<その2.屋外アンテナチューナー制御ケーブルの絶縁装置>

記 2004年08月22日〜  ja3npl

  屋外アンテナチューナー(AT300、AH4)の制御ケーブル(13V、Gnd、Start、keyの4本の制御線)を 絶縁して(切り離して)運用できるようにしました。

  元は、アンテナチューナーの引き出し部に、そして、ケーブル引き回しの途中に、コアを入れて、高周波に対しては切り離す構成にしていました。
  しかし、コアを入れる処置をしても、自局の送信時には波が乗って、100mA余り流れてしまい、そして、受信時に、鉄筋アースからのノイズがアンテナにも伝わる状況がうかがえていました。




a.出来上がりの状況

  DC13V回路は、DC-DCコンバーターとして絶縁トランスで切り離す構成とし、Start、Key制御は、フォトカップラーで切り離しています。結局、入出力間は、33PFの浮遊容量での切り離し(結合)となりました。
  大きさは、長辺が145mmです。

  回路、基板の詳細などは、次の回路図、写真、PICマイコンソフト を参照下さい。(クリックで、別ウインドゥ拡大です。)


b.主要部分の構成

  1. DC-DCコンバーター

      市販のDC-DCコンバーターは、スイッチング周波数が300KHzあたりで、スイッチングノイズがVHF帯まで出ており、とても使えません。
      ノイズの出ないDC-DCコンバーターを新作する必要がありました。

      (AC100Vラインを追設し、100/12Vのトランスを介してDC12Vを作ればより簡単ですが、現ケーブルを変更したくなかったので。)

      パルスの周波数は100Hzあたりとし、パスコンをふんだんに入れて、矩形波の角を丸くするようにしました。

      パルス生成には、通例はパワーMOSFETが使われていますが、私は、モータードライブ用ICを使って簡単回路にしました。モータードライブ用ICは、ビデオデッキの廃却基板から回収したものです。図のブレーキの時間巾を加減して、出力電圧を調整するようにしています。

      内部抵抗による電圧ドロップを減じる目的で、Hスイッチは2個並列に、整流ダイオードはショットキーバリアにしました。


  2. トランス

      トランスは、ACアダプターを分解して入手しました。100/6V、22VA、分割コイル構造のもの。100V側を巻き直して、6/8.4Vのトランスとしました。一次、二次間容量は30PF。周波数を倍に上げれば、12/17Vのトランスとして使えます。
      DC12Vを印加して、7msで飽和したので、パルス巾4msで使っています。

      通例の、一次、二次コイルが重ねて巻いてあるものは不可です。(一次、二次コイル間の浮遊容量が500PFもあります。)
      通例のトランスの鉄心を一枚づつ解体して巻き直しをしようとしましたが、プレスで押さえて接着されていて、抜けません。 鉄心の解体できるトランスは無いのか..と永い間探していました。
      ACアダプターの入出力間の容量が小さいので不思議に思い、解体したら、幸運にも分割巻き構造となっていました。


c.失敗例

  1. トランス
      トランスについての知識が無かったので、沢山の失敗をしました。

      マイコンのソフトを書き換えて、色々な矩形波を試作トランスに加えて、計測をしました。

      結局、次のような知見を得ました。
    ・径2インチのフェライトコアでは、約10Wのパワーが伝達できる。
    ・飽和磁束密度の関係で、周波数は、数KHz以上となる。
    ・数KHzでは、高調波が20MHzあたりまで出ていて、減衰させるのは困難。
    ・分割巻き(33PF)では、磁束がやや漏れて、短絡インピーダンスが大きくなる、バイファイラー巻が好ましいが、線間150PF。
    ・驚いたことに、フェライトコアには、テスターで当たると、数KΩの導通がある。(材質未知のコアを判別する方法を発見。)このため、コイル/コア間の浮遊容量、コア/二次コイル間の浮遊容量が発生する。
    ・私の目的のためには、鉄心のトランスで、飽和磁束密度に達するまで、5ms以上流せるもの、ほぼ、握りこぶし程度の大きさのもの。
    ・無負荷の時に、飽和しやすい。常時負荷があれば、二次コイルに逆方向電流が流れ、飽和しにくく、より低い周波数、より小さいコアでOK。

      下は、巻いては測り..した試作品です。


  2. Hスイッチ
      最初に使ったHスイッチは、TA7267BP(定格1Aの仕様、基板から回収品)です。
      これを、使って、開放-正転-開放-逆転のスイッチングを行ったところ、逆起電力のサージが大きく、ノイズの発生が抑えられませんでした。試しに、ブレーキ-正転-ブレーキ-逆転に変えたところ、ノイズレベルが小さくなりました。
      追って、日本橋の店で、TA7257P(1.5A定格)を見付けて購入したのですが、うまく動作しません。ブレーキの動作時に、逆サージが発生します。内部の保護回路がはたらいているのかも知れません。   今は、TA7267BPとTA7257Pを並列にして使っています。

     

    ← TA7267BPとTA7257Pを並列。
    トランスの一次側電圧。
    プローブは1/10。
    電圧値は、+10V、-10Vの振幅。
    ねらい通りの動作をしている。


     

    ← 同上で、トランスの二次側電圧。
    電圧値は、+14V、-14Vの振幅。
    OK。


     

    ← TA7257Pのみ。
    トランスの二次側電圧。
    ブレーキ動作が行われていない。



  3. 直列のL

      元は、左図の様に、4本の制御線に100uHのLを入れて、高周波を切り離す効果を期待していました。
      実測の結果では、このLと絶縁部の浮遊容量が直列共振する周波数があり、かえって悪化する(誘導電流が増える)場合が出てきました。

      この箇所のLを短絡した結果、全HF帯で、より改善されました。



d.動作状況


・・ヒント・・


次回に続きます。

以上

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