<その5.トランシーバ内部端子の電圧安定化>

記 2010年02月14日〜  ja3npl

  1. 電源回路の改造

      PA UNIT端子部の電圧を、DC電源内まで導き、電圧安定動作ループ内に取り込みました。
      回路図上では、次図の様になります。ケース2を基準に、黒太線が追加改造の回路です。

    回路
  2. 電圧変化の実測

      CWのモードで、キーの上がっている時と、下げた時の電圧をテスターで読み取ったものです。
      電流値は、キーの上がっている時に3A、下げた時に20A、出力は, 14.15MHz/122Wでした。
      A点はDC電源端子、D点はPA UNIT端子で、今度は電圧上昇の表示です。

    A点D点
    CW Off時13.89V13.82V
    CW On時14.23V13.82V
    電圧上昇0.34V0V

      D点の電圧変化は、検出レベル;0.01V以下になりました。今までとは逆に、DC電源端子が0.34Vほど変動するようになりました。

  3. 2信号特性

    IM3特性

      左は、ファイナル出力の特性です。
      出力レベルは、103WPEP(14.15MHz)で、ALCが流れ始めた状態です。
      前回のケース4より、さらに下がって、このケース5は、2〜5dbの改善となっています。

      大変に好ましい結果、ここまで効果があるとは予想していませんでしたので!!。

      明らかに、左上がりの特性カーブです。この原因として、コアの特性?、N.F.B.の特性?、ベース・バイアス回路?、ALC回路?..を疑っています。

      他のバンドの特性を調べましたが、3.5MHz帯では、約5dbほど良くなり、28MHz帯では、約10b程度悪化します。


  4. 電圧変動の周波数特性

      ケース2の時に、SSBで音声を送信中の、動的な電圧変動を知りたい..ということで、PA UNITの電源端子部にスペアナを接続し、測定しています、この画面が効果を良く表しているので、順に列挙します。

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      対策前、ケース2の条件。再掲。


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      対策後の今回、ケース5の条件。約30dbほど(約1/30に相当)低いレベルになっています。2KHzあたりの周波数でも定電圧動作が行われており、500Hz以下は良く効いています。


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      今回、ケース5の条件で、DC電源の端子部を測ったものです。ここの電圧変動が逆相の補正動作分です。


  5. 改造の実態

      バラックで、空中配線で、回路動作を実験確認し、最終的に以下に紹介する形となりました。IC-756PRO本体は、机の上に、DC電源部は、隣の棚の最下段へ、使い勝手よく納まりました。

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      回路です。OPアンプを使っての差動電圧検出回路です。DC電源内の制御ループと、IC-756PROを取り込んだ外部制御ループとを切り替える様にしています。DC電源の制御回路は、本題と離れますので、省きます。


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      IC-756PROの内部の配線状況です。


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      DC電源内に小さい基板を追加しました。正面のターミナルを使うのは止めて、背面から、コネクターを使わないで、電源・制御線を引き出しています。


  6. その他

    1.   DC電源には、15.87V以下(IC-756PROのスペック)に抑える保護回路が必須です。もし保護動作が無いと、制御線が解放・短絡した場合に、IC-756PROに24Vが掛かる事になります。
    2.   DC電源GSV300の制御回路を基板から読み取りました。OPアンプをコンパレータとした回路で、チョッパー方式の電圧制御でした。16.8Vの電圧制限、そして、34Aの電流制限の機能が組み込まれていました。よって、16.8V(16.2Vのツェナー・ダイオード)を15Vに変更しました。
    3.   IC-756PRO内部の追加配線は(私の実施例は)、機能を省いた簡単回路です。コアに数回巻いて簡単なコモン・モード・フィルターとしましたが、本来は、FILTER UNITと同等の回路が有るべきです。RFの誘導によっては、DC電源の保護動作が不能となることも考えられます。
    4.   DC電源GSV300の電圧制御回路の周波数特性は、ローパスRCの回路定数から、約16KHz/-3dbで制限されていました。

次回に続きます。

以上

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