ケーブル接続を無くして、雑音/誘導から逃れる方法

記 2004年06月15日〜  ja3npl

  シャックの機器のアース系は大変複雑です。100V電源のフィルターのアース、DC電源、各バンドのトランシーバ、各バンドの同軸ケーブル、ローテーター..などの長いケーブルが集まっています。自局の送信波の誘導は少なからず有る訳ですが、これだけ複雑な回路では、解析や推測、感も働きません。

  出来ることなら、これ等のケーブルを切り離して、もっと単純な構成にしたいところです。例えば、100V電源回路には、絶縁トランスを挿入して、高周波的に切り離しが出来るでしょう。

  この、単純な構成となるように、工夫、試行、失敗をしながら、道楽を楽しみながら、取り組んでみようと思っています。



<その1.VHF波テレメータによる制御ケーブルの省略>

  風向風速計、帯電センサーの検出部(屋外)と表示部(屋内)の間をテレメータで通信できるようにしました。
  元は、6芯制御ケーブル(約25m長)でつないでいたのですが、残念ながら、自局の送信波の誘導があり、何とかしなくてはと思っていました。
  1.9MHz/100W送信時に80mA、3.5MHzで60mA、その他のバンドでは10mA程度の高周波電流がケーブルを通じて、シャックに流れ込んで来ていました。

a.出来上がりの状況

  写真は、風向風速、雷センサーの所にテレメータ送信部を増設した状況、そして、表示部の裏側にテレメータ受信部を装着した状況です。窓際の電波の強い所では携帯電話程度の短いアンテナでOKです。

  左図の配置ですが、これをケーブルで引き回すと、壁穴を貫通し、建物の隅を渡って行くと25mもの距離になります。

  ACアダプターは絶縁トランスとなっていて、数10PFの一、二次間の結合(絶縁)となっています。



b.テレメータの構成

  左図のとおりです。

  周波数割り当ては、総務省の資料(http://www.tele.soumu.go.jp/j/freq/)を参照しました。



  パルスの仕様は、ラジコンで使われているものです。
  ラジコンのメーカによって少しずつ異なっているらしく、標準の仕様は不明です。
  結局、私の独自のパルスの設定です。

  データは20ms毎の更新、つまり50Hzですから、5Hz以下のアナログ信号を扱えることになります。



  




c.送信部

  基板の詳細などは、次の写真、回路図、PICマイコンソフト(CC5X)、ソフト(.asm)を参照下さい。クリックで別ウインドウ拡大です。ソフトはコピーしてMPLABに貼り付けできます。

  微弱電波はどの程度の強さなのか検討が付かなかったのですが、5mの距離ではこれで充分でした。TX終段入力は10mW程度、LPFでのロス、マッチングしていないアンテナ等から、出力は推定1mW程度です。
  FSKのデビエーションは71.914/71.950MHz(36KHz)でした。24MHzのセラロックとバリキャップが仕様不明なので、36KHzより広くすることは可能と思います。

d.受信部

  基板の詳細などは、次の写真、回路図、PICマイコンソフト(CC5X)、ソフト(.asm)を参照下さい。(クリック拡大です。)

  FM受信機の検波出力は、36KHzのデビエーションで0.9/1.1V(0.2V)の変化でした。Tr2段で0/5Vの信号に変換できます。しかし、FM受信の標準仕様は、±100KHzのデビエーションで0.5/1.5V(1.0V)です。もっと広く変調をかけるべき状況です。
  受信信号は、オッシロで波形を眺めていると、時々変形します。原因は、強力な電波(QRH/スイープしている)が入ってきている為で、ワイドバンドレシーバーでも感知します。インバーター蛍光灯のオンオフ時の発振ではないかと思っていますが。
  ソフトを工夫作成して、この強力な電波が入った時には、信号として採用しないようにすることが出来ます。また、信号が無い時の誤動作防止(スケルチの機能)もソフトで構築出来ます。このソフトの操作も楽しみの一つです。
  TVマラソン中継で画像が乱れそうになると、静止画に移行しますが、これも同じような操作なのかと思います。
  FM受信のローカル発振は自励で、周囲温度変化に伴い、100KHz程度QRHしますが、もともと、バンド巾が広いので支障となっていません。そのうち、温度係数の違うコンデンサーと取り替えてみようと思います。
  送受信の安定度ですが、送信側入力短絡(0V)で、受信側出力は、各チャンネルで、25mV、40mV、60mVでした。受信側PICマイコン内部のADRESHレジスターは、127/128と1bit交互に変化する状態で、理屈どうりになっていました。分解能は、-5/+5Vを256分割しているので、1bitが40mVです。従って、1~2bitの内に収まっていて、期待以上に優秀でした。

e.失敗例

  初めの構想段階では、受信出力部に8bit4chのD/Aコンバーター(20pinのDIP足IC)を使うことで、回路図を作っていました。ところが、日本橋に行って、AD7226やAD7304を買おうとしたのですが、なんと1個が5.6K以上の高価です。一旦帰宅して、通信販売を探したのですが似たような価格でした。
  結局は、1chにPICマイコン1個をあてがうことになって、PIC マイコン1個が0.3Kなので安価には出来ました。D/Aコンバーターを使ってみたかったのですが、少し、残念でした。


・・ヒント・・

  1. 同じ方法を使って、アンテナ基部のチューナーをコントロール出来そうですが、少し問題があります。やはり、微弱電波とは言え、余計な信号電波であり、真にスプリアスです。チューナーのコントロールには、双方向通信が必要で、さらに、一波の至近距離のキャリア発振が生じるのは望ましくありません。
    赤外線通信や光ファイバーが魅力となってきます。
  2. ガラス戸越しにケーブルを張らなくて済むのは楽ちんです。防犯・セキュリティー設備にも使えそうです。


次回に続きます。

以上

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