記 2003年12月10日〜 ja3npl
私の集合住宅最上階では、強風、突風がよく吹きます。
動作原理は、ロッド・アンテナが風に吹かれて曲がる現象そのものです。
風を受ける棒の根元の曲げモーメントを歪ゲージで検出します。
別の見方では、アンテナ・タワーの耐風圧の強度計算と同じです。
しかし、曲げモーメントが、風速(v)の二乗に比例すると言うのは不都合です。(例えば、風速10m/sで表示量を10目盛とすれば、20m/sで表示量が40、40m/sで表示量が160となります。)
そこで、ちょうど風速20m/sで45°程に折れ曲がる様に、バネ系を棒の途中に入れると改善されます。
45°付近では、風圧が強くなると棒が傾いて受風面積が減る..ということになり、曲げモーメントは風速に比例するようになります。
風速(v)の二乗と、角度、三角関数の二乗が関係する計算式となります。数値を代入して計算した結果が左の特性カーブです。
10m/s以下では、棒がほとんど傾かないので、v^2に比例のカーブです。10〜20m/sの間は、vに比例のカーブです。20m/s以上では少しずつ飽和のカーブです。
計算式のメモは こちら にあります。
垂直固定の棒の部分の長さを長くすれば、風速(v)の二乗で増える歪量を加算でき、特性カーブを、さらに、右上がりにできます。
左の写真のように、棒の根元になる構造部分に歪ゲージを貼り、電気信号に変換します。
棒の軸を上から見て、X軸(東西)、Y軸(南北)の直角方向を検出できるよう、四方に配置します。
歪ゲージはブリッジに組み、数100倍の増幅をして検出部の出力とします。
左の写真は、塩ビのパイプ(外径7mm)に、5mmのゲージ(薄膜検出部の長さが5mm、ゲージ全体の長さは10mm程度)を貼っています。ゲージ1枚が\210程度。
10点レベルメーターを4組使って、LEDを(+)形に並べ、±x、±yの信号を表示するものです。青色のVR4個はそれぞれ、x、y軸のゼロ点、ゲイン調整です。
この仕組みは、オッシロスコープと同じです。この表示装置の代わりに、オッシロスコープに入力しても、光点の移動が風向風速を表すことになります。
上方の+yの方向が北です。+xと+yの振れが同じ位だと、東北方向の風と判別します。 風速は、+xの振れと、+yの振れを目分量でベクトル合成して読み取ります。
| km/h | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | 90 | 100 | 110 | 120 | 130 | 140 | 150 |
| m/s | 2.8 | 5.6 | 8.3 | 11.1 | 13.9 | 16.7 | 19.4 | 22.2 | 25.0 | 27.8 | 30.6 | 33.3 | 36.1 | 38.9 | 41.7 |
内容は、受風棒と歪ゲージ部の製作要領を、
拡大撮影の写真を並べて示すものです。
内容は、基盤の拡大写真、回路図です。
内容は、基盤の拡大写真、回路図です。
内容は、基盤の拡大写真、回路図です。
風向風速計は、冬季の半年程の間、トラブル無しで動作しています。先日、はしごを掛けて検出部を点検しました。
@内部の浸水、結露の気配なし。ケーブル引込み部の水きり構造の適当な隙間が良いようです。さらに、内部のICや歪ゲージ部の発熱が1W程度で、若干の温度上昇があり、結露対策に効果があるのでしょう。
Aプラスチックケースの上面が、日射により、白っぽく変色していました。
左のように、0.5tのアルミ板を使って、陽避けを追設しました。さらに、黒色の防水カバー部にアルミ箔を巻きました。(写真は、アルミ箔を巻く前です。)
陽避け対策前は、日射による温度上昇で内部は60℃程度に達していたと推測します。ゼロ点が1/10点(LED)ほど移動した時もありました。
左向こう側が風向風速計、手前が雷センサー。
風向風速計は、1年程の間、そのままの状態で、動作しています。6月に検出部(屋根上)をテレーメータ化しましたが、その後、改造や、点検など、何もしていません。
風受け棒は、杉の丸棒にニスを吹き付けた物ですが、今は、ニスが劣化して取れています。木の地肌が出ていますが、このままで支障なしと見ています。
ビニール・チューブ(ストロー)は、劣化してぼろぼろに砕けていますが、バネが棒を締め付けているので、このままで支障なしです。
10月20日過ぎの、台風21号、23号では猛烈な風が吹きました。瞬間的には、表示が振り切れ、推定50m/s以上です。風受け棒は、ほぼ、水平にまで、倒れていました。台風対策をしていたベランダの植物も倒れたり、転がったりしました。風向風速計には、損傷無く、そのまま、動作しています。
歪ゲージのゼロ点バランスは、春から夏までの間、気温が上昇するに合わせて、ずれる傾向が有りました。(感度HighにてLED1/10個ほど) でも、夏を過ぎてからは、全く、安定しています。一度、最高温度までエージングして、ゲージ周辺の接着剤が応力緩和すると、安定するのだろうと思います。
所期の目的の、強風時にはアンテナを上げない、アンテナを風圧から保護する、という運用に役立っています。
以上
*戻る*