<その4.アンテナ給電部の絶縁>

記 2004年10月11日〜  ja3npl

  アンテナ給電部と、アンテナ・チューナー(AH4)の間に、絶縁トランスを挿入しました。

  大変に良い結果が得られました。

  従来のやり方に比べて、抜群の好結果です。受信時の雑音が少なかった水平ダイポールと同じ位の、静かな受信環境となりました。

 

<追加>   もう一つの方法で、アンテナ給電部の絶縁を行いました。クリックすると別ウインドウが開きます。


a.出来上がりの状況

トランスの仕様 (前回記述のものと同じものです。)

コア;TDK ZCAT3035-1330 2個
巻線;2回、2回 (1.5D-2Vを束ねる)
インダクタンス;28uH、28uH
短絡インピーダンス;0.3uH
巻線間浮遊容量;6.5pF
ファラデー・シールド無し
放電保護ギャップ;1mm
回路;
    


b.受信雑音レベルの改善

  次表の青色の枠の所が改善できました。
  一方、アンテナのゲインの基準としているJA2IGY局のビーコン信号のレベルは、従来と同じです。
  「雑音の強い時」は、近隣の給湯器が原因なので、給湯器の運転を止めるしか低減の方法はありません。

  ・今回の改善後の雑音レベル(2004/10の時点)
周波数( MHz )101418212428
雑音の少い時1(p.amp=1)1(p.amp=1)1.5(p.amp=2)0.5(p.amp=2)0 (p.amp=2)0 (p.amp=2)
雑音の強い時5 (p.amp=1)5.5(p.amp=1)7.5(p.amp=2)6.5(p.amp=2)6.5(p.amp=2)4(p.amp=2)
JA2IGY局の信号-4(p.amp=1)4.5(p.amp=2)5(p.amp=2)5.5(p.amp=2)6(p.amp=2)
IC-756PRO/USB 2.4KHz/ATT=OFF/N.B.=OFF/数値はSメーターの読み

  ・改善前の雑音レベル(2003/08の時点)
周波数( MHz )101418212428
雑音の少い時1(p.amp=1)1(p.amp=1)2(p.amp=2)1.5(p.amp=2)0 (p.amp=2)0 (p.amp=2)
雑音の強い時5 (p.amp=1)5.5(p.amp=1)7.5(p.amp=2)6.5(p.amp=2)6.5(p.amp=2)4(p.amp=2)
IC-756PRO/USB 2.4KHz/ATT=OFF/N.B.=OFF/数値はSメーターの読み

c.ケーブルの誘導電流の改善

  次表の青色の枠の所が改善できました。

  ・今回の改善後の誘導電流(2004/10の時点)
10MHz14MHz18MHz21MHz24MHz28MHz
絶縁トランスの適用0.03A0.04A0.06A0.05A0.09A0.05A


  ・改善前の誘導電流(2003/08の時点、B点の誘導電流)
10MHz14MHz18MHz21MHz24MHz28MHz
コア無しの時0.45A1.12A0.79A0.35A0.18A0.10A
ZCAT3035コア、FBTコア0.16A0.28A0.25A0.16A0.10A0.04A


d.参考データ 損失の実測

  次図の構成で各所のパワーを測定しました。インピーダンスは50Ωのみです。
つまり、アンテナのインピーダンスは50Ωでは無く(おそらくは数10Ω~kΩで、無効要素あり)、参考程度にしかなりません。

TX出力5D2V/10m,コネクター5個AH4出力絶縁TR出力
28MHz125W111W(125x0.89)98W(111x0.88)86W(98x0.88)

  なんと、125Wが、39Wも減衰して、86Wになっています。ただ、AH4と絶縁TRは、出力端子からパワーメーターまで、往復50cmのリード線がつながっており、正確な測定とは言えません。

  各周波数の測定結果の効率を次表にしました。トランシーバー内蔵チューナーについてのデータも加えました。
内蔵チューナー5D2V/10m屋外チューナーAH4絶縁TR
3.5MHz0.940.960.970.90
7MHz0.950.940.910.93
14MHz0.910.930.940.89
21MHz0.860.890.930.91
28MHz0.850.890.880.88
50MHz0.820.850.560.92

  全体に、各要素を通るごとに、10%前後のロスが生じており、出力は70%程度に落ちています。

  発熱を測定しました。
  10MHzにて、CW、長点連続、100W、2分間、送信したところ、18.4℃から63.2℃に温度上昇しました。(コアに温度計センサーを差し込んで測定) 28MHzにて同じことをしましたが、2分以上の連続送信でも異常なしです。どうも、RF電流値に関係するようです。

c.その他

  1.   全く同調していないアンテナなので、トランスの結合を介して、マッチングが採れるとは思っていませんでした。やってみると、うまく動作したと言う次第です。 本当にアンテナの輻射はOKなのか、測る術が無いのですが、最近、10月に入ってからのコンデション回復の中で、LPでのEU、AFの局とQSOできており、従来と同じです。

  2.   絶縁トランスは、これ以外にも試してみましたが、どんな条件でも、動作してくれます。ZCAT3035のコアを1個〜4個、1回〜4回巻、そして、トロイダルのバイファイラー巻、いずれも使用可ですが、僅かの違いで、ZCAT3035 2個 2回巻が最良です。 

  3.   浮遊容量は、構造(線種、相間寸法等)を工夫すれば、5pFは実現できるでしょう。3.5MHzにて、トロイダルのバイファイラー巻(35pF)では、TVのノイズであるバズー音が入感しますが、6.5pFのトランスでは全く感じなくなります。どうも、10pFあたりに、良否の境界があるのではないかと思います。

  4.   1.8MHzの受信ノイズが極めて小さくなり、DX局をより楽に受信できるようになりました。

以上

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