にうれしい。遠方の雷雑音が心地よく入感する。スキャッターによる信号にエコーも聞こえる。
その他の雑音(T社給湯器以外からの雑音)を探す。時間をかけての調査は後日とし、概略は次のとおり。
隣の集合住宅のT社給湯器..14MHz、18MHzで少し雑音が残っているかもしれない。DXの雷雑音も同レベルの様でもあり特定できない。
自集合住宅の給湯器.. 14MHz、18MHzで少し雑音が残っている模様。特定できない。ファンが動作しているときだけ雑音が出るはず。この特徴の雑音が無かったが、ファンが動作していない、給湯器が使われていなかったのかもしれない。
自動警備..はっきり識別できない。スポット周波数の信号はあちこちで出ている。
インターホン..同じくはっきり識別できない。
TV..未調査。
パソコン..他家のパソコンからの信号が沢山出ている。自家のパソコンは対策済み。結構強い信号。S=9のものも有る。パソコンからの信号は特徴が有り 直ぐ分かる。
結局 T社の対策の効果はSレベルで3以上有ったことになる。(6db×S3=18db)
- 2000-05-16 T社ご担当に電話しお礼を伝えた。雑音が無くなった、未だ残っているかもしれないが T社の給湯器からと判別できない程度になった。
5/9、5/10に処置を実施した、空き家3軒も含め28軒全て処置した。空き家を開けるのに総務課の方に来てもらい、その際に処置の報告をした、FAXでお礼の連絡も入れたとのこと。費用の件は上司と相談している、追って連絡を入れるとのこと。
- 2000-05-16 総務課社宅ご担当に電話し、とりあえずお礼を申し上げた。
- 2000-06-05 総務課社宅ご担当にお礼の手紙を発信した。
- 2000-06-08 総務課社宅ご担当より返信が有った。
・・ヒント・・
- <折衝の方法>
- 給湯器メーカーご担当殿のご尽力が有った事、さすがにメーカーの仕事はすばらしいと思いました。1991年製の9年も前の製品ですが、きちんと仕事をやり遂げられました。次期製品にも対策が反映されることが期待できる状況です。
1月〜5月と時間がかかりましたが、メーカ側では優先度は低い仕事のはずで、主たる仕事の合間に処理されることを考えれば何ヶ月もかかるのは当然なのでしょう。
ここでの要点は、メーカー殿への申し入れや説明を 丁寧に、熱意でうったえて..お願いするということでしょう。
- <折衝の方法・その2>
- 集合住宅が社宅であったのが幸いでした。もし分譲マンションであったなら、各戸1軒ごと、あるいは管理組合との折衝が入り、要領は違ってきます。
- <携帯ラジオ>
- Sメーター付きの携帯ラジオを使ったら、あっけない程簡単に、雑音源を見つけることが出来ました。
この種の携帯ラジオ(ハンディーのワイドバンドレシーバー)は多種が店頭に並んでいますが次の様な点が不備でなかなか良いものはありません。
- U,VHF帯の特性はすばらしいと思います。でもHF帯はいずれも使いにくい特性です。つまり20cm長程度のアンテナでは感度不足であり、1m超の長いアンテナでは信号が強すぎて混変調が起こります。(店頭では、長いアンテナをつないで、7MHzのハムバンドを聞き比べて機種を選ぶべきです。アッテネーターの付いた機種もあります。)
- Sメーターの指示はほとんどが液晶のバーコード状のものですが、いずれもAGCがFASTの時の振れを示し、指示先端が見極められないことになります。見にくいSメーターの指示でも より見やすいものを選ぶべきです。
- アンテナは状況に応じて長さを変えることとなります。このため、アンテナのコネクターはBNC形が互換性があってよいのではないでしょうか。さらに、この部分に外付けのアッテネーターを付ける場合があることを考えておくべきです。
- 大きい口径のスピーカーの付いた音質の良いものを選ぶべきです。雑音の音色も重要な手がかりです。イヤホーンを使えば音質は良いのですが、雑音源に近付けたり取り回しの時にリード線が邪魔となります。
雑音探査に、TS-50Sをショルダーバックに入れて乾電池駆動で持ち歩いたことがあります。上記の携帯ラジオに比べて格段に性能が良く雑音の強弱をつかみ易いのですが、重くて、1時間で電池切れしてやはり実用にはなりません。
次回に続きます。
以上
*戻る*