<歪ゲージを使ったパドル・キー>

記 2008年03月10日〜  ja3npl

  横振れ電鍵、シングル・レバーのパドル式で、操作力が小さいものを作りました。

  マイコンへの文字入力を、CWを使って行おうと思い、色々小型パドルの試作を続けていました。この歪ゲージ方式で、意外な操作し易さを発見したので、小型パドルの取組は中断し、実際に使える構造で製作することになりました。

<追加>  横振れ電鍵で台が動く件の対策です。次項目をクリックすると別ウインドウが開きます。

  ・  押し下げ方式のS_G_Paddle Ver 3.0 (2008/03/20)
  ・  マウス・パッドを使った滑り止め  (2008/03/20)


a.出来上がりの状況

 

  仮称;「 S_G_Paddle Ver 2.0 」です。(Strain Gauge Paddle)

  基板;72x84mm、組立高;46mm。

  アクリル板製レバーの根元に歪ゲージを貼って、曲げ歪を検出する方式です。

  基板には、約70dbのDCアンプ、マイコン、バッテリーを装備、マニピュレーターの接点出力、オート・メモリ・キーヤーの接点出力を設けています。

  半固定VRにLEDの足を短くして差込み接着、軸にしています。拡散キャップ追加でつまみ易くなりました。



 

  写真では、アクリル材が透明な為、構造が判りにくいのですが、左図のようになっています。

黄色が、レバーの3mmアクリル板、
緑が、支持構造の10mmアクリル角棒、
灰色が、台の5mmアクリル板です。



 

  写真は、シングル・レバーの左右面に、1枚づつ、ゲージを貼り、曲げ検出の2ゲージ法の結線状況です。

  歪ゲージは、共和電業社、KFG-5-120-C1-11、Fe用、5mm、の汎用ゲージです。 10枚セット、\2,200位、Web-Shop購入。
端子台はT-F7。



 

  ブロック図です。マイコンの部分は、コンパレータ回路でもOKです。

  電源のタイマーoff、オート・メモリー・キーヤーの機能を加える為に、マイコンを使用しました。



  基板の詳細などは、次の写真、回路図、PICマイコンソフトを参照下さい。クリックで別ウインドウ拡大です。

             

  基板パターンは、PCBEファイル;StrainGaugePaddle.pcb を使いました。
  材料力学でレバーの歪等を検討した 計算メモはこちら です。

b.動作の特徴

  CWを始めて50年余、Hi-MOUND MK-702(横振れ電鍵)+オート・キーヤーに落ち着いています。

  このS_G_Paddleの特徴を、MK-702と比較をして、表します。

 
 S_G_PaddleMK-702
レバーを押す力9〜10g90〜100g
レバーの振れ巾計算値;0.1mm0.3〜0.5mm
動作音音なしコツコツという明確な音
指の感触レバーに触れる感触のみ接点間ストロークの感触、コツコツと接点に当る感触
重さ130g1,080g

c.特記事項

  私の教わった電鍵操作は、50年前の広島クラブでのCW講習会ででした。プロの先輩から教わったのは、手首の重さや反動を使っての、接点ギャップも大き目のものでした。CW練習器のビート音が無くても、カチ/コツ音で符号が分かったものです。

  7MHzで夜間にDX局を呼ぶときは、カチ/コツ音を消す為に布団をかぶっていたのを覚えています。
  手首を動かさないで、打つ電鍵は、”横着な打ち方で、相手に失礼..” とさえ思っていました。そのうち、横振れマニピュレータにも慣れてきましたが、これでも、指先は左右に大きく振れて、反動でレバーにぶつける様になります。

  この度、操作音のしない、触れるだけのパドルを使って、びっくりしたのは、より直接に、符号のタイミングが制御できる事です。
(MK-702の場合は、レバーを押す指先の100gの弾力性での遅れ、レバーのストロークでの遅れが有り、S_G_Paddleでは、この遅れが無いので、「より直接に..」と表したものです。)

  カチ/コツ音が無い為に、音や、指先の接点感触への注意が省けて、楽です..より送出するビート音に注力できます。

  「符号を正しい間隔で打つ目的」の為には手首を使った打ち方が必要だけど、「送信する文の内容に注力する目的」の為には、オート・キーヤーを使った、音なしパドルが良いかも知れないと感じた次第です。


d.失敗例

  1. OPアンプICの特性
      歪ゲージ・ブリッジで生成する信号は、約±370μV、必要とする出力は、約±0.5Vなので、1400倍(63db)となります。
      この増幅度が大きいので、OPアンプのオフセット電圧が効いて来る領域です。LMV358(1.7mV)は汎用のOPアンプなので、やや性能不足で、Gain調整VRを動かすと、ゼロ・バランスVRも調整し直す状態です。でも、経時的な変動、温度変化はこれで間に合っているので、使えます。
      本来は、専用のインストルメンテーション・アンプIC(50μV)を、あるいは、高精度用OPアンプ(300μV)を使うべきでしょう。

  2. 台が動く問題
      困ったことに、どの横振れ電鍵もレバーを押し過ぎると、台が動きます。   机の上の好みの場所に移動させて、そのまま使用する場合は、薬指で台を押さえながら操作しています。良い対策アイデアがあるはず..あきらめずに考えます。

     

      左のタイプのパドル・キーは、残念ながら薬指での台押さえが出来ません。机上の隅に固定するか、左手で持って操作することになります。パドルより、台の方が出っ張っていて欲しいものです。



  3. マイコンのソフトの処理の仕方
      レバーの動きを電圧変化に変換してマイコンに入力しています。マイコンのソフトでは、@マニピュレーターへ出力する為、1ms毎に約200usを要してA/D変換を繰り返しています。そして、ACW端子へ出力する為、オート・キーヤーとメモリー・キーヤーの処理をするのですが、1ms毎の残りの時間(800us)を使っています。結果は、両方とも出来たのでOKなのですが、どちらを優先させるか困る事が多くあって、本来は、マイコンを別に設けるべきでした。

・・ヒント・・
  歪ゲージ部の構造は、この曲げ歪検出方法に限らず、丸棒のねじり、伸び/圧縮も使えます。
  レバーの構造は、横振れに限らず、色々な形が考えられます。

以上

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